学習の参考のために、今期も例題と解答を付けておきます。

 


(10/17分)

T.マクロ経済学とはなにか、「集計」というキーワードを使って述べよ

 

U.次の用語の意味を簡単に述べよ

@財市場・生産要素市場

A原材料

B資本財

C中間需要

D固定資本減耗

E営業余剰

Fフロー・ストック

 

V.家計・企業・政府の各経済主体が経済循環において、どのような役割を果たしているかを収入と支出に着目して簡単に述べよ

 

W:次の式は恒等式か方程式かを答えよ

(1) x+9=0

(2) a2-b2=(a-b)(a+b)

(3) y=x2+3x+2

 

X:次の問題に答えよ

@GNPNNPの違いについて述べよ

AGNPGDPの違いについて述べよ

 

 ◇解答

T.経済システム全体の関係を捉えるために、所得や物価水準などの集計値を扱う学問

 

U.(@〜Eについては省略):

Fフローとは一定期間内に行なわれた経済活動、それによって生じた変化を示す概念であり、ストックとは過去から現在に至るフローが蓄積されたもの

 V.

家計:生産要素市場に生産要素を提供し、その対価として賃金・地代・利子を得る。所得は消費・貯蓄のいずれかに用いられる。

企業:生産要素市場にて原材料や労働を購入し、財を生産する。また、生産された財を財市場に供給することによって、売上を得る。

政府:家計や企業から税金を徴収し、公共財の提供や、企業に補助金を与えたり、家計に所得補助を行なったりする。

 

W:

(1)方程式

方程式とは、未知数に特定の数値を与えることによって、その時にのみ成り立つ式

(2)恒等式

恒等式とは、式中の文字に任意の数値を代入しても常に成立する式

(3)方程式

x2+3x+2に従ってyが、あるいはyに従ってx2+3x+2が決まる式であるため、xに従ってyが、あるいはyによってxが調整されて決まる。したがって恒等式ではない。

X:@:GNPNNPの違いは、固定資本減耗分を控除しているか否かの違いである。GNPは、固定資本減耗分を控除していないGross(粗・総)の集計値であり、NNPとは固定資本減耗を控除したNet(純)の集計値である。

A:GNPGDPの違いとは、集計の対象の違いである。生産がおこなわれる地域に関わらず、その国の国民(National)が行なった生産を集計したものがGNPであり、生産する人の国籍に関わらず生産された地域が国内(Domestic)であるものを集計したものがGDPである。

 


(10月24日分)

問 題 

T.次の用語の意味を簡単に述べよ。

@公共財

Aアブソープション

U.市場価格は、政府を無視したときには賃金や営業余剰および固定資本減耗等の要素費用で表すことができる。政府を考えたとき、要素費用以外にどのようなものが市場価格に含まれるか、答えよ。

 

V.消費者、農家、ジュース製造工場、スーパーからなる経済があったとする。農家は100円のリンゴを作り、これを工場に売る。工場はリンゴをジュースにし、150円の価格でスーパーに売る。スーパーはリンゴジュースを商品として、消費者に200円で売る。

このとき以下の設問に答えよ。

@) 中間財を除かない計算方法では総生産は幾らになるか?

A) 付加価値の合計は幾らになるか?

B)国民経済計算では付加価値の合計が用いられるが、なぜ中間財を除く必要があるか考えてみよ。

 

W.前回と今回の講義では国民経済計算の諸概念を扱った。次の(1)(3)がどの概念を説明しているか答えよ。

(1)   GDPから固定資本減耗を差し引いたもの

(2)   GDPに海外からの純所得を加えたもの

(3)   国民純生産(NNP)から「間接税−補助金」を差し引いたもの

 

X.講義では勘定体系を用いて、経済全体では総貯蓄と総投資が等しくなることを見たが、総貯蓄と総投資が等しいことと、経済が均衡(生産されたものが常に過不足なく消費される状態)していることとは同じことか考えてみよ。

 

解 答

T.@非排除性等の性格を持つために私的財とは区別されるような財 例)国防や公園等

A輸入品や国産品に関わらず、国内における財・サービスへの需要・支出

 

U.市場価格には要素費用以外に間接税−補助金が含まれる

 

V.@)450 A)200 

B)中間財を含むと、生産が迂回されるだけで国民所得はいくらでも大きくなるから。

 

W.(1)国内純生産NDP (2)国民総生産GNP (3)国民所得NI

  ※国民経済計算の諸概念を区別するには次の三つの基準が重要

  (1)「総(Gross)」か「純(Net)」か *前回の設問X@参照

  (2)「国民」か「国内」か *前回の設問XA参照

  (3)市場価格表示か要素費用表示か *今回の設問U参照

      **市場価格表示:国民総生産、国内純生産等

要素費用表示:国民所得

 

X.国民経済計算で総貯蓄と総投資が等しいことは、経済が事実上均衡状態にあることとはまったく異なる。国民経済計算においては総貯蓄と総投資は定義によって常に等しいだけである。実際の経済で売れ残りが生じても、経済計算上では在庫投資として計算すること等によって、【総貯蓄(S)=総投資(I)】という恒等関係が成り立っているのである。


(11月7日分)

問 題

 

T.以下の設問に答えよ

(@)生産面から見たGNPと、分配面(あるいは所得面)から見たGNPが等しいことは何を意味するか、考えてみよ。

(A)分配面から見たGNPと、支出面から見たGNPが等しいことは何を意味するか、考えてみよ

(B)三面等価とはなにか説明せよ

(C)上の問題で扱われているのは、一国の経済状態を表すフローの概念であるが、一国の経済をストックの概念として表すものとしてどのようなものがあるか、答えよ。

 

