| (1月20日)爆笑新年会 雪の降る中、本部での稽古を終え、上野の旅館「水月ホテル鴎外荘」に移動。昨年末から企画していたビジネスマン・クラスの新年会だ。
ここ数年、ビジネスマンクラスでは忘年会・新年会が途絶えている。かつては箱根や熱海でやったものだが、往復に時間をかけ、金もかかるので、一度上野でやってみたことがあった。ところがそうすると泊まり予定者が帰ってしまうということがあり、新年会の理想型がどんなものが分からなくなってしまった。そんなこんなでついやらないままになっていたのだが、ある飲み会で無級の「ミニスカ・パンクラス」(ミニスカートをいつも来ていて、パン教室の後に総本部にやってくる)根本美奈子さんが「新年会で先輩にお化粧してあげたーい」とおっしゃり、つい毒気に当てられて決行することにしてしまったのだ。
根津駅から旅館まで、雪で頭がべちゃべちゃになる。待たせていた根本さんがホールからうれしそうに飛び出してきて出迎えてくれた。さっそく部屋割り、風呂に入る。古代檜・漆塗り風呂とかいうが、とにかく熱くて生き返った。七時から塾長も迎え、十九名+幼児一名(ウチの息子)で大広間へ。個々人に卓が用意されている。久しぶりに和風広間での宴会だ。こんなの、祖父が生前に自宅で正月にやってたの以来かなあ。あのときは会社の人たちが集まっていたものだ。
さっそく乾杯。塾長からご挨拶いただく。去年はご子息を亡くされたこともあり、本当はとても出歩く気力などお持ちではないのだろう。けれども今年は世界大会が開かれる。若手塾生ならともかく、我々は年の功も得ている。なんとか励まして差し上げたい。
まずは食事しながら自己紹介。家内も挨拶。「本当に稽古してるんだかどうか疑わしい」と発言。そんなことないって、みんなが証言してくれるでしょ。仲居さんが次々に食事を運んで来てくれて、これはこれで風情がある。太田胤信さんは鴎外の縁戚に当たるのだと漏らす。そこに「おかみ」登場。三つ指ついての挨拶も妙。これからバカ騒ぎが始まるというのに・・・皆、次第に席を離れ、つぎつつがれつ。
いよいよ宴会場のカラオケが始動。太田君、なにやら紙を見ているから覗いたら、これが詳細なシナリオ。さすが「宴会司会の鬼」。幾通りかのパターンまで準備してある。
「北斗旗カラオケ道選手権開催!!」太田君の絶叫とともに、ふすまを開けて飛び込んできたのが河口君と平石君。河口君はスキンヘッドにひげ面。それが茶髪のカツラでまるでなまはげ。それでナース姿である。平石君は一応バドガールの衣装だが、どうみてもアマレスラー。胸が露出してしまっている。これに根本嬢は得意のナース姿。歌うは「LOVEマシーン」。
これには笑った、笑った。一同悶絶の大爆笑である。とくに途中、「ウォウ・ウォウ」と生やすと河口君がスカートの尻をまくり上げ、そのうえ猿股を股間に挟み込んで、絶妙のリズムで尻振りをやる。鍛えられた尻なので角張っていて、これをコキコキと左右に動かしながら客席を一つづつ回るのである。塾長も顔を赤くして喜んでおられた。途中、高山さんが乱入すると、平石君は組み伏せてマウント・ポジション。ここから顔面パンチでなく股間をこすりつけつつ腹から胸に移動するという荒技に。これも笑った。涙が止まらなくなる。
続いて太田さん用意のシナリオによる「通販生活・格闘空手編」。これは上野・酒井両君が熱演。スパーしてしばしばキレて殴り合うのを防止するためのサプリメントのご紹介。それにしても、宴会の司会をするだけなのに、何頁もの手書き原稿を準備する太田さんの熱さには舌を巻いた。これもビジネスマン・空手道ではある。
引き続き怒濤のカラオケ道予選。私は審判長だ。田中先輩の「孫」は、うまいんだがなあ。なんか面白くないので92点。誰だったか?頭にサビがあり、そのフレーズを歌った途端会場のあちこちからバツが出て、曲が打ち切られる。まさに秒殺。高山さんは談笑していて「あんたのバラード」で最初のサビの部分でマイクに届かず、うろうろしているうちに歌う前に曲が切られた。こっちは0秒殺。
塾長夫人が「サントワ・マミー」を熱唱されたので、小生、やおら立ち上がって今野さんにお願い、夫人とダンスしてもらう。唄は私。そうすると塾長がすっとんでこられ、「だめだ、手を握るだけにしろ」と真顔。とすると愚妻がしゃしゃりでて、「ならば私がお相手します」と塾長とチークを始める。私は歌い続けたが、ここに息子が泣きべそで乱入。「ダメーっ」と家内と塾長の間に割ってはいる。これで落ちがついた。
最高点は今野さんの十八番「イヨマンテの夜」が98点。これも2コーラスで打ち切られる。理由は「これ以上続けるのはイヤミだから」。「場の空気が読めてない」「飽きてきた」などの理由で出てくる曲が次々にカット。てきぱきした進行に、爆笑爆笑。胸に「世界平和」と書かれたTシャツの井上まゆみさんの「学園天国」もおかしかったな。
結局、ミニスカ・パンクラス根本+ダンサーズが95点、田中先輩が92点で上位三位とする。この三人で今回不出場だったディフェンディング・チャンプ中村哲也さんへの挑戦権を賭けて優勝決定戦に移行する。
合間に塾長の唄も。これは番外。「柔」など柔道関係の唄を連唱。たしかに柔道の唄は深みがある。
結局、優勝は「群青」の今野さん、「青い珊瑚礁」の根本さんという新年会発案者コンビ。ともに92点で同点である。しかし場を無視してムード曲を歌い上げ、カットすらさせない迫力のチャンプ・中村さんへの勝ち目ということで、根本さんを暫定チャンプに推挙する。彼女、優勝の弁として、「次回はよりパワーアップしたダンサーズとナース姿を披露します」と確約。
しかし、根本さんというのも変わった人ではある。塾長夫人がさかんに金曜の女子部に参加するよう薦められるのだが・・・あれは女子の一般部である。根本さんはその点、女子のビジネスマンクラスなのだ。なにしろ入塾動機は「痩せるため」。口癖は「強くなりたくなーい」。ガード・ポジションで相手の襟を持つと相手について体が移動するという稽古をしたときの感想が「お掃除みたーい」と仰った方である。これでどんなプロテインを飲むべきか、胴当てはなしにしようなどという話題が当たり前の女子部についていけるはずがないではないか。それでも最近は爪が少しずつ短くなってきているのでシメシメと思っている。ま、彼女が普通で我々がヘンなのかもしれないが。
爆笑のうちに新年会は終わり。塾長、少しはお気持ちは晴れましたか。
起きると、外は快晴。雪解けの早朝、朝日に雪時雨が煌めく不忍池を、四人で連れだって散歩。上野の朝というのも風情がある。
なかなか好評だったので、次回は、世界大会への結束を固めるために、五月の体力別後、宴会のみで行いたいと決意する。だいたい要領が分かったので、今回出席いただけなかった加藤・高松両先生も招待しようと思う。
それにしても、座敷でカラオケというのはなかなか楽しい。これだけの精鋭の宴会芸が楽しめるというのはなんという僥倖であろうか。キラ星のごとき至芸の続出である。十年分は笑った気がした。 |