(7月某日)驚異の女性格闘家たち

 NHKの「フロントランナー」見ていたら、筑波大柔道部の世界チャンプ・前田桂子が出演。会話の中で逐一変わる表情が愛らしく、一夜にして人気がブレイクしたのではなかろうか。稽古で膝をつかされただけでもムキになって相手を投げるというが、負けん気だけでなくその背負いが強烈だ。世界選手権でいずれも一本勝ちだったというのは知っていたが、その前には十キロも重い阿武まで綺麗に一回転させていたのにはびっくり。同じ兵庫県出身というのもあって画面にクギづけになった。

 それにしても、引きずりざま相手の股間に潜り、フルスクワットの状態から一気に持ち上げる背負いというのは、男では見たことがある(七○年代に一世を風靡した藤猪のがああではなかったか?)ような気がするが、女子もここまできたというのに驚く。というわけで、ウェイトを切り上げてこのところ参加していなかった金曜にも柔道稽古を。しかし打ち込みでかがんでの背負いを真似てみると、手首と肩が極まったようになって痛い。柔道の技というのは体型や柔らかさによって本当に人それぞれ。このところ、相手を崩さずに自分の都合だけで背負いに入るのに限界を感じていたが、しかしこの低い背負いで打開するのも無理と悟った。

 そこで、空手でもパンチ・蹴りは左右にリズムをつけてフェイントしてから打ち込むのを思い出し、前後の崩しを入れて投げにいくと、これがなかなか良い。右手で襟を「クン」と前に引いてやってから大外にいくと、日頃手を焼いている百二十キロの人がもんどり打って倒れた。調子にのって小内から一本背負い、小内から左つり込み腰を試すとこれも入れる。そうか、前後の崩しが必要だったのか。原理は空手も柔道も同じなのだな。そういえば、格通の朝岡編集長は、ホーストについて「崩しのうまいキックボクサー」と形容したことがある。これも原理は同じということなのだろう。

 話を戻すと。それにしても、女子の向上というのは凄いものだ。前田選手は美形ぶりにも感心したが、かつての女・三四郎は山口香で、彼女は小内に体落としといかにも女性の柔道だった。それが股間に潜る背負いでは、髪が乱れるどころか肩もいかつくなる。それなのにかわいいというアンバランスさに時代のエッジを感じた。大道塾でも、こないだの八王子大会では女子トーナメントで名花・八島女史がついに「頭突き」をかまして優勝したのだとか。おとろしや、彼女、一体どこまで行ってしまわれるのであろうか。

 その点、横浜女子部のホームページで知った新宿女子部のHPは微笑ましい。漫画も極上級。おーい、アパレルの「カーマン商会」社長・K村女史、貴女僕より先輩ですがまだ新宿女子部青帯ですか。面白い後輩が育ってるのにね。 

 

(7月某日)朝のプール、夜の池袋−付記

 土曜は夕方からみっちり稽古(とアフター稽古)に励むので、午前中は家庭サービスとして息子につきあう。区営の「けやきプール」が開いたので浮き輪を自転車にぶら下げて行ってみた。プールサイドをぶらぶらしていると、あまり普通の体型ではないらしく、じろじろ見られる(気がする)ので、水に入る。日射は肌に痛いほど強いのに、水はさすがに冷たい。

 小学生の頃は夏は毎日泳ぎに行っていた。誰にも教えてはもらえなかったが、唯一の公式記録が50m平泳ぎで県の二位だった。ところが中学に入ると喘息体質となり、部活では水泳するたびに発作がおきるようになる。仕方なく柔道を始めると、なぜか発作は収まり、今日に至っている。

 それでも二十代の後半から数年、空手を始めるまで近所のプールで泳いでいた時期がある。最近ではその練馬のプールは日本記録保持者を輩出しているらしいが、なにしろおじさんクラスである。一つのコースを十人くらいで泳ぐのだが、中には六十という歳の割りにはえらく筋肉質で、いつも先頭切って泳いでいた方がおられた。顔はほとんど仙人。五十分の練習の後も居残っていたから、最低2.5kmは泳いでいたのではないか。その方に引きずられて、私の記録は25mでクロール14.2秒というところまでいったが、どうしても13秒台にはいけなくて終わった。ところがバタフライを測ってみると14.7秒。終始滅茶苦茶に腕を回し、水中で流れに身をまかせたりしないやり方である。

