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「今はもう、一人で飛んでもつまらないということよ」 by
ダイアナ・イレヴンス
一組の男女が出会って、惹かれ合い、いつの間にかお互いがいなくてはつまらない状態になる。 そんな相手に出会えて、さらに想い合うことができたなら、それは相当に幸せなこと。
5巻まで読んで判ったのは、なるほどはじめからこれが頭にあれば、『ハーレクインロマンス』を描きたかったという作者の主張はあながち間違ってはいなかったってこと。SFもどきの、バイオレントで大胆な展開に目を奪われるけど、テーマは恋愛だったんだってこと。 ただ、それが最後の最後で唐突に出てきたのは不満が残る。 もちろんすべてのつじつまは合う。切ない中にも希望の残るきれいな終わり方をしている。そういう意味では茅田砂胡はうまい。だけど、最後に遺書で種明かしなんて、『心』(夏目漱石)じゃないんだからさあ……。もうすこし恋愛要素を途中に散りばめてくれていたら、恋愛ものとして統一感のある話になっただろうと思います。元々は一冊か二冊で考えられていたというスカーレットウィザード。幽霊星関連のねたやアクションシーンを盛り込みすぎたために、当初のテーマだったロマンスが薄くなってしまったんでしょうね。 それと、展開が早すぎて(?)ケリーが最後別人のように感じてしまったのも残念。まあこれは考え方を変えれば、ケリーってジャスミンにかなり惚れていたってことですけど。それこそ、生き方を変えられるほどに(そう言えば、1巻で彼は「男の純情」について主張していたっけ)。そんなに他人に執着するように見えなかったから、驚くと同時に可哀相になってしまいました。 でも、こんなふうに男を惚れさせることができたら女冥利に尽きるね。ジャスミンは幸せだったと思う。初恋を叶えて、しっかり望みのものを、それ以上のものまで、手に入れた。 彼女が自分の身体のことを最後までケリーに伝えなかった理由はちょっとだけ判る。ケリーが大好きだったから迷惑も心配も負担もかけたくない(そうじゃなくても、5年も地上に縛り付けてしまったことに罪悪感を覚えていた)。それに、最期の一瞬まで彼とは楽しく過ごしたかったんじゃないかな。願いは全て叶った。天命という制限はあったけど、彼女は幸せだと思う、それが理由。 だけど、とらわれて、ひとり残されてしまったケリーは? 生き方を変えてしまえるほど惚れた女においていかれた、ケリーは? 彼のことを想うほど、スカウィは切ない物語になる。 ケリーを裏切った罪は大きいよ、ジャスミン。次に起こされたときには覚悟をしておくんだね。
April 13th, 2001 |