MGB on the Web岩ぞうコーナー

MGB Mk-1 Tuning Bible


Contents
概論
1 ハンドリング
2 ブレーキ
3 冷却、潤滑系
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お知らせ:先日のバージョンでは、ルマンの成績について、一部誤りがありましたので、訂正追記致しました。
注:添付のイラスト、写真はイメージであり、直接記事の内容とは関係ないこともあります。ご注意下さい。
「MGB Mk-1のチューニング」

#編集部追記。この1965ルマンでは、クラス別で4位である。完走は全部で14台/51台、MGBの平均速度は、158.12km/hであった。No.GHN3/59H27,DRX2556。


1.ハンドリング

 速く走らせるためには、無論エンジン・パワーがモノを言う。けれども、直線だけブッ飛んでコーナーで突き刺さっては仕方がないので、すべからくチューニングは足周りの強化から始まる。走る、曲がる、止まる、その最も大切な要素だ。
 速く曲がろうとしたときの障害はアンダーステアやオーバーステアの現象だろう。車体の荷重変動によるローリングと、ホイール・アライメント、それにタイヤのアドヒージョンが大きく関わる。部品メニューを挙げるなら、ブッシュ、スプリング、アンチ・ロール・バー、ショック・アブソーバー、ホイール、タイヤ、サスペンション・アームなどが該当する。
 
a)ブッシュ
 手っ取り早いのはサス・アームや各ブラケットに挿入されている「ブッシュ」を、スタンダードのゴム製のモノから、ナイラトロンやネオプレーンなどの新素材で創られたモノに交換。これによって、サス・リンクの <よじれ>が無くなり、かなりシャープな車体の応答性が期待できる。

#編集部注:どちらにしろ、オリジナルの2ピース型のFサスブッシュは、耐久性上お薦めしない。せめてGT-V8用の金属スリーブ入りの物に交換しよう。
 
b)コイルスプリング&ショックアブソーバー
 次にスプリング。単にバネ・レートを上げるだけでなく、車体の重心を下げてロールセンターを低くとるための「ショート・スプリング」の装着。併せてダンピングを確実にするために「ショック・アブソーバー」も交換。MGBのレバーアーム式ダンパーは戻り側に能力が乏しいので、アップレート・バルブで武装するより、コニーやスパックスのガス封入式ダンパーが好ましい。 スプリングはコンペ用のショート(550Lb/in)程度で非常にシビアな旋回反応が得られる。同時に「バンプ・ストップ」をショート・スプリング用に交換しなければ、サス・ストロークを失ってしまう。
 
c)アンチ・ロール・バー
 「アンチ・ロール・バー」は文字通り車体のローリングを抑えるトーションバー型スプリングで、コイルバネやタイヤ、ダンピング特性と深く関係し、これらを無意味にするほどバネレートの高いモノでは能力が発揮できない。一概に特定できないけれど、3/4"コンペ(170Lb/in)くらいなら守備範囲が広い。
 
d)アライメント
 「サス・アーム」は前軸のウイッシュボーン・ロア・アームを長く伸ばすことによってネガティブ・キャンバーを成すための部品で、旋回性能は著しく向上する。トゥイン設定が広過ぎると、直進性が劣り、同時にアウターベアリングにかかる負担が増す。狭すぎては強烈なオーバーステアが発生し曲がれない。タイヤの幅などにもよって適正は変わるので、試行錯誤を繰り返しベストを狙う。
 
e)タイヤ
 「ホイール」と「タイヤ」は、バネ下重量の軽減のほかドライバーの好みにもより、サスの総合的なマッチングに貢献する。一般的に、サス性能を上回るハイグリップ・タイヤは、リンケージや車体の負担を増し、危険なコーナーリングを体験することもあるので、ほどほどのアドヒージョンを期待するが良策のようだ。
 
f)リア・アクスル
 以上は主に前軸についてを挙げた。
 Mk-1の後軸はリーフ+リジット・アクスル、しかも 3/4浮動のアクスル・ケースだから、車高を下げ、バネレ−トを上げる程度でしかない。アクスル自体の横方向の動きを抑える「ラテラル・ロッド」や「アクスル・テンショナー」も効果を期待できるし、「アンチ・ロール・バー」の装着も考えられるが、いずれもブラケットの加工が必須。ただし、後軸のローリングを <無し>にすると、クルマは簡単にスピンする。
 
