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砂の器


【Introduction】
原作は昭和38年に出版された松本清張の同名小説。
翌年には映画化され、日本映画史上に残る名作だそうです。
あまりにも有名なため、本来ミステリーであるところを 主人公を刑事から犯人に変え、設定も大幅に変えた現代版に しているそうです。

消し去ることのできない“宿命”を背負ったピアニスト・和賀に 中居正広が扮し、新たなキャラクターを交えた今作。
原作を知らない身としては、どのようにして犯人が暴かれ、 どういう結末になるのか、楽しみです。

【1/25放送分(第2回)まで】
2004年1月4日、人気ピアニスト・和賀英良の ニューイヤー・コンサートが開かれた会場前に初老の男・ 三木が佇む。
コンサートには、和賀を支援する元閣僚で代議士の田所や その娘で和賀の婚約者・綾香、 和賀の友人でジャーナリストの関川らが 来ており、コンサートは大成功を収める。
和賀を待っていた三木は、帰宅する和賀に向かって「秀夫」 と呼びかけるが、和賀は人違いだと言ってその場を去る。
しかし、時間をおいて和賀は三木の前に姿を現し、2人は久しぶりの 再会を果たす。

蒲田のスナックで飲んだ後、操車場の脇を歩いていたところで、 本名を抹消した和賀に向かって三木が問い詰めると、和賀ははずみから 三木を突き飛ばしてしまう。
過去を消し去りたい和賀は、操車場で三木の顔面がつぶれるほどに 殴り殺してしまうのだった。

数時間後、身元不明の遺体が発見され、警視庁の今西 警部が捜査に当たる。
スナックの店員が初老の男性と白いタートルネックの若い男を 覚えており、2人が東北弁を喋っていたことと2人の会話に出てきた 「カメダ」という言葉が手がかりとなる。

タートルネックの処分に困っていた和賀は、服を細かく切り裂いて 五線譜と一緒に紙袋に入れ、元恋人の玲子に 焼却するよう依頼する。
しかし、玲子の部屋ではずみから紙袋が破けてしまい、その場にいた 関川は中から出てきた赤く染まった布切れを不審に思う。

今西と後輩の吉村は、地図で秋田県に 羽後亀田という地名があることを知り、亀田へ赴くが有力な手がかりは得られなかった。
東京へ戻ると、被害者の息子が名乗り出ており、遺体の身元が三木謙一 だと判明、さらに出身が東北ではなく岡山だということが分かる。

和賀は三木を殺害した直後に道ですれ違った女性の存在が気にかかっていたが、 その女性が劇団「響」の女優・成瀬あさみだと 分かると彼女へ接近する。
あさみは次の公演での主役が決まっていたが、劇団主宰者・ 麻生から一方的に降板を言い渡されてしまう。
傷心のままあさみは母親の葬儀のため帰郷するが、絶望して 崖から飛び降りようとするところへ、あさみを追ってきた和賀がとびかかる。


ドラマは久々の中居くんですが、寡黙なピアニスト役、なかなかはまってます。
しかも忌まわしい過去を消し去りたいがために、殺人まで犯してしまって。
苦悩する和賀をシリアスに表現してますが、素の中居くんと違って、しかも 素を感じさせず、“俳優・中居正広”って感じです(*^^*)

そして渋い味を出してるのが渡辺謙演じる今西警部。
原作と映画版の主人公ですから、これからも見せ所はいっぱいあるでしょう。
さらに、和賀の“分身”的な意味合いで今回新たに作ったという舞台女優のあさみ。
演劇好きの私としては、劇団の内部が垣間見れておもしろいです。

原作を知らないのでけっこう楽しめてます。
さらに、原作だと父親がハンセン病患者で、世の中から差別を受けていたという 設定だったのを、現代版として変えているらしいので、今後、人を殺してまで消し去り たかった和賀の過去がどんなものなのかも興味があります。 [1/31] ▲TOPへ

【2/8放送分(第4回)まで】
飛び降りようとするあさみを思わず 救ってしまった和賀は「宿命は 変えられる」と言い、あさみに遠い日の自分を重ねていた。
あさみは現実と向き合って、もう一度やり直す決心をするのだった。

婚約者である綾香の父・ 田所からコンサートの代役を 引き受けた和賀は、会場が三木を 殺害した蒲田にあると知ると激しく動揺する。
評論家の関川が和賀の楽屋を訪れ、 普段は代役など断るくせに代議士の頼みだと引き受けるのかと嫌味を言う。

三木殺害の捜査に当たる今西は、 三木の出身地・岡山の一部で東北弁と似た方言“出雲弁”があることを突き止める。
出雲地方の地図を調べる今西は「カメダ」に類似した「亀嵩」という地名を 発見、吉村と共に島根県の亀嵩へ向かう。
三木に恨みを持つ人間がいないか聞き込みを始めるが、善行を施していた 三木は、感謝はされても恨みを買う人物ではないことが分かる。

