(11月某日)

三連休の中日とあって、稽古を始めた時点ではなんと四人。しかし次第に増え始め、最終的には二十人超へ。仲田さんが中部本部から出稽古に来られる。休日で帰京されたとのこと。組技の週。

・ストレッチ。脇腹を入念に
・ダック、スリップ。
・基本
・重りを持って、軸を作るパンチ。ストレート・フック・アッパーを15回、左右
・ミドルの空蹴り
・ミットでパンチ、蹴り、膝
・打ち込み30本
・後ろ受け身、横受け身
・投げ込み3本で受け身
・接近法。縦肘。
・テンカオによる接近
・首相撲での崩し。20
・膝を太ももに当てての崩し
・道衣を捌いての組み
・首相撲1.5分、二本
・グローブで対人、相手のワンツーにスリップ、フック、ロー
・相手のステップを読んでロー
・壁打ち
・スパー。グローブ二分、面1分3本、つかみ2本
・ストレッチ

 終了後の寝技は、オープンガード編。攻めから。裾をつかんで押し下げ、パスする方法をやる。サイドに回り込んだら、えびを使わせないよう肩で胸を制すること。
さらに、かつぎからのパス。片足をかついで膝頭を掌で押さえ、肩と上腕で極めるようにして道衣をつかみ、足をきかなくして回り込みむ。これは柏崎先生の技だ。

 懇親会に高野さんが「足関十段」という今成選手のビデオを持ってこられたので、飲みながら鑑賞。驚いたことに、かつぎからのパスに対して、「伸ばしてきた腕をたぐる」「かつがれた足を、その方向に上げて頭を越えさせる」「逆の足で頭を挟み込んで腕ひしぎ十字固め」というカウンターが出てくる。これには興奮。つい、テーブルをずらして寝技をやってしまう。酔っぱらいである(オレだけか)。

 

 

 

(11月某日)

 スネークピット。腰回りを使ってスリップ、ミドル、パンチを打つシャドー。これはいい。サンドバッグでミドル100.ほとんどストレッチである。

 大江先生不在で、望月・歌川・タイソン三選手とスパーを4分6ラウンド。試合が近づいてきたので、滅茶苦茶に圧力をかけられる。ローで返してみた。

 夜、加藤清尚さんから電話。柔道の小齋武志さんがお亡くなりになったとのこと。なんと。急死だったらしい。32歳の若さで、まだ柔道にも密かに賭けるものがあったただろうに。言葉がない。ご冥福をお祈りします。

 講道学舎にてお通夜とのこと。

 

(11月某日)

 北斗旗前日、支部長会議。杉並区景観シンポジウムからのハシゴ。

 講道館と全柔連の関係について説明。全柔連の柔道は公的なものであり、比較して講道館柔道は私的なものである、武徳会柔道なるものもあった、等々。空道が公的なものになれば、大道塾空道と、それ以外の団体の空道ができるだろう。このことは、何を意味するのか?

 私は、今後、空道にかんしては、他流派も含めて指導についての自由競争状態に突入すると(希望も含めて)予測している。春はパラエストラ松戸、秋は空柔拳会館が空道で好成績を納めたが、それは空道の試合に出場する技術をそうした道場でも研究していることを意味する。もし空道が広がれば、そちらの道場に属して参戦する道もあるということになり、選手は道場を選べるので、新しい技術や普及のための工夫を取り入れていない道場は、見捨てられることになる。私としては、それが空道の発展のためならば仕方ない関門だと思っている。

 渡辺大宮西支部長と飲む。「柔道+ムエタイ」が基本と書いているが、その真意は、と聞かれる。自分としては、いわゆる基本に代えて全員がそれらを身につけるようにする、ということではなく、総合武道において技は道具箱のようなもので、場面に応じて適宜取り出すものと考える、そのときに顔面ルールで汎用性の高い打撃はムエタイ、同じく道衣ありの組みで汎用性の高いのは柔道だからそれを「基本」と表現したのであって、ラグビーのタックルだとか空手諸流派の技術を使いたければそれも各人が自分の技として身につけるのは個性と考える旨、申し上げる。

