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  KUSARI仲間の作品情報         
KUSARIの年鑑掲載作品、オフ会作品をはじめ、KUSARI仲間が連句界で活躍している作品情報をお届けします。KUSARIの仲間が捌き、主な連衆として参加している作品です。別の結社(グループ名)でだされている場合もあります。(連衆にはKUSARIにはいっていらっしゃらない方も少しまじっている場合もありす)捌き名、作者名も、ハンドルネーム? ペンネーム? ご本名? いろんな名をもってらっしゃる方もありますよ。誰かしら? 誰かしら? でも、KUSARIでどこかでお見かけするかたがほとんどですよ。(入選等作品漏れていることも多いとおもいます。お送りくだされば載せます。但し必ず捌きの方の了承を得てくださいね。連句界では作品の著作権は捌きに属しますので。)

◆平成20年『連句年鑑』(連句協会 発行)webめぎつね座

   2007年KUSARIより「たのしい三句たち」 
       1月01日(月)           (62433)
 ありがとう今このときを生きている    ザリ
    新年祝う満天の星            藍 
       1月22日(月)          (62927)
 研ぎたてでキャベツタマネギ真二つ   道草
   スパッカナポリに響く靴音         風
 旧市街世界遺産に指定され       ひわ
      2月18日(日)         (63627)
 止まるべき駅をはるかに通り越し   ばらずし
   どこまで延びる平均寿命        ひわ
 ケイタイとペットボトルが必需品       鶫
       3月14日(水)          (64328)
   ロゼを重ねる君の饒舌         氷心
 バンサンカン軽い女のふりをする      藍
   眠らない街パリ25時          ひわ
       4月17日(火)         ( 65323)
 赤々と夾竹桃が燃えている         ザリ
   お願いですから水をください      氷心
 キャパの死を写す写真は残されず      麦
       5月07日(火)          (65794)
   夜空はまるでプラネタリウム      ひわ
 さそり座に生まれその後の運命は     彗
   こぶしをじっと見てる幼子       ふさ子
       6月14日(木)        ( 66623)
  今日もまたひっきりなしに救急車      桂
   恋の伝染病が蔓延          ふさ子
 タロットのカード涙で濡らす夜   カンちゃん
       6月14日(木)          (66648)
   大判焼きはやはりつぶ餡      あずき
  何事もアバウト好きなフリーター    芳梅
    泣かした女数え切れない    不用之助
       7月13日(金)          (67317)
  遠い過去大事な大事な米作り      ザリ
    軍にはあぶら兵士には糧       道草
  憲法の上で焚き火をするような       暢
       7月13日(金)         (67288)
    湖水に揺れる睡蓮の華     ちいばば
  ソムリエになりたし小さき店を持つ    小町
    ウッドベースの響き静かに      のら
    
     8月7日(火)           (67853)
 朧月末摘花になれますか       あずき
   生活保護は受けられません     ザリ
 閂の掛かったままの鉄の門        桂
      8月7日(火)          (67834)
   核の傘さし非核もごもご        暢
 久々のきのこご飯で囲む卓      みのり
   隣の壁に耳付ける秋         氷心
      9月12日(水)          (68701)
 ヒビ割れの政治に意欲衰えて    かよねこ
   襲う鬱病負えぬ責任        ちいばば
 螻蛄鳴いててっぱの話題ひとつ増え たつみ
      9月14日(金)          (68741)
 いいとこで運が逃げてく生まれつき  たつみ
   女房だけはすぎたヤツだと      のら
 黒光りしている柱五十年           蕗
      10月2日(火)          (69150)
   郵便屋さん今日も道行く        ばび
 首の皮一枚繋ぎ民営化         にゃん
   ヘタだけ枝にのこる渋柿       あづさ
      11月16日(金)         (70204)
   君との距離は少し縮まり        ザリ
 いもうとのてのひらにおく海一個     ライタ
   ピアノの上に白い貝殻           R
      12月7日(日)          (70634)
   海のあわいか友はいずこに       風
 声限り呼んでもこだま帰り来ず       桂
      12月9日(火)          (70668)
   記憶の底のオルガンの音       のら
 コンドルが翔びたつ千の風に乗り     兎
   君の才能君の情熱           藍
 失いしもの大きかり時雨くる        霞 
   冬の薔薇の凜と紅            藍
 天界に二胡を奏でる天女たち       風
      12月30日(日)         (71062)
   地球儀回すおさなごの指      あづさ
 この星の錆はきれいに落とさなきゃ  あずき
  平成19年1月1日より12月31日
  (62434番〜71069番)より抜粋


◆国民文化祭2008 いばらき

☆筑西市教育委員会教育長賞
半歌仙「河馬の鼻」の巻     八城水斎 捌

暑き日やじっと動かぬ河馬の鼻     八城水斎
 麦藁帽の子等の歓声         広中みずほ
新装のバーガーショップ列できて    大鷹詩葉
カラー舗道の模様いろいろ      原田なずな
月見台風さわやかに抜けてゆく      みずほ
 しばし聞きいる虫の合唱           水斎

菊枕ふたつ作りて父母へ          なずな
 じゃんけんぽんで介護当番        詩葉
裏窓にくっきり浮かぶ筑波山        水斎
 恋も科学もいわば冒険         みずほ
ナナハンの君の背中にしがみつき     詩葉
 下乗の石碑照らす寒月          なずな
般若湯楽しみにして鬼やらい        みずほ
 次期宰相の椅子狙いつつ         詩葉
ひもすがら太極拳にパワーヨガ      なずな
 雲ふんわりと水色の空          みずほ
出航の銅鑼鳴っている花の昼        詩葉
時を忘れてすごす野遊び          なずな
          平成19年6月10日起首 同 7月5日満尾
☆入選
 半歌仙「大獅子の」の巻      八城水斎 捌

 大獅子の跳ぶかたちして滝凍てり  八城 水斎
  なおなお遠し春の足音        広中みずほ
 ゴージャスなピザの焼けるを楽しみに 原田なずな
  ミニパーティーに揃いたる客      大鷹詩葉
 屋形船浮かべ名月ほしいまま       みずほ
  虫の合唱ふっと途切れて          水斎

 連れ立ちて上野の森の美術展        詩葉
   あなた好みの青いスカーフ        なずな
 バツイチの嫁の得意な拭き掃除     白木 薫風
   猫は遠慮し隅で小さく          みずほ
 茶を運ぶからくり人形すまし顔       なずな
  思いもかけぬ値のつきし競り        詩葉
 二胡弾ける青年僧に夏の月          薫風
  筑波嶺愛でつ浴びる行水           水斎
 旅の宿とっときの酒惜しげなく        みずほ
   郷土料理はどれも逸品          なずな
 いつかしら雨も上がりて花の夕        詩葉
  囀りの中渡る吊橋               薫風
             平成20年1月6日起首 同2月6日満尾
☆入選
 半歌仙「風の歌」の巻    岡部七兵衛 捌

 小春日や筑波の山に風の歌  岡部七兵衛
  水きらめかし洗う大根         齋藤桂
 ひさびさに留学子より便りきて   密田妖子
  忘れられてる読みさしの本    結城まゆ
 静々と観月楼は客を待つ      浅沼小葦
  胸の奥まで沁みる菊の香      七兵衛

 蜻蛉連れ古窯めぐりの旅つづく       桂
  チロルハットの似合う助教授      妖子
 乙女子は甘いベーゼの夢を見て    まゆ
   腹を空かせた獏がのっそり      小葦
 陰陽師声高らかに加持祈祷     七兵衛
   孫誕生を触れ歩く婆           桂
 うす絹の雲たなびかせ夏の月      妖子
  ミシュランガイド持って巴里祭     まゆ
 主治医からメタボ傾向注意され     小葦
  鏡抜きする髭の代議士         妖子
 老犬はうつらうつらと花の昼        桂
  田畑潤す暖かな雨           まゆ
     平成19年12月1日起首平成20年1月28日満尾
☆入選        
 半歌仙「ふくらむ辛夷」の巻    棚町未悠 捌

 雨やみて空にふくらむ辛夷の芽    棚町未悠
  囀り聴きつめざめゆく山         静美也
 バースディ春のスカーフ贈られて  八尾暁吉女
  動き軽やかケータイの指        斎藤桂
 街の底隈なく照らす月今宵     岡部七兵衛
  かぼちゃと小豆いとこ煮となる     未悠

 馬の居ぬ南部曲り屋そぞろ寒     美也
  同級生に碧眼の嫁         暁吉女
 蛮カラもはしかのように恋に落ち     桂
  夢を信じて駆けるナナハン     七兵衛
 風を切り助走をつけて信天翁      未悠
  岩噛む波の白き昂ぶり          美也
 異教徒も聖誕祭を楽しまん       暁吉女
  凍月を背にパブへ繰り込む        桂
 むせび泣くジプシーギター弾き語り 七兵衛
  世界遺産に決まる故郷        未悠
 花火果て静かになりし子供達      美也
  平和な寝息蛸壺の蛸         暁吉女
        平成20年3月7日起首 同4月10日満尾
☆入選
半歌仙「小正月」の巻       小野芳梅 捌
 
 小正月雑穀粥の熱きかな      稲垣渥子
  淑気ほんのり黒の紋服      谷口守枝
 島離る連絡船の澪ひいて      石川 葵
  テトラポットの鴎西向く      小野芳梅
 月今宵オンザロックとモダンジャズ 繁原敏女
  胡桃一つを握る掌             梅

 
遼かなり紅葉かつ散る伊吹山       渥
  忘れるという仕合せもあり         守
 薬指わざわざ見せた記者会見       渥
  恋の火傷の癒えぬ踊子          葵
 天安門アイスクリーム売る屋台       梅
   蟻の行列月の影さす           敏
 わが町の下に延びてる活断層       葵
   伽羅の念珠かブレスレットか      渥
 眼科歯科買い物ついでの寺参り      敏
  格安切符春のあけぼの          渥
 花浴びてはにかみ君のプロ宣言      敏
    猫の子じゃれる玉のころころ      梅
               平成20年1月15日首尾
☆入選
半歌仙「波の音」の巻       大鷹詩葉 捌