 ところが今回やってみると、肩に筋肉がつきすぎというのか、もしくは一方向に偏ってついているということなのか、ひどくボキボキいう。仕方ないので立って腕だけ回してみると、背筋やら肩の中やらが、ひきつる。ウェイトやサンドバッグのやりすぎなのだろう。基本にしても、一つパンチにつきひとつの方向で筋肉を使うように何万回も反復しているわけで、それ以外の方向には弱くなって当然だ。クロールでも水をかくのは良いが、前に引き戻すのがつらい。以前、普段やっていない右ボディをフックで強打したところ、一年間肩の痛みが消えなかったことがあるが、水泳はときどきやった方が良いのかもしれない。息子もウルトラマンクラブよりこちらの方が楽しいと言っているし。

 というわけで、午後は空手。新道場は二度目だが、いつもの通り三十人強が参加。ところが最初にソフト・クラスとハード・クラスに分けたところ、いつもは五・六人しかソフトに回らないのになぜか半数が二階に行ってしまった。それでこっちは相手のパンチに対する右ストレートのカウンターやスパーをこなしたが、クーラーが入っているはずなのにやたら暑い。今野二段の周辺など、基本のときからすでに百滴は汗が散布されている。道着がずぶぬれ状態になって稽古終了。二階に行ってみると、なんと、涼しい。皆、楽しそうにシャドーとかやってる。これだったのか、と納得した次第。

 夜の池袋は大変な人だかり。ボーナス後だからか。飲み屋は沢山あれども十人を収容できるところはなかなかない。いくつも振られて、ついに西口に。かの「ふくろ」がビルになったというので訪ねると、三階の座敷はすいている。かつてはビール大瓶が380円だった店。労働者の友である。好評だったので、ちょくちょく世話になるかもしれない。次回分を予約すると食べ物は半額になるという、価格訴求型の飲み屋の典型である。

ところで書き忘れていたのだが、練馬でご一緒したという仙人のようなスイマーには後日談がある。一緒に教室にいた方が新聞で知ったと教えてくれたことなのだが・・・、スポーツ紙の連載小説が切り替えになるとかで新しい作品の作者が紹介されており、そこに写真が添えてあった。それがあの「仙人」氏であったのだ。その横には作家名が、「泉大八」と記されていた。

 

(7月某日)背負いの前田式と太田式

  世田谷のNさんから、先日柔道の前田選手の背負いについて記した件について、メールを戴いた。非常に興味深い内容なので、掲載しておきたい。(Nさん、大丈夫だと思っているのですが、もし掲載に問題があるならメール下さい。)

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「以前より「思考の格闘技」ホームページを拝見しています。2年前の31歳の時から、マイペースで鍛練を始めた自分にとって、レベルやジャンルは違えど、とても興味深く、勉強になっています。

 さて、先日お書きになった前田選手の背負いですが、私にとっても非常に印象深いものでした(もちろん私は柔道の素人です)。というのも、現在毎木曜日に早稲田大学で受講している公開講座「社会人のための楽しいレスリング」(太田章助教授)で教わった一本背負いにそっくりだったからです。

 「絶対にかかる一本背負い(太田先生曰く)」の手順は次の通りです。

(1)左手小指で相手の右腕を引きつける、と同時に右腕で相手の右脇を差し上げてロックする。
(2)180°方向転換、相手の股間にもぐりこむように正座(1アクションで)
(3)額をマットにつけるように相手を投げ、押さえ込む。

 という具合ですが、これらは一呼吸で行います。特に(2)の段階では、ステップインもすることなく、一気に相手の腕にぶら下がるように正座した状態で飛び込みます。この時つま先を立てていると姿勢を低くできないのでうまくいきません。足の甲から着地するつもりでやらないとだめなようです。

 違う部分は(1)の段階でしょうか。前田選手は柔道着をつかんで投げるわけですから我々のように相手の腕を固めるわけにもいかないでしょう。おそらく相当なスピードとパワー、そして意表をつくタイミングで相手を引き込むのではないかと思います。

