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 閉ざされた言葉

   閉ざされた言葉

閉ざされた言葉はとろとろトラウマが冷えて固まり形なすまで

まっしろな兎の耳を一結び眠る気持ちになれないならば

森の奥分け入るほどに足下はやわらかくやわらかく 踏みしめられない

愛なんて注がないでよサボテンに水をばかすか注ぐみたいに

よれよれによれたテープがひっかかる古いデッキをさてどうしよう

受け渡す大玉送りの痛みでも届かぬ指の先を転がる

言霊という背後霊あまたいて今日もわたしはでんぐりがえり

灯台のように夜のコンビニのようにどこかでひかっていてよ

号令をかけるとらうまとび始めっ増殖するわたしの複数形

とろとろと眠たがってるぼくの耳たぶを気泡がいくつも撫でる

泣かないでアンドロギュノスぼくたちはもうかえらない背中のくぼみ

誰を呼ぶ? けぶるかげとにみちをまよい午前一時のかなかなが呼ぶ

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注1:「アンドロギュノス」はプラトンの「饗宴」に出てくる、人間の祖先だ
   という怪物。かつて人間は現在の人間を背中で張り合わせたような、
   手が四本に足が四本、顔二つの生き物だったのだが、それが切断されて
   今の形になったので、それで人間は失われた半身を求めて、パートナー
   を求めるのだという。
注2:「けぶるかげとに」は奥主榮の詩、「うちへかえろう」より引用

>   うちへかえろう
>
> 夕暮れに
> ラッパの音と耳鳴りと
> けぶる影とに道を迷い
> 足いそがせた
> うちに
> かえろうと

 (2、3、4連、略)

> ラッパの音は聞こえない
> 磁石の針もくるんくるん
> あてずっぽうの先は
> ころばぬ先の取り越し苦労
> 革の鞄の底にいた
> 馴染みの陰と手をつなぎ
> うちへ
>
> うちへかえろう
          (T-THEATER第一回公演パンフレットより転載)

       
             (@nifty FTANKA mes9発表)


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 題詠マラソン会場
 短歌の人たちが、まったくの初心者からベテランまで、同じお題100題で歌を詠んでいく試みです。参加者はもう締めきられていますが、眺めるだけでもおもしろいと思います。(あまりに膨大過ぎて読みきれない面はあるけれども。)
 個々の参加者には自分のHPで感想などや気に入った歌を抜き出している人もおり、それらのURLは「給水所」掲示板の書きこみに触れられています。


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