童話作家・北村正裕のナンセンスの部屋 > 永遠のエヴァンゲリオン >
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」を見る前に
(そして、その後に)
−「新世紀エヴァンゲリオン」と新作映画「ヱヴァンゲリヲン」の基礎知識(予備知識)−
このページでは、2007年夏から2008年夏にかけて公開予定のアニメ映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』四部作を見る前に、そして、また、その後に、原典版(95〜99年版)のアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」について概観するために、DVDなどをこれから見ようと考えている方々のために、95〜99年版の「新世紀エヴァンゲリオン」のビデオソフトの種類などについての基礎知識をまとめておきます。DVDの種類、見る順番など、新しいアニメファンの方々のためのご参考になればさいわいです。
〔95〜99年版ビデオソフトおよびテレビ版と劇場版の関係〕
もともと、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(ガイナックス企画、庵野秀明監督)は、1995年10月から半年間テレビで放映されたものの、その「最終話」でも物語は完結せず、その後、1997年春に公開された映画「シト新生(DEATH&REBIRTH)」(テレビ版の回想と完結編映画の予告的内容)を経て、1997年夏に、テレビ版の最終二話(「第弐拾五話」と「最終話」)をリメイクした形で(つまり、テレビ版の第弐拾四話に続く形で)、映画「THE
END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)」が公開されて、ようやく完結し、さらに、修正されたDVDビデオソフトは、99年に完結したという経緯があります。劇場版DEATH編は、映画「シト新生(DEATH&REBIRTH)」の前半部分で、テレビ版の回想であり、「総集編」という言葉が使われていることが多いですが、これを見ればテレビ版のあらすじがわかるというような作りにはなっていません。ですから、僕は、自分の著書『エヴァンゲリオン解読』(2001年)では、これを「総集編」とは呼ばず、「回想」と呼んでいます。アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のストーリーを概観したければ、むしろ、劇場版DEATH編を省略して、テレビ版の第壱話から第弐拾四話までを見た後、劇場版の「Air/まごころを、君に」へ進めば、これで、ストーリーが完結します。テレビ版の最終2話も省略可能です。劇場版(Air/まごころを、君に)は、テレビ版の結末とは比較にならないほど、素晴らしく、感動的な傑作だと思います(否定的な感想も多いようですが)。また、2003年に発売されたリニューアル版のビデオソフト(DVD)には、第弐拾壱話から第弐拾四話までについては、修正されたビデオヴァージョン(リテイク版)と、テレビ放映時の旧ヴァージョンの両方が収録されていますが、これについては、リテイク版(ビデオフォーマット版)を見れば、完成された形が見られます。しかし、これ以上の省略をすると、わけがわからなくなるはずです。
ところで、「シト新生(DEATH&REBIRTH)」の「REBIRTH編」は、内容的には、「THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)」の前半の「Air」に含まれており、したがって、「DEATH編」(の改訂版であるTRUE2ヴァージョン)と「Air/まごころを、君に」をつなげれば、一応、劇場版の完全版ということになり、実際、98年春には、この形で「REVIVAL
OF EVANGELION」というタイトルで文字通りリバイバル上映され、2003年に発売されたリニューアル版の劇場版DVDもこの形になっています。しかし、この形のビデオソフトも、音楽的には、完全版とは言えません。というのは、もともとの映画「シト新生(DEATH&REBIRTH)」では、ラストに、挿入歌「魂のルフラン」が流れるのですが、「REVIVAL
OF EVANGELION」の形では、これが流れないからです。というわけで、かつてのヒット曲「魂のルフラン」の流れる劇場版ソフトを入手したいという場合には、99年に発売された古い劇場版DVDをさがさなければなりません。これなら、「魂のルフラン」も流れます。しかし、この古いDVDは、画質は、あまりよくありません。
99年発売のDVDビデオソフト(発売元:ガイナックス)には、この劇場版完結編「THE END OF EVANGELION(Air/まごころを、君に)」の「Air」を「第25話」、「まごころを、君に」を「第26話(終局)」として、それぞれ、テレビ版の「第弐拾五話」「最終話」の後に(若干の修正を施した上で)収録されています。また、これとは別に、劇場版のビデオソフトも発売されています。それに対して、2003年のリニューアル版では、テレビ版と劇場版は、完全に、別のディスクになっています。
1998年から99年にかけて発売されたビデオソフトに収録されているテレビ版の部分は、実際にテレビ放映されたものに、若干の修正が施されているものです。特に、「第弐拾壱話」から「第弐拾四話」までは、かなり、修正され、新たな映像が、追加されています。また、「シト新生」のDEATH編(テレビ版の回想的内容)も、劇場公開時のものに修正が加えられ「TRUE^2」ヴァージョンと銘打ってビデオソフトに収録されています(こちらは、テレビ版とは逆に、若干、短くなり、そのカットされた部分が、ビデオ版の「第弐拾壱話」から「第弐拾四話」にはいったというわけです)。なお、2001年2月に出たDVDのセット「SECOND INPACT BOX(セカンドインパクトボッックス)」中巻に、第弐拾壱話から第弐拾四話までの、テレビ放映時のヴァージョン、つまり、修正された形で出たビデオソフトのヴァージョン(ビデオフォーマット版)とは違う旧ヴァージョン(OAフォーマット版)が収録されています。
2003年に、画質などを改良して発売された、リマスター版(リニューアル版)DVDには、第弐拾壱話から第弐拾四話までについては、修正されたビデオヴァージョン(リテイク版)と、テレビ放映時の旧ヴァージョンの両方が収録されています。両ヴァージョンの比較にはうってつけだと思います。第弐拾壱話と第弐拾弐話は、第6巻に、第弐拾参話と第弐拾四話は第7巻に、それぞれ収録されています。