 陶枕や休むことなき波の音     大鷹詩葉 
  朱夏の座敷を抜けてゆく風   広中みずほ
 寡黙なる庭師の技は見事にて   八城水斎
  父子代々守る老松        原田なずな
 終電の人を見送る十三夜        みずほ
  都会の隅で蚯蚓鳴きおり        詩葉

 爽やかにチェスとワインと愉しまん   なずな
  チャイナドレスのよく似合う女     水斎
 幸せの薄そうな肩そっと抱く       詩葉
  細く一筋上る香煙           みずほ
 杖置きてしばし安らぎ常陸蕎麦     水斎
  賢い犬が傍を離れず         みずほ
 首相立つ月の凍てつく突堤に      水斎
   懐手して振り返る過去        なずな
 どこからとなく聞こえ来るカンツォーネ  詩葉
  聖母子像を囲むエンジェル     みずほ
 花の山お服加減を問われいて     なずな
  地平はるかに種を蒔く人        水斎
            平成19年8月9日起首同9月2日満尾
☆入選
 半歌仙「地球昇る」の巻      森本多衣 捌

 我が住める地球昇るや月の朝    森本多衣
  くるり複眼回す蜻蛉           鈴木漠
 そぞろ寒父母はいかにか在すらん  在間洋子
  小学唱歌ハミングをして      三神あすか
 新しき駅舎で記念スタンプを       山名才
  現代アート啜る水洟         安丸てつじ

 愛犬と鍋の雑炊分かち合ふ          漠
  放浪の身に友はいらない         多衣
 無一物とても恋慕の灯は消さず     あすか
  指切り交す島の桟橋            洋子
 月涼しよくぞ男は昔事           てつじ
  憂さ晴らしにと麦酒ぐいぐい         才
 蝦蟇睨む今更俺が変れるか        多衣
  背負ひ投げにて柔ら極めん         漠
 産土の神の社は深閑と           洋子
  かたびら雪も解けて流れて       あすか
 フルートは音色も妙に花明り         才
  魂響かせる杜の鴬           てつじ
  平成19年12月18日起首  平成20年1月15日満尾
☆入選
 半歌仙「蟷螂の斧」の巻     福井直子 捌

 蟷螂の斧まで淡く枯れにけり     加藤真美
  しぐれの濡らす庭の飛び石     二村鉄男
 寄せ裂の彩縫い合わせお手玉に 山内多美子
  ひぃふぅみぃと指を繰りつつ     福井直子
 楼門の高きにのぼる小望月         鉄
  新酒携え友の訪なう             多

 きりたんぽ母の味にはまだ遠く       真
  長距離電話切るにしのびず        真
 偶然の出会いとみせて駅で待ち      多
  帰りたくない帰したくない          直
 国々の歴史うずまくインド洋         真
  仏法僧の声と名は別            多
 月涼し浮世のしばり解き放ち        直
  ニートの息子今も独身           多
 欲深のねらい当たらぬ万馬券        真
  韃靼の野に春の風吹き           多
 はるかなる富士を隠して花霞         鉄
  陽炎追いて明日へ駆け出す        直
                平成19年11月13日首尾  
☆入選
 半歌仙「川蜻蛉」の巻       福井直子 捌

 濃く淡く葉を揺らしおり川蜻蛉     小野芳梅
  送りの梅雨のあがりゆく里      福井直子
 垣越しに聴くソナチネの滑らかに        芳
  梨むく母の横顔やさし        森岡しげる
 命一つ生れ出づるあり月まどか        直
  案山子すっくと田を護りいて      正木克彦

 旅先の御当地料理ひとり酒           し
  ただひたすらにかけるケータイ        し
 流し目のチョイワル男に気もそぞろ       克
  惚れた弱みを嘆く寒風             直
 分かれ道石地蔵にも雪降りぬ          し
  アンドゥトゥロワで決める順番         直
 赤い月無言で仰ぐ原爆忌            し
  もみの大木泰然と立ち             直
 この選挙介護と年金焦点に           克
  丘を描けゆく遠足の子ら            克
 カリヨンの響く尖塔花吹雪            し
  夢大空に満ちてうららか            直
                 平成19年7月10日首尾
☆入選
 半歌仙「水平線」の巻    小山百合子 捌

 船虫の散ってかたむく水平線  小山百合子
  苫屋の軒に干さる甚平       静美也
 大家族カメラの前で微笑みて     野崎健
  カラオケ好きな祖母は九十    太田ふく
 太古より湯の湧き溢れ月の峡   佐藤敏勝
  茸籠背に渡る吊橋             子

 SLに手を振りながら秋逝かす       也
  阿久悠という天才の詩          健
 抽斗に盗んだハート溢れてる       く
  アキバ系カフェ萌える美少女       勝
 うっかりと河馬の欠伸をうつされて     子
  森の小径に迷い込みたる         也
 酉の市手締めしゃんしゃん福を寄せ    健
  月の屋台に酌みし熱燗           く
 胡同(ふうとん)も北京五輪でビルとなり  勝
  魚氷に上る方丈の池           子
 そぞろ行く前も後も花爛漫         也
  都踊りは「よういやさあー」        健
   平成19年7月18日起首 同9月20日満尾
☆入選
 半歌仙「剣玉の」の巻    小山百合子 捌

 剣玉のひょいと載りたる文化の日 小山百合子
  子らにぎやかに鉢のゆで栗    岡部七兵衛
 十三夜岬をめぐる船ならん       沢藤蓑助
  丘にぽつんと建ちし銅像         静美也
 散策のふところにある鳥図鑑         衛
  炭出す橇と擦れ違いたる          子

 雪催マイク片手のリポーター          也
  またはぐらかす恋の本命           助
 偽りの愛とて神に許し乞い           子
  鬼怒の河原に一管の笛            衛
 鶴翼の大軍ひたと静まりて           助
  村を総出のエキストラ陣           也
 安酒場月に汗飛ぶフラメンコ          衛
  紫煙の奥に狂う灯取蛾            子
 唐突に巨匠黒川紀章逝き            也
  靴音ひびく早春の街             助
 ふうわりと着る新調の花衣           也
  仔猫じゃれ合う午後の縁側          衛
    平成19年9月6日起首  同10月30日満尾
☆入選
 半歌仙「冬落暉」の巻      齋藤 桂 捌

 なだらかな尾根際立つや冬落暉  齋藤桂
  窓辺の壷に香る臘梅       密田妖子
 黙々と墨磨る翁は端座して   岡部七兵衛
  インタビュアーも声をひそめる  浅沼小葦
 月見舟思いがけなきほどの揺れ  結城まゆ
  浜荻の上ふわり薄衣           桂

 裏方も大奮闘の文化祭          妖子
  主演女優にひと目ぞっこん     七兵衛
 放つ矢をちょっと外したキューピッド  小葦
  ロトシックスはキャリーオーバー    まゆ
 溜息と夢ないまぜて独り酌む       桂
  籠の鸚鵡と時にたわむれ      妖子
 荒神輿前へ後ろへ昼の月      七兵衛
  氷あずきに虫歯ずきずき       小葦
 英雄も偉人にもある泣き所       まゆ
  実家にいまも残る落書き       妖子
 パンダ舎の柵の中まで花吹雪      小葦
  上野の森の春は爛漫         七兵衛
  平成20年1月30日起首 同 3月16日満尾

◆平成連句競詠2007

 入賞 次席
歌仙「曼珠沙華」の巻      捌  間瀬芙美 
                  
  曼珠沙華笑ひすぎたる赤さかな 郷正子 
   宙にふるへる蜻蛉の群     矢崎藍 
  三日月を高層ビルの西窓に      郷 
   チャイムが鳴つてピザの到着   芙美 
  英語塾プリント配り始めたる      郷 
   珊瑚礁見る夏の約束         藍 
虹立ちて迦陵頻迦のありどころ     郷 
   恋のタブーを知らぬ少年       藍 
  ペディキュアの女の家を突き止めて  郷 
   料理上手で口説き上手で       美 
  一瞬に街を埋めし火山灰        藍 
   ヘリコプターに記者と大臣      郷 
  ネクタイをゆるめ飲んでる安定剤   芙 
    師走の月と雑踏の中        藍 
   志功展開く画廊の灯が届き     郷 
    主の席に猫が居座る        芙 
   花衣亡き母さんにようも似て     藍 
    今年初めて茶摘唄きく       郷 


ナオ ごそごそと紙袋から三宝柑     芙
     分水嶺を越える特急       藍
   幸ひのすむ国あると風の言ふ    郷
    鼻ピアスして直木賞とり       芙
   芳醇な果実をもげば罪深く      藍
     御息所あはれもののけ      郷
   羅に薄紫の糸印            芙
     ほら翡翠が橋をかすめた     藍
   自転車を草に倒して下校の子    郷
     世界遺産となりしHIROSHIMA 藍
   奥の間の古時計鳴る真夜の月    芙
     用を足しつつひしと深秋      郷
ナウ 朴の葉の散る細道をあすの旅    藍
     曲折を経て合併となり       芙
   水底の鯉ゆつくりと向きを変へ    郷
     東塔霞む曙の空          藍
   夢あまた浮かびつ消えつ花の宴   芙
    ロストボールを探す弥生野    執筆
 2006年9月14日起首 11月1日満尾  fax文音

