| 『罵詈罵詈』小田島隆/洋泉社/1300円 悪口は、面白いもんである。と同時に、難しいもんでもある。鋭い切り口を見せないと、悪口言った当人の嫉妬やら性格の悪さの方が目立ってしまうからだ。 だから、普通、僕らは悪口を内々で言う。口頭で言う悪口は、消えて流れてハイそれまで。悪く言った相手と会っても知らん顔できる。だから、物書きが仕事の人でも、この先どこで出会うか分からん人の悪口をわざわざ活字で公表する奴は滅多にいない。その暴挙の金字塔が、これだ。 薄きみ悪い自己愛、物書きのくせに肩書に無批判な奴隷根性、偽善を許さない独善、限りない権力を持ってまでそこらの爺い並みの頑固・不遜。そうした奴らに鉄槌が下される。 私事を大声でしゃべり続けて・・「まったく。オランウータンでさえ、動物園で客に見られ続けるストレスに耐えられないで胃潰瘍を起こすというのに」。「独身者(ひとり者)、夫婦者(ふたり者)のどちらでもなく、またどちらでもあるわけだから、これはふとり者」(林真理子編)。小説は立派に書いてることも認めているのが鋭い。 これ以上、内容は紹介できない、私は嫌われたくないから。爆笑したけど。そっと読んで笑えばいいのだ、責任は著者がとってくれる。他に、山本コウタロー、田中康夫、渡辺恒雄、曽野綾子論が出色。 (月刊宝石) |