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文部省の担当者も「非常に大きな改革だったために現場がついてこられなかったのでしょう」とつぶやいていたが、前出の有馬議員は自分がはじめた「ゆとり教育」に後悔はないという。
「総合的学習の時間をなんで与えたのかというと、もっと自分たち教師にいろいろ教え方を工夫させてください。学習指導要領があまりにもがんじがらめだという意見が非常に強かったんです。また、忙しい、忙しいというから土曜日を差し上げたんです。そしたら、学校の時間を増やしたり、部活をさらにやったりしている。忙しいというのなら、部活をやめたらいいんです。また、家庭が教育を学校に任せすぎてるんです」

「総合的な学習で先生たちももっと考えてください」
有馬参議院議員
文科官僚は教育現場をどの程度理解しているのだろう。ある研究指定小学校の教師はこう証言する。
「文科省は、指定校の研究結果からよい結果ばかりというが、指定校の立場から問題点を報告できるわけがないと思います。文科省の学校視察も1時間位か長くて半日です。迎える学校は数日前から、清掃し補修して、教員は普段着用しないスーツなどで迎えます。一体そんな環境で文科省の方々は『何かわかる』のでしょうか? 真の現場を知りたいのなら最低1ヵ月は共に生活しなければ分からないと思います。授業を見にきた若い官僚も、私語が多いし、廊下でもスリッパを引きずりながらペタペタと歩いて、授業中という意識が全くないという人が増えています」
精神科医の和田秀樹氏は、今回の急な改正には政治の影があるとも指摘する。
「今回の改正は文科省が負けを認めたといっていいですが、この時期に発表したというのは、選挙も近いですし、かなり政治的な背景もあるんじゃないかと思います。答申そのものはほとんど決まっていたと思うんですが、選挙前だからあえて学力重視に書き換えさせたというようなことはしたかもしれないですよね。地方では、PTA会長、財界人、一般市民もゆとり教育に対して怒っています。東京なら塾もあるし、中高6年一貫校もありますが、地方にはそれほどありません。これではあきらかに地方が大学受験で不利になりますよ。地方の政治家の後援会の人たちが政治家にお願いした部分もあるんではないでしょうか」
いじめ、登校拒否、学級崩壊、少年犯罪など子どもたちをめぐる環境は悪化する一方だ。いうまでもなく、教育問題はいつの時代も国にとって最重要課題だ。今回の「ゆとり教育」をめぐるゴタゴタを取材して、根本的な構造改革は教育現場にこそ必要だと痛感した。そして、マニュアル世代が多数を占めるようになってきた官僚・教員たちにこそ小・中学時代に「ゆとり教育」が必要だったのである。
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