2005年9月の観劇歴


クロムモリブデン 「ボーグを脱げ!」
9月13日(火) 15:00 HEP  HALL

作、演出:青木秀樹
出演:森下亮、金沢涼恵、信国輝彦、板倉チヒロ、重実百合、倉田大輔(国民デパリ)、浅田百合子(エビス堂大交響楽団)、板橋薔薇之介(ニットキャップシアター)、遠山浩司

もう一回観た。9日に観たときに比べ、全体的にたるみがなくなっていた印象。


クロムモリブデン 「ボーグを脱げ!」
9月9日(金) 19:30 HEP  HALL

作、演出:青木秀樹
出演:森下亮、金沢涼恵、信国輝彦、板倉チヒロ、重実百合、倉田大輔(国民デパリ)、浅田百合子(エビス堂大交響楽団)、板橋薔薇之介(ニットキャップシアター)、遠山浩司

「叩いてかぶってジャンケンポン!」じゃんけんで勝った方がハリセンで殴り、負けた方が洗面器をかぶりそれを防ぐという遊び。通称「たたかぶジャポン」。場所はたたかぶジャポンの大会らしい場所、それぞれの組のテーブルの前には防具とも攻め具ともつかないものがひとつ。あるテーブルには剣道の面、別のテーブルにはナイフ、別のテーブルにはカメラ。部屋を駆け抜けていく妙な男と女、男はハリセンを持ち女は洗面器を探している。テーブルに向き合うふたりはそれぞれジャンケンをし、足りない「防具/攻め具」を探して部屋の外へ・・。
たたかぶジャポンに懐かしさを感じるのは30代以上の人だけのような気もするけど・・「たたいてかぶってジャンケンポン」というゲームをモチーフに、置いてあった道具に対応する攻め具/防具を探しながら短い話がほんの少しずつ繋がっていく。攻め具は責め具にも繋がり、性犯罪者の保護観察や管理、子供を守る/責める親との関係、セキュリティ社会、そしてもっと大きくよその国との関連性、など現代を表すメタファーの詰め合わせだった。エンターティンメント性がとても高くて音楽もとてもかっこいいのでぼんやり見ているだけども面白いと思ったのだけど、例えば真っ暗な中での独白が心に突き刺さってきた。尖っているけど、意外に取っ付きやすく、いろいろと考えさせられる。性犯罪者が仮釈放の条件として体に埋め込まれた発信器を外してもらうため「3つの良いこと」を行う。その判定のための場所でのやりとりが面白かった。なぜかキレまくる男の存在も笑ってしまったのだけど、良いことと悪いことの境目はどこにあってなにがそれを分けるのか、という話は印象的だった。叩くことと防ぐこと、良いことと悪いこと。例えば拳銃に対応するものはいったい何?その防具は叩かないという「心」、なのだろうかという問い。
演じる役者たちの奇天烈っぷり、尋常じゃない感じが強烈に印象的だった。特に男優陣のときに気色悪い演技のとりこになってしまう。この劇団は女優も魅力的だけどそれ以上に男優が魅力的だし、魅力的に演じさせているなと思う。もう一回観たい。


あ組 「鐘の鳴る丘2005」
9月4日(日) 11:00 ピッコロシアター大ホール

作:菊田一夫
台本:秋浜悟史
演出:秋津シズ子
出演:福山俊郎、石本伎市朗、曽木亜古弥、津田ひろこ、三穂真理子、友田博幸、猿渡美穂、今井亜紀、長谷川具子、広瀬綾子、福井優香、南志保、田畑潤哉、永長之衣、小野純子、高田裕美、徳原弘子、二階公美、檜木順子、藤田和子、山中一紗、劍持瑞貴、能勢真理子、神野千代、下坂千尋、田中朋美、石井絵理佳、石田光羽、小田樹里、上廻怜雄奈、進藤未緒、高木彩子、高倉美穂、中村理恵、西川麻依子、宮下留加、八代悠、渡邊慧美、紀氏広美、小原久枝、原ノ祐子、森本浩之