◆国民文化祭2007とくしま

☆連句協会会長賞    
歌仙「土壁へ」の巻   京都府  齋藤 桂捌

   土壁へ日はまっすぐに犬ふぐり 齋藤 桂
    初音きかせる二羽の鶯   八尾暁吉女
   春愉し夢は大きくふくらみて  岡部七兵衛
    やっと見つけたぴったりの靴    依子
   珍しき顔もまじりて観月会        暁
     実る瓢箪めでる異国語         桂
  振り向かず迷わず蛇は穴に入る    依
    色即是空座禅組む朝          衛
   缶詰の社員研修あと少し        桂
    メールアドレスちゃっかりと聞く    暁
   猫を抱く彼女は魔女といううわさ    衛
    古城に巣くう愛の亡霊         依
   月高くわが影とゆく肝だめし      桂
    暑中休暇は七半の旅          暁
   橋下の鳴門海峡渦を巻き        依
    政財界につづく激震          衛
   花明り父祖よりの地を守り継ぎ     依
    お伊勢参りを楽しみにして       暁
ナオ ゆったりとふらここ揺れる昼下      衛
     全快祝い終えて安らぐ          桂
   アドバイス禁酒禁煙禁ゲーム       暁
    引越荷物とどく新宅            桂
   雪の夜傍にあなたが居てほしい     衛
    動悸はげしき毛衣の裡         依
   恐いより抑えきれない好奇心      暁
    棚に並んだウォツカテキーラ      桂
   濃く低く流れるチェロはヨーヨーマ    衛
    何時の間にやら嬰はぐっすり     依
   清らかな月の光を身にまとい      衛
    古道呑み込む秋の連山        桂
ナウ ものを焼く煙刈田にたなびいて     依
    美味しいパン屋兄弟の店       暁
   晴天につられ出かける隣町       桂
     碑探し地図を片手に          依
   透垣の上に聳える花大樹         暁
    世界の平和祈り連凧          衛
      2007年2月19日起首 3月28日満尾
☆第22回国民文化祭徳島市実行委員会奨励賞
歌仙「秋立つや」の巻  東京都 岡部七兵衛捌

   秋立つや風と渦との交響詩  岡部七兵衛
     潮の香りの満つる有明     城 依子
   新絹を絞る手際の鮮やかに  多村 遼
     画紙を飛び出す嬰のクレヨン 澤藤蓑助
   ペーチカがとろとろスープことことと 依子
    麓の村に橇の鈴の音       七兵衛
 木の屑の中からこけし抱き上げて   蓑助
     いつかはノラになると知りつつ    遼
   愛されるふりをつづける日記帳  七兵衛
    屋根裏部屋は夢幻空間        依子
   おしゃべりな九官鳥は籠を抜け      遼
    大峰に入る老いし修験者      依子
   月涼し剃り落としたる長き髯      蓑助
    退院祝い友とシャンパン      七兵衛
   あちこちに出湯の煙り漂いて     依子
    駅の広場にひるがえる旗     七兵衛
   外つ国の花にふるさと偲ばるる     遼
    殿様蛙こんなところに        依子
ナオ 春日和大臣の椅子心地よく    七兵衛
    錬金術師そっと目配せ         遼
   ネジ巻かれ踊るブリキの玩具達  依子
    神社の裏に子供らの基地    七兵衛
   三つ編みの転校生が来るらしい    遼
     めぐり合うことこそが運命      依子
   時雨降る数寄屋橋には占い者  七兵衛
     ため息白く不景気の底         遼
   登り窯しんと火入れを待っており   依子
    祖父に教わる秘伝数々      七兵衛
    吟声はやがて月へと届くらん     遼
    菊人形がふっと微笑む       依子
ナウ 店番の猫の尻尾のそぞろ寒    七兵衛
     数学よりも哲学が好き        遼
   果てしないメビウスの帯たどる旅 七兵衛
     乞食袋に句帖一冊        蓑助
    乾坤に曇りはあらず花万朶     依子
     いのち育む日差しあたたか    遼
    2006年8月8日起首 9月28日満尾
☆入選
歌仙「背負はれて」の巻   岩手県  小山百合子捌

   背負はれて太鼓の通る深雪かな 小山百合子
    ふくら雀の宿る軒先         城  依子
   百号の画布に絵筆を走らせて   岡部七兵衛
    幾何が得意な新入りの弟子   澤藤 蓑助
   乾杯の音頭に月の上るらん         依子
    萩がこぼれる庭の四阿          百合子
  進むありためらふありて赤とんぼ      蓑助
    ポニーテイルの小悪魔が行く      七兵衛
   戯れの恋と知りつつ身を焦がし      百合子
    踏み外したる宮の磴             依子
   この地球ミシと壊れる音がする      七兵衛
    水を求めて象の大群             蓑助
   少年は野営の支度粛々と          依子
    月影映すサイダーの泡          百合子
   ふるさとの柱時計のねぢを巻き       蓑助
    継ぐと決めたる伝統の店        七兵衛
   阿波藍の甕匂ひ立つ花の雨       百合子
    舟漕ぐ人の唄がのどかに         依子
ナオ 朝食は二匹の目刺お味噌汁       七兵衛
    地下の金庫にうなる現ナマ        蓑助
   ゴシップに群がってくるパパラッチ     依子
    読書専心眼鏡特製           百合子
   天井に染みと化したる冬の蠅       蓑助
    老師のくさめ響く僧房         七兵衛
   かたかたと絡繰り人形茶を運ぶ     百合子
    腕組みあひて覗く時代屋        依子
   幸せに胸膨らます初デート       七兵衛
    壁画の美女は化粧直しに        蓑助
   漂泊の旅の果てなる月今宵        依子
     わだつみ深く落鯛の夢         百合子
ナウ 指定席横に南瓜が並びをり        蓑助
    何度やつても解けぬ知恵の輪     七兵衛
   押し寄せていま終章に入るボレロ    百合子
    イナバウアーは演技最高の出来     依子
   花見馬車ゆらりと子らを零しさう     七兵衛
    綿菓子のごと春の浮雲          執筆
    2006年12月9日起首 3月18日満尾
☆入選
歌仙「冬銀河」の巻  東京都  岡部七兵衛捌

   轟ける鳴門の海や冬銀河  岡部七兵衛
    寒を楽しむ父と子の笛    齋藤  桂
   エッセイを折にふれては書き溜めて八尾暁吉女
    心豊かにコーヒーを挽く    城  依子
   卓上に観月会の招待状         桂
     ころりころころ大まつぼっくり     衛
  蜻蛉飛ぶ小道たどれば比丘尼塚    依
    湯治の里で万屋を継ぐ         暁
   ゆで卵ふたりで分ける新所帯      衛
    幼馴染みはちゃん付けで呼ぶ     桂
   本箱の隅にちょこんとスヌーピー     暁
    ガードの下にも人生のあり       依
   きりもない憲法論議月暑し        衛
    似合うと言われ藍の甚平        桂
   箒目の殊に清しき石の庭         依
    数羽の鳥の遊ぶひととき        暁
   酔うほどにに花の奥へと迷い込む   桂
    耳をくすぐる春風の歌          衛
ナオ いたずらなニンフの揺らす半仙戯   暁
    ベッドの中で嬰はぐっすり       依
   夢託し小さき布靴作り上げ       桂
    飢餓に苦しむ難民の村         衛
   神在す遠嶺うっすら雪化粧        依
    素麺を干す美しき顔           暁
   突然に炎のごとき恋に落ち        衛
    勢いづいた株価大跳ね         桂
   ブログなどちょちょいのちょいの喜寿白寿 暁
    仲間を募りシルクロードへ       桂
   月天心しんと鎮もる遺跡群       依
    なよと靡ける薄ひとむら         衛
ナウ 肌寒く漱石猫をふところに        依
    歯科の予約はあさっての午後     暁
   赤青のしるしけのカレンダー       衛
    ピエロくるりと動き軽やか        桂
   声かけて行きかう遍路花の坂      暁
    過去も未来も陽炎の中         依
    2007年1月15日起首 2月17日満尾
☆入選            
歌仙「遠き世の」の巻      茨城県  城 依子捌

   遠き世の色しみじみと蓮咲けり   城  依子
    蝉時雨ふる城址公園       八尾暁吉女
   誘われてヨガ教室を試すらん    多村  遼
    一歩踏み出す新しい靴      齋藤  桂
   少年の夢ふくらみて月さやか   岡部七兵衛
    秋の真っ直中をSL             依
 小鳥来てツバメは帰る阿波の国       女
    尼僧の偲ぶ出奔の過去          遼
   胸底の燠の欠片を愛おしみ         桂
    トワイライトに低くボサノバ         衛
   シャンパンの泡がはじけたがっている   依
    新築祝い長い挨拶             女
  寒月を指すご自慢の髭を撫で        遼
   凍滝を背に眠りたる村            桂
   ゆっくりと柱時計の螺子を巻く        衛
   あるかもしれぬ日本沈没          依
  花盛り開きしままの山家集          女
   若駒を馳せ風をつかまん          遼
ナオ クレープ屋手持ち無沙汰な目借時     桂
   耳鼻ピアス赤いバンダナ          衛
  平静をぐるぐる回す洗濯機          依
   宇宙船より届く暗号             女
  冥王星ひとりぼっちは寂しかろ       遼
   祭囃子を病窓に聞く             桂
  蜜豆と喧嘩の好きな神田っ娘        衛
   セレブ婚などぽいと蹴飛ばし        依
  ポスターの立て看板が転がりて       女
   総裁候補似たり寄ったり          遼
  石庭に佇みて待つ小望月           桂
   そこはかとなく匂う白菊           衛
ナウ うそ寒き遺影の前の旅鞄          依
   寅さんフアン今だ根強く           女
  ぶうらりと行く人情の残る里         遼
   凪の入江に舫う舟影            桂
  千年の花ふりしきる神の庭         衛
   何やらゆかし和紙の春灯         女
  
   2006年7月19日起首 10月3日満尾

☆ みのりさんの短歌もご報告。2007年度、「小野葉桜短歌賞」「優秀賞」と「第一回藤田世津子賞」のダブル受賞。三首連作です。
      この雲はいずれ流れて雨になるあるいは怒る 神のみぞ知る
     ジョーカーを捨てたき日々の長過ぎて脇目もふらず刻む小松菜
     いま茜雲は燃え尽きわたくしにつながる道を見失いたり