U.新古典派の資本市場について考える。新古典派の市場観では、需要と供給の不均衡は、基本的に価格によって調整される。以下の設問に答えよ。

(@)貯蓄が金利だけで決定されるとする。このとき金利が上昇した場合、貯蓄は増えるか、減るか、答えよ。

(A)貯蓄は資本市場に資金を供給する一方、投資は資本市場における資金の需要と考えることが出来る。このとき需要(投資)と供給(貯蓄)を調整する価格の役割を果たすのはなにか。

(B)新古典派の資本市場においては、投資と貯蓄の不均衡が価格の調整によって解消されるが、ケインズの資本市場では投資と貯蓄の不均衡は容易には解消されない。なぜか、新古典派とケインズを比較して答えよ。

 

V.簡略化のために、外国も政府も考えない。財・サービスに対する総需要をYD、総供給をYSとする。以下の設問に答えよ。

(@)消費をC、投資をIとすると、YDはどのように表せるか。                        

(A) YDYSは独立に決定され、在庫が発生した状況を考える。このときYDYSとのあいだにはどのような関係があるか。

(B)(A)の関係にあるとき、貯蓄(S)と投資(I)にはどのような関係があるか、SYCであることに注意して、考えてみよ。

(C)貯蓄と投資がそのような関係にあるとき、Uで考えた新古典派の資本市場では、どのように調整されるか考えよ。

(D)資本市場において投資と貯蓄の不均衡が調整されたとき、発生した在庫はどうなるか、答えよ。

(E)セイの法則について説明せよ。

 

解答

T.

(@)生産されたものは、すべて家計、企業、政府のいずれかの主体に分配され、所得となる

(A)分配された所得は、すべて消費や投資などに支出される。ただし、所得が支出に等しいのは、在庫品の増加も支出に含まれているため。

(B)国民所得統計においては、生産面・分配面・支出面の三つのどの方面からみても同額になる

(C)国富 *国富には土地などの自然資源などが含まれる

 

U.

(@)増える (A)金利

(B)新古典派の資本市場では、金利がフローの資本需給(今期の投資と貯蓄)によってのみ決定されると考えられている。一方ケインズにおいては、金利は過去からのストックとしての資産によっても影響されるために、投資と貯蓄の不均衡が毎期解消されるとは考えない。

 

V.

(@) YDC+I  (A) YDYS  (B)IS

(C)金利は下がり、貯蓄は減少し、投資と貯蓄は等しくなる

(D)消費が増加することによって、在庫はなくなる。

(E)生産はそれ自らの需要を生み出す。つまり、供給が決まれば需要は自動的にそれに等しくなるということ。これは、在庫はすべて解消され、在庫の増減によって供給量が変更されることはないことを意味する。

 


 (11月14日分)

問 題

T.以下の用語を説明しなさい。

@)有効需要の原理

A)乗数効果

                           

U.【乗数効果について理解するための簡単な例】

それぞれの住民が経済活動を行ない、相互に依存し、かつ全体として自給自足している町がある。その町の人は、町の外に買い物に行く必要はなく、町の中だけで売買を行ない生活している。町の人はみな店を開いており、すべての人は必ず所得の4割を町内のどこかの店で消費しているとする。

ある日、ふるさと助成金と称し、政府から町長に一億円が振り込まれたとする。以下の設問に答えよ。

(@)町長が一億円を金庫にしまったとき、このふるさと助成金の経済効果はいくらか。

(A)町長がこの一億円の4割を使って、A店で買い物をしたとする。このとき町長とA店の店主aの所得増分はあわせて幾らか?

(B)さらにA店の店主aは、所得の4割をB店で消費する。このとき町長とA店の店主aB店店主bの所得増分はあわせて幾らか?

(C)bは店Cで消費し、cは店Dで消費して…というプロセスが続いたとき、この一億円が町全体にもたらした経済効果は幾らになるか、答えよ。

 

V.【再度乗数効果について、違う角度から】

以前講義で、三つの所得概念を説明した。そこでは支出国民所得と生産国民所得と分配国民所得は次のような経済循環を表していた。分配国民所得Yから支出国民所得Yが決まる。分配された所得は財の購入に支出されて、生産国民所得Yはふたたび分配される。こうしてY→Y→Y→Y→Y→Y→…という経済循環をみることができた。

有効需要の原理によると、総生産は総需要によって決定される。あるYに応じて支出国民所得(総需要)がきまると、それに応じて、生産国民所得(総供給)が決定される。そして生産国民所得Yはすべて分配されるとする。また、ある分配国民所得Yに対して決定される総需要Yを、Y=α+βY+I(Iは独立需要)という式で表されるとする。

(@)この循環において、あるとき総需要が凾hだけ増加したとする。このときYの増分はどれだけか。(Y→Y

(A) はすべて分配されるので、分配国民所得も同じだけ増加する。分配国民所得が増加することによって、総需要はどれだけ増えるか。(Y→Y→Y

(B)それによって、またYおよびYはどれだけ増えるか。(Y→Y→Y)

(C)さらにその分配国民所得の増加にともない総需要Yはどれだけ増えるか。

(D)以上のプロセスがつづくことによって、経済全体にはどれだけの所得の増加をもたらすか答えよ。

 

W.近年日本経済において、公共投資の乗数効果が低下しているといわれている。一般に乗数効果が低下する原因には、どのような可能性があるか、考えよ。

 