 ちなみに、レスリングの教書にこの方法は書かれていません。太田先生が実戦の中で身につけたものなのでしょうか。いずれあらためて聞いてみようと思います。ひょっとすると「あれは似ているけど違うよ」という答えが返ってくるかもしれません。その際はお知らせいたしますので、ご容赦ください。それでは、失礼いたします。」

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 さっそく、返事メールを出す。

初めまして。大変貴重な情報をお寄せいただき、有り難うございました。

 実は私が現在稽古している高円寺の道場で先日、前田選手の背負いについて話題に出したところ、柔道では最近、お書きになっているタイプの背負いは禁止されているという返答を師範から得ました。投げられた方は顔から畳につっこみ、海老ぞって背中を痛めるから、というのがその理由です。

 それが本当だとしたら、レスリングで合法とされているのは、恐らく道衣をつかめないために、柔道ほどきつく引くことができず、畳との衝突が緩やかになるからではないかと想像します。

 ちなみに太田式の背負いは、柔道では古賀や吉田を破った韓国の強豪・全選手がかつて使ったのを見たことがあります。禁止されているといっても、稽古ではということなのか、講道館ではということか、国際式なのか、私にはよく分かりません。柔道でも太田式背負いが存在することは間違いないようです。

 ただし、それと比較すると、私の見た限りでは、前田式は別のものであるような気がしました。というのも、前田式では、股の間に尻を入れ、そこからスクワットのように持ち上げて、相手を背中から落ちるように一回転させるからです。太田式だと顔から落ちるのではないでしょうか。

 ところで、私が属している大道塾空手では、機関誌として「大道無門」を発行していますが、次号では太田先生と当方の初期のチャンピオン・岩崎弥太郎さんの対談が掲載されます。両者は高校の全日本レスリング代表として一緒に渡米した仲なのだそうで、後に岩崎さんが空手に転向したのです。

 ともあれ、貴重な情報を、どうも有り難うございました。太田先生がこの件についてどう仰るのか、興味津々です。   松原隆一郎」

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  すると、さっそくNさんから返事が来た。どうも有り難うございます。

「確かに前田選手の背負いと我々が教わったものは別物だと思います。柔道の世界チャンピオンにしか出来ない技と、素人が不格好ながら出来る技が、同じはずはありません。似ているとすれば、相手の股ぐらに素早く潜り込む動作でしょうか。相手のバランスを崩す合理的な原理がそこにあるような気がします。

 あと、我々はどうしても担いでしまうので投げられる人間は頭を打ってしまいがちでしたが、太田先生の場合、するっと相手の肩から背中へと転がす要領で、とても柔らかくスムーズなものでした。(いつもそうなのですが、先生のお手本はスムーズで、とても簡単に見えてしまいます)

 なお、前回の前田桂子選手のトップランナーは、7/7(金)14:15にBS2で再放送するそうです。」

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 私なりの分類では、同じ背負い(太田だけが一本背負い)とはいえ全・太田式と藤猪・前田式は別ものということになるのだが、それでもしゃがみ込む動作まではタイミングも含めて同じような気がする。そもそも私がこの件について関心を持ったのは、「ちゃんとした柔道を」ということで相手にがっちり道衣を持たせると、引き手を絞られてそもそも背負いに入ること自体が無理になってしまうことにある。田村亮子選手などは、したがって相手とガッチリ組む前に投げてしまうようで、これは日体大もそうなのだそうだ。打撃ありにすると、これは投げとしては有効かもしれない。もうひとつ、私と同じ道場のK選手は、左組みなのでスルっと相手の股間に潜り込む。それで百三○キロの巨漢を一回転させるのだから壮観だ。けれどもこれは組み手がけんか四つなので組勝てばで入りやすいということだ。右同士で背負いに入るにはどうすれば良いのか?