懐かしい戦後の唄を唄いながら各地をまわるママさんコーラス隊が、突然戦後の時代にタイムスリップしてしまう。加賀美修平という復員兵と出会った彼女らは、戦争孤児となった弟を捜しているという修平を手伝うことになる・・。
懐かしい唄にのせて展開する哀しみと喪失のミュージカル。いろんな唄がさまざまな舞台装置にのせて唄われるところはとても美しく、この舞台の大きな見所だった。冒頭部分はミュージカルの良さで押し切られているうちにいつのまにかタイムスリップしていたという感じで話についていけずちょっとだけ混乱。戦争により孤児となった子供達が、彼らを保護するはずの大人達を戦争で失い、悪に手を染めながらも必死で生きていく姿はたとえ舞台の上のことでも観ていて哀しいものだ。台本を手がけられた秋浜氏が7月末に他界されたとのことで、この作品が追悼公演となったそうだ。


HEP HALL Theatre 14 「夏の夜の夢」
9月2日(金) 14:00 HEP HALL

作:W・シェイクスピア
翻訳:中井由梨子
演出:大塚雅史
出演:小松利昌(劇団☆世界一団)、美津乃あわ(ファントマ)、羽賀友妃子(GO!GO!マグネグflowerモモンガ)、赤星マサノリ(劇団☆世界一団)、丹羽実麻子(劇団とっても便利)、鈴木将浩(劇団伽羅倶梨)、榎園実穂、久保田浩(遊気舎)、西田政彦(遊気舎)、宮村陽子(リリパットアーミーII)、平本光司(ランニングシアターダッシュ)、橋田雄一郎(転球劇場)、金替康博(MONO)、上田一軒(スクエア)、藤元英樹(劇団シアターガッツ)、坂口修一、石原正一(石原正一ショー)、村井千恵、西山ひな(GO!GO!マグネグflowerモモンガ)、猪谷洋子、斉藤ゆき(ランニングシアターダッシュ)、芝原恵満、保森弘美、久保智子(いるかHotel)、湊伊寿実(劇団とっても便利)、元村好江
DJ VOICE:川下大洋(Piper)

HEP HALLの企画によるTheatre 14の第2弾ミュージカル、シェイクスピアの「真夏の夜の夢」。娘は父の決めた男と結婚せねばならないという規律があったアテネで、ハーミアは父・イージアスの決めた許婚・ディミトリアスと結婚するのを拒む。なぜならハーミアはライサンダーという別の男と愛しあっていたからだ。またディミトリアスにはハーミアと出あう前に婚約していたが、ヘレナはディミトリアスを今も強く愛していたのだ。アテネの君主・シーシアスに4日間の猶予を与えられたハーミアたちは駆け落ちすべく森へ向かう。そしてヘレナもディミトリアスを伴って二人を追って森に入る。妖精が支配するその森では妖精王オベロンとその妻ティータニアが夫婦喧嘩の真っ最中。オベロンがいたずら妖精パックに命じて惚れ薬を使ったからさあ大変、4人の恋模様は大混乱してしまうのだった・・。
シェイクスピアの有名な喜劇で何度も読んでいたから物語はよく知っていた。衣装もとても幻想的で異世界を舞台に作り出し、おそらくアドリブも挟み込みながら序盤はとてもテンポよく進んでいった。最前列に座っていたのだけど舞台と私たちが座っている座席の前のスキマも舞台として使われていて、いろんな登場人物がかけぬけ、踊り、ときには床を這っていた。通路もかなり使われていた(これは見えにくくて少々苦しかったけど)。舞台のうえも立体的なセットが組まれていて、大きな動きとダンスも観ていて美しかった。
シェイクスピア作品の中ではもともと「分かりやすい」作品ではあるけれど、これほど面白く観やすく舞台を作り上げていることにちょっと驚いたくらい。途中も爆笑につぐ爆笑で、何度も大笑いさせられた。歌は、全体的に言えばまあまあ程度だったかな。平日マチネの追加公演にもかかわらず満員の観客も手拍子したりしながら一体になって楽しむことが出来た。気軽に楽しく観ることが出来る素晴らしいエンターティンメント作品だった。
唯一最大の難点、それはやっぱり「長過ぎた」こと。開演前に「上演時間は休憩をはさんで3時間」とアナウンスがあったが、実際には3時間15分を超えていた。正直に言えば後半は少々間延びして感じられた。観ている方も疲れてきているし、内輪ウケなのか?と思ってしまう。それがなければほんとによかったのにな、と思う。でも面白くてステキで観て満足したということは間違いない。




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