HORIPRO×NYLON100℃ SPECIAL SESSION 「Don't trust over 30」
6月22日(日)12:00 大阪厚生年金会館芸術ホール
作、演出、作詞、作曲:ケラリーノ・サンドロヴィッチ
音楽監督:鈴木慶一
出演:ユースケ・サンタマリア、奥菜恵、犬山犬子、みのすけ、三宅宏城、峯村リエ、松永玲子、長田奈麻、安澤千草、村岡希美、新谷真弓、廣川三憲、大山鎬則、吉増裕士、喜安浩平、杉山薫、大堀こういち、藤田秀世、たま(石川浩司、知久寿焼、滝本晃司)、秋山菜津子、井上順
バンド(Silly Men):星川薫(G)、鈴木博文(B)、青木庸和(Key)、濱田尚哉(Dr)
アナウンス:小林克也
時は2004年、いつのまにか戦争中。自分の結婚披露の席でいきなりタイムスリップしてしまった彼女を追ってユーイチがやってきたのは、グループサウンズ華やかな1959年。家出してシャークスというバンドを追っかけてる少女メグミと出会った主人公。そして紆余曲折の末に見つけた彼女は老けていた。1959年のつもりで1969年に来ていたらしい・・。
たしかに長かった。でも予想していたよりはずっと面白かった。当て書きと思われる主人公ユーイチ役のユースケサンタマリアは素な感じでよかったし、脚本もケラさんらしいシニカルでナンセンスな笑いがあって、脇に回ったナイロンのメンバーが良い味を出していたし。ラストがちょっとセンチメンタルすぎるというかんじがして、2004年は戦争中という設定のせいかもしれないけど、そういう部分をラストに無理して絡めなくてもよかったのではないかなあと個人的には思った。なくても伝わるんじゃないかなと。
タイトルは今回の音楽を担当した鈴木慶一氏率いるムーンライダースのアルバムタイトルから付けられたものだけど、正直内容とは関係ないように思えた(1968年に18歳のメグミが2004年の自分を「おばあさん」と言うんだけど、それは「30過ぎはみんな年寄り」とか思ってのことなのだろうか。まだ50代じゃん・・。でもそれがタイトルの伏線だったのかなあ)。でも劇中の音楽はとても良かった。たまの演奏もよかったし。2階席では、舞台上部で演奏する姿が照明にさえぎられて見えにくかったのが残念。
劇団Ugly Duckling 「くちなしジョッキィ」
6月20日(金)19:30 HEP HALL
作:樋口美友喜
演出:池田祐佳理
出演:出口弥生、中村隆一郎、吉川貴子、早川丈二、ののあざみ、山下平祐、森下亮(クロムモリブデン)、上田泰三(Mouse Piece-ree)、藤岡悠芙子(南船北馬一団)、後藤七重、樋口美友喜、池田祐佳理
それはたしかにそこにあった。でも今はもうない。ジョッキの底にアカツキハイを探し真水で乾杯を繰り返す酔っ払いたち<ジョッキィ>の集う場所、カンパイ・マウンテン。臓器がないから感情もないという男、ビルの下で想像を描き続ける少年。ウソばっかりの少女・暁はどこかに行ってしまったカンパイ・マウンテンとくちなしの香りの内臓をもつ男を探しに行く・・。
初めて観た劇団なのだけど、終演後にはかなりの衝撃を受けている自分に驚いた。設定も物語も登場人物も結構複雑なのに世界はちゃんと完成していて、戸惑うまもなく引き込まれていったという感じ。役者の人たちの発声や動きも分かりやすく、とても正統的なお芝居をするという印象を受けた。
内容はちょっと難しかった。正直言って全部を理解できたとか受け止められたとは言い難い。暁の行動に子供の頃の自分を見つけた部分はあったけど、そしてそこでちょっと泣きそうになったけど。物語全部を分かったとは思えなかった。デイスイハイってなんだろう、カンパイ・マウンテンに留まるということはどういうだろう。そして、アカツキハイってなんだろう。帰り道にそんなことをいろいろ考えた。
劇団衛星 「劇団衛星のコックピット」
6月14日(土)13:30 アートコンプレックス1928
作、演出:蓮行
出演:岡嶋秀昭、田中遊、駒田大輔、チャック・O・ディーン、ファックジャパン、蓮行、筒井加寿子、紙本明子、金田典子、橋本裕介、中西彦助、黒木陽子