◆平成19年『連句年鑑』(連句協会 発行)掲載 WEBめぎつね座

  KUSARI 『たのしい三句集』
    一月一日(日)                (No.51655)
旅衣しつけし糸をほどくらん            小晴
 一期一会の心豊かに               ザリ
恵まれて友と学びし戦後なる        ちいばば
    二月十五日(水)            (No.53062)
 涼しき影をおとす八つ橋            たすけ
あの恋もこの恋もみな忘れはて           藍
 貝殻骨に刻まれた傷                暢
    二月十七日(金)            (No.53131)
細やかなネイルアートがお気に入り         桂
 ふと熱をもつメール打つ指            ひわ
ここからは恋これまでは愛という       不用之助
   三月十六日(木)           (No.53856)
荒れ狂う海の色したタイ結ぶ             暢
 近くて遠い半島の国               あづさ
まだ熱が38度で動けない             氷心
   五月十九日(金)            (No.55572)
 ロボットの目に君が一〇〇コマ         ふさ子
好きだよと言えばエコーが次々と           蕗
 水辺に咲いた水仙の花           カンちゃん 
  七月八日(土)            (No.57353)
アンデスの険しい谷に羽広げ        わび太
 ケーナは歌う千年のなぞ             風
ハンプティ卵は元にもどらない          のら
   七月十一日(火)           (No.57430)
 大統領に誕生日来て           雨乞小町
タリバンとカスタネットとアルカイダ    ななちゃん
 真夏の夜のジャズのセッション        道草
   八月四日(金)            (No.58114)
 ミミズが開く作戦会議              ザリ
葡匐する迷彩服は泥まみれ         ばらずし
 国境に咲く秋の七草             たつみ
   九月一日(金)            (No.59115)
考古学一万年後の展示室             麦
 人類という愚かなるもの               蕗
信じれば神はイワシの頭にも           彗

平成十八年一月一日より十二月三十一日
  (KUSARI 51655番〜62433番)より抜粋
於・HP矢崎藍の連句わーるど総合BBS

◆国民文化祭2006やまぐち

☆実行委員会会長賞
半歌仙 「秋嶺の」の巻 三重県 多村 遼 捌

   秋嶺のはじまるところ無人駅   多村  遼
      おとぎ話のやうな初月   城   依子
   じっくりと渋皮付きの栗を煮て 山寺たつみ
     耳傾けるピアノエチュード 佐藤ふさ子
   横文字の看板多きビル街に   齋藤  桂
     塵をしづめて散水車ゆく       遼
 ゥ 夾竹桃いくさの記憶まざまざと     依
     尼僧の胸にゆれる十字架      み
   異国での恋はたやすく燃えるもの    ふ
     夢追ひかけて迷ふ城跡        桂
   不意打ちのごとく飛び立つ大鴉     依
     降圧剤を処方する医師       み
   月冴えてトリノをめざすアスリート    ふ
     朽野を縫ふ道はどこまで      桂
   龍頭巻く父の遺愛の腕時計      遼
     篭の仔猫はうつらうつらと     依
   おいでませ花いっぱいの周防の宿  桂
     天地蒼々風光る沖          み

    平成17年10月23日起首 11月21日満尾
    
☆ 入選
半歌仙 「万葉仮名」の巻  京都府  齋藤 桂 捌
   
  鹿鳴くや万葉仮名の道しるべ     齋藤  桂
     庭下駄の音軽き待宵        城  依子
 投げ入れの木通の蔓を切りつめて   山寺たつみ
     鑿跡残る手作りの卓        佐藤ふさ子
   和やかなクラブハウスのチェス仲間  多村 遼
   羽子板市へ誘われており            桂
ゥ  明烏寒波を連れてやってくる           依
     もしやの予感浮かぶ面影          み
   怖いほど君の想いのまっしぐら         ふ
     バンジージャンプ達人の域          遼
   見はるかす海はコバルトブルーにて      依
     外輪船の煙たなびく             ふ
   巴里祭の月に歌声とどくらん          遼
     酒をなみなみカットグラスに          桂
   懐かしい一別来のこの小部屋          み
     すり寄ってくる留守番の猫          依
   落慶の稚児行列は花を浴び          ふ
     周防の老舗応えのどらか           み

    平成17年9月17日起首〜10月15日満尾
☆ 入選
半歌仙 「ドロップに」の巻 岩手県 小山百合子捌

   ドロップに日差の透る木の芽時 小山百合子
     つばくらめ来るアトリエの軒 中本 七水
   丹念に春挽糸を括るらん     城   依子
     取りし湯呑に揺れる茶柱    百合子
   久闊の友と眺める海の月       七水 
     べったら市に誘われており    依子
 ゥ 秋深き机の上に福音書      百合子
     鞄の底で着信の曲        七水
   国境へ向けてひたすら馬を駆る  依子
     いざロシナンテ姫を助けに  百合子
   芸一途おしどり夫婦人気出て   七水
     父の遺影がふっと微笑む    依子
   月に濡れ大きく育つ巴旦杏    百合子
     きもだめしには竹刀片手に   七水
   酔うほどに自慢話のきりもなし   依子
     壁に並んだ汽車のプレート   百合子
   城山のそよ風に花さんざめく   依子
     遠足の子が通る組橋     七水
       平成18年3月2日起首 同31日満尾
☆ 入選
半歌仙 「蔓草の」の巻   茨城県  城 依子 捌

   蔓草の籠にならんと枯れており   城   依子
     身を切る風に鎮もれる城     岡部七兵衛
   石窯で自慢のパンを焼き上げて   山根  敬子
     笑みうつくしきグラビアの子等   多村  遼
   虫の音にあわせゆらゆら月見舟        衛
     後の袷は仕立て下ろしで          依
 ゥ 萩盛る町に松陰門下生             遼
     差出人のなくて恋文             敬
   まどろみの中の逢瀬に縋るらん        依
     合わせ鏡に薄明の獏            遼
   G線の切れたヴィオロン壁際に        衛
     ジプシー達の宴もたけなわ         敬
   果てしなき熱砂の月を友として        遼
     破れ団扇につのる望郷          衛
   人生の耐震強度想定外            依
     姿勢崩さぬ托鉢の僧            衛
   花の香にフランス窓を開け放ち        敬
     オウムと語るほろ酔いの春        遼
    平成18年1月14日起首2月19日満尾
☆ 入選
半歌仙  「漂泊の雲」の巻   茨城県 城 依子 捌
 
  漂泊の雲の白さや寒明ける      城   依子
     遠会釈して麦を踏む人        小山百合子
   初雛を広い座敷に飾るらん       中本 七水
     知らず知らずのうちにハミング         依
   水馴竿させば玉兎の影ゆらぐ            百
     秋を惜しみて続く献杯              七
 ゥ 粛々と時代祭りの主役たち             依
     べっこう飴に透ける御神馬            百
   Gパンのお臍ちらりと可愛ゆくて          七
     胸ときめかす髭のおじさん           依
   公開の講座はアンナ・カレーニナ         百
     青葉若葉の匂い立つ頃             依
   月涼し風ふところに露天風呂           七
     錦帯橋を越えるニーハオ            百
   禅僧の取り持つ縁で姉妹都市          七
     鵞鳥の卵孵化が始まる             百
   皇室の慶事に花の咲き揃い            依
     仰ぐ高嶺に架かる初虹             七
          平成18年2月12日起首3月1日満尾
☆ 入選
半歌仙  「春疾風」の巻  東京都  岡部七兵衛捌
 
  志われも晋作春疾風         岡部七兵衛
     鏑矢のごと来るつばくろ       淀川しじみ
   瓶に挿す勿忘草が咲き出して    小山百合子
     好きな詩集をひとり繙く       城   依子
   牧童の笛につられて昇る月      多村  遼 
     えっちらおっちら蟷螂の影         しじみ
 ゥ 今年米神に供えて安らぎし           依子
     エステサロンは予約満杯        百合子
   お手軽な恋をレンタルする女           遼
     別れの夜に燃やす残り火        七兵衛
   心得の猫の寝場所はサモワール      じじみ
     パッチワークの躾糸引く         百合子
   月待てばことに涼しき波の音          依子
     戦を語る翁の泡盛               遼
   配水車砂埃たつ基地の街          しじみ
     自分探しの旅を続ける           依子
   花びらを纏って潜る大手門          百合子
     奴さんらし蒼天の凧              遼
      平成18年3月10日起首3月30日満尾
半歌仙  「捨雛」の巻     長野県 山寺たつみ 捌
  
   捨雛や女人の旅の幾山河       山寺たつみ
     童の唄に光る芽柳          新生 逢人
   万愚節眉唾電話期待して       駒村 安雄 
     資料の上の猫を追ひ出す      樋田 利彦
   月に酌む肴は友の帰国譚             人
     評価分かれる菊の掛軸            雄 
 ゥ 倒産の旧家売立て秋の末             み
     小町娘が眠るホスピス             人
   燃えあがる一途な想ひ抑へかね          雄
     また持ち帰る渡せない文            み
   聖堂のステンドグラス鮮やかに          人
     錦帯橋に基地の憂鬱             雄
   夕立も過ぎて蛇の目を斜に持ち          み
     蟾にも遭ひし月の縁台             雄
   名物の団子楽しむ老夫婦             人
     尼僧のお茶に心安らぐ             雄
   花の下笑はせながら啖呵売            み
     蝶戯れる国宝の城               雄
                     平成18年3月15日首尾
半歌仙 「一本の縄」の巻 岩手県  小山百合子 捌

   一本の縄の垂れたる寒さかな     小山百合子
     藁編む土間にこもる雪の香    淀川 しじみ
   せせらぎのひそかな唄に耳かして    岡部七兵衛
     探鳥会は磁石頼りに        多村   遼
   名園の白砂鎮もり月今宵       城   依子
     待ちに待ちたる新酒到来     雨乞  小町
 ゥ ボランティア人形劇に木の実降る      しじみ
     ペットの仔豚リボン結んで         百合子
   逞しき胸で可愛くなる女              遼
     夢の中まで歓喜天立つ          七兵衛
   ライブドア株で儲けた絶頂期           小町
     後生大事に蛇の抜け殻           依子
   月の背戸水鉄砲が落ちてゐる        百合子
     てるてる坊主軒にゆらゆら         しじみ
   ふるさとへ思ひ果てなき草枕         七兵衛
     汽笛を曳きて走るSL              遼
   宇野千代の笑顔を偲ぶ花衣          依子
     城山映し春田かがやく           執筆
                平成18年2月7日〜3月10日首尾