和賀が切り刻んだタートルネックを“ゴミ”として預かり、処分しきれずに いた元恋人の玲子は、夜行列車の 窓から少しずつ散らしていく。
それは秩父の夜に、白い紙吹雪のように舞い散るのだった。

麻生から女優を辞めて衣装部へ 移るよう勧められたあさみは、退団届を出し、他の劇団への入団活動を始める。
しかし、どこも採用してくれるところはなく、あさみは厳しい現実に 打ちのめされる。
手の冷えたあさみは和賀の手の温かさに救いを求め、和賀の部屋を訪れる のだった。


殺人犯の心理状態なんて知る由もありませんけど、追い詰められてる、 何かに怯えた恐怖心みたいなものを中居くんがうまく演じてます。
殺害直後に出会ったあさみの存在より、玲子に預けたタートルネックや、 血がついたまま借りたジャケットを返しちゃったりしていることのほうが心配です(^^;)
ちなみにこのジャケットを借りた宮田っていうのは、劇団「響」の衣装係で、 あさみの友人であるわけなんですね。
人物の相関関係に繋がりがありすぎるところが、いかにもドラマなんですが…

三木の過去を探る今西警部。
恨みを買うどころか、子供を助けるために火事場へ飛び込んだり、浮浪者の ような親子の面倒を見たりと善人ぶりしか掴めず。
この“浮浪者のような親子”が和賀であることはまだ知りようもありません。
そして、実は今西宅とあさみの家はご近所なんですね。
今西の奥さんがあさみと面識を作っていってるのが、もういかにもドラマ…(^^;) [2/15] ▲TOPへ

【2/29放送分(第7回)まで】
新聞に「紙吹雪をまく女」というエッセーが掲載され、刑事の吉 村は一縷の望みをかけてその女性が実在することを突き止める。
秩父鉄道の沿線を捜索した吉村はついに、血の付着した布切れを発見する。
しかし、その“紙吹雪をまく女”=玲子は クラブ・レインを辞めていた。
玲子は関川の子供を妊娠したこと を和賀に報告し、幸せになることを夢見ていた。
和賀は、玲子に託した“ゴミ”が処分されていないことに不安を感じる。

玲子は妊娠したことを関川に報告するが、関川は冷たく玲子を突き放す。
流産した玲子は出血性ショックで急逝する。
今西らは玲子と関係のあった関川を事情聴取し、 関川の口から和賀の名前が挙がる。
今西と吉村は和賀のマンションを訪れるが、和賀は事件のあった日は成瀬 あさみと一緒だったと話す。

あさみは様々な偶然から、事件直後に蒲田ですれ違った人物が和賀であると確信する。
今西から質問されたあさみは、直感から和賀と一緒にいたと話すのだった。
三木が伊勢参りをした後、ふいに東京に 向かったことに疑念を感じていた今西は、三木が和賀に会うために東京に行ったのだと思いつく。
亀嵩に赴いた今西は、三木が世話をしたという浮浪者のような親子の話を聞きに 行き、父親の名前を聞いて愕然とする。


鬼気迫る演技で魅せてくれるのはやっぱり今西役の渡辺謙
三木と和賀の繋がりに閃いて、伊勢に向かうシーンがよかったです。
かと思えば、若い吉村が「マジッすか!?」と言うのを聞きとがめて 「その『マジッすか!?』ってやめろ。『本当ですか』と言え」と、 オッサンくさいことを言うのも微笑ましくて笑っちゃいました(*^^*)

そして、捜査の手が延びてきた和賀。
今西と吉村をクールにあしらった和賀でしたが、2人が帰った途端へなへなと。
「僕がやりました…」って懺悔するように呟くんですが、中居くんもなかなか上手い。
そして和賀が作曲中の『宿命』という曲ですが、これもまたいい曲なんですよね。
実際に作曲したのは千住明さん
激しさの中に悲しみが同居してるみたいな、聴かせてくれる曲です(^-^) [3/6] ▲TOPへ

【3/28放送分(最終回)まで】
今西は、亀嵩に流れ着いた親子が「大畑事件」 の犯人・本浦千代吉親子だと知る。
かつて大畑村があった場所は今はダムの底に沈み、住人たちは本浦千代吉の名を 聞くと「鬼だ」と言って扉を閉ざしてしまう。
和賀の出身地・長崎を訪れた今西は、 和賀が10歳のときに起きた大水害で孤児になったこと、また同じ年齢の孤児の少年・ タケシがその水害で行方不明になったことを知る。
今西はあさみに和賀との関係を問いただし、 「和賀を救いたい」と思ったあさみは事件の夜、蒲田で和賀とすれ違ったことを告白する。

