| 「O型献血」
ある日、仕事中いつものように仕事しないでYahoo!ニュースをみていると、血液が深刻に不足しているというニュースがあった。以下はその抜粋。
こういう事態になってしまったのは、ものすごく端折って言うと狂牛病の影響らしい。ショッキングなニュースである。何よりも、O型が最低の数字であること言うことがショッキングだ。これではまるでO型が薄情な性格であるかのように捉えられてしまうではないか。2年連続ぞろ目であることを喜んでいられない。 そんなショッキング状態から我に返ってみると、自分は献血に行ったことがないということに気づいた。これはもう行かねばなるまい。こうして年貢の納め時はやってきたのである。 献血場所は新宿を選んだ。新宿ならどこかにあるだろう。人通りの多いの新宿通りをぶらぶら歩いていると、早速見つけた。とあるビルの6階だ。 意を決して建物の中に入ってゆく。日曜だからか、わりと人気のないビルだ。エレベーターを一緒に乗った男もどうやら行き先は6階らしい。この男もYahoo!ニュースを見たのか、それともサービスで出るドーナツが目的か、はたまたHIV検査が目的か。後頭部を見つめたが、そこからは判断できなかった。 6階についてみると、人気のなかった入り口からは一転、沢山の人であふれかえっていた。賑わっていたといってもいい。買い物に来たのでもなく、病院に来たのでもなく、献血に来た人達でフロアが賑わっているという状況はなんとも不思議な感覚である。初めての人間にとっては。この雰囲気、マーケティング調査(リリース前の新商品のアンケートに答えて1,000円もらうアレ)で連れて行かれる部屋と似ているかも知れない。 入り口では愛想が良くてテキパキしたおじさんが応対してくれた。この人の役割は来た人に、献血手帳を持っているかいないかを聞くことである。持っていないと答えると、紙に何か記入しろという。了解。 記入した紙を先ほどの愛想の良いおじさんに渡すと、愛想良く受け取ってもらえた。このおじさんは、このビルを出た先にあるさくらやの店頭に立たせたほうが良いのではないか。献血の受付にしておくにはもったいない人材である。 受付机の下。 だそうです。 それにしても思った以上に献血が大人気だった(写真には写せていないが)。かなり順番待ちをしなければならない。その代わり待ってる間は、ジュースやお菓子が胃に投入し放題。そして漫画も読み放題、雑誌も読み放題。なので、順番待ちは全く苦痛ではない。呼ばれなくてもいい。いつまでも待っていたい、という感じだ。本当に献血足りてないんだろうか?と思ってしまうほど。それとも連日のニュースが功を奏しているのか。 夢のタダ自販機。 自販機でテプラが貼ってあるやつはどうもアレンジしてあるようだ。「ひとりビリヤード」でもそうだったけど、紙コップ自販機はオリジナリティ溢れる自販機だなあ。 写真(自販機の)左下をご覧下さい。ホットアクエリアスが当然のように並んでいる。飲んだら、けっこういけた。 気合いが足りなかったため、極めて中途半端な待合室の写真 お菓子の味は覚えていない。正直少し緊張してたのだった。 40分くらい待ち合った頃に、名前が呼ばれた。まずは軽い問診。脈拍を計り健康そのものと太鼓判を押され、400mlの採血が採決された。 次に献血前の血のチェック。太めの看護婦さんが僕の右腕に注射針を入れる。おお〜う。血が注射器にたまってゆく。赤黒い。採った血をひとしきり化学研究され、 「O型ですね?」と聞かれる。 「はい」と答える。 ここでやっと血液型に言及された。受付の紙にも自分の血液型を書いていなかったのだ。それもそうだ。血液型が自己申告制だったら怖い。 こうしていよいよ献血へと回された。献血室は以下のような感じとなっている。これだけこんな写真なのは、献血室を写真でとる気合いが不足していたためだ。だから後からもらった献血冊子からスキャンした。僕が行ったとこもほぼこんな感じです。 ![]() 椅子は歯医者と同じようなカタチで楽チン。僕は左腕から献血することになったので、左腕用の椅子だ。椅子の右側にテレビもついていて、好きなビデオも見れる。至れりつくせりだ。 自分、平静を装っていたのだが、わずかに緊張していることが担当の看護婦さんに伝わってしまったようで、看護婦さんは 「針を刺すときちょっと痛いですけど、だんだん痛みはひいていくので大丈夫ですよ。ちょっと太い針だけど」 と声をかけてくださった。最後の一言がちょっと余計だ。 「今日は人多いですねえ」と看護婦さんが言った。 「僕、Yahoo!ニュースでO型が少ないと知って来たんです、O型なんで。そういう風にニュース見てきた人が一杯いるんじゃないすか?」と感謝されようとして言ってみたら、案の定感謝された。すごいぞ俺。今感謝されてる。来た甲斐があった。 ミニ湯たんぽを腕の下に敷き、針登場。さあ年貢を手渡す瞬間だ。針、確かに太い。 ずぶり。 うおお〜む。思ったよりは全然痛くない。どんどん血が抜かれていく。 抜き始めて5分位経ったころだろうか。担当の看護婦さんではない先輩看護婦らしき人が僕の腕をチェックしにきた。その看護婦は針の上に乗ってる布をどけて僕の腕を険しい目つきで見ると、担当看護婦に向かって 「ちょっと、腫れてるよ〜」 と言うではないか。ナヌッ!?そんな実感はない。でもダメらしい。結局先輩看護婦の一言で即座に献血が中止されてしまった。残念。読み物的にも残念なオチがついた。 「せっかく来て頂いたのにすいません」謝られる。400ml取るところが、300ml未満でストップ。もう既にリベンジしたいという気持ちがわいていた。もしくはこんな楽しいところまた来たいという気持ちかもしれない。それでまた来ても、また腫れだしたら嫌なので、 「僕は体質的に向いてないんですかねえ」と聞いてみると、 「そんなことないです。私の刺し方がいけなかったんです」とのこと。 それはそれで嫌だ。 献血の後。文字は多分"東口ROOM"という意味。 注射針を刺した後はガーゼの上にテープを貼って、服の上からこの青いバンドを巻く。これなら包帯を使わなくて合理的だ。途中で中止したがお疲れ様自分の意味をこめて、タダドーナツを食った。 この欄を埋め尽くしたい。 こうしてO型が薄情な人間ではないということを身をもって証明したわけだが、ご納得いただけただろうか。 おわり (2005/4/17) 読み物 |