解 答

T.テキスト参照

U.(@)1億円(=一億×1) 

(A)1.4億円(=一億×1+一億×0.4) 

(B)1.56億円(=一億×1+一億×0.4+一億×0.4×0.4

(C)1.6666..億円(=一億×1+一億×0.4+一億×0.4×0.4+・・・・)

V.(@)凾h

  (A)凾h×β

(B)凾h×β

(C)凾h×β

(D)凾h× *テキストp.219の結果と同じであることを確認せよ

W.乗数効果が減少する原因として主に考えられるのは、所得Yに派生して生じる需要が減少することである。たとえば所得が増加したとしても、将来不安などのために、そのほとんどをタンス預金してしまえば需要は派生していかないために乗数効果は低下する。

 


 (11/28分)

問 題

T.経済主体には消費者や企業のほかに政府がある。政府の役割として期待されるもののひとつに、経済を安定させるためにおこなわれるマクロ経済政策がある。

(@)マクロ経済政策についてはさまざまな考え方があるが、以下のキーワードを用いて、ケインズ以前とケインズの考え方にはどのような違いがあるか述べよ。

【セイの法則、均衡財政、有効需要】

(A)財政政策によって有効需要を増やすには、実際にどのような方法があるか答えよ。

 

U.財政政策の効果を考えるために、均衡国民所得がどのように決まるかを考えたい。ただし簡単化のために海外部門を捨象する。

(@)均衡国民所得Yを消費C、(民間)投資I、政府支出Gで表せ。

(A)家計が自由に使える所得である、可処分所得をYDとして、消費性向をc、所得に依存しない消費をCとすると、消費Cはどのように表せるか?

(B)租税をTとして、可処分所得がY=Y−Tとあらわせるとき、均衡国民所得Yを外生変数I、G、T、c、Cのみであらわせ。

 

V.均衡国民所得を決定する要素のうち、政府がコントロールできるのはGTである。ここでは、主に政府支出Gについて、その増減が均衡国民所得Yに、どのような効果をもたらすかを考える。

(@)GGだけ増加したとき、Yがどれだけ増加するかを考えよ。

(A)cは消費性向であり、0 < c < 1 であることから、政府支出乗数は1より大きいか、小さいか、答えよ。また、このことが政府支出の景気刺激効果においてどのような意味を持つかを答えよ。

(B)政府支出Gを増加させるのと、民間投資Iが増加するのとでは、どちらがYを増加させる効果を持つか、答えよ。

(C)以上、政府支出の増加がマクロ経済政策として有効であるとされる理論を確認したが、なぜ政府支出Gの増加が均衡国民所得Yをそれ以上に増加させるのかについて、その波及プロセスを説明せよ。

 

W.次に租税Tの増減がもたらす効果について考える。

(@)TTだけ増加した時、Yがどれだけ減少するかを考えよ。

(A)限界消費性向を0.7とする。3億円の増税と減税はそれぞれYにどのような効果をもたらすかを考えよ。

(B)政府が政府支出を減らさずに1億円減税するのと、増税せずに政府支出を1億円おこなうのとでは、政府にはともに1億円の赤字をもたらす点では同じである。このとき均衡国民所得にもたらす効果についてはどうか、比較せよ。

(C)有効需要の創出において、減税の効果と政府支出の増加による効果が異なるのはなぜか考えよ。

(D)政府が政府支出Gを増加させるのに、同額だけ増税して資金を調達するとする。つまり政府は均衡予算を保ちながら、財政政策をおこなう。このとき景気刺激効果はあるか。またあるとすればそれはどれぐらいか。また政府支出乗数と比較せよ。

 

X.これまで租税は所得と無関係に徴収されるものとしてきた。ここでは租税が所得に依存して決定される場合について考える。以下ではとして考える。ただし、tは所得に対する税率、Tは控除分とする。(0 < t < 1, 0 < T0

(@)このとき問題U(B)で求めた均衡国民所得Yはどのような式で表せるか。外生変数I、G、tT、c、Cのみであらわせ。

(A)所得とは独立に決定される控除分Tを増加させることで1億円の減税を行なうとき、その効果はいくらになるか。

(B)問題W(D)で考えたのと同様に、均衡予算を保ちながら財政政策をおこなうときの効果について考える。W(D)の結果と比べよ。

 

Y.政府がおこなう財政政策は、これまで考えてきた乗数効果の他にどのような影響を経済に与えるか考えよ。

 

解 答

T.(@)テキスト参照 (A)財政支出の増加、減税

U.(@)YCIG (A)C=YD+C

  (B)

V.(@)  YY)=

(A)政府支出乗数は1より大きい。したがって政府が1兆円借金して支出すると、経済全体には1兆円よりも大きな経済効果がもたらされる。

(B)となり、効果は全く同じ。

(C)第1ラウンド

政府が1兆円の支出をすると、その支出は必ず誰かに分配される。

Y=1兆円

第2ラウンド

分配された所得のうち(c×1兆)円だけ消費に、{(1−c)×1兆}円だけ貯蓄に回される。 

Y=(1+c)兆円

   第3ラウンド

消費された(c×1兆)円は、同様にして誰かに分配され消費に回される。その額はc×(c×1兆)円である。

Y=(1++)兆円

第4ラウンド以降

同様のプロセスが延々と続いた結果、Y=1+++…=兆円

W.(@)