◆オフ会2005,5,21

 オフ会作品  当日詳細報告
 T  歌仙「虹立つや」の巻    藍 捌 
  
  虹立つやKUSARIiなかまの太極拳    小町
    ヨットゆるりとすべる湾内       みろく
  パイナップルジュース一気に飲み終えて 不用之助
    隣の犬に見張られている       々
  名人戦長考に入り月まどか      カンちゃん
    金木犀の香る街道            蕗
 あてどない旅に出会いし秋茜        カ
    別れ話をいつ切りだそう         和
  ショパン弾く広い背中が意地っ張り     々
    窓を斜めに降りしきる雨         藍
  悪いけど掃除洗濯放りだし       ひまわり  
    リニモに乗って通う万博      ばらずし
  月冴ゆる上求菩提に下化衆生      みろく
    俵の型にむすぶおにぎり        小町
  人生は四捨五入して合格点        ザリ
    白く泡だち川は流れる          々
  妹が花びら追ってかけてゆく       ふさ子
    遠く聞えるたんぽぽの笛        風
ナオ忘れたきことの数々弥生尽       麦
    おから炊いてるキッチンの昼      桂
  反日のデモにもめげず靖国へ       和
   要観察と医師の診断          ふ
  ケイタイに絵文字ばかりのラブレター   々 
   涼しい夜はベッドきしませ       藍
  「猟奇的僕の彼女」の力瘤        小町
    一目散に渡る吊り橋          麦
  放流を告げるサイレン鳴り響き      カ
    平和憲法守らんと月          藍
  竹籠にあふれやさしき野紺菊      ばらずし
    こっそり酒を舐めるやや寒      々
ナウマジョルカ島広場の踊りはてもなく    風 
   ガソリンゲージふいに点滅       ザリ
  生命線マジックペンで書き足さん      ふ
    老々介護頬なでる風           蕗 
  浮舟の巻をひもとく花の陰         桂
   見え隠れする草むらの雉        ザリ

2005年5月21日首尾  於 蒲郡 南風荘    


オフ会
作品
U しりとり連句14 雨乞い小町さん来日歓迎
     「小町娘」の巻        藍 捌   
 
 夏匂う小町娘のえくぼかな      藍
   波に輝き海桐(とべら)花咲く     和
 くるりんと船は向き変え遠くなり   ザリ
   理科室の窓友はK・S      ばらずし
 エスプレッソ淹れて豊かな昼下り    蕗
  林檎箱からのぞく捨て猫      芳梅
 皓々と月の光のこぼれおち      ひわ
  猪口の新酒に嫉妬渦巻き     ふさ子
 キスひとつふたつめからはあの部屋で 小町
  デルフトの街雪にしずもる      風
 るるるる電話がなぜかつながらず ひまわり
  ずり落ちそうな春のスカーフ  不用之助
 古寺へ磴ゆるやかに飛花落花     桂
   かわずの声をきいてゆく道  カンちゃん 

     2005年5月21日首尾  於 蒲郡 南風荘

◆2006年連句年鑑(連句協会)掲載 WEBめぎつね座

   KUSARI 『たのしい三句集』
      一月一日(火)                      (No.34950
みぞれから雪の知らせの除夜の鐘              藍
 蒼い地球に添える花束                雨乞小町
ボンジョルノここから海が見えますよ             風
      三月十八日(金)                      (No.43369)
花嫁は抱き上げられて新床へ             ちいばば
 掃除はNOの札かかるノブ               ふさ子
ジキルからハイドへ変わる飲み薬            麦
      三月二十一日(月)                    (No.44454)
 まだ高齢者などと言うなよ               ク ン
鶏小屋に山と積まれた無精卵            不用之助
 蛇穴を出て無銭飲食                   ザ リ
       六月十一日(土)                     (No.46470)
 河童の子らも初恋のころ                タヌ公
大切なビー玉ひとつポケットに                桂
 透明な風吹きぬける道               カンちゃん
 
         十月二十五日(火)             (No.49586)
 進化したのかホモサピエンス           の ら
雪月花猪鹿蝶と惚けたる              たすけ
 酒に昏々恋に昏々                   藍
          十一月一日(火)           (No.49754)
 焚火を囲むなつかしい日々           ばらずし
ひび割れに膏薬つめるしかめ面           ふさ子
 活断層に家を建てるな                和
            十一月五日(土)           (No.49832)
 風穴ごしの北斗七星               小 晴
こなからのほろ酔い機嫌村境            たつみ
 お地蔵さまに深々と礼              小 晴
            十二月二十日(火)           (No.51299)
アメリカに年次改革要望書             道 草
 他人のシマを荒らす親分             はやお
踊り場をいつのまにやら外されて            暢
 平成十六年一月一日より十二月三十一日
 (42819番〜51655番)より抜粋
 於・HP矢崎藍の連句わーるど総合BBS

◆国民文化祭2005ふくい

☆文部科学大臣奨励賞
歌仙 「佐保姫の」の巻 東京都   岡部七兵衛捌 
 
  佐保姫の土踏む音や雑木山    岡部 七兵衛
   時空を超えてふわと初蝶       城  依子
  雛の客ひねもす窓の華やぎて    雨乞 小町
   螺鈿の筥に仕舞う琴爪       多村   遼
  月影をくだきて大河とこしなえ   小山 百合子
   注がれし徳利ましら酒とか    淀川  しじみ
 進退を賭け秋場所にのぞむらん      依子
   風もやさしい蒙古草原          七兵衛
  あなたへと紙飛行機はゆれながら     遼
   ジェラシーという恋の妙薬        小町
  朗々と新進女優のオペレッタ      しじみ
   茶房の隅に尉と姥あり         百合子
  露店市西瓜をどさと買いこんで     七兵衛
   避暑地を目指し月の国道         依子
  誘拐をされし気弱なエイリアン       小町
   うつらうつらと転寝の夢          遼
   たっぷりと花そそぎませ義士の墓  しじみ
    ビルの谷間を労働歌ゆく      百合子
ナオ陽炎の罠にはまって物忘れ       依子
    箪笥預金をまた移し変え      七兵衛
  羽二重の着物はむろん福井産       遼
    願い事なら無病息災          小町
  矍鑠と雪けむり蹴り斜滑降       しじみ
    手を取り合って狐火を見に     百合子
  好きですの小さな声は闇の中     七兵衛
    ルパンに心盗まれており       依子
  黄金比いと美しき数値にて        小町
    千の綱垂れ走る帆船        百合子
  たちまちに雲の切れたる月まどか     遼
    湯加減いかがとちちろ窺う      しじみ
ナウ新米の炊ける香りが嬉しくて       依子
    喜寿の親父は杜氏一筋       七兵衛
  ちかごろは趣味の画才も認められ     遼
    巣箱賑わう中庭の景         しじみ
  花の中サンピエトロに鐘の鳴る      小町
    そぞろ歩きの暖かき宵       百合子
      平成17年2月20日起首4月3日満尾
☆福井県議会議長賞
歌仙「万緑」の巻   香川県   田岡  弘 捌
  万緑や地図には赤き現在地    田岡 弘 
    声をかぎりと鳴くは初蝉    多村 遼  
  手づくりのパイの思はぬ出来映えに    弘 
    ベストセラーは読みかけのまま     遼  
  天心を皓々として望の月           弘 
    小鳥放てば風になるらん         遼 
ウ 爽やかにさざなみ寄せる浜辺には      弘  
   会釈を交す妙齢のひと           弘  
  片恋の痛みの残る日記帳          遼  
    涙の痕にいつか微笑み          弘  
  黙々と戦禍の村に井戸を掘り        遼  
    神に祈らん世界平和を          弘  
  月冴えて歓喜の歌を高らかに        遼  
   スノータイヤの威力抜群          弘  
  ブーム追ふ秘湯めぐりのカメラマン     遼  
   心にとめる一瞬の技            弘  
  初花のあたり仄かなにほひして       遼 
   何にたとへん春のあけぼの        弘  
ナオ若駒に少年の夢果てし無く         遼  
   自由自在にタイム・スリップ        遼  
  古文書の謎にすっかり嵌り込み       弘  
   壁の染みさへ物の怪に見ゆ        遼  
  泣く子にはとても叶はず買ふ金魚      弘 
   雨宿りして過ごす夕立           遼  
  ヨン様にやまとなでしこ奪はれて       弘 
    脇目も振らず愛はひとすぢ        遼  
  抱き合ふただそれだけで幸せと       弘 
   不意に扉を叩くのは誰           遼  
  雲間より洩れゐる月の永平寺        弘  
   坂の途中で拾ふひょんの実        遼  
ナウ川土手に聴くフルートに秋更けて      弘 
   キャッチボールも懐かしき父        遼  
  SLの窓に景色の移りゆき           弘 
   旅にしあれば憂さも吹っ飛ぶ       遼  
  けふよりも若き日はなし花に酌み       弘 
   遥か彼方へ霞む連山           遼  
     平成16年7月1日起首8月2日満尾

◆2006年連句年鑑(連句協会)掲載 WEBめぎつね座

 KUSARI 『たのしい三句集』
        *                (No.34950)
 桜の下に埋まる屍                   風
攻め窯のまだほのぬくき春の宵         ミャーママ
 逢えばとろりと月も溶けたわ             藍
        *                (No.35296)
 オスライオンの眠ってるだけ             R
終電が冬の星座を分けて行き            柳 雪
 セロ弾きの窓叩く木枯し               晴
       *                   (No.35320)
 内緒話が聞こえないとは            不用之助
人呼んであそこは「おほほ幼稚園」         タヌ公
 とほほとほほで日が暮れてゆく          ザ リ
        *                  (No.35462)
 どうしていいの戦争をして            ザ リ
マスコミが右へ右へと泳いでく           の ら
 いびつな壜が流れ着く浜             もみじ
        *                   (No.39083)
 山毛齧リを守る合宿打ち上げ日          たつみ
メモに書かれたメールアドレス             桂
 砂時計流れはじめた恋のつぶ           ふさ子