 ただ、ムエタイといってもありとあらゆるタイプの選手がいるし、こと空道にかんしてはボクシングなどよりも適していることは間違いないと思う。蹴りでパンチを防御されると、その蹴り足をさばいてパンチを入れるためにはパンチの構えから 修正しなければならないからだ。それに、軸をたてたままで腰の上で平行にスライドさせたり、タメをつくってカウンターで右ストレートを打ったり、腰を完全に反転させてミドルを蹴ったりするのは修得しておくべき技術だとは思っている。

 

(11月某日)

 東大柔道部。前日、というか当日朝七時まで原稿を書いていたため、ひどく体が重い。打ち込みを50ほどしたら、気持ち悪くなってきた。監督から、右回りで崩して背負うように指示を受ける。これは背の高い相手にはやっていたが、打ち込みでは初めて。

 寝技を二本やったところで、気分がさらに悪化。ちゃんと寝ないとダメだな。立ち技も一本やったただけで終わり。

 さらに監督から内股を受けて腰を下に入れ、すくい投げをする要領を伺う。

 監督と渋谷の居酒屋へ。「高速タッパー」なる原稿を、拝読。感想を述べる。肘関節と膝関節、技を決められて痛めるのはどこの部分か、という内容。

 

(11月某日)

 スネーク。渡タイ直前の稽古。サンドバッグを小一時間。

 望月・歌川・ティグレの各選手、大江先生と5人でスパー、二回転を四分、一回転を二分。計12ラウンド、40分なり。

 腹筋をたらたらやる。

 

(11月某日)

  北斗旗無差別についての自分の感想を、『ゴング格闘技』誌に書く。

 正直、私の日頃の出稽古体験からすると、打撃だけとか寝技だけとかだと、プロ競技との差はついてしまったな、と感じる。スネークピットの望月選手のパンチとか、パラエストラの佐々選手の寝技とかを眼前にすると、やはりアマ・レベルだなと思えてしまう。 大道塾は、寝技を解禁する90年代後半までは打撃の流派だったし稽古量の多い寮生に支えられていたので、打撃ではキックなどのプロにも勝っていたが、総合化して稽古に必要な時間が増えたこともあり、水準は低下してしまった。一方、日本のプロ選手たちはムエタイにも勝つことがあるなど、めざましく進歩している。寝技もしかり。

 総合としても、稽古の量や質が低下している。道衣ありということもあって、吉田道場の選手あたりが出てくれば北斗旗で決勝まで進まれてしまうだろう。

 ただ、優勝した藤松の相手によって変える打撃→組み→寝技といった流れは、他に類を見ないものだ。彼は、稽古をしていない事務時間に、いったいどんなゲームを頭の中でやっているのだろう? 結局、個別競技としてはキックや柔術には及ばないのは仕方ない。空道そのものの専門性が何なのか真剣に考えるか、もしくは吉祥寺のやり方のように打撃に特化するのかいずれかということになるのだろう。

 

(11月某日)

 ずいぶん涼しくなった。25人ほどで稽古。白帯の入門者の他に、太田さん、植野さん、小杉さんら珍しい顔が。

 組技の週。

1.ストレッチ
2.打ち込み20
3.腰を反転させながら膝蹴りの要領で腿上げ100
4.踏み込んでのミドル、左右10ずつ
5.二人組み、遠い距離から腹にミドルを当てる
6.二人組み、中間距離でミドルを当てて元の姿勢に戻る
7.ミドルの蹴り合い、1分2本
8.ミット、左ミドル・右スト・左フック・右ロー・右膝。ミドル連打。
9.対人。前蹴りのさばき。パンチに対して蹴りで防御
10.グローブでスパー、2分
11.スパー、1分5本

 寝技研究では、オープンで上の位置から相手の両足をかかえてパスする技術。そのあとで2分3本のスパー。

 懇親会では、さくらに塾長がスイスからの稽古生(ジュネーブ警察のお巡りさん)を二人連れてこられる。もとは「忍術」の修行のために来日、リアルファイトが公務上必要と考えて空道に切り替えたとか。現場で体を張って犯人逮捕するのに型だけでは仕方ないらしい。スイスの事情を聞きつつ、交流。40過ぎでフルコンをやっている人を見るのは初めてだとか。感心される。

 この席で塾長から(冗談ではあるが)最近私が柔道にかかわっていることについて、「他流派」と呼ばれた。だがこれを少々真面目に考えると、 それは「大道塾空道」がいまだ空手を中心に回っているということだろう。