 ところが前田選手のは、がっちり組んでいる体勢からも投げたように見えたので、驚いたのである。あの入りは一体どうなっているのだろう?再放送は、ビデオに収録してみたい。                

 

 

(7月某日)岡野式ステップ柔道と格闘空手

  私は空手家であるので、柔道を再開したといっても、それは柔道を格闘空手に生かしたいと願っているからだ。格闘空手の場合、肘・膝や組み合ってのパンチを認めているから組むといってもどうしても密着が多くなり、これまでは柔道よりもレスリング的な投げが重視されてきた。そのうえグレーシーやバーリトゥードとの接触以前は寝技においてもポジショニングの概念がなかったため、UWF的な関節の取りっこが主流だった。つまり立ってもムエタイ的な裸、寝てもレスリング的な裸が暗黙の前提だったわけだ。

 ところがこうした流れはバーリトゥードによって一変する。ホイスvsシャムロック戦で不用意な足関節はマウントを呼ぶということが明らかになり、ポジショニングという概念が脚光を浴びた。要するに柔道の押さえ込みの意義を再評価するということだ。こうなると道衣を使う意味も出てくる。そのうえ立ち技でもつかみからのパンチを認めると、こちらも道衣の意義が大きくなる。そこで私は、大道塾と他の総合格闘技の最大の相違は道衣にあると思うようになった。それで柔道を再開する気になったのである。組み合ったら確実に投げることができれば、効果ないし有効が取れる。これは大きい。

 ところが私は高校時代、ちゃんとした現代柔道の指導を受けてはいなかったため、ただ止まった位置から無理矢理巻き込んで投げるような乱取りばかりしていた。体サバキなどまったく知らなかったのだ。崩さずに投げようとするから、力比べになってしまう。それでも若いと良いのだが、大人の柔道は崩しが入る。力がない相手にも崩しで投げられてしまうのだ。左組みのK君と乱取りすると、組んだ段階ですでに上体を崩されているから、簡単に内股を食ってしまう。こういった崩しを知らないと、ただ力任せに投げ合うことになり、受ける側も引き手をつっぱったり相手に道衣を取らせないでふり回したり、技とは呼べない水準で進歩が止まってしまう。私は相手の内股や背負い、足技に対してカウンターの足払いなどは得意なのだが、自分から崩すことができない。カウンターを狙う場合でも、相手に崩されているとこちらが技を合わせる前に投げられてしまうのだ。

 手の組み方で崩す、相手の技を受けて反転して技を掛ける、さらには移動して(前後・左右・回転)崩す、などのやり方があるはずである。けれどもどうしたらよいのか、高校時代からまったく分からないままであった。ところが先日、岡野功氏の『柔道指導法』なるビデオ(2巻)を買い、見てみて、驚いた。私の疑問に、すべて答えてくれているからだ。私が欲しかったのは、こういった指導であった。

 たとえば後に相手を引きつつ移動しながらの内股というのは、下がりながら技に入る瞬間に飛び込もうとする(前に出る)と、密着しすぎて距離が合わなくなってしまう。岡野師範はそれを、飛び込まずに相手をより引き寄せるように投げればよいと述べる。右に移動しながらの背負いは相手の正面に入ると相手が右に行きすぎてしまうから相手より右に入ること、などいちいち合理的。ステップすることで崩すのが柔道だ、というのがようやく納得いった。

 それにしても、ちょっと斜めを見ながら大声で指導する岡野師範は奇術のゼンジー北京に似て、実に味わいがある。戦後日本の生んだ最高の武道家の一人かと思うが、引退後指導に回ってもこうした巧みな解説術で一時代を築いておられる。普通の教則本は、ただ技の入り方を書いてあるだけで、そこにどう入るのかが書かれていない。複雑にステップしながらの足払い(左送り足払い→右の膝車→左の出足払い)など、まるでジャズのインプロビゼーションである。それが簡単な原則の積み上げから説明されるのだ。天才選手で指導者として説明する言葉を持たない人は多いが、岡野師範はさましく天が二物を与えた人物だといえる。日本柔道は技重視で外国柔道は力だといわれるが、なんの日本柔道だってどこが技なのかよくわからん、と私など永らく思ってきた。しかしこのビデオには技のなんたるかが具体的に示されている。師範の実演は見た目は神業だが、それが合理的に説明されるのだから、まさに心に染みていく。この方は本質的なイノベーターだ。