取り組んでいた曲「宿命」を完成させたものの、何かが足りないと感じた和賀は 東京を去る。
亀嵩へ向かった和賀はほとばしる感情を溢れ出し、その姿を追ってきた今西は 見つめるのだった。
和賀は今西に自分が“本浦秀夫”で あることを認めたうえで「僕に『宿命』を弾かせて下さい」と言うのだった。

和賀が「宿命」の完成披露コンサートを開いている頃、捜査本部では今西が 和賀の過去について語り始める。
20数年前、ダム建設問題で揺れる大畑村で本浦千代吉に対する“村八分”が 起きる。
息子・秀夫がいじめに遭い、妻が病気で息絶えると千代吉は宴会場で 何人もを刺し、村中に火を放つ。
秀夫を連れ、放浪の旅を続けた親子は亀嵩に流れ着き、三 木に救われる。
千代吉が大畑事件の容疑者だと気付いた三木は出頭を促すが、亀嵩でもいじめに 遭った秀夫は三木の家を逃げ出してしまう。
長崎にたどり着いた秀夫は「タケシ」と名乗り、音楽好きの少年・ 和賀英良と出会う。
街を襲った集中豪雨で和賀少年が息を引き取ると、保護された秀夫は 「和賀英良」と名乗るのだった。

コンサートホールで「宿命」を弾き終えた和賀に拍手喝采が贈られる。
迎えに来た今西は和賀を医療刑務所に連れて行く。
そこには余命幾ばくもない、年老いた本浦千代吉死刑囚がいた。
20数年ぶりに父に再会した秀夫は千代吉の手をとり、むせび泣くのだった。


命の恩人である三木を殺めてしまった和賀。
その過去は、度の過ぎる“村八分”、過酷な逃亡生活、再度のいじめ、そして 殺人犯の息子であるという抗えない「宿命」でした。
和賀=本浦秀夫の過去が最終2週にわたって描かれました。
バックには和賀がコンサートで奏でる「宿命」の旋律が流れ、なかなかどうして 映画のように印象に残るシーンとなりました。

最終回、まず泣けたのは幼い秀夫が千代吉と別れるシーン。
三木に促されて出頭するため大阪へ向かう千代吉。
「しばらく病院に入る」と言われたものの、やっぱり感じ取るんでしょうね、 学校を飛び出して駅へ走る秀夫。
列車へ乗り込もうとする三木と千代吉に駆け寄って行きながら 「父ちゃーん! 父ちゃーーん!!」と連呼するその姿に泣けました(*_*)
秀夫の子役を演じたのは齋藤隆成くんという子だそうです。
哀しげな、でも強い生命力を持った強い眼差しが印象的でした。

そしてラストシーン、千代吉と再会した和賀。
作曲家・和賀英良ではなく、本来の自分に戻って「父ちゃん!」と叫んで 千代吉の手をとる秀夫。
秀夫は三木が憎くて殺したわけではなく、殺してしまいたかったのは「過去」 そのもの。
秀夫の“宿命”の重さを計り知れるのは、その“宿命”を与えてしまった 千代吉だけなのかもしれません。

普段、バラエティなどで明るいキャラクターの中居くん
最近のドラマや映画ではシリアスな役柄が続いて、おちゃらけたいつもの イメージとはまったく違う顔を見せてくれます。
そこに俳優としての資質を感じさせてしまうんだから、凄いことです。
また、渡辺謙原田芳雄の助演によって、重厚感のあるドラマになりました。
さらに、千住明さんの『宿命』を始めとする音楽の素晴らしさ。
人間の心を代弁し、感動を与えてくれる音楽はそう多いものではありません。
おもしろく見られたし、感動も与えてくれた良いドラマでした。 [3/30] 
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2004年 1〜3月期 TBS

原作  松本 清張「砂の器」
脚本  龍居 由佳里
音楽  千住 明
主題歌  「やさしいキスをして」DREAMS COME TRUE

CAST
和賀 英良 -------- 中居 正広
成瀬 あさみ ------ 松雪 泰子
関川 雄介 -------- 武田 真治
田所 綾香 -------- 京野 ことみ
吉村 雅哉 -------- 永井 大
唐木 イサム ------ 松岡 俊介
宮田 誠 ---------- 岡田 義徳
扇原 玲子 -------- 佐藤 仁美

田所 重喜 -------- 夏八木 勲
麻生 譲 ---------- 市村 正親

三木 謙一 -------- 赤井 英和
本浦 千代吉 ------ 原田 芳雄
今西 修一郎 ------ 渡辺 謙


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