(12月某日)

 全日本キックを、観戦。週に一回、スネークピット・ジムで四分二ラウンドのスパーをおつきあいしていただいている望月竜介選手の試合があるのだ。

 望月選手は二年前まではRISEでメーンを務めていたが、トーナメント決勝で脛を骨折、さらに練習中にも同じ箇所を骨折して休養していた。

 タイでも戦績は五分、ラジャの元チャンピオン、オロノーを下したこともあるし、現在K−1MAXに出ている選手にも勝っている。ちょうど脂の乗りかけた時期だけに、プロ選手としては辛かったと思う。

 私は一年前に飯村さんに誘っていただいてスネークの大江先生のプロ連でスパーの末席を汚させていただくようになったが、このところの望月選手の稽古は凄かった。大江先生のミットは、10連打を前進・後退、見ている だけで気持ち悪くなるほど多種多様かつ長い(試合前は4分7ラウンドはやっている)のに、それでも精度が落ちないように強いるものである。それを耐えて、単調な稽古をこつこつとやりこんできた。

 私がスパーさせていただくのも申し訳ないのだが、私のパンチが届かない位置からローでつめてきて、ジャブを出すしかないようにした挙げ句にフックをかぶせてくる。なんども倒されたのがこのパンチだ。これを防ごうといろいろ工夫するのだが、そのたびに次の手があって殴られてしまう。

 復帰戦はタイで、KO。満を持して全日本キックの試合である。私は自分の試合のようにドキドキした。あれだけ毎日毎日、同じ内容の稽古をミリ単位で精度を上げるように反復してきた選手が、いったい老舗の団体でどんなレベルなのか 知りたかったのだ。

 試合は、いつも私が見ている通りのコンビネーションだった。圧力をかけて、相手のミドルをすかして、パンチを誘う。右フック、一閃!!見事に失神KOだった。見ていて、涙が出た。

 私は週に一度お目にかかっているだけだが、彼は、それだけでも苦しくなるような密度の稽古を、あと週に五回はこなしてきたのである。本当に嬉しい。

 おめでとう!!

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 大道塾でこれほど緊張感ある稽古ができるのは、寮生だけなのだろうか?でも、経済状態などは、みな同じじゃないのかな。プロといっても、彼らは毎日稽古しているという意味でプロなだけで、経済状態は大道塾の定職を持っている選手たちとまったく同じだろう。 十数年前の本部はものすごい緊張感が漂っていたものだし、選手も一心不乱に打ち込んでいた。現在の大道塾選手にも、これだけのレベルの稽古を期待したいものだと思う。