本職は歯科医です


スポーツ選手は歯が命

 ボクサーが装着しているマウスピースは、ご存知と思う。ラグビー選手などでもポピュラーなようだが。マウスガードと言われる物で、体が接触するスポーツにおいて外傷予防の目的で装着される装置。他にも、瞬間的に多大な力を要求されるようなスポーツ(例えばウェイトリフティング)においては、歯の噛み合せの状態によって、最大筋力の発現の仕方が異なってくるという報告がある。つまり、噛み合せが良いとバカ力が出せると・・・自分で研究したわけではないので、「受け売り」の域を越えないが。
 歯学生時代に、第一大臼歯には最大で自分の体重と同じくらいの噛む力が加わることは学んだ。また、野球のバッティングの瞬間や相撲の立会いの瞬間には体重分ぐらいの圧力が歯に加わることも知識としてはあった。『月間ランナーズ2003年9月号P65』によると、なんとランナーもマウスガード(治療の場合はスプリント?)装着による噛み合せ治療で記録が伸びたと報告があるのだ。これは、ランナーまゆみとしては素通りするわけには行かない!箱根駅伝でも有名な山梨学院大で、導入したら好成績を修めたというのだ。ちょっと「まゆつば物」だが。
 以前は、ランニング中は上下の歯が接触しないため当てはまらないというのが歯科医まゆみの見解であった。が、噛み合せの改善によって咀嚼筋〜頭頸部筋群〜背筋群〜腰盤周囲筋群という一連の筋群の筋力アップ、あるいは左右のバランス改善が見られたとしたら、脊椎・骨盤の運動機能も改善され、あらゆるスポーツにおいて好影響を及ぼすと言えるのではないか?で、物は試し!自分のマウスガードを作ってみた。これを装着して走ったら、記録伸びるかな?って。ここまでは夢物語でも良いのだが・・・現実問題として、装置作製用器具の購入のためにン万円の設備投資をした。その分を回収せねば。溺れる者で藁をもつかみたいあなた!マウスガード作りませんかぁ?ゴルフのスコアなんかもアップしますよぉ〜♪(2003年8月12日)

前歯の救世主-ちゃんと仕事もしてます-

 午後の診療が始まってスグの1時40分頃、新患の患者さんが飛び込んできた。予め治療の時間をお約束していた方ではなく、まさしく「飛び込み」の患者さん。1時間前に交通事故(スピードの出し過ぎによる自爆)を起こし、上の前歯をダッシュボードに強打。上の前歯の真中の歯2本が、すっぽりねっこから抜けてしまった。(完全歯牙脱臼)救急車で運ばれた先の病院で抜け落ちた歯を生理食塩水入りの容器に入れてもらい、持っていらっしゃった。18歳男性。鞭打ち症用の首の固定装置をつけ、強打した上顎からは出血。骨折の疑いがあるので、ガーゼで患部を圧迫しながらX線写真を撮影する。・・・結果、骨折は認められなかった。で、スグに抜け落ちた前歯の処置に入る。さっきまで自分の口の中にお行儀良く並んでいた歯が、手に握りしめた容器の中に入っている感覚って、本人にしてみれば不思議だろうな・・・根管処置を施し、上顎の生えていたと思われる部分に戻す。Dr.まゆみ「ちょっと前歯が出てた感じだった?」患者さん:「はい」前歯2本が「出っ歯」だったのが不幸中の幸いで、破折することもなく、他の歯を巻き添えにすることもなく、2本だけが犠牲となった。それらしい位置に戻し、犬歯から犬歯までを針金と合成樹脂で動かないように固定した。私には、さっきまで手中にあった2本の歯が、今ではお行儀よく口の中に並んでいるのが不思議な気がした。くっついてくれるといいな。祈ろう・・・鞭打ち症も早く良くなりますように。(2003年4月22日)

恍惚の妻に 心を込めて

 あなたは、音程のはずれた小学唱歌を呟きながら、茫洋とした花野の中を、一人彷徨い続けているのだろうか。粉々に砕けてしまったあなたのかけらを、一つ一つつなぎ合わせながら、たとえ一方通行でもいい、私はあなたとの心温まるふれあいを求めているのです。今のあなたの安らかな恍惚の日々は、過去の苦難に耐えたあなたの生涯に対して、神様が授けて下さった癒しの恩寵なのかもしれません。にもかかわらず、私は敢えて元のあなたに戻ってほしいと願うのです。私の手を胸の高みに導きながら「私の潮騒を聞いて」と囁いた、遠い日の元のあなたに。(「きみまち恋文」大賞・『恍惚の日々』)
 パーキンソン病と痴呆症を併発した妻を介護する78歳の方の作品。今日、歯科訪問診療に伺うことになっていた患者さん宅から、電話が入った。「容態が急変し、息を引き取りましたので結構です」と奥様の声。歯科診療に従事している以上こういう事態に直面させられるのは避けられないのだが、治療をしながら手元が涙で滲んだ。(2002年8月10日)

まことクンが、微笑んだ日

 まこと君は重度心身障害者、21歳。8年ぶりに、私の診療室を訪れた。栃木県との県境から、遠路はるばる(60km)やって来る。どんなに小さなお子さんでも、お母様には待合室でお待ち頂くのが、私の方針。今度ばかりは勝手が違う。まこと君は話せない。意思の疎通が図れない。私としては、少々不本意ながらお母様に入室頂いた。
 奥歯が痛いらしい。要抜歯。歯肉に麻酔を施す。ここまでは首尾よく進む。突然、まこと君は立ち上がって「帰る!」と言い出した。言ってはいないがそう言っている。お母様は、押さえつけてでも抜いて下さいとの事。女性6人で押さえる。スタッフは息を切らしている。私は、抜こうとする歯に触れることすらできない。時刻はとっくにお昼休みに突入。「無理なようですから、また日を改めて」そう喉まででかかった瞬間、この世に神様がいるとしか思われない奇跡が起こり、歯が抜けた!華麗(?)な手さばきで。まこと君はニッコリ微笑んだ。 

火事ですかぁー??

いつものように診療をしていた。仕事が、込み始まる夕方5時頃。だいぶ日が伸びて5時でも明るくなって来た。そう思いながら、診療の手を休め、ふと
窓の外を眺めると・・・視線の先には歯科医院専用の駐車場があるのだが・・・えっ?見てはいけないものを見てしまったかのように、私は反射的に再び視線を治療途中の患者さんの口の中に戻す。が、再度、窓越しに。えっ?幻覚?妄想?・・・そこには、音もなく止まる一台の消防車。火事?どこっ?歯科医院には自宅が隣接している。が、この静けさは、どうやら火事ではないらしい。よぉーく考えたら、現在治療進行形の患者さんの愛車(?)であった。この光景には、一生歯科医をしていても二度とお目にかかれないかもしれないと思い、すかさずデジカメでカシャッ!近所のちびっこは喜んで集まって来るし、思わぬ珍客万来であった。その患者さん、来週も予約入ってるけど、また消防車で来るのかなぁ・・・?

MY PROFILE

名   前  まゆみ
生年月日  1962年8月日生まれ (寅年・獅子座)
血液型    B型
居住地    茨城県
好きな言葉 「二足のわらじ」
趣   味  走ること 書くこと

歯科医の他に、何か食べていけるものを作っておきたいなと、常日頃思っている。かといって本職の手を抜いているわけではない・・・・と思うけど。
年間診療実日数:  247日
年間ランニング日数:288日(うっ!まずい・・・)