鈴菜フィギュア製作の修羅場
タイムリミット2003/12/31!



2003/11/25現在。まだまだ道は遠い(汗

★完成★


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某社の(まさに某)ホビーコンテスト応募用に制作。12/30無事発送。
本当にぎりぎりでしたので(夕方、近所の宅急便営業所に急行)、写真は今はこれ一枚で勘弁してください。

制作および反省記
毎度の事ながら、とにかく時間が足りませんでした。
途中締め切りが一ヶ月延びたにもかかわらず、表面処理と塗装を約4日で仕上げるお粗末さ。ちなみに自分はフルスクラッチするときはいつも、表面処理と塗装に一週間の予定を立てるのですが、何故か3〜4日になってしまいます。学習能力がありません、なんでだろ〜
始めたのが10月の下旬だったのですが、この時点で締め切りは11月末、結果を言うと無謀だった訳です。 

締切日を設定するのは半年前とか、結構長期計画を立てるものなんです。今回も1年前から、実際に作り始める前に「やらなきゃ」と延々思うのですが、結局切羽詰らないと動けないのです。自分は凡人ですから、何も締め切りをつけずに好きに作っていいとしても、絶対に作れません。それが出来る人は、この世界、天才といっていいでしょう。言葉じゃ、当然と言える事がままならない、悲しい現実です。

締め切りを決めた時点で、だいたい作りたいアイテムの候補がいくつかあって、これがさっさと決まれば早く動けるのですが、これが意外と簡単ではないのです。目的がコンテストやイベントだったりするので、当然それらで賞を獲ったり売れる事を考えます。また技術的難易度も考慮します。自分自身の萌え度の高さも重要です。

鈴菜はゲームをやった時から、ずっとやりたいネタで、うまく作れればアピール度も高いと思っていたのですが、いかんせん造形難易度が高く、手が出せないでいました。この業界では、「ああっ女神さまっ」が難易度の高いネタとして有名ですが、それ以上の難しさがあると思います。
藤島康介氏もCARNELIAN氏も、華麗な描写で各々の業界のトップを行く絵師ですが、藤島氏がアニメの影響で動かすことも考慮した(つまり、立体的に無理がない)絵であるのに対し、CARNELIAN氏は2次元の枠の中で最大の効果を狙った絵を描かれているように感じます。これは、CARNELIAN氏のデッサン力が劣るわけでなく、仕事のフィールドが違うのであって、一枚絵の中で完結する仕事ですから、立体としての矛盾があっても、絵として美しければ許されるものだと思います。
しかし、フィギュアを作る立場からすれば、これは都合が悪いし、並みの絵であれば、こちらがアレンジして元絵よりも魅力的な立体を作ることも出来ますが、完成度の高い絵の魅力を損なわずにアレンジするのはきわめて困難な事です。
恐らく、そういう理由なのでしょう。これまでCARNELIAN氏はフィギュアに恵まれていません。挑戦者は少ないですし、あっても「なんだかなー」の出来ばかりです。

そんなわけで、作りたくても今の自分には無理、時期尚早と考えていたのですが、他にやりたい物が絞りきれず、時間がだらだらと過ぎてしまいました。こう言っては身も蓋もないのですが、自分がやりたいネタは、髪が長かったり、衣装がヒダヒダ・ヒラヒラだったりと派手目な物ばかりで、どれを採っても地獄を見てしまいそうで・・・結局萌え度の一番高い鈴菜になっただけで、早く始めていれば良かったと反省です。

下手な創作は、氏の場合通用しないと思いましたので(ぶっちゃけ自分には創作力がないわけですが)、元画そのままを最大限再現する方向での制作です。まずはポーズが本当に立体で再現可能か、ドール素体や自分自身でポーズをとって検討します。話が前後しますが、この時点でだめなら別のネタに挑戦です。
似たポーズの写真や、ガレキフィギュアのストックの中から参考になりそうなパーツを引っ張り出してきたりもします。うちには未消化のキットが山と積まれていますが、それらはただ死蔵されているのではなく、常に造形の参考にさせてもらっています。業界の造形レベルは日々進歩していますから、組む暇がなくとも、最新の造形を肌で感じるためには、ある程度は購入しつづける必要があると考えています。とはいえ、自分の場合貧乏で、一昔前のバーゲン品か、イベントではあまり有名でないディーラーのものが大半です。このあたりが自分の造形の古臭さとリンクしているようで痛いところです。

材料はミリプットの白箱エポキシパテを主に使いました。以前はずっとファンドでノウハウを蓄積していて、エポキシは部分的にしか使用していませんでしたが、前回(全くの没になってしまってどこにも出せない物ですが)全面的に採用して、時間短縮に効果があったためです。コストではファンドと比較にならない高い材料で、一箱約1.2K円で10箱程度必要です(大きさは1/5スケールです)が、時間がないので仕方ありません。心材に他の材料を併用すれば節約できますが、今回は試行錯誤の繰り返しが予想されたので、削って心材が露出するのは嫌です。無垢でやるため更にコストがかかります。