         *                (No.38249)
 老いらくの恋によばれた救急車            風
見つめただけで上がる血圧               兎
 中東の石油が決め手となる株価            蕗
         *                 (No.40443)
 会わなけりゃ綺麗なままの君だった        ひ わ
楼蘭の妃も胸にひとこと               タヌ公
 着メロに永き眠りは遮られ             ふさ子
         *                 (No.40682)
 懐中時計螺子を巻く人            カンちゃん
逆回り空回りあなたが遠い            あおゆき
 コスモスの野にちぎれゆく雲              彗
         *                (No.41168)
 季節外れの蛇がするりと                麦
遊歩道かさりこそりと枯葉鳴り              霞
 愛しい人が逝って三年               小 町
  
  平成十六年 一月 一日より
  十二月三十一日までから抜粋
             (於・矢崎藍の連句わーるど総合BBS)


◆2004 鎌倉宮奉納全国募吟
-3句目を付けてください Linked-Verse Contest (主催2004 鎌倉宮奉納連句実行委員会)

○ 3句目の575を付けてください
1.(打越)夕立の追憶濡れている背中
2.(前句)水彩絵の具ぺリエにて溶く
----------------------------------------------------------------------
      特選6句(50音順)より
深夜二時割れたグラスを片付けて      豊橋市 青山みのり
アメリカのイラク解放ままならず       香川県   田岡  弘
      入選句19句より
花の窓カミヒコーキはとびだして       三重県    多村 遼
そこはかとミントの香り漂いて        茨城県   城  依子

◆国民文化祭2004ふくおか

☆文部科学大臣奨励賞
    半歌仙「白蓮」の巻  
               香川県  田岡 弘  捌

  白蓮のそよぐや戦なくならず      田岡 弘  
     波紋のこして消ゆる翡翠     多村 遼  
  胸中に秘策をひとつ温めて           弘  
     バッターボックス包む歓声        遼  
  野も山も月のしづくに煌けば          弘  
     新酒の香りことのほか良し        弘  
ゥ 移ろひの秋を異国に惜しみつつ        遼  
     触れる手と手にはしる衝撃        弘  
  永遠の愛を紡いでゆく二人           遼  
     終り気になる推理小説           遼  
  懸案の拉致の解決ままならず         弘  
     玄海はるか浮かぶ島々          弘  
  月冴えて御仏の顔おだやかに         遼  
     恩師の偉業しのぶ襖絵          遼  
  客席にカーテンコールいつまでも        弘  
     浮かれし猫のよぎる裏町         遼  
  うたかたの今生なれば花に酔ひ        弘  
     朝寝の夢にふるさとの母          遼  
        平成15年7月25日起首8月15日満尾
            
☆国民文化祭実行委員会会長賞
   半歌仙「落椿」の巻  
        兵庫県   三神 あすか 捌

  沈黙の地を炎(も)えたたす落椿 三神あすか 
   雨の霽れるたる寒明けの径  多村 遼  
  漣波へえり挿す小舟漕ぎ出でて       あ    
   オカリナを吹く子ゆきつもどりつ  遼
 ぽっかりとビルのはざまに月今宵    あ  
      濃き珈琲の香り身に入む      遼  
ゥ 文机に昼をまどろみ去来の忌       あ  
      菊慈童あれ夢幻舞ひたる     遼  
  つつがなく共に金婚迎へんと       あ  
      炭つぐ尉に姥のねぎらひ      遼 
 人道といふ義を鎧ひ派遣隊          遼
       旅のメールもドット・JP       あ
 有明の月を追ひかけ登山バス        遼 
       誰を呼ぶのか不如帰しば鳴き   あ 
 ああ明治大正昭和遥かなり         遼
      八重の潮路に風は百態        あ
 花うかべ螺盃交さん志賀島          遼 
      神の絵筆にかかる初虹     執筆  
  平成16年2月12日起首22日満尾
         
☆福岡県議会議長賞 
   半歌仙『ラムネ菓子』の巻      
            三重県     多村 遼 捌

 晩夏光セロファンに透くラムネ菓子      多村 遼 
    藍の浴衣に帯もきりりと          田岡 弘 
 手と手と手千年杉を囲むらん              遼 
    雄々しくなりて駈けてゆく駒            弘 
 けふの月待てば地平のきはやかに          遼 
    汽笛身に入む国境の村              弘 
ゥミレー作落穂拾ひの謎めきて              遼  
    エアメールには書けぬ真実            弘 
 酔ふほどに焦がれせつなき胸のうち          遼 
    鬼女の根付は垂涎の的              弘 
 万策はつきて株価もままならず             弘   
    柝の音も高く夜回りのゆく             遼  
 寒行の僧に鋭き剣の月                 弘 
    山また山の遠きふるさと              遼 
 こんなにも高いか父の肩車               弘 
    耳をくすぐる風のやはらか             遼  
 玄海をまなかひにして花の宴              弘
    うつつの夢に双蝶の舞ふ             遼
    平成15年8月2日起首10月10日満尾
   
☆苅田町議会議長賞
    半歌仙「無心といふは」
          香川県   田岡  弘 捌

綿虫や無心といふは難しく     田岡 弘 
    静寂の果てに眠る山並    多村 遼 
 だし抜けにドアを敲くは誰ならん      弘 
    プロローグにはチェロの独奏     遼 
 叢雲を解き放たれしけふの月       弘 
    犬の迎へる木犀の駅         遼 
ゥ 碧い眼も秋の祭の行列に        遼 
    片言なれど愛の告白         弘 
 願わくは時よ止まれと抱きあひ      遼 
    うつつに返る警策の音         弘 
 フセインの夢の終わりし穴の中      遼 
    地平線へと一筋の道          弘 
 月涼し秘蔵の酒を囲みゐて         遼 
    軒の忍に想ふいにしへ         弘 
 神さびる香椎の宮をおとなへば       弘 
    鷹のやうやく鳩と化す頃         遼 
 大河いま滔々として花筏           弘 
    画布いっぱいに満ちてゆく春     遼
  平成15年11月21日起首12月22日満尾   
☆福岡県連句協会会長賞
    半歌仙「夢育つ」の巻   
             茨城県   城 依子  捌 

 深秋や湾に真珠の夢育つ      城   依子 
    マスト影曳く月の突堤      小山百合子
 風炉名残遠来の友正客に      齋藤   桂 
    雅びに掠る筆は誰の手     山寺たつみ
 少年のハスキーヴォイス変声期   多村   遼
    夏色の街走り続ける             依 
ゥ誘われて四万六千日詣で             百 
    餌をねだり寄るひと群の鳩         桂
 静かさが戻る戦禍の村の午後          み
    ブルカの裡の瞳清しく           遼
 赤い酒呷りて共に堕ちゆかん          依
    闇の深さに軋む階              桂
 月冴ゆる鯉沈々と眠るらし            み 
    スケート靴が少し窮屈          百   
 幼な顔物言いどこか大人びて           桂
    きりきりと巻く機関車の捻子         百
 英彦山へ久女偲ばん花の旅           遼 
    紅緒に残る白き春泥              み 
     平成15年11月6日起首12月13日満尾 
       


◆国民文化祭やまがた2003

☆国民文化祭実行委員会賞
半歌仙 『木歩の忌』の巻  香川県 田岡 弘 捌   

 青柿のままに落ちたり木歩の忌    田岡  弘  
    片割月を揺らす池の面       多村 遼  
 村芝居終へたる人の賑やかに         弘
    振舞ひ酒のうまさ格別            遼  
 子燕は高速道路横切りて            遼  
    雲の峰へと伸びるビル群          弘  
ゥガウディの夢を受け継ぎ黙々と         遼  
    一途な愛はきっと本物           弘  
 魂がふれあふほどに抱きあひ          遼  
    焦ればとけぬ固き靴ひも          弘  
 解決に苦難どこまで続く拉致           弘  
    耳に残るは遠き潮騒            遼  
 神やどる月山に月冴え渡り           弘  
    点となりゆくシュプールの涯        遼  
 ひと筆に座右の銘を書き上げて         弘  
    猫のじゃれあふ縁の暖か          遼  
 花満ちて生の讃歌をたからかに         弘  
    悠久の地に春の曙            遼  
       平成14年11月6日起首12月2日満尾
       WEBめぎつね座
☆山形連句協会会長賞
半歌仙 『果てはいづこや』の巻 
               香川県 田岡 弘 捌   

 この道の果てはいづこや草いきれ   田岡 弘  
    行く手はるかに峰をなす雲     多村 遼  
 シナリオを一気呵成に書きあげて       弘  
    エスプレッソをぐっと濃いめに       遼  
 談笑のつづく窓辺の月さやか          弘 
    路地の奥にもはやつづれさせ       弘  
ゥやや寒に龍馬がいそぐ京の町         遼 
    おほいなる背に熱きまなざし        弘  
 いや燃ゆる恋の炎の限りなく          遼  
    さらさらさらと砂の曼荼羅         遼 
 脱出はいつのことやらこのデフレ        弘  
    イチかバチかで狙ふ逆転         弘  
月影に冴ゆる遠吠え独り聴き          遼  
    友の情けにむせる燗酒          遼  
 閉ぢられしベストセラーはテーブルに     弘  
    フォークソングの流れくる苑        遼  
 花の雪浮かべ母なる最上川          弘  
    春光満ちて旅立ちの朝          遼  
       平成14年7月3日起首8月2日満尾
        WEBめぎつね座