(A)3億円の増税は7億円の均衡国民所得を減少させ、減税はその逆。

(B)1億円の減税は億円だけの効果をもたらす。一方、1億円の政府支出の増加は の効果をもたらす。なので、政府支出の増加の方がより大きな効果を経済に与える。

(C)解答V(C)と比べると、減税の場合は政府支出乗数の波及プロセスに見られた第1ラウンドがない。そのため、Y=c++…=となる。

あるいは別の言い方をすると、第1ラウンドにおいて、既に(1-c)だけが貯蓄としてプロセスから外れてしまうために、{1兆円−(1-c)×1兆円}=c×1兆円の政府支出と同じだけの効果しかもたらさない。

(D)政府支出を同額の増税によって賄ったとしても、なお景気刺激効果はある。

=1となるので、政府が1兆円の増税をおこなって、そのまま同額の政府支出をおこなっても、均衡国民所得は同額だけ増加する。

     均衡予算乗数の定理

「均衡予算を保ちながら、政府支出と増税を同時に行なった時の乗数は1」

D.(@)

(A)×1億円

(B)<1 ( 0<ct<1

   したがって、この場合均衡予算乗数の定理は成り立たない。

Y.これまでのモデルで無視されているものとして、民間投資にあたえる影響や生産効果などがある。民間投資に与える影響は、一概に言うことはできない。投資が投資を呼ぶというように民間投資を活発にする可能性もあれば、民間投資がおこなわれようとしていたところに公共投資がおこなわれることで、パイの横取りのようにして民間投資に悪影響を与えるという説もある。また現在の需要に与える効果だけではなく、政府が公共投資には経済のインフラを整備するという効果も、ここでは無視されている。最近でも、スティグリッツはその著書のなかで、公共投資は公共消費ではないとして、経済のインフラを整備する公共投資の役割を強調している。


 

問 題

T.次の用語の意味を簡単に述べよ

@投資

Aクラウディングアウト効果

B現在価値

C資産市場

D資本市場

 

U.M円の資金を預金するか、投資するかという選択を考える。

(預金)年利率r%の1年定期

(投資)確実に1年後にはq%の利益がもたらされる

(1)   預金をおこなうと、M円は1年後にはいくらになるか答えよ

(2)   投資をおこなうと、M円は1年後にはいくらになるか答えよ

(3)   預金ではなく投資を選択するとき、qとrにどのような関係が成り立っているか考えよ

 

V.機械を購入するか否かという選択を考える。その機械にはS年という寿命がある。S年までその機械によってもたらされる、予想される各年の純収益はQ1,Q2,QSだとする。また、利子率はr%とする。

(1)   機械の現在価値Vはどのように計算されるか答えよ

(2)   この機械の価格をPとすると、Pが購入される条件をあらわせ

 

W.ある投資プロジェクトを考える。投資プロジェクトを実行するにはM円の資金が必要である。金利をr%として1年後…k年後の利益は、R…Rとあらわされる。

(1)   a年後にえられるであろう利益Rの現在価値はいくらか

(2)   k年後までに得られる利益の現在価値の総額はいくらか

(3)   投資プロジェクトの費用と、それによってもたらされる利益の現在価値の総額が等しくなるような金利をy(%)として、収益率と呼ぶ。この投資プロジェクトが実行されるにはyとrにどのような関係が成り立っていなければならないか考えよ。

 

X.経済全体の投資が利子率の減少関数であることを説明せよ

 

Y.貨幣市場と債券市場の関係を考える。ここで債券とは貨幣以外の資産、たとえば社債や株式、土地などを指す。貨幣市場の需要と供給をそれぞれM,Mとして、債券市場の需要と供給をそれぞれB,Bとする。また社会全体の資産をWとする。

(1)   個人に与えられた資産は、貨幣か貨幣以外の資産(債券)に配分されるので、WをMとBであらわせ

(2)   資産は、つねに貨幣か貨幣以外の資産の形で与えられるので、WをMとBであらわせ

(3)   (1)(2)よりM,M,B,Bの関係式を導け

(4)   (3)で導いた式から、貨幣市場と債券市場の関係を述べよ

 

 

解 答

T.テキスト参照

 

U.(1)M×(1+) (2)M×(1+)  (3)q>r

V.(1) (2)P<V

W.テキストp.138139参照

 

X.利潤を最大化する企業は、収益の異なるさまざまな投資プロジェクトに直面したとき、資金を調達するときのコストである利子率を上回る収益をもたらすプロジェクトのみを実行する。したがって利子率が高くなれば、実行できる投資プロジェクトは減少するし、利子率が低ければ、実行可能な投資プロジェクトは増加する

 

Y.(1)W=M+B (2) W=M+B (3) +B=M+B

  (4) (M−M)+(B−B)=0より、貨幣市場が超過供給であれば、同額だけ債券市場は超過需要であるし、逆もまた同じである。また貨幣市場が均衡していれば、債券市場も常に均衡している。

 


1212分)

 

問 題

T.IS曲線とはなにを表した曲線か説明せよ。

 

U.IS曲線について以下の問題に答えよ。

(@)講義でやったのと同様にして、IS曲線を幾何的に導出せよ。

(A)IS曲線の右上、左下において、貯蓄と投資の関係はどのようになっているか考えよ。

(B)投資と貯蓄が不均衡の時、財市場においてこのギャップを調整するのはなにか。

 

V.以下の場合について、IS曲線がどのようになるか考えよ。

(@)投資の予想収益が上昇したとき、すなわち同じ利子率において投資が増加したとき

(A)限界消費性向が高まったとき

(B)所得によらない基礎的な消費水準が上昇したとき

 

W.ケインズにおいて、貨幣需要はどのような動機によってなされ、また各動機はどのようなものに影響されて決まると考えられているか答えよ。

 

