「愉快ドライブ 2003ゴールデンウィーク」

日々の鬱憤(うっぷん)を晴らすため、我々は愉快ドライブをおこなった。
「わ」ナンバーのカローラに5人詰め込んだらGOだ。

今回のテーマは箱根を攻める。最初はうろ君がハンドルを握った。
明治通りを南下し渋谷に着く。都会の道路は常に工事中なので
訳がわからず、逆車線を走ったらいつのまにか右折レーンに居て、
そうしたらいつのまにか246にいる。ここでぐるぐるぐるぐるした挙句、
山手通りに辿り着いて一安心。深夜で空いているから早いったらありゃ
しない。1号線にぶつかったので、これにのって横浜方面へ。
いきなり「今日、ツバメを見ました」とあなろぐ。なんとなく、彼らしい発言。

横浜でアク君の運転に変わる。アク君とはもちろんアクセ○チュア
で夜のライフを楽しんでいるカレのことだ。さらに1号線を下って箱根
に着いたら、今度はあなろぐ。さあここからがメインの箱根の山だ。
カーブのエスケープゾーンには腕を組んで何かを見物している
人達がいる。その何かとはもちろん走りやさんのことだろう。しかし
「わ」カローラである我々は安全運転志向で。

ワーイ、芦ノ湖だー。我々は喜び勇んでカローラを飛び出た。
あれれ?一人足りない
でもアレレ?4人しか飛び出てないぞ?うろ君はおねむのご様子。
というか寝てる。喜び勇んで飛び出た芦ノ湖は当然のことながら
真っ暗闇。なにか見ようにもなにも見えない。見えるのは芦ノ湖に
かかったボヤっとした霧とバイクで旅をしている人がシュラフで寝ている
姿だけ。

さあ次はどこへ行こう。この時点でまだ午前4時くらい。地図を見ると
熱海がわりと近い。決まった。熱海だ。「熱海にしよう!」というと、寝ている
うろ君が「わーい、熱海賛成!」と言う。そしてまた寝る。今度は僕が
運転した。箱根から熱海へも結構峠の道という感じで楽しい。おまけに
車が全然いないから好き勝手できる。安全運転志向のはずがいつのま
にかドライビングハイになってくる(僕だけ)。結果、後部座席の3人が
グロッキー状態に。ごめん。反省します。

ワーイ、熱海だー。我々は喜び勇んでカローラを飛び出た。
あれれ?2人だ
でもアレレ?2人しか飛び出てないぞ。出たのは僕とアク君だけ。
3人はグロッキーなのか、寝ているのか?まさか僕の運転のせいで
はあるまい。あたりは明るくなっていたものの(曇りだったが)、早朝から
温泉やっているわきゃないな。仕方がないので熱海のろのろドライブで
お茶を濁す。相変わらずの廃墟っぷりだ。熱海の先っちょの方まできて
僕とアク君だけで楽しむ。記念撮影なんかしちゃったりして。熱海に大賛成
したうろ君、あなろぐ、熊GUYは夢を楽しんでいるご様子。
お前ら夢より熱海を楽しめよ。確かに早朝熱海には何もないけど。

アク君と相談した結果、今度は清川MURAへ行くことに。もちろん温泉
目当てだ。神奈川県のど真ん中なのでさすがに着く頃には温泉開いてい
るだろ、と高をくくったのだ。「高をくくる」とはたいしたことないと思って
相手を見くびること。でもたいていは失敗する。清川MURAに着いたのは
午前7時。温泉施設の前には10時開店の文字。あと3時間も待てるかよ。
愕然としていると、マーチに乗ったおっさんが登場。すわ開店か!?と
思っておっさんの行動を見ていると、駐車場をあけたらまたマーチに乗って
帰っていった。こいつの仕事はこれだけか?毎朝7時にやってきては駐車場
あけて帰るだけか?たたかう企業アクセ○チュアに勤めるアク君から
すれば、腹立たしい商売だ。

再び僕とアク君は考える。温泉ならどこでもいいよな。結果、薄っぺらな
道路地図に乗っていた温泉マークをあきる野市に見つけ、そこを目指す。
その名も網代温泉。本当にこれでよいのか?温泉マーク一つで行動を開始
して良いのか?一応あなろぐにも賛同を得させる。うろ君は寝ながら
「ワーイ温泉温泉」という。熊GUYに至っては後部座席に身をゆだねるのみ。

カーナビのない車で悪戦苦闘しながらあきる野市の網代温泉に着いた。
地図上からすれば間違いなくここだ。一軒の旅館がある。それだけ。
まだ寝静まっているこの旅館の中に多分網代温泉はある。
そこにタイミングよく犬を散歩させているおっさんが通りかかった。
僕は窓を全開にしていたので、すかさず聞いた。
「この辺に温泉ないですか?」
おっさん「この旅館でなかったら、他にはないなあ」
やはり薄っぺらな道路地図の温泉マークは当てにならない。
おっさん「でも五日市のさきになら『つるつる温泉』があるよ」

つるつる温泉!

ヤッター!俺達はやったんだ。ついに温泉を見つけたんだ。
親切なおっさんにつるつる温泉の詳しい場所を聞いて、礼を言って
つるつる温泉に向かった。もう車内はつるつるムード一色。やっと5人が一つ
になれた気がした。芦ノ湖でもダメだった。熱海でもダメだった。
しかしここあきる野市で我々はやっと一つになれたんだ。それもこれも
みんな犬を散歩させていたあのおっさんのおかげ。感謝。ついでに犬にも
感謝。

さてつるつる温泉には午前9時半に着いた。開店まであと30分ある。
待っていると、つるつる温泉に続々と車が入ってくる。みんなつるつる
したいんだ。我々は現代人のつるつる不足を改めて思い知らされた。
第3セクタープンプンのこの施設に、開店と同時に人がなだれ込んだ。
3時間800円。

我々は1時間かけて温泉につかった。僕はサウナにも入ったさ。水風呂にも
入ったさ。出てから休憩所に行ったさ。そこは畳の部屋で、思いっきり横に
なれる。おやすみ〜。5人とも眠りに入った。

フと気が付くと変な歌が聞こえる。
「ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪」
誰かが施設中に響き渡る声でこの変な歌を歌っているのだ。
歌いつつ歩き回っている。どうやら知的障害者のようだ。でっぷりと
お太りになっている。我々が寝ている休憩所に歌声が近づいてくる。
恐怖を感じたが、彼の母親が「どこ行くの!」と彼を一喝すると、
彼は引き返していった。助かった。歌声は遠ざかりつつも、
「ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪」
と延々に続く。僕は良く寝ていたからまだいいものの、アク君や熊GUYは
この歌声に30分以上安眠を妨害されていたようだ。気の毒でならない。

きっかり13時に施設を出ると、熊GUYがボソッと「うるさかったすね、アイツ」
と言った。その倦怠感に包まれた雰囲気で言われると、心から気の毒に
ならずにはいられなかった。つるつる温泉を出発しても、
「ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪ドゥードゥルットゥットゥッドゥー♪」
の歌声がみんなの心の中に残った。

八王子に出てラーメンを食べたら、僕はそこでカローラを降りた。
皆さん、お疲れさまです。みんなで共有したあの歌声を胸にこれからも
頑張っていこう。

(2003/5/6)


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