◆2003 芭蕉祭

                     ☆特選
脇起半歌仙「春なれや」の巻  阿部 昭捌
 
 春なれや名もなき山の薄霞     翁   
  砦の跡に跳ねる若駒        昭  
 玉椿青磁の壷に活けられて     桂  
  母と娘の琴の連弾         兎 
 天心の月のいよいよ澄み渡り    遼  
  レシピ通りに新蕎麦を打つ     霞 
ゥ教え子が主役演ずる村芝居    昭 
  自ずと浮かぶ笑みに戸惑う     桂  
 攫われてみたいと熱く囁かれ    兎
  開けてはならぬパンドラの箱   遼  
 池の面に身じろぎもせぬ鴨の群  霞  
  脱北めざし人の去り行く      昭
 冷や酒の盃重ね月は友       桂  
  檀那寺から届くたかんな      兎  
 真っ黒なベンツの停まる道の駅  遼
  伊賀の組紐買うがきまりで     桂 
 昨日今日素直に生きて花仰ぐ    霞  
  夢のかたちを綴る蝶々       兎  
   起首平成15年4月5日同30日満尾 
  
                       ☆入選
 脇起半歌仙 『冬瓜や』の巻   田岡 弘 捌
  
  冬瓜やたがひに変る顔の形         翁
   月の淡きにすだく虫の音     田岡  弘
  炉火恋しベストセラーに涙して   多村  遼
   地味な努力のたふときを知る  佐々木栄一
  子燕のやうやく慣れし滑空に         弘
   沖合ひはるか浮かぶ峰雲         遼
 ゥ 停まるたび土産の増えるバス旅行    一
    頭のなかは君でいっぱい         弘
  待ち兼ねし華燭の典はもう間近      遼
   ナイスショットと囃すギャラリー       一
  タマちゃんの眼の釣針は無事にとれ   弘
   伊賀の銘酒で憩ふひととき        遼
  物陰に忍者の消えて冴ゆる月       一
   降誕祭に響くオルガン           弘
  学舎の煉瓦造りもなつかしく        遼
   炎と語る窯変の妙              一
  花浴びて見失ひたる宙の蒼        弘
   風やはらかに靡くスカーフ         遼
    起首平成15年5月12日同6月5日満尾  FAX文 音
  

◆平成15年みえ県民文化祭

                    ☆最優秀賞
半歌仙「ボトルシップ」の巻  

 聖五月ボトルシップの旅立てり   多村  遼
    大平原をわたる薫風       城  依子
 棟上げに槌音高く谺して      小山百合子 
    煉羊羹は少し分厚く      阿部  昭
 天金の書に輝きの増す良夜     齋藤  桂 
    文化祭へと急ぐ若きら          遼 
ゥすれ違ひざまの挨拶爽やかに        依
    眼下に見ゆるアテネ空港         百
  円柱の丘に女神の笑みたたへ        昭 
    夢をいざなふ熱き抱擁           桂
  愛の巣をゆらす余震のきりもなく       遼
    猫のじゃれつく反古の原稿        依
  凍月に水輪ひろがる河童淵         百 
    有事法案泥縄の感            昭
  健診の前だけ禁酒禁煙を           桂
    卒寿の母を祝ふとこぶし         遼 
 ぼんぼりに家紋の透ける花の門        依 
    かごめかごめの唄も朧に        百 

起首平成15年5月14日6月13日満尾 於インターネット

◆すてきな三句賞
(とよた市民キャンパス連句まつり2003・すてきな三句募吟ー主催 豊田市・桜花学園大学他)10月30日31日

                 ☆選者特賞(矢崎藍)
 秒針加速進む昨今        ねぼけフクロウ
恋をしたアインシュタイン光なり       イーノ
 君に向かってあかんべえして        Ray
             (03雅仙「天神」の巻 Ray)
                  
              ☆俳諧寒菊堂賞(岡本星女)      
 我もこうして物思うなり(吾亦紅)        はやお
脛に疵もつ身も坐して寺の縁(ミモザ)        桂
 シャツのボタンがひとつずれてる(牡丹)      霞
(02連句KUSARI花賦物 bQ1228 斎藤恵子)
           
        ☆ 俳諧寒菊堂賞次点 (岡本星女)
 犬は男のベストフレンド            小町
打算などない愛以外求めない      カンちゃん
 澄んだ夜空に舞い落ちる葉       聖きよみ
   (00連句KUSARI bV028 渡邉正和)
         
                    ☆大野鵠士秀逸     
 薔薇の枝には薔薇の花咲く           兎
親友の赤い唇目をそらし           Katchi
 ハートの奥にぽつり焦げあと          Ray  
     (03連句KUSARI bQ6530 Ray)
                 
                    ☆大野鵠士秀逸
 BGMのトーン落として          ふるふる
葬儀屋のもっともらしいアナウンス     たつみ
 一目でわかる親子兄弟             桂 
  (01連句KUSARI bP2314 山寺辰巳)
      
                    ☆ 原田千町秀逸     
ゆったりとクルージングの独り旅          蕗
 女神の笑みは自由たたえて          小晴
戦の好きな男を産んだ悔い              麦   
     (00連句KUSARI bT115 多村遼)
       
                    ☆佛渕健悟秀逸
 かすかに響く時計台の音           小晴
シドニーの春を尚子が駆けぬける    ミャーママ
 綿毛のゴールたんぽぽの笑み       小太郎
      (連句KUSARI bT736 多村遼)
   
                    ☆ 佛渕健悟秀逸
 白いひかりが戯れる海               風
故郷の青い地球に帰りたい        雨乞い小町
 茄子と胡瓜の馬は並んで            小晴
    (02連句KUSARI bP7900山根敬子)
                     ☆宮下太郎秀逸      
 海をみおろす草萌ゆる丘             晴
遠くから遍路の鈴の聞こえきて        たつみ
 母のレシピで煮てるいかなご           桂  
     (02連句KUSARI bQ2366 斎藤恵子)
              
                   ☆ 山地春眠子秀逸     
 ユリイカ互いの唇の上            あおゆき
クォヴァディスと君は最後につぶやいた  カンちゃん
 時雨降る夜駅の改札               Ray   
      (02連句KUSARI bQ1302 Ray)
                     大野鵠士入選
 「夢判断」を読んでため息           道草
舵取りは貴女まかせの愛の船   キリマンジャロ
 シーツの海をすべる指先          みのり    
   (02連句KUSARI bQ2856 田岡弘)

                     大野鵠士入選
野にあればアラブの馬の逞しく        小晴
 国を幾つも越えるモンスーン          麦
通じないことば顔立ち似ていても         桂   
     (00連句KUSARI bS851 多村遼)4
                      大野鵠士入選
老猫と人生の刻分かち合い          ニャン
 大樹となりて花は盛りに      キリマンジャロ
おかえりと言われたような春の空    カンちゃん   
     (01年連句KUSARI bW567渡邉正和
                     近松寿子入選
裏切りをなじる言葉は胸に秘め       みのり
 上手に嘘をつける寂しさ        カンちゃん
卓上に一輪紅い冬の薔薇             桂  
 (02連句KUSARI bQ0647渡邉正和)
                      近松寿子入選
幾万の骸を抱いて海光る         ミャーママ
 大本営の史跡松代              たつみ
こどもらの背に降り注ぐ蝉しぐれ      ミャーママ  
  (01連句KUSARI bP1303 山寺辰巳)
                     原田千町入選
 億光年の防人の歌              小町
今日もまた宇宙戦艦発進す          雪兎
 愛をたくさん持って行かなきゃ       みのり
(02連句KUSARI bP6268 小山百合子)
                      原田千町入選
 斜面に実るオリーブの影              風
目覚めよと呼ぶ声がする夢の中          道草
 銃の世界のまだおわりなき         不用之助  
      (連句KUSARI bQ6330 生方卓)981
                     原田千町入選
抽き出しに2年暮らした部屋の鍵     とろっぺ
 ナチの追っ手がドアの外まで          蕗
神様はイツ眠りから目覚めるの?   カンちゃん
(03連句KUSARI bQ7687 渡邊正和)1027
                      佛渕健悟入選
ほうたるの命をかけたこの一夜   キリマンジャロ
 燃ゆる柔肌つつむ羅                兎
指先が結ぶホクロの点と線           ええ一  
    (02連句KUSARI bQ1997 田岡弘)
                     佛渕健悟入選
 ミケの行方を手相見に聞く           紫
空ビンも兵器も埋まる防砂ダム        道草
 子々孫々にツケをまわして          ひわ  
 (03連句KUSARI bQ8322 藤井ミイ)
                      宮下太郎入選
大寒に耐えて列島弓なりに      キリマンジャロ
 握り返した霜焼けの指             ええ一
かあさんの温もり今も懐かしく            晴
     (02連句KUSARI bP5485 田岡弘)
                     宮下太郎入選
 自然と共生ねらう万博              蕗
海や空森や大地は誰のもの       カンちゃん
 遊行の旅の一遍の影             たつみ   
 (00連句KUSARI bS766 渡邊正和)
                    山地春眠子入選
 拉致調査団平壌に着く           たつみ
闇深く激しさを増す虎落笛             桂
 大鍋で炊く鰤と大根                麦  
 (02連句KUSARI bQ2252 山寺辰巳)
                    山地春眠子入選
 テーブルの上滑る絵葉書       カンちゃん
吹く風に秋が近いと知らされて          桂
 やさしく馬を洗う少年               晴
(03連句KUSARI bQ6210 斎藤恵子)
                    山地春眠子入選
 うつらうつらと春の一日              霞
ふらここで行ったり来たり黄泉の国  雨乞い小町
 招待状は封を切らずに               麦   
 (02連句KUSARI bP7918 山根敬子)

