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| 事故からみえる日本医療の現実 医療被害の予防と救済 | ||
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医療事故が発生したときには、当事者は異常事態に心が動揺しており、事故の原因究明にまで配慮がなされない場合がある。 事故当事者の言い分や事故の目撃情報を詳細に聞き取ることは必要であるが、自分の都合の良いように解釈したり、勝手に判断したことを分けて、事実関係を究明することは意外に難しいものである。 医療事故の予防対策の第一に重要なことは、医療の全てのプロセスにおいて、事故発生の可能性があることに注目し、ニアミスが発生したときに予防対策を見直すことである。 医療事故が発生したときに、「ケアレスミス」という言葉が使われることがあるが、重要なポイントとして、個人の不注意が存在することが明らかである。 しかしながら、なぜ不注意がチェックされずに医療事故が発生したかについても、検討しなければ事故を減少させることは出来ない。 医療事故が発生したときには、個人のちょっとした不注意によって「ケアレスミス」が発生したと考えた瞬間に予防対策は図れなくなる。 従って、個人の問題としてのみではなく、医療機関全体の問題としてどのように対処すべきかという観点で見直すことが大切である。 1. 医療関係者個人の問題
2. ヒューマンリレーションの問題
3. 周辺の危ない状況
4. 病院のシステム
まず、労災事故などでいわれる「ハインリッヒの法則」が有名である。 事故で1人が死亡すれば同様の事故で負傷する人が 29人おり、あわやその事故に遭いそうになった人、つまり「ニアミス」例は約 300人いるというものである。 すなわち、1 : 29 : 300 ですから簡単に 1 : 30 : 300 の法則と覚えておくと良い。 医療事故の予防対策の第一に必要なことは、医療の全てのプロセスにおいて、事故発生の可能性があることに注目し、ニアミス例が発生したときに予防対策を見直すことである。 では、具体的にはどのような事故が発生しているのか。 今年の 1月、横浜市立大学病院で患者取り違え事故が発生した。 マスコミにより大きく取り上げられたが、このような事故は昭和 47年頃から何回も起こっている。 患者を間違えないようにするには、フルネームを呼び、患者の顔と名前を一致させておくのはもちろん、患者の手などにネームバンドをつけるなど、二重三重のチェックをすることが重要なことは周知の事実であったはずだった。 さらに、製薬会社を含めた問題として捉えられなければならないのが誤薬である。 医薬品業界の合理化は、同じ大きさ、色、形の容器・錠剤を大量に生み出した。 それが、似たビンで違う薬を投与してしまったり、医薬品に書いてある「禁注射」の文字が小さくて、注射してはいけない薬を注射してしまうような事故を誘発させてしまったことは否めない事実である。 「三回確認」の徹底と同時に、医療を取り巻く全ての機関が事故防止対策に目を向けなければならないことを再認識すべきである。 後を絶たない医療事故を防止するには、まず病院内のシステムを改善するべきである。 上下関係を水平関係にしたり、医療現場で遭遇した些細な出来事でも、「ひやり」としたら記録し、後に全員で見直し、検討することのできる「アッとハッと記録」の提出を徹底させるなど、自由な意見交換ができるリスクマネージメント体制を確立していく必要がある。 実際、比較的経験年数の少ない (1 〜 5年) 看護婦に、どのようなミスを犯したかを聞いてみたが、新米ナースほど個人責任と思いこみ、病院のシステムに不満を感じつつも、それを「言い訳」と考え、何も意見を言わないようにしているのである。 そして、その状況に麻痺して行くのである。 危ない状況を全員が平等に言い合える環境や、それを客観的に状況判断するリスクマネージャーの設置、ミスを再発させないための検討会の開催、そして、医薬品の設置状況の確認、似ている医薬品における誤薬の危険性を積極的に指摘していくなど、多方面からのアプローチが肝要である。 以上 |
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