エポキシパテにも種類がいろいろあり、今まで試した物ではこれしか使えません。硬化時間が短すぎると、適当に盛り付けて形は削りだけで出す、ポリパテ的な使い方になるし、長すぎると能率が落ちて意味がありません。ミリプットの白箱は一時間ぐらいは形をいじれますし、2時間でほぼ硬くなって削ることが出来ます。また、半硬化の時点では刃物の通りがよく削りも簡単で、完全硬化後はカチカチになり強度が高いと、かなり理想的な材料です。ただ、ファンドに慣れている者としては、乾燥後に水をつけて表面を均したり、モールドを押し付けるような小細工が出来ないのが不満です。また練ったり、へらを使うときにペタペタくっ付きまくって扱いづらいのにも閉口します。均一に混ぜないと、硬化不良が出てしまうのも当たり前ですが欠点です。

どんな材料にも欠点があるので、使える材料というのはその欠点を使う人間が如何に克服するかにかかっています。欠点を何とか誤魔化す術を身に付けた訳ですが、材料の話ばかりしていても先に進みませんので、これについては別の機会にしたいと思います。

この絵を立体化する時に、難航するポイントは大まかに2つありました。
一つは、複雑に交差し合い、しかも細く繊細な髪。これは誰でもすぐに気付きます。もう一つは、うつむき加減の顔面。フィギュアを自作した経験のない方には恐らく想像出来ない事だろうと思いますが、これが大問題。むしろ今回は髪よりもこちらの方が難しいと思いました。
結果的には、どちらも成功しなかったのですが、髪は時間さえあれば何とかなる、ゴールが見えるものです。しかし顔面の角度とそれに起因する問題はどうにもならない、もともと懸念された2次元の矛盾にぶつかったのです。 

そもそも、顔面が本当にうつむき加減であるのか、これ自体も曖昧な所がありますが、後頭部の見え方からそう判断せざるを得ませんでした。作る側からすれば視線の方向と顔面の向きは一致して正面になっていれば、2次元的矛盾を気にしないで、絵では表現されていない、頭上から見た平面形を自由に創作できるので、都合がいいのですが。
一般にフィギュアの顔面形状は頭上から見て鼻の稜線を頂点にしてV字型に作ります。こうすると横顔が立体的に見えて格好がいいわけです。しかし、この形で顔をうつむかせるとどうなるか、目尻が上がって狐目に見えてしまいます。また顎の線も鋭角的になって、精悍な感じに見えてしまうのです。
ところが鈴菜ときたら、超垂れ眼で下膨れ、まあ、そこが可愛い所なんです。

V字形状にこだわる限り、この矛盾は解決しません。平面に作るしかありません。何とかV字立体の部分を残しつつ、平面にしなければいけない部分との妥協点を探るのですが、やはり横顔はペタッとした形になってしまいます。
このあたりは、単に顔の形状をいじるだけでは終わらず、うつむき加減や首の傾げ方を、絵の雰囲気とあまり差がないように微妙に調整して、角度を浅くするといったこともします。いろいろ努力はするのですが、もともと立体を意識して描かれたものではないので、完全な一致は不可能なのです。しかし、そうであっても近づける努力は放棄するべきではないし、元の絵に何ら劣ることのないオーラを発散することが出来るならば、自分は成功だと考えています。

髪に関しては、もともと不動のスタイルとかデッサンが存在しないので、自由な創作が効くので何とかなるのです。単純な理屈では、正面のシルエットさえあっていれば、横から見た形は如何にでもいじれる訳ですから。もっとも、美しい形を創造しなくてはいけない点では、ここにも高いハードルが存在します。

細かく見れば、2次元の矛盾は顔だけでなく其処らじゅうに在って、そのいずれもの消化に成功しているとはいえません。こちらから指摘して気付かれなければ、「まあいいでしょう」ぐらいに逃げています。

粗探しをすると、今回の作品全然いいところがありません。「こんなんでコンテストに応募するなよ」って出来ですが、一応自慢したいところもあります。
雰囲気というか、オーラといった方がぴったりくると思いますが、そこはCARNELIAN氏の絵に結構迫れたと考えています。最高とは申しませんが、少なくとも過去在ったどの鈴菜よりも、この点では負けてないと思います。
「あんなんで商売するなよ」とか「おめーら、それで満足か」というのが、モチベーションになっていたりします。

自分が作品を作ったり、他人の作品を評価するときに最も大事にするのは、雰囲気の再現で、造りの巧い下手などはどうでも良かったりします。誤解して欲しくないのは、あくまで雰囲気であって、形そのものがそっくりだという事ではありません。今の風潮、日本人の性なんでしょうか?細部の作り込みに驚かされることは多々ありますが、一歩下がって、全体の雰囲気がいい作品は、あまり多くないように感じます。

まだまだ書き足りないですが、すっかり長くなりました。次の機会に譲るとしましょう。最後までお付合い下さった方々、どうもお疲れ様でした。
(2004/1/26)
実は後ろ側の写真もあったりします。創作力の無さを感じ、恥ずかしい限りです(^_^;)

コンテストに応募した鈴菜フィギュア、無事戻りました。(2004/4/4)


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