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14ヶ月
◇Introduction
◇17歳になった妻
◇9歳になった妻
◇最終回・14ヶ月
■Introduction
“若返り”の薬を飲んでしまった妻と、彼女を愛し続ける夫との
夫婦愛を描く、ちょっとミステリアスな純愛ドラマ。
35歳のフリーキャスター・五十嵐
裕子はかつての華やぎはないものの、10歳年下の恋人・
井上悟の夢を支える
ために、さえない仕事を続けている。
悟はイタリア料理店でコックをしているが、極度の近眼のために
自分に自身を持てずにいた。
ある日、二人の前に裕子の旧友の娘を名乗る少女・ナツキが現れる。
ナツキは「若返ることができる」という不思議な薬を持っていた。
裕子は悟の子を妊娠し、二人は結婚して家族になることを誓うが、
仕事で無理をした裕子は流産してしまう。
筋腫を持っていたために子供を産めない体になってしまった裕子は、
ナツキが持っていた薬を口にする。
肌が若返り、筋腫もなくなった裕子だったが、ナツキの薬は2本以上
飲むと若返りが止まらなくなり、実はナツキこそ、若返りが止まらずに
子供に還ってしまった裕子の旧友その人だということが分かる。
裕子は薬を1本しか飲んでいなかったが、なぜか若返りが進行してしまう――
どうしたってあり得ない話なんですが、なんと
なく真実味があって
心に染みわたってくる物語です。
しわもシミも隠せない35歳、通信販売の司会という仕事を続ける裕子の
心の支えは10歳年下の恋人・悟の存在。
悟も料理の腕はいいのに、極度の近眼のためにレストランの厨房という
チームの中では力を発揮できずに二流どまり。
二人が完璧な人間でなく、自分の中にコンプレックスや引け目を
持っているところが共感できるんだと思います。
“若返りは女性の永遠の願い”とはよくいったものですが、裕子が若返り
の薬を飲んでしまったのは決して自分のためではなく、悟との子供が
欲しかったから。
裕子と悟の行動の源が、“愛する人のため”である
ところがこのドラマの魅力になっていると思います。
ナツキ役の伊藤沙莉ちゃんという子が、大人びた声と冷めた表情で
抜群の存在感を出しています。
若返りが進行し始めた裕子と、彼女を見守る悟はどうなっていくのでしょうか。
[7/23]
■17歳になった妻
裕子の若返りが急激に進行し、
裕子は17歳ほどの少女になってしまう。
裕子は街で、いなくなった自分を探し回る
悟とすれ違うが、悟に気付いてもらえずショックを受ける。
マネージャーの春美にすべてを打ち明け、力添えを得て、裕子は悟が働く
「ダモーレ」でアルバイトを始める。
悟は、その言動からようやく裕子に気付くが、急激に若返った妻を
どう受け止めてよいか分からず、その戸惑いが裕子を苦しめる。
裕子の高校時代の同級生で、若返りの薬の研究者である神田は、「若返りを止めてみせる」と裕子
と悟に約束するが、昔の姿の裕子を見てかつて好きだった裕子をそのままで
いさせたいと思うのだった――
17歳になった裕子を演じるのは、蒼井優。
初めて見たんですが、映画などにもたくさん出演してるんですね。
ナツキ役の伊藤沙莉ちゃん共々、
心は大人ですから、大人びた口調・仕草・表情を見せてくれるんですが、
情感がこもっててうまいです。
テキパキと仕事をこなして、“年下の”悟を陰ながら見守ったり、
ちゃんと35歳の裕子を演じてます。
しかし――
演技はうまいんですが、“高岡早紀”という女優を知っているだけに、
いまいち別人が演じる裕子に感情移入するのは
難しい。
ここが実写作品のイタイところですね。
年月を経ると(今回のように遡る場合でも)、同じ俳優が演じられなく
なるというのが。
さて、そんな急激な若返りを見せた裕子に、戸惑いを隠せない悟。
心はそのままでも、10歳も年上だった人が今度は10歳近く年下の
外見になってしまったわけですから。
若返った裕子に、複雑な想いを寄せる神田の存在も気になるところです。
[8/11]
■9歳になった妻
裕子が神田の病院に入院し、
悟は毎日弁当を届けて二人は
変わらぬ愛情を持ち続けていた。
しかし、ナツキが「愛情が
若返りを促進させる」ことを発見し、それを知った悟は裕子との連絡を絶つ。
裕子の若返りは一時期止まるが、愛を失うぐらいなら命を亡くしても
かまわないとすがる裕子に、悟も愛を貫く決心を固める。
ウェディングドレスを着ていなかった裕子は、悟と結婚式を挙げようと
するが、その矢先急激に若返りが進行し、9歳ほどの少女になってしまう。
子供の体になってしまった裕子は漢字が読めなくなってしまったり、
街で失禁したりしてしまう。
「ダモーレ」のマネージャー・美弥
が悟の世話をやく様子を見て、自分には何もできないと感じた裕子は、
悟からも子供扱いされていたたまれなくなる。
一方、神田は催眠療法によって
裕子から悟の記憶を消そうと考える――
9歳の裕子を演じるのは菅野莉央ちゃん。
またまた、なんて大人びた子供なんでしょう!