 ところで、これでようやくある「謎」が解けそうな気がしてきた。というのは、我が東塾長の組技である。昨年の塾長の昇段審査の折り、塾長は直後に体力別でぶっちぎりの優勝を飾ることになる飯村健一選手と組み合い、膝をすかして足払いから有効を奪っているのだ。私はあの技術が一体何なのか、ずっと気になっていた。あれは首相撲の「こかす」投げではない。ではなぜ飯村選手の膝は塾長の腹にヒットしなかったのか。

 あれは、組み合ってのステップ・バックでかわしたということではないのか。岡野師範が実演する大きく下がってからの技の入りと、塾長の下がりながら相手の膝をスカしての足払いは似ているのである。それが本当なら、柔道のステップは格闘空手に使えることになる。東塾長が塾内では例外的にムエタイにさほど関心を持たないのは柔道のステップがあるからではないのか。

 今年からは中山が北斗旗に帰ってくる。警察官になって柔道はまったく初心者から始めてそちらに専念していたが、警察対抗試合で赤坂署のポイント・ゲッターになったという。これは警察官がなかば柔道のセミプロであることを思えばちょっとした「事件」である。中山がどんな組技を見せてくれるのか、本当に楽しみだ。

 まだビデオも二回見ただけだが、これはノートを取って詳細に分析する必要がありそうだ。柔道を空手に生かす余地は、相当にありそうな気がしてきた。

 

(7月某日)打撃と組技、ウェイトの筋肉

  先日みなみ治療院に行ったところ、最初にマッサージしてくれる(といってもゴリゴリと痛いやつだが)女性が、私のふくらはぎに指圧しながら「松原さん、筋肉が変わってきましたね」と言う。確かに柔道を始めてから、バランスを崩されないように踏ん張るようになっているのでその筋肉が増えて、一方背骨を軸に体を回すような打撃系の筋肉はさほど酷使していないのかもしれない。

 今週、荻窪支部で久しぶりにみっちり飯村支部長の指導を受ける。グローブをつけて互いにジャブの応酬をしたり、ジャブ・ジャブ・ハイ・フック・右ローとかの複雑なコンビネーションを15回繰り返したりする。別に自分の組み手で使える技でなくとも、体のバランスやキレが良くなる感じ。ところが稽古が終わると、上腕とふくらはぎが酷く痛む。上腕は相手のパンチをグローブで受け続けたから、ふくらはぎは相手のパンチをサイドにスリップして床を蹴ってストレートにつなぐ稽古を反復したから。こういった反復はこのところサボっていた。てきめんに筋肉痛になった次第。

 そういえば、柔道的な組技の筋肉はウェイトの筋肉とはまったく違う。今月号の『ゴング格闘技』でビル・ロビンソンと桜庭が裸の組技で使う筋肉はウェイトでは鍛えられないという話をしているが、道衣ありだとつかんでの振り回しがあったりするから、なおさら筋肉の種類が違うような気がする。ということは、私の場合、ウェイトの筋肉と打撃の筋肉と柔道の筋肉が同居しているわけだ。

 それでもウェイトを生かそうとすると、組技に一番効果があるのはデッド・リフトではないか。これもさぼっているので次回から取り入れてみようと思う。

 というわけで、このところウェイトに対するモチベーションが下がってきている。私の場合、ちょっと稽古に間が開いたときに体調を戻したり、打ち負けないよう自信をつけるために行っているのだが、柔道をやる限りあまりにも無関係に感じる。選手としてウェイトをやっていない柔道家にマッチョな人はいないのはそれゆえだろう。ポヨポヨした体型のおじさんがとてつもなく引く力が強かったりする。これは打ち込みの反復でつけた力なのだろう。それで、ウェイトは上・下半身を二回に分けて、時間の短い柔道(1時間)と荻窪支部(1時間強)に行く日に、その前にやることにしている。ウェイトでわざわざ一日を取るのはつらいからだ。

 ところでここでもしばしば取り上げている八島女史(ゴメンね)、こないだ本部に来られて写真撮影会があった由。見かけた者によるとえらい腕をしていたそうな。三頭・二頭筋肉がパンパンだとか。プロテインの効果が現れたのだろうか。