いつまで続く ガソリン高騰   
     080611


ガソリン価格の値上がりが止まりません。
このことはアメリカも同じのようで、アメリカ連邦議会上院で、民主党議員から原油市場に対する投機資金の規制を強化する「石油取引透明化法」(Oil Trading Transparency Act)が検討されているとのことです。

国際石油価格は、アメリカの代表的な原油である「ウェスト・テキサス・インターミディエイト原油(WTI)」の石油先物取引価格で決まり、WTIの先物は、ニューヨーク商品取引所(NYMEX)に上場していますが、同じ先物商品は、ロンドンにある企業が運営するネット上の先物取引市場でも取り引きされており、アメリカのヘッジファンドや投資銀行は、ニューヨークのNYMEXだけでなく、ロンドンの市場を通じても、盛んにWTI先物を買っており、これが原油価格を高騰させる原因の一つとなっているとのことです。

アメリカの市場での取引については、米政府の商品先物取引委員会によって監視され、投機的な行為は取り締まりの対象となるようですが、ロンドン市場における取引については、外国の民間企業による相対取引の市場であり、米政府の監視の枠外にあることから、投機で原油をつり上げたい米投機筋(ヘッジファンドや投資銀行)は、ロンドンの市場で先物を売買し、米当局の目を盗んで意図的に原油価格をつり上げ、莫大な利益を上げているとのことです。


現在の国際原油価格のうち最大で60%が、投機筋によるつり上げ効果によるものだという分析もあり、これが正しいものとすれば、現在1バレル120ドルを超えているWTIの価格は、この投機を排除すれば、50ドル程度まで下がる可能性があることになります。

米大手投資銀行のゴールドマンサックスは最近、原油価格は今後2年以内に1バレル200ドルまで上がるかもしれないとの予測を発表しました。
同銀行は3年前、原油が100ドルになる現状を正確に予測していたことで知られていることから、今回の200ドル説も注目を集めているとのことですが、ゴールドマンサックス自体が原油価格をつり上げている投機筋の親玉の一人ではないかとの見方もあり、原油取引には、私たちの計り知れない世界があるようです。


一方、日本の石油価格に影響するWTIの「国際石油価格」は、1バレル120ドル以上となっていますが、世界の毎日の石油売買のうち、どの程度の割合がこの高値で取り引きされているかは不明であり、単一価格で原油が取引されてはいないというのが世界の常識とのことです。

アラブの産油国などは昔から、イスラム諸国や非同盟の開発途上国に対し、安値で石油を売る傾向があり、OPEC自体1960年に設立された時から、発展途上国に安く石油を売ることが目的の一つだったとのことです。

欧米系の国々や日本、韓国など、アメリカ中心の覇権体制にぶら下がっている先進諸国は、法外に高いWTI価格で石油を買わざるを得ない状況ですが、その他の非米・反米のスタンスを取っている国々では、政治的に設定されたもっと安い価格で石油を買える環境下にあり、特に米軍によるイラク侵攻後は、ロシアのプーチン政権やイランのアハマディネジャド政権、ベネズエラのチャベス政権などが共同し、政治的な石油安値販売の戦略を強化し、サウジや中国も巻き込み、世界的な非米同盟を構築し、アメリカの覇権体制を壊すことを狙っているとの指摘もあります。

つまり世界の石油市場は、アメリカ主導ではなく世界の多極化に賛成する国は、1バレル20ドル程度の「非米価格」で安く石油を手に入れ、米英中心主義にぶら下がり続ける国は、1バレル120ドル以上のWTI価格でなければ石油を手に入れることの出来ない、二重価格制になっている環境下にあるということになります。


これが現実とすれば、サブプライム問題が終息したとしても、原油価格は下がらず、ガソリン1リットル200円時代を覚悟した会社経営と、生活設計をしなければならないことになりますが、「投機原因説」か「世界多極化説」のどちらが正しいのかは別にして、資源の乏しい我が国としては、石油に変わる新エネルギーの開発と商品化を、日本の持てる力すべてを結集し、早急に現実のものとすることが求められていると思われます。

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丸若祐二

ま る わ か ゆ う じ

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