8月7日から開始された立ち入り調査に際して発表した声明です。


環境への影響を最小限にした道路づくりについての話し合いを継続したい

本日、松戸市は都市計画道路3・3・7号線の道路予定地について、強制収用のための立ち入り調査を強行しようとしています。このことについて、声明を発表します。

はじめに、私たちは、開発が進んだ松戸市内において年々減少している“緑”が自然のままで残るこの「関さんの森」を分断する道路計画を見直し、未来の子どもたちのために、できる限り一つの塊の状態で残したいと思っている地権者です。

「関さんの森」は、以前から近隣住民の憩いの場として、小学生だけでも年間2000人を越える子どもたちの環境学習・自然体験の場として機能してきました。また関家には、古い門や3つの蔵、さらには熊野権現があり、蔵には江戸時代中期以降の、人々の生活の歴史や文化を示す未発見の古文書が多く保管されております。そして、これらの自然財産・歴史遺産を、学習や体験の場として市民に提供するため、720日には「関さんの森エコミュージアム」が発足したところです。

ところが、エコミュージアムの発足を記念するシンポジウムが、市民520名の参加を得て開催され、この地域の価値が市民によって確認された直後の725日、松戸市は強制収用によって道路用地を取得するための手続きに入ることを発表し、本日は立ち入り調査となりました。このことは、非常に残念です。

私たちは道路開通を断固拒否しているわけではありません。この道路については、市民の中にも開通を望んでいる声があることも、道路の公共性も十分に認識しています。しかしながら、道路が計画された44年前と現在とでは比較にならないほど地球環境は悪化し、都市部の貴重な緑の資源も急速に減少するなど、客観情勢が著しく変化しています。このことは松戸市長もじゅうぶんに理解の上で、道路計画の『暫定案』を提示してくださいました。また、私たちも『代替案』等を提出するなど、やっと道路開通の方法について具体的な話し合いがはじまったところだと思っています。そんな中で話し合いを一方的に打ち切って、強制収用にむけて手続きを開始されたことに、私たちは驚いています。

私たちは、今後とも、松戸市との話し合いを継続して、環境への影響を最小限にした道路を開通させる方針に変りはありません。そのことが、道路開通を願う市民の声と、都市に残された貴重な自然を残したい市民の声に応える、唯一の方法であり、この点は、私たちと松戸市の間でわかりあえると思います。

現在のような両者が正面から相対するという不幸な状況は、誰も望んではいません。松戸市にとっても、今日の行政のあり方としても良い状況とは思われません。この不幸な状況を脱して、誰もが望む解決方法を模索するために、お互いに誠意を持って話し合うことだと思います。そのためにも、まずは土地収用法に基づく事務手続きは一時停止し、「関さんの森」という貴重な自然遺産や歴史遺産を、できる限り大きな塊で残しながら道路を作るための、話し合いの場をこれからも継続してくださるよう、松戸市長にお願いしているところです。

松戸市の強制収用という強行手段を用いた道づくり、本日の強制収用のための立ち入り調査は、多くの市民が、いや多くの国民が見ています。今からでも遅くはありません。これからは、環境が大切にされるべき時代です。市民と行政がいっしょになって、環境に配慮した道づくりを考えていきましょう。このことを、松戸市をはじめ皆さんに訴え、声明といたします。

2008(平成20)8月7日

関 美智子・関 啓子



強制収用手続きを中止し、話し合いでの解決を求める声明

本日、松戸市は、都市計画道路3・3・7号線計画予定地の関美智子・啓子氏所有部分について、強制収用のための立ち入り調査を強行しようとしています。このことについて、声明を発表します。

私たちは、開発が進んだ松戸市内において、屋敷林・梅林・農園など貴重な緑が残る里山的空間「関さんの森」を13年間にわたり地権者と共に維持管理し、豊かな生物相を育む空間となるよう努めてきました。また、地域の人たちに愛され、自然体験や環境教育の場として有効に活用されるよう、多くの市民と関わりながら、様々な活動をおこなってきました。

その結果、今や2.1haの「関さんの森」の公共的な価値は高まり、小学生だけでも年間2千人、この他にも保育園から専門学校や大学にいたるまで、あるいはお年寄りのデイサービスなど、老若男女合わせて5千人もの人々が憩い、集い、学び、自然の息吹と恵みを感じる「公共の教育と福祉」の場となっています。

また、道路予定地上には、関家の古い門や3つの蔵があります。蔵には江戸時代中期以降の、人々の生活の歴史や文化を示す未調査の古文書が多く保管され、さらに地域の人々の信仰を集めた熊野権現を含めたこの区域は、単なる自然遺産としてだけではなく、貴重な歴史遺産でもあります。

私たちは、720日には、「関さんの森エコミュージアム」発足式を行い、翌21日には、環境や歴史・文化に関する専門家の方々をお招きし、エコミュージアムの発足を記念するシンポジウムをおこないました。千葉県をはじめ、県・市の教育委員会など45団体の後援を得て開かれたこのシンポジウムには、520名もの市内外の人々が参加され、「関さんの森エコミュージアム」としての自然遺産・歴史遺産の価値が公に認知されたばかりです。

道路が計画された44年前と現在とでは、地球環境はもちろん、地権者の代替わりなどで周辺の緑もすべて宅地に変貌しました。この中にあって、地権者や私たちは、貴重な自然遺産・歴史遺産を大きな塊として残しながら、どのようにして道路を開通させるかを考えてきました。松戸市からの『暫定案』に対し、私たちは隣接地権者への配慮も含めたひとつの案を『代替案』として提示し、道路開通問題について共に考える「話し合い」が始まったばかりだと思っていました。

しかし、松戸市は地権者や私たちとの「話し合い」による解決を一方的に打ち切り、強制収用という強引な手段によって、貴重な里山的空間を分断する道路を通そうとしています。このことは、市民のための大切な自然などの遺産を残しながら、市民のための道路を作るという目的から考えたとき、今の時代の行政の手段としては、あまりにも乱暴です。

地権者や私たちは、今も「話し合い」によって道路問題を解決することを、松戸市にお願いしています。現在のような、両者が正面から対峙するという不幸な状況は、誰も望んでいません。いま一度、市民と行政が一緒になって、環境に配慮した道づくりを考えていきましょう。このことを松戸市はじめ皆さんに訴え、声明といたします。

2008年8月7日

関さんの森エコミュージアム
関さんの森を育む会