X.貨幣の投機的動機についてコンソル公債をつかって考える。コンソル公債とは永久に償還されることのない公債で、毎期一定額Rの配当を、永久に債券保有者に対して支払いつづける有価証券のことである。以下の問題に答えよ。

(@)市場利子率をiとすると、来年の収益Rの現在価値はどのように表せるか

(A)永久に収益Rが提供されつづけるコンソル公債の現在価値Pはどのように表せるか

(B)コンソル公債の現在価値をPとし、期待利子率ieのもと計算した価値をとしたとき、コンソル公債の予想収益率はどのように表せるか

(C)コンソル公債と貨幣のあいだの資産選択基準を、利子率iと期待利子率ieをつかって表せ。

 

解 答

T.IS曲線とは、ある利子率において財市場を均衡させるときの所得Yの水準をあらわしたもの

 

U.(@)ノート参照 *幾何的な導出については平澤典男『マクロ経済学基礎理論講義』にも同様な方法が紹介されている(p.190)

(A)右上では貯蓄>投資になり、左下では投資>貯蓄となっている

(B)財市場は所得Yを媒介として調整され、利子率はあくまでもストック市場に影響をうけ、財市場を調整する力はない。

V.(@)投資関数は上方にシフトし、IS曲線は右方にシフトする

  (A)貯蓄関数を下方にシフトさせ、IS曲線を上方にシフトさせる

  (B)貯蓄関数を下方に平行シフトさせ、IS曲線を上方にシフトさせる

 

W.「貨幣の需要動機」として以下の3つの動機をまとめている。

@     取引的動機:取引をするために必要となる貨幣保有

―取引の量に影響されるので所得に比例する

A     予備的動機:緊急の必要のための備えとしての貨幣保有

―取引の量に影響されるので所得に比例する

B     投機的動機:流動性の高い最も高い金融資産としての貨幣保有

―期待利子率と市場利子率に依存する

 

X.(@)R/(1+i)

  (A) PB =R/i

  (B)予想収益率= i +(PB)PB

(C) i  >{ie(ie1)}ならば公債として保有

   <{ie(ie1)}ならば貨幣として保有


12/191/9分)

 

問 題

T.貨幣について分析する際には、貨幣に定義を与えておく必要がある。そこで貨幣の定義について、以下の問いに答えよ。

(@)金融資産において、貨幣のもっとも基本的な特徴はなにか

(A)M1と呼ばれる貨幣には、現金通貨のほかに要求払い預金が含まれる。要求払い預金が貨幣に含まれる理由を考えよ。

(B)最も一般的に用いられる指標は、M1に定期性預金を加えたM2CD(譲渡性預金) を含むものである。定期性預金が貨幣に含まれる理由を考えよ。

(C)貨幣にはM1M2…とたくさんの指標があるが、貨幣としてどのような指標を用いるべきか定義することは可能と思うか、答えよ。

 

U.貨幣にある定義が与えられれば、市場に出回る貨幣の数量が把握される。この貨幣数量をマネーサプライと呼ぶが、マネーサプライの決定について以下の問いに答えよ。

(@)マネーサプライをコントロールすることは中央銀行の重要な役割である。中央銀行がコントロールしようとする貨幣量のことを何と言うか。

(A)中央銀行が発行した紙幣は、直接市場に出回るのではなく、銀行を通して市場に供給される。この過程において、中央銀行の発行した紙幣は、市場に一定倍の貨幣数量の増加をもたらす。このことを何と言うか。

 

V.中央銀行の役割について説明せよ。

 

W.中央銀行のおこなう金融政策について以下の問いに答えよ。

(@)公定歩合とはなにか説明せよ。

(A)公定歩合を上げると市場にどのような影響を与えるか。

(B)公定歩合操作はかつては金融政策の主役であったが、最近ではその影響力が急激に小さくなったといわれている。公定歩合操作の影響力を左右するのはどのようなものであるか、考えよ。

(C)公開市場操作とはどのような政策か説明せよ。

(D)なぜ債権や手形を売買することがマネーサプライの増減につながるのか説明せよ。

(E)公開市場操作が機能するための条件とはなにか、考えよ。

(F)支払準備率操作とはどのような政策か説明せよ。

 

X.LM曲線とはなにか説明せよ。

 

Y.LM曲線について以下の設問に答えよ。

(@)貨幣需要と貨幣供給について説明せよ。

(A)貨幣市場を調整するのはなにか答えよ。

(B)貨幣の超過需要、超過供給が起きたとき、利子率はどうなるか答えよ。

(C) LM曲線を導出せよ。

(D)LM曲線の左上、右下はそれぞれどのような領域か答えよ。

 

Z.以下のときLM曲線がどうなるか答えよ。

(@)貨幣供給量が増加したとき

(A)物価が下落したとき

(B)マーシャルのkが増大したとき

(C)期待利子率が上昇したとき

 

[.IS曲線とLM曲線の均衡について考える。以下の問いに答えよ。

(@)IS曲線とLM曲線を同じ座標平面に書け。

(A)IS曲線とLM曲線の交点はなにをあらわしているか説明せよ。

(B)財市場・貨幣市場それぞれにおいて超過供給である領域は、IS曲線とLM曲線で囲まれた4つの領域のどこか。またこの領域において所得と利子率はどうなるか答えよ。

(C)財市場において超過供給、貨幣市場において超過需要である領域はどこか。またこの領域において所得と利子率はどうなるか答えよ。

(D) 財市場・貨幣市場それぞれにおいて超過需要である領域はどこか。またこの領域において所得と利子率はどうなるか答えよ。

(E) 財市場において超過需要、貨幣市場において超過供給が起きている領域はどこか。またこの領域において所得と利子率はどうなるか答えよ。

 

