(7月某日)完敗記
本当は八月も半ばを過ぎたというのに、七月の日記を書いている。どうにも、時期を誤魔化すことができない内容だからだ。
今年も東京都の接骨医師会の柔道大会が講道館で開催された。私は毎年のように参加している。個人戦、二段の部。おおよそ、年齢の近い方と当ててくれることになっている。
それで、日曜の朝から出かけたのだが、初段のすべての組み合わせが終わってから、しかも一番最後(最高齢だから)まで待たねばならない。そうこうするうちに、三時になってしまった。
その間、団体戦を観戦。これは凄い。了徳寺学園という柔道整復の専門学校は、プロ柔道家と契約しているので斯界では有名だが、団体戦にその柔道家たちが出場している。なにしろ五人のうち、大村・有川など今年の全日本選手権に出ている者が三人いる。それ以外も、A級指定選手たちだ。それが、団体戦というので白帯と当たったりしているのだ。ただ、白帯が怪我しないことを祈るのみではないか。
実際の試合では、白帯氏は、木っ端のように回転して投げられていた。それでも巻き込みだから、見ていてはらはらした。プロの矜持もあることだし、選手としては勝ち方が問われると考えてのことだろう。それにしても、草野球選手が、プロ野球のオールスターと対戦するようなものではないか。デッドボールでもあったらどうなるというのだろうか。
なんて考えてるうちに自分の試合となったが、どうも対戦相手が見当たらない。棄権したみたい。まったく。
と気抜けしていたら、同じく棄権された残りが集められた。背丈順に並べという。それで相手を決めるというのだが、私は細身の人と組になった。にこやかに握手の手を差し出す。この辺りからすでに心理戦が始まっているのではある。
この相手、なんか余裕がある。不気味な感じ。試合を待つ間も、ずっと後ろの団体戦を眺めているのだ。で、呼ばれて試合開始。
組み合うと、凄い力だ。それでも押して、大内刈りから背負い。持ち手で潰される。ここで、中央に戻ると、相手が突然厳しく組み始めた。私の釣り手を絞り、引き下げて、十分にもたせてくれない(あとで寺川に聞いたところだと、こういうときには自分の右足をつかんで切るのだそうな)。組み手争いは、私が柔道を学んでいる趣旨に合わないから関心ないのだが、試合だからそうも言ってられない。だが、まったく動けなくなってしまった。
と、普通とは逆の左足に小内が来た。これでころんでしまう。そこに強い押さえ込み。あ、だめだ。こりゃあ強いわ。そのまま上四方で押さえ込まれて、一本負け。完敗だ。
終了後、相手と立ち話。まだ、二十七歳だという。
この試合あたりでそろそろ組み技にはひとつけじめをつけて、打撃に重点を置こうかと思っていたのだが。どうにも引っ込みがつかなくなってしまった。組み方についても勉強しなければならない。
というわけで、国士舘高校柔道部・岩渕監督のビデオを買った。これは良い。全日本チャンプの鈴木が高校生で出ていて、「いまのはダメな例」とか言われている。とくに背負いの組み方は参考になった。まったく、こういったことを知らずに試合しているのだから、しようがない。組み手争いだけの稽古も、高木道場でやってみよう。乱取りでではなく、道場の隅なら良いのではないかな。