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「眠れる森の美女」についての参考書

 

僕が1995年に自費出版した

北村正裕詩集「夜汽車の憧れ」(私家版、1995年、著書紹介のページ参照

に「北村正裕のバレエ・オペラ鑑賞ノート」として「バレエストーリーと”原作”との間」というエッセイを書いた時点では、同書78ページにも記してある通り、バレエ「眠れる森の美女」の台本については、小倉重夫著「チャイコフスキーのバレエ音楽」(共同通信社、1989年)にある解説を主な参考書としていました。しかし、実は、この本には、間違いや、疑わしい記述が多く、したがって、それに基づいた、当時の僕の記述にもいくつかの誤りがあります(「夜汽車の憧れ」62ページにも、小倉氏の本の間違いの一例をあげてあります)。この本の最大の弱点は、記述の根拠、出典が明示されていないという点です。したがって、検証が難しく、どうも、信用できない事が多くなってしまいます。例えば、「眠り」原台本での妖精の名前は、どうやら間違っていたようです。さいわい、その後、

森田稔著「永遠の白鳥の湖」(新書館、1999年)

が出版され、この中に、「眠れる森の美女」や「くるみ割り人形」についてもかなり詳細な解説が載っていますので、「眠れる森の美女」や「くるみ割り人形」について調べようという場合にも、この森田氏の本がとても役にたつと思います。

この森田氏の本には、プティパ版初演当時の1890-91年シーズンの「帝室劇場年鑑」に掲載された同バレエの台本の邦訳も載っています。これとは若干異なる、1890年の初演時に出版された台本の英訳文が、

Wileyの"Tchaikovsky's Ballets"(Oxford University Press,1985)

に載っています(このワイリーの本の情報を最初に教えて下さったのは、鈴木晶さんでした。どうも、ありがとうございます)。

さて、このワイリーの本にあるものと同じヴァージョンと思われる台本の邦訳が「T.T.プロジェクト」による「眠れる森の美女復元版応援サイト」というサイト(リンクページ参照)に掲載されています(2000年7月現在)。これは、ロシア語原文から、皆で手分けして訳したとの事で、現在、修正作業中だそうです。ついでながら、このサイトを見ていたら、何と、「「フロリナ王女と青い鳥」が誰のどんな話なのかご存知の方、ぜひメールで教えてください」とありました(2000年7月13日現在)。僕のサイトの読者の方々ならご存知ですよね。以前から僕のサイトに掲載している「白い猫の素性」というエッセイの中に書いてある通り、「青い鳥とフロリナ姫」は、ぺローと同時代の女流作家マリー・カトリーヌ・ド・オーノワの「青い鳥」という作品の主人公たちであリ、これについては、東洋文化社・メルへン文庫よリ、邦訳が出版されています(上村くにこ訳、書名は「ロゼット姫」、作者名は「オーノワ夫人」)。魔法で青い鳥の姿に変えられてしまったシャルマン王子が、最後には、元の王子の姿に戻って、愛するフロリナ姫と結ばれるといった物語です。「白い猫」の事も添えて、さっそく、メールを送ったところ、お返事をいただき、少し前に、僕のサイトを見つけていたのだけれども、忙しくて、HPの更新が遅れているとの事でした。資料の収集などもかなり熱心にやられているようなので、今後の研究の進展に期待したいところです。

(00. 7.13記)

 

 

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