(9月某日)

  8.28『Dinamite!』は、興業としてなかなか面白かった。小生はテレビで見るつもりだったが、前日になった獏さんに誘っていただいたので、一緒に行くことにした。

 画期的なのが、試合がほとんど見られなかったこと。何しろ格闘技の試合を見に行って、見えないのである。オーロラビジョンすら、よく見えない。それでいて観客を飽きさせないというのは、それなりに奇妙な感じはあった。大音響は野外のレイブという感じ。進行もすぱすぱ行って、悪くない。石井館長は、舌がもつれていたが何かあったのだろうか。いや、いつも何かあるのかもしれんが。ともあれ、ウェーブを巻き起こす観客や空から降ってくる猪木を見に行ってたのかもしれん。

 それにしても、常識ではもっとも接点がないはずの吉田とホイスが組み合ったシーンには、やはり胸に迫るものがあった。私の予想は四分六で吉田。

 結果はお分かりの通りだが、それにしても私が吉田の投げを期待していたのも、ホイスがスタミを奪いに行くだろうと考えたのも、すべてはホイスのクロスガードが切れないという前提から。それが簡単に乗り越えられてしまったのには口あんぐり。その後、ハーフになってもホイスは尻を引こうともしない。私は吉田の押さえる圧力が強かったからだと解釈しておいたが、人がよすぎるか?柔道関係者は、「たんなる素人じゃないの」と言ってる。これで柔道界の格闘技に対する恐れは一気になくなってしまった。ホイスの罪は重い。

 あと二戦契約による拘束があるはずだが、ホイスと再戦は勝敗無効という判定ならばそれもありだが、ただ市場価値がない。それでも再戦したら、残り一試合。相手がヒクソンであれノゲイラであれ、着衣で吉田の負けでも勝ち越しが読める。うまくやったなー。

  桜庭の試合は、打撃系でミルコというタックルを切る人材がボブチャンチン、シウバ以外にも出てきたことを示している。しかし桜庭の限界は私が著書『思考する格闘技』で書いたところだが、出版以来桜庭は負け続けている。私の指摘に対して井上章一氏は中央公論でやって下さった書評で抗議をしておられたが、私は望んではいないものの私の方が正しかったということになりそうだ。まあ、しようがないのかなあ。