映像出演:大川豊(大川興業元総裁)、窪木亨(電子遊戯科学館)、門脇俊輔(ニットキャップシアター)、田実陽子(同志社小劇場)
舞台は松戸重工が作成したパビリオン。松戸重工の作成した巨大ロボット「装甲魔神ヘラクレス」が宇宙からの侵略者の手先「りすちゃん」と戦った架空の事件の顛末を、狭いパビリオンの中で再現ドラマとしてみせる・・という趣向のお話。65分。
もともと狭いアートコンプレックスのおよそ1/3ぐらいを入場待ちのスペースとして使い、松戸重工の案内嬢がコンパニオン風に前説を行ったりして、本編が始まる前からすっかり世界が出来上がっていた。衛星らしくちゃんと社歌も流れていたし。座席はたしかに狭かったけど(フライヤーにもぎゅうぎゅう詰めって書いてあった)入場者数制限をしていたからそれほど辛くはなかった。真中あたりの席でも舞台にものすごく近くてよかった。
物語はばかばかしく笑える部分が多かったけど、ちょっと考えさせられるような部分もあって、短い中に詰め込みすぎずとても面白かった。シリアスな部分が他の笑いの部分に比べてあまりにもどろどろしてたりすると辛いのだけど、これはよいバランスだったと思う。
防音設備が万全なので雰囲気を盛り上げるためハコで囲んだ自分用スペースから効果音を入れちゃうチャックさんと、ほんとに涙をぼろぼろ落としながらりすちゃんを熱演していた女優さんが印象的だった。
ヨーロッパ企画 「囲むフォーメーション」
6月8日(日)19:00 アートコンプレックス1928
作、演出:上田誠
出演:石田剛太、伊藤紘介、酒井善史、清水智子、諏訪雅、中川晴樹、永野宗典、本多力
9つの部屋に区切られたとある研究機関の建物で、マシン室のバックアップMOを狙うスパイが現れた!?スパイをめぐるささやかな騒動を、9つの部屋をひとつづつ舞台にして描いたコメディ。
同じ時間を別々の部屋から観て9回みせるというのはちょっと変わっていて面白かったし、部屋を切り替える合間に古今東西の兵法やコンピュータやらの格言や警句をスクリーンに表示するというのは淡々とした感じでよかった。スパイを追いつめるためのフォーメーションを9つの角度から観られるというのもユニークだった。 ふつうな感じの会話なんだけどこの劇団独特の言い回しや表現があって、爆笑ではなくあとで効いてくるような種類の笑いがいい感じだった。
ただ、こういう淡々とした感じが持ち味だと分かっていても、オチもヤマもほとんどないまま同じエピソードを(角度は違うといえ)9回なぞるので、最後の方はちょっと飽きてきてしまったかも。6部屋ぐらいで良かったのではと思った。でも9部屋ないと「囲」にならないか。
THEATER@MEN'S WORKS「エール」
6月8日(日)14:00 一心寺シアター倶楽
作:松本泰成
演出:飛田静男
出演:年清由香(劇団☆世界一団)、宮腰健司(ランニングシアターダッシュ)、宮川サキ(pinkish!)、阿部遼子(劇団満遊戯賊)、藤居トオル(THEATER@MEN'S WORKS)、原敏一(SP隊)、奥村誠志郎(M.C.S)、大林剛士
すれ違い気味の恋人を残して海外転勤になった主人公。彼女にほんとの気持ちを伝えられないまま、転勤の飛行機事故で帰らぬ人となってしまった。心残りで成仏できない主人公のもとにあらわれた神様のつかいの力で、ずっと前世から出会いと因縁を繰り返す二人の歴史をたどる主人公。とうとう最後に別れた現世にたどり着く。歴史は変えられない、結末は同じ、と知りながら・・。
再演で、THEATER@MEN'S WORKSのメンバーによるオリジナル公演と他の劇団から役者を集めたプロデュース公演を交互にやっていて、これはプロデュース公演の方。演劇ではありがちなテーマで展開には目新しさはなかったけど、主張がストレートで観ていてすかっとする感じだった。ランニングシアターダッシュの宮腰さんをはじめ役者たちは個性あふれる面々で、とにかく熱い(部分によっては暑苦しいぐらいの)舞台だった。
前世からずっと生まれ変わりながら出会っていくエピソードの連続で話が進んでいったのだけど、途中でイヌに生まれかわっちゃうところがちょっと可愛かった。