◆第17回国民文化祭とっとり

☆入選   
半歌仙「絵双六」の巻  岩手県 小山百合子捌
    
 山賊に出遭ってしまふ絵双六 小山百合子
   影燦々と揺れる繭玉     多村  遼
 街角にトランペットの響くらん   阿部  昭
   自販機で買ふ電車の切符       百
 月の客待ちきれず注ぐ純米酒      遼
   入れた襖に猫がじゃれつく       昭
ゥ磨崖佛蔦の紅葉を襷掛け        百
  いつか海へと巡る敦煌         遼
 寄り添ふて噂広がる船の旅       昭
   ラストダンスで誓ふ再会       百
 伏魔殿去りゆく人の刺し違へ       遼
   西部戦線何事もなし         昭
 夢色の薄翅かげろふ月に透き     百
   祖父の背中に眠る祇園会      遼
 公達の家系を誇るたいこもち       昭
   茶柱立ちしことは内緒に       百
 裂帛の気合花散る武道館       昭
   巣づくり励む軒のつばくろ      遼
起2002/1/26首2002/2/5於インターネット文音
 ☆入選       
半歌仙「冬麗や」    茨城県    城 依子 捌
     
 冬麗や鳩の声降る石だたみ        城 依子
     苑の隅には白き侘助        多村 遼 
 健やかに八十路の髪を結い上げて  山寺たつみ
     日々の楽しみEメールとか     齋藤 桂
 貴腐ワインとくとくとくと良夜なり         遼
     山のふもとの穴に入る蛇         依
ゥべい独楽の話は尽きず湯治宿         桂
     奥の廊下に見たる幻           み
 小悪魔に翻弄されているわたし         依
     君助手席にポルシェ発進        遼
 新婚のパリの土産はユーロ札           み 
     川面を渡る鐘は厳か           遼 
 夏の月いにしえよりの堂庇           桂 
     親鹿に餌をねだられており       依 
 ポスターの笑顔に笑みを返す嬰児        桂 
     きりりと佇てる緒方貞子氏        依 
 花爛漫一期一会の友ありて            み
     春の砂丘に描く風紋           遼
起2002/1/24  尾2002/2/8 於インタネットBBS
  ☆入選   
半歌仙「風花や」の巻カリフォルニア山根じゅりあ捌
  
 風花や山の便りを華やかに     山根じゅりあ
   身じろぎもせぬ沼の寒鯉      城 依子
 ホルン吹く少年の夢果てもなし     多村  遼
  街の広場にサーカスが来る           あ
 地球儀をゆっくり廻す月の卓           遼
   土瓶蒸しもう出来上がる頃          子
ゥ色と識違いを問うて残る菊           あ
   戸惑いながらくぐる枝折り戸        子
 モロッコへ片道切符懐に            遼
   ピロートークで習うフレンチ         町
 母方の奔放な血が疼くらん           子
   纏わる紐の固き結び目           遼
 夏の月朽ちた祭壇密林に            町
   野営テントで友と酌み交う          子
 ひたむきなNGOに期待寄せ           遼
   中吊り広告並ぶ地下鉄           町
 花爛漫そろりそろりと太郎冠者         子
   呼子鳥啼く倭まほろば            遼
起首 2002/1/28 満尾2002/2/20於インターネットBBS
 ☆入選
半歌仙 「棟木割く」   長野県  山寺たつみ 捌
                       
 棟木割く寒のもどりや人の声      山寺たつみ
   里の厨につくる蕗味噌         齋藤  桂
 たおやかに舞う初蝶を目で追いて     城  依子
   特急電車わたる鉄橋           多村  遼
 月まどか風も和みて眠る湖              桂
   絵筆を置けば炬燵恋しく             み
ゥハロウィンにハリーポッター仮装の子       遼
   威風堂々路次のボス猫             子
 風邪ですとためらう君に熱い接吻         み
    新妻残し遺跡調査へ              桂
 土塊の言葉あれこれ聞きたくて           子
   いのちをつつみ続く混沌             み
 百合匂う月の昇りし山の端に            子
    亡き友偲ぶギヤマンの盃            遼
 何時かしらロシア民謡口ずさみ           桂
    澱みを廻り笹舟のゆく              み
 御守りは蘇民将来花の寺             遼
    あちらこちらで励む畑打             子
起首2002/2/13満尾2002/3/7於インターネット文音
                         ☆入選
半歌仙「馬魂碑」の巻 岩手県 小山百合子 捌

 馬魂碑のうしろ渦巻く雪解川    小山 百合子
   梢を揺らし辛夷咲く丘      多村   遼
 春炬燵ぽつんと独り沙汰もなし  山根じゅりあ
   厚さ手ごろな本を枕に      生方   涼
 客眠る窓に月さすバス旅行     山寺 たつみ
   今年酒酌む村の若衆      棚町  未悠
ゥ伯林は「千と千尋」の芸術祭          遼
   タロットカード息つめて引く          子
 妻の背に密かな恋の物語           涼
   古傷ひとつまだ疼いてる           あ
 発掘の土器の破片に謎の種         悠
  次の教授は僕が本命             み
 青頸は夢うとうとと湖の月            あ
   夜啼き蕎麦屋の不意に現れ         遼
 朴歯下駄ならべいつもの柔道部        子
   醜の御楯となりし友垣           み
 ショパン弾くペンションの窓花吹雪       悠
   東風吹きなべて命革む          涼
2002/3/6 起首2002/4/11満尾於インターネットBBS
                         ☆入選
半歌仙「海の門」の巻   三重県  多村 遼 捌

 清明や海の門にある神の島       多村 遼
   乗込鯛のはねる舟板          山根敬子
 春障子新築祝いにぎやかに        城 依子
  ガーデニングに思い廻らし            遼
 未来図にひと色添える月明かり           敬
   人を吐き出すやや寒の駅            子
ゥ脈々と暖簾うけつぐ走り蕎麦           遼
   奥大山に名水を汲む              敬
 いとおしい女の平癒に願をかけ         子
   耳朶の翡翠は永久の契りと          遼
 オペラ座は幕開きを待つ桟敷席         敬
   羽ばたきやまぬ蝙蝠の群            遼
 夏の月少年の影真っ直ぐに            子
   爆撃の無いあすは来るのか          敬
 鍵穴の向こう蕭条たりし凍て           子
   こつこつ綴る古裂ちりめん            遼
 連覇なるタイガーウッズ花の笑み        敬
   グラス触れ合う陽炎の丘            子
2002/4/5 起首 2002/4/19満尾 於インターネット文音

◆2002平成連句文芸賞  

入選
歌仙「テディベア」の巻        城 依子 捌

  梅雨入や窓に寄り添うテディベア     依子
   ボールがぬれる紫陽花の陰      たつみ
  出版の記念の集いはれやかに        桂
   敏腕記者も服を誂え             遼
  街角のポスト黙って呑む月光         み
   山のふもとの深みゆく秋           子
ゥ 初猟に高ぶる犬をなだめつつ         遼
   ゆるびし靴のひも締め直す          桂
  還暦が氷川きよしの追っかけに        子
   抱き合う二人降りる緞帳           み
  宙の涯ブラックホール増え続け        遼
   月の雪林寂々として             桂
  臘八の接心済みし僧の髭           み
   まとめてぐいとマルチビタミン        子
  そこ退けと長距離トラックひた走る      遼
   潮の香りを運ぶ朝風             桂
  花びらを肩先に受け深呼吸          み
   東踊りに誘われており            子


ォ春興を友と分け合うティールーム       桂
   世界に最たる長寿国とは           遼
  にっこりと年金削る財務相            み
   あんぱんかじり綴る論文            子
  洗い髪束ねし君のまぶしくて          遼
   夢か現か青蚊帳の中              桂
  怨霊と一騎打ちする陰陽師            子
   鬼無里に残る京の町の名            み
  鯉はねて池に水輪のひろごりし         桂
   遠く聞こえる子等の歓声            み
  熟成の美酒なりきょうの月高く          遼
   えのころ草をなぶる指先            子
ゥ冬支度あれこれ母に訊きながら        遼
   沓ぬぎ石に雀きており             桂
  トリックの構想を練る散歩道           子
   生き甲斐となる余技のマジック        み
  新しき雪洞ともり花の宿             桂
   若布かぐわし再会の膳             遼
平成14年6月13日起首 同9月4日満尾於インターネットBBS

◆第16回国民文化祭 ぐんま2001 

入選  半歌仙「菫色なる」の巻      衆議判

遠き日や菫色なる夜の底           小町
   並木をわたる凍解の風          小晴
縄のれん焼蛤を大皿に              鳥
   母がこまめにファックスをくれ        町
学園の鳩群らがりて昼の月           晴
   自画像仕上げさあ美術展         鳥
紫苑咲くフランス窓によぎる影          町
   シャボンの匂う髪は乱れて         晴
何もかも捨てた恋なの結ばれず         鳥
    苔むすままの崖の観音           晴
永遠を魔法のランプに閉じ込める        町
   地震あちこち何の前触れ          鳥
ボランティア額の汗も拭わずに          晴
   葭簀に月の忍びこむ部屋         町
譲られし結城紬も懐かしく            鳥
   畦道駈ける犬はのびやか         晴
吊り橋に降り注ぎたる花吹雪          鳥
   時の彼方にかかる初虹         執筆
2001年2月22日起首 5月3日満尾インターネット文音


◆2001平成連句競詠→ インターネット連句賞 KUSARI100句


◆芭蕉祭 優秀

半歌仙  「桜かな」の巻 Web BBS めぎつね座
                捌  キツネスタッフ
 さまざまのこと思ひ出す桜かな     芭蕉翁
  虻のうなりの耳にひととき          藍
 山笑ふガレージセール開かれて    ミャーママ
  スパイス棚にハーブぎっしり     雨乞小町
 横向きの自画像を描く月今宵         蕗
  一輌電車通るやや寒             麦
ゥ珊瑚草能取の沼を赤く染め         目吉
  君は手を振る逆光のなか           マ
 映画観てあとはひたすら歩いたね       町
  老いて知りたる恋の哀切           藍
 イスラムの祈りの響く石の家          麦
  片目の猫がすり寄ってくる          マ
 月凍り文字化けしてるE-Mail          蕗
  冬の林檎とぺティナイフと           町
 遺伝子の二重螺旋を売る男          々
  みんなで乗れば怖くない舟          麦
 大花火今邯鄲の夢さめて            マ
  ビアージョッキに盛り上がる泡        蕗
2000年3月1日起首 3月10日満尾