そとばこまちunitボノボ 「すぅぱぁ すとぅりぃ」
6月23日(金) PM7:30〜 カラビンカ
構成、演出:小原延之
出演:小椋あずき、安井博美
上演時間1時間ぐらいのシチュエーションコメディ。
タイトルのとおりスーパーマーケットが舞台で、そこで働くおばちゃんふたりの1日を、ラジオ番組で区切りながらデフォルメたっぷりに描いている。ふたりともおばちゃんなのだけど、特に小椋あずきの演じる方はかなりのもので、おばちゃん的要素をどかどかとつめこんだ女性像となっていた。キャラはそうとうこってりしているのだけど、一つ一つの要素は「こんな人いるなあ」と思える(全部当てはまる人はめずらしいかもしれないけど)のでそれほどしつこい感じはしなかった。最後のオチでもそうだったのだけど、盗癖があって言っていることとやっていることが全然違うこのおばちゃんは「死刑」のはずなのになぜか憎めないのだ。
そとばこまちの本公演を観たことがないのでそのあたりとの比較は出来ないのだけど、二人とも演技に関してはかなり基礎体力がある感じがした。笑いはわりと薄めで爆笑するというよりじわじわと面白みがわいてくる感じだった。
いるかHotel vol.4 「花火みたい」
6月4日(日) PM5:00〜 扇町ミュージアムスクエア
作:谷省吾 with J
演出:谷省吾
出演:園田知子、長光里奈、穐永賢一、宇都宮奈津美、河部文、松井尚子、大野友起子、北村美和(大阪公演のみ)、谷省吾、魔瑠(遊気舎)、うべん(遊気舎)、工藤まき(遊気舎)、西うらしんじ(遊気舎)、坂口修一(T∀NTRYTHM)、三谷恭子(売込隊ビーム)、梅本真里恵(売込隊ビーム)、小山茜(売込隊ビーム)、原知佐(たらこ劇場)、清水こずえ、竹原未来、下出麻衣子、松岡紗織、松本麻里、森田秀和
並行して進んでいくいくつかの話が花火をキーワードに少しずつ繋がっていく。先輩に告白しようと悩む女子高生とその友人で父親の再婚に賛成できない女子高生、結婚を真近に控えたカップルとその従姉妹で漫才師を目指している少女、14年の役者生活にピリオドを打ち田舎に帰ろうとしている女、10数年ぶりにタイムカプセルを開けた28歳の元同級生男女5人、そして大学の屋上で誰かを待つ思い詰めたような表情の女。最初のうちはそれぞれのエピソードがばらばらに進んでいく。暗転をはさんで少しずつ進んでいくのだけど、話がそんなに難しくないから頭がごちゃごちゃすることはなかった。
今回のお芝居では全体の雰囲気や話もとてもよかったけど、ディテールの部分がちゃんとつくってあるなと思った。子供の頃に死んだ母親の霊かもしれない浴衣の女に出会って線香花火をするカップルのエピソードとか、その時の「結婚生活って、あきらめることとあきらめないことだと思う」というセリフとか、先生に自分の気持ちを打ち明ける女子高生のエピソードなんかが特に好きだった。全体的にはしっとりした内容のお芝居だったけどギャグは全体的にかなりベタにちりばめられていて、それが結構ウケていた。個人的には女子高生アクション系ギャグがおもしろかった。
ラストで、先輩に告白した女子高生は先輩と、先生に気持ちを聞いてもらった女子高生は先生と屋上から、カップルは母親の形見の浴衣を着て母校である大学の屋上から、漫才師を目指す少女は新生活をはじめるワンルームから、帰ろうとする役者も去ろうとするその同じワンルームから、偶然に同級生からの電話を受けた屋上の女は死ぬことをやめて、打ち上げ花火を見る。このラストシーンがとてもいいな、と思った。いろいろな問題を抱えつつ花火を見ている全ての登場人物たちが観ている自分に重なってくるようで。確かに2時間半は座っているのが辛かったけど、芝居としては長すぎる気がしなかった。
camp.06 〜Stage03〜 「フルハウス」
6月2日(金) PM7:30〜 HEP HALL
脚本:篠原知存
演出:川上裕
出演:田中久美子、後藤篤哉、新井香恵、黒川聡美、保坂和拓、橋元幸治、山根基嗣、山田徳春(ファントマ)
はじめて観に行った馴染みのなかった劇団だったけど、かなり面白かった。
とある分譲マンション。そこは立地といい値段といい条件のいいモデルルームなのになぜか2年間も売れずにいた。実はその部屋は他の部屋の住民のたまり場になっていたのだ。また他の部屋の住民たちがヒトクセある人達ばかり。そのマンションを担当している営業マンはいつもそのペースに巻き込まれて悩んでいる。そこに、その部屋を買いたいという新婚夫婦が現われた。その夫婦もなんだかクセのありそうな感じ・・。
突拍子もない設定で最初は「こんなことありえないわ〜」と思って観ていたのだけれど、力みのないギャグの応酬とひとりだけカラ回りしているような営業マンの対比でぐんぐん物語に引き込まれていった。かなりクセのある登場人物たちがよどみなくセリフを回していって、個々の登場人物の物語がそれほど深く描かれている訳でもないのに伝わってくるのはおもしろいなと思った。ギャグはセリフ回しではなくシチュエーションやアクションで笑わせる感じ。この笑い、わたしはかなりはまった。演出的に気になったのは途中2回あった暗転がちょっと長く感じたことぐらいかな。
部屋を買いに来た夫婦とマンションを売る営業マンをストーリーの中心に持ってきて、妻と営業マンに関してはその内面の苦悩をほんのちょっと描いていた。それがとってつけたような感じでもなく、分かるなあと思えるようなこと。モデルルームに集まった全ての登場人物がお互いを罵りあって収集がつかなくなったときに、営業マンがビンゴゲームを回すあたりはうまい描写だなあと思ったし、そんなシリアスな場面ですぐビンゴカードをとりだして混ぜっ返すあたりがさらにうまい。新妻も確かに少々ワガママではあったけどそんなにイヤな子に思えなかったな。
ファントマから客演の山田徳春さんもイロモノ多趣味ニセシェフを好演。他の役者さんもバランスがとれていてまあまあだった。初日なのでかちょっとセリフをかんでいたけど気になる程でもなかったし。今回のこの公演は観に行ってよかった。アタリ物件だった。