 しかし空道は総合武道なのであるから、個別武道である柔道やムエタイなどに技術面では乗っかっていることになり、それらとの交流は欠かせない。実際、修斗などからは加藤支部長・飯村支部長に世界チャンプが 出稽古にやってきて打撃の指導を受けている。当方からも、組技や寝技、打撃について出稽古しなければならないのは当然であり、それゆえに交流が少しでも疎遠になれば技術がおくれてしまうだろう。もちろん柔道、柔術、キックの技で空道からすれば使えないものもあるからそれらは排除すればよい。

  これは、柔道をいわば「柔術の総合武道」とした嘉納治五郎がずっと柔術界と親交を持っていたことを見ても、明らかなことだ。他流とつきあいたくないならば、「総合」ルールをやめるしかないのである。 空道ルールで本格的に外国と闘いたいなら、柔道やキック・柔術などと健全に技術交流できるような環境を整備するしかないだろう。今後は、空手をベースとしない他流も空道にとりかかるだろうから、そうした団体と自由競争することになる。どれだけ新しい指導技術を取り入れるかが問われるのだ。

 

(11月某日)

  自分の稽古の話ではないが。

 週に一度、スパーに加えていただいているUWFスネーク・ピット所属の望月竜介選手が、タイのラジャダムナンでKO勝ち、タイのランキング(スーパーウエルター)に入ることになった。

 KOはボディとのことだが、これは僕がいつもくらっているやつ。顔面のパンチがあまりにも強烈なのでガードすると今度は下をやられる。来年年初で全日本のタイトルマッチもあるし、本当にうれしい。

(続報)ラジャの同じ興業にスネークピットからは歌川暁文選手が出場して2ラウンドKO勝ち、大道塾からは吉祥寺の末廣智明選手が同じく2ラウンドKO勝ちだったという報告を受けた。大成果である。末廣選手は来年には空道にも戻ってくる。あの打撃技術を他の選手がどう受け止めるのか、見物ではある。

 

(11月某日)

  今週はどこも休みが多く、稽古できなかった。吉祥寺支部にて、自主トレ。

 サンドバッグを蹴ってから、飯村支部長にミットを持っていただく。ミドルを修正する必要あり。

 中野聡さんが来られたので、三分三ラウンドのスパーをお願いする。普段はスパー時間が長すぎて自分からはなかなか行けないが、三ラウンドならなんとかなる。

 ビデオ鑑賞。望月選手は、手足の長いタイ人が相手だった。膝とミドルで苦しむも、四ラウンドに起死回生のボディで逆転。それまでにも膝を食いながら前進、顔面に強烈な右を当てていたので、スタミナがなくなり、また顔面ガードを固めたのでボディが入ったのだろう。相手は担架で運ばれていった。壮絶な逆転だった。だがこの先でタイでやれば首相撲がもっときつくなる、と言うのが飯村さんの感想。もっと強い選手がごろごろいるとのこと。凄い世界ではある。

 

(11月某日)

 だんだん寒さも感じるようになってきた。25人ほどで寝技の週。

・ストレッチ
・基本
・踏み込んで振り切るミドル
・二人組みでミット
・打ち込み
・シャドー
・スタビライゼーション
・受け身各種、投げ込み
・初心者に下からの技術説明
・オープンで、上から膝を割ってパスする技術
・スパー、3本
・対人打撃、壁打ち
・グローブスパー3分
・面スパー5本

 終了後、寝技は三角の攻防など。懇親会では、某巨漢契約破棄格闘家と付き合いのあったというUさんが初参加。我々の稽古は、先輩が教えてくれるのが惹かれた理由だと仰る。私は方針として、全員に何かの役割をしていただいている。黒帯はそれぞれ、全体の会計、白帯への指導、五級以上への指導、四級への指導、等々。とくに黒帯が増えているので、それぞれの人間関係は私の見えていないところでも密になっているはず。そうした組織の方針を評価されたのがうれしい。

 

(11月某日)

  本郷、七徳堂にて東大柔道部。

 寝技を連続でやっている。自分はさすがに体力がついていかず、半分しか入れない。

 柏崎先生から、指導。なんと、オモプラッタとスパイダー・ガードについて。これらはともに、柔道の古い寝技である由。