(11月某日)

日々の忙しさにかまけて、日記を書けないでいる。

それでも楽しいことというのはあるもので、毎週末にビジネスマンクラスで師範代をして、他には出稽古をしている。出稽古は、飯村師範代の吉祥寺支部が常設となり、いつでも行けばサンドバッグを叩いたりミットをもっていただけるので、時間がやりくりできずに定時稽古には出られないビジネスマンには大変便利である。

大道塾は社会体育をモットーにしているが、社会人は忙しいので定時稽古はせいぜい週に一回しか出られない。それでも後ろ髪を引かれる思いで何ヶ月がブランクのできる方も多くおられる。いつでも何分間でもサンドバッグを叩けるシステムは、まさに社会体育向けだ。

今週は息子の八王子大会があるので、三回も息子を連れてお邪魔し、息子の稽古後に私も飯村支部長にミットを持っていただいた。

飯村支部長は今後、指導者一本で身を立てていかれるのだが、この出発は本当にうれしい。これまでもいろいろとご指導いただき、一部は自分の指導に還元させていただいているし、息子の先生でもあられる。けれどもそれ以上に、武道家として社会に定着していかれる方が身近におられるのがうれしいのだ。

今春息子の八王子大会が終わったあと、吉祥寺で下車した折り、たまたま不動産屋をみかけたのでダメ元で支部道場の物件を尋ねてみたら、偶然というものはあるものでそこの店長が総合系のレスリング道場の師範代のようなことをやっていた方だった。業界には詳しいので次々に好物件を紹介していただいた。飯村支部長にお伝えしたところ、その一つが今回の吉祥寺支部となった。バスは吉祥寺南口から出ているものはほぼ全部止まる「下連雀」。人通りの激しい商店街ですっきりした外観だ。元モスバーガーの店舗だったらしい。隣は安いのになかなかうまい焼鳥屋。ちょっと歩くと行列のできる焼き肉屋で有名な李朝苑の支店がある。空いていて、穴場だ。

あまりうれしいので、道場の設営にも参加させていただいた。組み合わせ式のマットをジグゾー・パズルのように敷いていくのだが、なにしろリングがあるのでポストの穴を開けなければならない。よくしたもので大道具の仕事をしている塾生や 靴作りのプロの女性(というか中尾さん)がいて、器用にカッターで切ってくれる。自分もやってみたが、線がずれてしまった。ちょっと見は分からないようにしてはあるが、バレたらすみません。

開設記念に、サンドバックを三本、寄贈させていただいた。蹴ってみると、いやなかなか重くて、背中にドドーンとくる。私はサンドバッグ好きで、この手応えがよい。ウェイトをやっても背中のヒットマッスルをつけるのは難しい。なんといっても重いバッグが一番だ。飯村支部長からタイ土産のムエタイパンツをいただいたので、さっそく穿いて裸で叩いてみた。背中が痺れて、いい感じ。

息子たちの稽古では、二人一度に右足と左足で同じサンドバッグを蹴らせるというのをやっていた。こうした工夫は、ミットだけではできない。少年部も週に二回になることだし、楽しみだ。10月18日に開設式を行ったが、神主さんや塾長、新潟の山田支部長まで来られて、盛大だった。私は一升は日本酒を飲んで、二日酔いとなった。吉祥寺支部のビジネスマンクラスのみなさん、そのうち本部の塾生を連れて参りますので、よろしく。

 

 

(11月某日)

北斗旗空道選手権大会。今年から、ビジネスマンクラスや少年部・女子部の全国大会も午前中に開くことになった。我が総本部からは、酒井さん、高野さん、伊東さんの三名が参戦。以下、私が掲示板に書いた内容を再掲しよう。

*****

一回戦の高野さんは、足を使って動き、張り手の要領で左右掌底をパカパカとかます要領で、効果を二つ取って優勢勝ち。ただし先手は取るものの相手の方も応戦したので足を止めてのフック合戦となって、少々危ない場面もありました。

伊東さんの一回戦は、中部のビジネスマン大会を極真ルールで制している方が相手。極真系の茶帯クラスかと思いましたが、見事なまでに伊東さんが完封しました。相手の蹴りにはパンチ、パンチには蹴りをカウンターで合わせ、途中レバーへ左ミドルが何発か入ったようで、試合場を追いかけ回す展開でした。さすが、ビジネスマンの極真ルールでは最強レベルですね。

ただ、私としては、卒業したはずの極真ルールで全日本大会で試合するのはあまり好ましくないと感じました。限られた時間で顔面や投げ、寝技の稽古に集中しているのに、極真ルールまでは手が回らないし、また極真ルールは体力をつけるためのもので、試合用の細かい技術は不要と考えるからです。次回の大会運営については、提案しようと思っています。

酒井さんの一回戦は、中部の一般部で優勝したことのある方が相手で、本戦では足が動かず引き分けになりました。しかし延長になるとトコトコという独特のステップから頭を下げつつ飛び込みながらの右フックが何発かあたり、自分のペースに巻き込んで判定勝ち。自分勝手に動くときの酒井さんは強い、と感じました。加藤清尚師範代も、「酒井さんはパンチをもらわなくなった」と褒めておられました。

二回戦の高野−伊東戦は、高野さんが足を存分に使い、飛び込んで左掌低を当ててはまた大きくステップで逃げるという作戦。伊東さんはすり足で歩くステップだったので、追いつけませんでした。我々は狭い本部で稽古しているのでそのステップになりがちなのですが、皆でボクシング風のステップも練習する必要があると思いました。

酒井・丸山戦は、丸山さんが酒井対策にテンカオを使ってきたので、酒井さんの右フックも二発当たったのですが、見栄えで優勢負けとなりました。しかし首相撲につかまったときに押し倒すという作戦は成功しました。今後はテンカオ対策をいたしましたょう。今回は、試合開始とともにステップを踏むと体をリラックスさせて動かせることを発見したのが成果だったと思います。

最後の高野さんの相手は、身体指数288の方で、しかもボクシング風にステップも踏めてロングのアッパー・フックを打ってくる強豪でした。なるべく離れていこうという作戦はうまくいったのですが、飛び込んでパンチを当てるタイミングを失してしまいました。それでもここまで勝ち上がったのは実に立派だったと思います。

午後の北斗旗本戦は、解説の収録が来週ある。私の感想はそちらで。まあ、ひとことで言うと、藤松ほど空道について考えている選手は他にいなかった、ということか。寝技にまったく行かずに、新しい打撃の構えの稽古をされてしまった他の選手たちには課題山積だと思う。