というわけで、いろいろ、ややこしいですが、これから『エヴァンゲリオン』を見ようという方のご参考になればさいわいです。
〔「新世紀エヴァンゲリオン」95〜99年版あらすじ〕
西暦2015年、人類は、その存在をおびやかす使徒と呼ばれる謎の生物に対して、人造人間エヴァンゲリオンを使って戦っていた。エヴァンゲリオンを操縦するのは、碇シンジ、綾波レイ、惣流・アスカ・ラングレーン等、母のない、14歳の少年少女たち。そして、政府に疎まれながらも、全権を委ねられた特務機関ネルフ。だが、ネルフと、その背後にある秘密組織ゼーレは、全ての使徒を殲滅した後に発動すべく、行き詰まった人類を新たな段階に人工進化させる「人類補完計画」を画策していた。そして、両者の補完計画の間には、大きな違いがあって、最後の使徒の殲滅後、対立は決定的となり、全面的な武力衝突となる。双方の「補完」が同時に進む中、どちらの補完計画にも必要なエヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジに全てが委ねられ、苦悩の末、彼は、どちらの補完も肯定せず、もとの世界に戻ることを決意する(最後の使徒殲滅が、テレビ版第弐拾四話、それ以降が、劇場版(Air/まごころを、君に))。
〔ヱヴァンゲリヲン新劇場版制作情報〕
2006年9月9日に、GAINAXは、HPで、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の新劇場版四部作REBUILD OF EVANGELION(仮題)が製作され2007年夏から2008年夏にかけて公開されるとの発表をしました。
また、キングレコードのDVD情報などを掲載している「エヴァ」公式サイトhttp://evangelion.co.jp/でも、同時に情報が掲載され、07〜08年公開予定の新劇場版の前編、中編、後編、完結編の4部のうち「完結編は新作」という情報が出ました。一方、2006年9月9日発売の「ニュータイプ」10月号(角川書店)18ページに掲載されているキングレコードの大月俊倫プロデューサーのインタビュー記事には、同プロデューサーの発言として、「物語の時間軸は、'95年のTVシリーズと同じです。ただし、内容はまったく異なっている。リメイクでもつくり直しでもない"新作"です」と書かれており、また、編集側の記述として、「新劇場版のために、大量の新設定も準備される予定だ」と書かれており、「完結編」だけでなく、作品全体が、95〜99年版とは別の物語になることが示唆されました。
さらに、2007年2月17日に、これまでキングレコードから発売されていたアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」2003年リマスター版DVDの情報などを掲載していた公式ページhttp://www.evangelion.co.jp/が全面リニューアルされ、新作映画のタイトルが「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」となることや、第1作の公開予定日が2007年9月1日であるという情報などが掲載されました。また、Yahoo!
JAPAN-エヴァンゲリオン特集-のページhttp://eva.yahoo.co.jp/で発信された「新劇場版特報映像」には、「新しい登場人物、新しいエヴァ、異なる結末」という文言が並んでおり、タイトルの表記を変えたことと合わせて、オリジナル版とは別の作品であるということが、さらに、強く示唆されました。また、同特集ページに掲載された庵野総監督の「所信表明文」には、「エヴァンゲリオンを知らない人たちが触れやすいよう、劇場用映画として面白さを凝縮し、世界観を再構築し、誰もが楽しめるエンターテインメント映画を目指します」とあるので、僕は、新しいアニメファンのためのオリジナル版(旧世紀版)への入り口だと考えるべきではないかと思っています。
新劇場版完成後は、2003年版のDVDは、「旧版(旧世紀版)のリニューアル版DVD」などと呼ばなくてはならなくなるかもしれませんが、キングレコードには、95〜99年版作品のDVDの生産を中止したりすることのないようにお願いしたいところです。
なお、この新劇場版の制作は、原作者たるGAINAXではなく、庵野総監督自らが設立した「スタジオカラー」という新しい制作スタジオが手がけるとのことです。
〔その他の話題(2007年2月18現在)〕
*95年のテレビ放映開始とほぼ同時期から、アニメのキャラクターデザインを担当した貞本氏によるコミック化が続けられており、角川書店から発行されていますが、こちらは、2007年2月現在、まだ、完結していません。
*角川書店より、「ディクショナリー・オブ・エヴァンゲリオン」という本が出版されるとのことで、2007年2月現在、楽天ブックス、セブンアンドワイなど一部のネット書店のサイトに情報が出ています。
*新劇場版とは別に、ハリウッドで、実写版の「エヴァンゲリオン」の映画を製作するという計画があるようで、ガイナックスのHPなどに情報が出ましたが、2007年2月現在、詳細は、まだ、不明です。
(07. 2.18更新)
*「新世紀エヴァンゲリオン」TV版各話と劇場版("旧劇場版"DEATH(TRUE2)/REBIRTH/Air/まごころを、君に)のストーリー解説は、オリジナル版(95〜99年版)制作会社GAINAXのHP(リンクページ参照)にあります。
*映画「シト新生(DEATH&REBIRTH)」の挿入歌「魂のルフラン」のルフランとは、フランス語で「繰り返し」の意味なので、「魂のルフラン」とは、いわば輪廻転生(りんねてんしょう)を意味するタイトルだと考えてよいと思います。さらに歌詞を見ると、その内容は死への誘いととれるものであり、アニメソングとしてはきわめて異例のものだと思います。
*新作映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」(第1部「序」、第2部「破」、第3部「急」、第4部「?」)については、ブログの方にも関連記事を掲載しています。
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