カスタードシュークリーム

        

 基本のシュークリームです。

 カスタードクリームに、少量の生クリームを混ぜて、詰めてあります。
 同量で混ぜるお店も多いようですが、当店では、あくまでカスタードをベースに、コクと軽やかさを加えるために、生クリームを混ぜ込んでいます。

 カスタードクリームの基本、古典的な配合は、煮上げたカスタードクリームに、バターを溶かし混ぜ込みます。
 現代風には、代わりに泡立てた生クリームを混ぜ込む、あるいは、バターと両方を混ぜ込みます。
 全体に、軽い味わいが好まれるようになっているからです。


 時々、「生クリームの混ざっていないシュークリームはないの?」とおっしゃる方がいらっしゃるのですが、バターも生クリームも加えないと、コクがなくて物足らない。
 日本風の、パン屋さんなどのシュークリームだと、卵黄だけでなく全卵で炊いたりします。たぶん、卵白を捨てるのがもったいないからだと思う。あっさりして、濃度は粉でつけて、バニラ香料だけの味ですけれどね。


 クリームの中の黒いつぶつぶはバニラビーンズです。
 ご存知でない方も、まだ多くいらっしゃるようです(^.^)。

 バニラエッセンスは、本物が高価だから、代用品として作られたもの。
 熱帯で採れるバニラの実の黒くて細長いさやを割いて、中の細かな種子を取り出して使います。さやも一緒に煮出します。見た目はインゲン豆のような植物です。


 一個75g前後、と言っても素人の方には分かりにくいでしょうが、小さくはありません。
 おやつとしては、200kcalくらいが好ましい、と聞いたことがあるので、だいたいどのケーキも、この位に合わせています。
 作っているうちに、ちょっとずつ大きめになって、200〜250kcalになっているものもありますが、これはきっかり200kcal。


 シュークリームというと、安物が幅を利かせていて、ケーキより格が落ちるイメージがあります。
 でも、それは日本のパン屋さんがそうしてしまったもので、シュークリームがかわいそう。

 ケーキ屋さんでも、きれいに飾り立てたケーキが中心で、シュークリームは空いた隙間を埋めるためにおいてあるような感じです。
 シンプルだから高い値段は取れないので、力が入らないのだろうか?

 ケーキのようには魅力的でないけれど、おじいちゃんおばあちゃんから子供まで、みんなに美味しいと喜んでもらえるのが、シュークリームやプリンといった『カスタード』のお菓子だと思うのです。
 スタンダードって大事だと思う。
 ちゃんとした材料で、シンプルだからこそ、美味しさのわかるシュークリームを提供したいと思いました。


 飽きない味です。自分でも、いつ食べても美味しいと思います。
 ま、無理に食べることもないのですが‥。
 嗜好品だからこそ、食べなくても済むものだからこそ、ちゃんとした美味しいものを食べたいものだと思います。


 皮が焼きたてであることはとても重要です。香ばしさ、風味が違う。
 皮の風味には、小麦粉も大事です。静岡県から取り寄せた北海道産の小麦粉を使っています。変ですけれど、北海道の製粉メーカーの道産小麦粉より、ずっと美味しいのです。

 ふんわり膨らますために、生地に膨張剤を入れるお菓子屋さんが多い。
 膨張剤の臭みは美味しさを損なうと思うのと、膨らましすぎると泡だらけのビールと同じで、味が薄くなる。
 皮にも、しっかりした風味を感じて欲しいので、膨らめば良いってものではありません。

 牛乳は、赤井川村の山中牧場のもの。
 風味がしっかりしています。ちょっと野暮ったい、ノスタルジックな味の牛乳です。

 卵は、G-REXという銘柄。
 濃い美味しい卵はくせも強かったりするのですが、この卵は厭味が少ない。風味豊かでありながら、きれいに清んだ味です。

 香りはバニラビーンズ。
 正確には、生クリームのほうにバニラエキストラクトを加えているので、バニラビーンズだけというわけではありません。バニラビーンズは、生のままでは衛生的に問題があるので、火を通すものにしか使えません。やむを得ず、品質の良いものを、使っています。
 人工的な純粋で強力な香りは、突出してしまって、他の牛乳や小麦粉や卵の、ナチュラルな風味を損ないます。
 少々高価でも、バニラビーンズを使う理由です。


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