しかもお人形さんのような整った顔立ち、市松人形のようなストレートヘアにも
驚き(@。@)
そしてもう一人の大人な子役、伊藤沙莉ちゃん
とツーショットシーン。
オープンカフェで珈琲を飲むんですが、子供なんだからマックでいいじゃん、
などと思ったら「苦い。でもこうしていないと自分が
35歳なんだってことを忘れてしまう」と。
なるほど、心は大人なのに体だけ(味覚も含め)が子供になってしまった
悲しみが伝わる台詞でした。
悟に想いを寄せる美弥の存在も気になるところ。
奥さんを愛しているのは百も承知だけど、家を出て行ったきり帰って
こないんじゃ、接近したくもなります。
悟って、どこか母性本能をくすぐるタイプなんですよね(*^^*)
悟の美弥に対する気持ちも、裕子に対する愛情とは別だけど、仕事に対する
感謝以上のものもあるような気がしますが、果たして――
[8/25]
■最終回・14ヶ月
若返りの薬を飲んだ神田は、
身体はそのままだが記憶だけが若返り始める。
神田は、裕子と母親を会わせ、
親子の情に訴えて悟から裕子を引き離そうと
画策するが、裕子は悟の側にいることを選ぶ。
裕子は、失明の危機に瀕した悟
の心の支えとなり、悟の目の手術は成功するが、
裕子はさらに若返り、4歳ほどの幼女になってしまう。
ナツキが元に戻るための薬を開発する。
薬を持った神田が裕子と悟の元を訪れるが、裕子を自分のものにしようとする
神田が悟と揉み合ううちに、ガスコンロの火が広がり、アパートが火事になって
しまう。
元に戻るための薬の最後の1滴を口にした裕子は、元の35歳の姿になるが、
裕子は悟に「いつもそばにいるから」と言って、別れを告げるのだった――
かわいそうな結末でした。
ひょっとして元に戻るかなとも期待していたんですが…
35歳の姿に戻った裕子が、悟の前で再び若返っていくシーン、
涙なしには見られませんでした(;_;)
最初に若返りの進行が起こった時点から、おそらく予期していたのであろう
裕子は、子供の姿になってしまっても常に潔くて毅然としていました。
弱気になったり、夢を諦めようとする悟を叱咤激励し、支えとなりました。
そして悟も、裕子の見た目に戸惑いは感じても、変わらず愛情を持ち続けました。
高校生の時期の裕子しか愛せなかった神田と大きく違うところです。
そしてこの、非現実的で難しい設定のドラマを表現した俳優たち。
裕子役は高岡早紀から始まり、
蒼井優、菅野莉央と引き継いでいきましたが、
みんなそれぞれに“35歳”の心を持っていて、上手でした。
「消えてしまうかもしれない」という恐怖を持っていたであろうのに、
自分のことよりも常に悟のことを(自分がいなくなってしまう後のことまで)
心配していた裕子。
そんな冷静ですらある裕子の姿は、最終回に来て神々しさまで感じました。
そして、4歳の姿の子までいれるとまさに“4人の裕子”と共演した
悟役の中村俊介。
せっかくの端正な顔立ちにビール瓶の底のような眼鏡をかけて挑んで
いましたが、最終回に来てようやく眼鏡がとれました(笑)
それこそ相手役の姿形が変わっても、一貫して“裕子”を愛し続けました。
菅野莉央ちゃんの肩を掴んで「裕子は35歳だろ!?」と問い詰めた
シーンは、少々笑えましたが(^^;)
非現実的な物語でありながら、心に訴えてくるものがあった
いいドラマでした。
[9/9]
2003年 7〜9月期 日本テレビ
脚本 瀧川晃代
渡辺千穂
原作 市川たくじ「Separation きみが還る場所」
CAST
五十嵐裕子 ------ 高岡早紀/蒼井 優/菅野莉央
井上 悟 -------- 中村俊介
ナツキ ---------- 伊藤沙莉
堀川美弥 -------- 酒井若菜
藤本春美 -------- 戸田恵子
神田 勉 -------- 石黒 賢
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