\.ISLM分析について以下の問いに答えよ。

(@)限界消費性向や基礎的消費水準の増加によって消費関数が上昇にシフトしたとき、IS曲線およびLM曲線はどのように変化して、また均衡国民所得や均衡利子率はどうなるか、答えよ。

(A)中央銀行が金融政策をおこなうことによって、ハイパワードマネーが増加し、それによってマネーサプライが増加したとする。このときIS曲線およびLM曲線はどのように変化して、また均衡国民所得や均衡利子率はどうなるか、答えよ。

(B)企業家の抱く投資プロジェクトの収益予想が好転したとき、IS曲線およびLM曲線はどのように変化して、また均衡国民所得や均衡利子率はどうなるか、答えよ。

(C)1212の講義でみたように、期待利子率の変化は人々の貨幣・債券の保有に影響を与える。資産家の予想利子率が上昇した時IS曲線およびLM曲線はどのように変化して、また均衡国民所得や均衡利子率はどうなるか、答えよ。

 

].以下の問いに答えよ。

 (@)IS曲線をシフトさせる原因としてどのようなものが考えられるか答えよ。

(A)LM曲線をシフトさせる原因としてどのようなものが考えられるものを答えよ。

 

 

解 答

T.(@)流動性が高いこと

(A)要求払い預金とは、預け入れ期間が特に定まっておらず、そのため預金者が要求すればいつでも支払を受けることのできる預金のことである。このような預金は、小切手やクレジットカード、キャッシュカードなどでいつでも引き出すことができ、現金通貨と同様に、流動性の高いものと考えられるから。

(B)定期性預金は、預け入れ期間が決まっていて払い戻すことのできず、そのためカードや小切手で即時に引き出すことは出来ない。しかし、ごく短期間の予告で引き出すことは可能であり、また中途解約して引き出すことも可能であり、広い意味では流動性を持ち、貨幣に近い性質を持つといえる。

(C)貨幣数量を測るうえでどのような指標を用いるべきかは、しばしば論争になるが、少なくともこれまで明確な決着を見たことはない。貨幣に与えられる定義は、状況に応じて経験的に判断されるものとなっている。

 

U.(@)ハイパワードマネー (A)信用創造

 

V.テキスト参照

 

W.(@)公定歩合とは、中央銀行が銀行などに貸出をおこなう際の金利のこと

(A)公定歩合の上昇は、銀行などの市中金融機関にとって資金調達のコストが高まることを意味する。資金調達の困難は、貸出金利の上昇や、貸出量の縮小につながる。これによって市場金利は上昇し、あるいはマネーサプライは縮小する。それによって、市場金利の上昇の結果として投資は抑制され、国民所得は低下する可能性がある。

(B)公定歩合操作が有効であるためには、公定歩合の増減が資金調達のコストを意味していることが必要である。したがって、たとえばコール市場の発達によって金融機関のあいだでの資金調達が容易になるなどして、銀行などにとって日銀が重要な貸し手とならなくなれば、公定歩合操作の効果は減少する。

(C)公開市場操作とは、中央銀行が国債などの債券や手形を市場で売買することによって、ハイパワードマネーを管理する政策。

(D)中央銀行が手持ちの債券や手形を売る(売りオペレーションをおこなう)ことは、同時に市場において貨幣を受け取ることを意味しているし、債券や手形を買うこと(買いオペレーションをおこなうこと)は、貨幣を支払うことで市場に貨幣を供給したことを意味する。また、銀行は債券を売ることによって準備金が減るために顧客への貸出を減らすことになる。

(E)国債や債券を売買する市場が整備していなければならない

(F)民間金融機関は預金の一定割合を支払準備金として必ず保有していなければならない。この割合を変更することによっておこなう政策のこと。

 

X.LM曲線とは、ある国民所得のときに貨幣市場を均衡させる利子率を表す曲線

 

Y.(@)貨幣需要については1212の問題W参照

    貨幣供給=実質マネーサプライは価格とハイパワードマネーの大きさに依存しており、これまでやったように、ハイパワードマネーは金融政策に影響される

(A)利子率

(B)貨幣の超過需要がおきれば利子率は上昇し、貨幣の超過供給は利子率を低下させる

(C)ノート参照

(D)左上の領域は貨幣の超過供給で、右下の領域は超過需要の状態

 

Z.(@)右下へシフト (A)右下へシフト (B)左上へシフト (C)左上へシフト

(C)については12/12分の問題のXを参照

 

[.(@) ノート参照

(A) 財市場と貨幣市場の同時均衡をあらわしている

(B)均衡点の上方の領域、所得は減少して利子率は低下する

(C)均衡点の右側の領域、所得は減少して利子率は上昇する

(D)均衡点の下方の領域、所得は上昇して利子率も上昇する

(E)均衡点の左側の領域、所得は上昇して利子率は減少する

 

\.(@)IS曲線は上方シフト、LM曲線は一定、均衡国民所得と均衡利子率はそれぞれ上昇する

(A)マネーサプライの増加はIS曲線には影響を与えないが、LM曲線を右下へシフトさせる。このことによって均衡国民所得は増加して、均衡利子率は低下する。このことは金融緩和が景気を拡大する効果を示している。

(B)予想収益の好転は、資本の限界効率表の上方シフト、したがって投資関数の上方シフトを意味する。したがってLM曲線には影響を与えないが、IS曲線は右方へシフトする。これによって均衡国民所得は増加して、均衡利子率も上奏する。

(C)期待利子率の上昇は貨幣保有から公債保有へと切り替える利子率の水準が高くなることを意味している。つまりより高い利子率でも貨幣を保有することを意味している。IS曲線は変化しないが、LM曲線は上方へシフトする。その結果、均衡国民所得は減少し、均衡利子率は上昇する。

 

].(@)政府支出や租税の変化、消費関数のシフト、投資の予想収益の変化など

(A)貨幣供給の増加やマーシャルのkの変化、期待利子率の変化など

 


1/23分)

 

11/14の解答の訂正について

(誤)U.(C)二億五千万円(=一億×1+一億×0.4+一億×0.4×0.4+・・・・)

⇒(正)U.(C)約一億六千六百六十万円(=一億×1+一億×0.4+一億×0.4×0.4+・・・・)

 

問 題

T.経済はつねに変動しており、一般的には好況と不況とを交互に繰り返すといわれている。景気変動について、以下の問いに答えよ。

(@)景気変動の要因となるものとしてどのようなものが考えられてきたか答えよ。

(A)マクロ経済政策とは、景気変動の振幅を抑制することを目的の一つとしている。財政政策・金融政策についてそれぞれ説明せよ。

 

U.IS曲線がシフトするケースについて考える。ISLM曲線を書いて、以下の問いに答えよ。

(@)投資とは将来の収益を期待して、機械などの新しい資本設備を購入することである。投資家はどのような基準に基づいて投資を決定すると考えられるか答えよ。

(A)投資家が(同じ利子率に対して)投資を増やしたとき、均衡利子率・均衡国民所得はどうなるか答えよ。

(B)民間投資ではなく、公共投資がおこなわれたとき、均衡利子率・均衡国民所得はどうなるか答えよ。

(C)投資が増加したときに、財市場・貨幣市場ではどのようなことがおきているか。国民所得・貨幣需要・利子率・投資などの変化に注目して、そのプロセスを答えよ。

(D)国民所得が回復するとき、民間投資の増加による場合と公共投資の増加による場合とではどのような点が違うか、答えよ。

 

V.次に、LM曲線がシフトするケースについて考える。ISLM曲線を書いて、以下の問いに答えよ。

(@)期待利子率が上昇したとき、貨幣需要はどうなるか、答えよ。

(A)なぜ貨幣需要が期待利子率に依存しているか、答えよ。

(B)貨幣需要は利子率に依存する(流動性選好理論)ほかに、国民所得に依存している(貨幣数量説)。なぜ国民所得が増えれば、貨幣需要は増加するか、答えよ。

(C)金融緩和がおこなわれると、財市場・貨幣市場でどのようなプロセスを通じて、均衡国民所得・均衡利子率はどうなるか、答えよ。

 

W.以下では、政策が有効性を失うような状況について考える。

(@)投資が利子率に対して非弾力的な場合、つまり利子率の変化にほとんど投資が反応しないとき、IS曲線はどのようになるか書いてみよ。

(A)(@)のような状況は実際におきうるか考えよ。

(B)このとき、財政政策・金融政策はそれぞれどのような効果を持つか、答えよ。

(C)流動性の罠とはどのような状態をいうか、説明せよ。

(D)なぜ市場利子率が十分に低いと貨幣需要がいくらでも大きくなるか、答えよ。

(E)市場が流動性の罠に陥っている場合、どのような問題が考えられるか。

 

X.財政政策についてケインズと古典派の考え方の違いを述べよ。

 

解 答

T.(@)(A)テキスト参照

 

U.(@)投資の決定要因としてはさまざまなものが考えられる。たとえば新製品の開発を促すような技術革新は投資を誘発すると考えられる。実際に、数年前、アメリカや日本において、情報通信事業の発達を画期的な技術革新(IT革命)として、投資の増大を期待する論議が盛んになされた。しかしそのような状況の変化よりも、もっとも重要な投資の要因は投資家の期待である。企業家が将来に見通しを持って強気であれば、投資は増加し、逆に将来にいかなる期待も持てない状況においては、投資はほとんど行なわれない。

(A)均衡利子率・均衡国民所得ともに上昇する

(B)均衡利子率・均衡国民所得ともに上昇する

(C)投資の増加⇒国民所得の増加⇒貨幣需要が増加⇒利子率が上昇

⇒投資が減少⇒国民所得の減少

 (D)民間投資の増加と異なり、公共投資が増加の結果、実質利子率が上昇して、そのために民間投資が減少してしまう。これをクラウディングアウトと呼ぶ。

 

V.(@) 貨幣需要が増加する。

(A) 貨幣がひとつの資産だとすると、貨幣と債券のあいだで資産選択が考えられる。このとき、債券によっては失われてしまう価値を貨幣保有によって保蔵できる限り、貨幣は受容される。つまり、債券の予想収益率が高ければ債権は保有され、低ければ貨幣が保有される。債券の予想収益率は期待利子率に依存しており、期待利子率が市場利子率より高ければ債権の予想収益率は低くなり貨幣需要が増加する。また期待利子率が市場利子率より低ければ予想収益率は高まり貨幣需要が減少する。

(B) 国民所得が増えれば一般に取引量が増加すると考えられるから。

(C)金融緩和⇒利子率下落⇒投資が増加⇒国民所得上昇⇒貨幣需要増加⇒利子率上昇

⇒投資減少⇒国民所得減少。結果として均衡国民所得は増加し、均衡利子率は下落する。

 

W.(@)垂直になる

(A)投資が金利にそれほど弾力的でないことは、「オックスフォード経済調査」で早くから指摘されている。また現在の日本において、将来への見通しを持てないために、経営維持の最低限の投資しか行なおうとせず、投資が金利に非弾力的になっているといわれている。

(B)投資がまったく金利に反応しないとき、金融政策は有効ではない。財政政策は金利と国民所得を上昇させる効果を持つ。

(C)流動性の罠とは、金利がこれ以上下がることは考えられないような水準にあるために、誰も債券を買おうとはせず、貨幣需要がいくらでも大きくなるような状態。このとき、実質マネーサプライが増加したとしても、利子率はそれ以上下がらない。

(D)十分低い利子率のもとでは、だれもが利子率の上昇を予想しており、したがって債券価格の低下を予想している。このときキャピタルロスを避けようとして資産を貨幣で保有しようとする。したがって貨幣需要が増加する。

(E)市場が流動性の罠に陥っていると、金融政策をして貨幣供給量を幾らふやしても、貨幣として保有してしまうために国民所得に影響を与えることはない。

 

X.ケインズの議論に従えば、財政政策は国民所得および雇用が増加し、利子率が上昇すると考えられる。一方、古典派は一般的に財政政策の効果に懐疑的である。クラウディングアウトの問題や、財政赤字がもたらす経済への負の効果を強調する。しかし、ケインズの議論によれば、財政赤字等の問題はむしろ国民所得が回復することによって解決される問題と考えることができる。

 

 


 <質問と回答>

 

質問@:先日配られたプリントのLM曲線の導出の図のL1は何を表しているのですか?

L1は貨幣需要のうち取引的動機に対応するものです。取引的動機とは、取引をするために貨幣を必要とするということを表しています。一般に所得が多くなると取引が多くなると考えられ、したがってより多くの貨幣が需要されると考えられます。

GDPが高い国ほど盛んに取引がなされていることを思えば納得がいくでしょう。そのためL1は所得Yと比例関係にあるのです。

一方、L2は投機的動機に基づいた貨幣需要に対応しています。投機において、ほかの金融資産では失われてしまう価値を貨幣が保蔵するとき、貨幣は投機対象として需要されるのです。L2が利子率に反比例することは学習のための例題の12/12分の問題Xを見てください。

質問A:YとマーシャルのKとL1の関係がL1=KYだと記憶していますが、これは何を意味するのでしょう?

基本的には上で答えた通り、取引的動機に基づいた貨幣需要L1が所得と比例関係にあることを意味しています。ここでkとは経験的な値であり、短期的に安定的な定数をとることが知られています。

理論的には、ある取引で使われた1単位の貨幣が再び次の取引で使われる期間を表しているのですが、日本においても毎年kを経験より推定するということが行なわれています。

 


 Yさんからの質問(2/5)

@11月7日の分で、Vの(B)がよく分からないのですが、解説していただけるでしょうか?

回答。YD=C+Iは、定義式です。需要は、消費財需要と投資財需要から成っていますから。

YS=C+Sについては、YSは供給額で、作った価値は分配されますから所得になり、所得のうち消費されなかった分は貯蓄になることを表しています。

YS>YDなら、C+S>C+Iだから、S>Iになります。

 

A11月28日の分で質問があるのですが、ホームページの問題で、Vの(@)で、Gが凾fだけ増加した時、Yがどれだけ増加するかについてなのですが、Y+凾x=でなせTも増加させているのでしょうか?あと、Y+凾x=・・・の式から、どうやって凾x/凾fを求めるのですか?

回答。Y=C+I+Gで、C=C0+cYD,YD=Y−Tだから、Y=C0+c(Y−T)+I+Gで、これを解くと(1−c)Y=C0−cT+I+G

いま、すべてが変化するとすれば、(1−c)△Y=−c△T+△I+△G

このうちY,Gのみ変化するとすれば、(1−c)△Y=△G

ここから凾x/凾fを計算します。


◇答案における質問

I君が答案の中で、以下のような質問をしてくれました。

問い2で、総供給が総需要を上回り、売れ残り=在庫が出たときにどうなるかを尋ねました。新古典派はこれにかんして、貯蓄が(在庫抜きの)投資を上回り、それは資金の供給が需要を上回ることだとみなしました。そこで金利調整が起きるとどうなるかが問題です。

これに対してI君は、「金利を上げることで資金調達のコストを上げ、投資を減らして生産を抑え、供給を減らす」と答えた上で、でもそうだとすると「デフレに陥ってしまいますね?金利を下げて投資を増やして需要創出ということも考えましたが、そもそも需要もないのに物を売ることができないですし、つまりは金融政策だけでは景気調整に限界があるということでしょうか?」と質問しています。

私の設問では、資金市場で資金に対する需要(投資)と供給(貯蓄)があり、価格にあたるのが金利なので、資金への供給が需要を上回ると資金に余りがでるのでその価格である金利が自動的に下がる、というものを答えと想定しています。金利が下がると貯蓄が減り投資は増えるので、両者が一致するからです。

I君は、金利は政策で上げたり下げたりするものとみなしていますが、新古典派では、市場で自動的に決まるものとみなされています。日銀が公定歩合を人為的に上げたり下げたりする金融政策をとることと混同しているのだと思います。日銀はそのように金利を誘導しますが、資金市場はそれに従わない場合もあり、ここでは、資金市場の動き新古典派がどう考えるかを尋ねました。