g)ボディ剛性
 どんなクルマでもホイール・アライメントを顕著に設定すれば、直進性だけは比較的安易に確保できる。しかし、旋回性と制動時の姿勢安定を併せたら、なかなかに難しい。サスペンション調整と密接に関連するこれらの症状は、ボディ剛性を上げることによって、ある程度の向上が期待できるだろう。
 とくに 30年も経たモノコック・シャシーには、やむを得ない構造的なヤレが各部に見られる。代表的な症状が <スカットル・シェイク>と呼ぶ車体底に発生する振動=バタツキで、激しいときにはシャシーに亀裂が見られる。いわんやロード・ホールド面では不利に働く。もうひとつは、旋回時に見られる車体のねじれ。これもサスペンション性能を完全に引き出すことができなくなる。
 こうした脆弱なシャシーを補強するためには、各部に筋交いに相当する「テンション・バー」を追加するが、これもマウントやブラケット部の加工をしなくてはならない。
 
h)ステアリング
 MGBのハンドルロック・トゥ・ロック 2.9回転が標準。サス調整で反応をシビアにすれば不満のないギア比だといえるが、同 2.1回転のクイック・ステアリング・ギアも入手できる。
 
i)そのほか
 MGBのフロントには、コイル・オーバー式のサスペンション・コンバージョンも用意されているが、レースの表彰台を狙わないのなら、費用がかかりすぎるだろう。


2.ブレーキ

 クルマのストッピング・パワーは侮れない要素だ。なにしろサーボ・アシストを持たないブレーキなので、コーナーの手前では、踏むというより蹴り込む感じのペダル操作を強いられる。とりわけ前輪の制動にかかる負担は想像を絶する出来事で、一にも二にも放熱性がモノを言い、シューやパッドのヒート・レンジも軽んじられない。
 
a)フリクション材
 その気になれば、ロッキード製のディスク・ブレーキ・ユニットを、ごっそりと交換する手段もある。それは4ポット対向ピストン+べンチレイテット・ディスクというような最新の装備なのだが、「費用:性能」と考えた場合、ハイスピード・サーキットで台頭するようなエンジン出力でないなら、パッドの材質=高いヒート・レンジを持つ「フェロード」や「ミンテックス」などの銘柄を装着するだけで対処できる。これらのパッドがフェードを起こすほどの熱量なら、ディスク・ローターがイカれるだろう。
 リアはコンベンショナルなドラム・ブレーキで、こちらも同銘柄のシューに交換するだけで足りる。またホイール・シリンダーは内径の小さい(細い)モノがあるので、アップレートが期待できる。ただし、バッキング・プレートの穴に加工が必要。
 
b)ディスク・ローター
 標準キャリパーのサイズに合わせたローターがある。パッドのカスを掃き出す溝を掘った「グルーブド・ディスク」と、冷却孔を設けた「ドリルド・ディスク」がそれで、どちらも簡単な作業で交換可能。
 しかし品質の問題はクリアしたとは言い切れず、いずれの板も歪みやクラックの懸念は捨てきれない。とくに通常走行では感じられない症状が、加熱による膨張で現れるケースもあり、酷いときにはパッドがロックすることもあるので、試走を重ねるべき部品だろう。
#編集部注)ランチャデルタオーナーから聞いた話ですが、ドリルドロータは、高熱時に、水たまり突入などによって、クラックが発生する物があるのでご注意とのこと。

c)フルード・ホース

 ゴム製の純正から「ステンレス・メッシュ」のホースに交換すると、ペダルを踏んだ直後のタッチが改善される。しかし、ゴムに比べて小石などの衝突に対して脆弱なので、保護パイプと定期点検は必須。


3.冷却・潤滑


 気温にもよるが、長時間の高速走行の場合ヒート対策は欠かせない。熱ダレによるパワーダウンは、エンジンを著しく劣化させてしまう。
 Mk-1の持つ冷却キャパシティは以外に大きいのだが、さらに余念をいれるなら、サーモスタットを取り去り、ラジエターへの流動抵抗を減らす「ブランキング・スリーブ」を挿入する。同時に必ずオイルクーラーを装着。
 ラジエターも含めコア増しも効果的だし、ケースによっては国産の高効率コアを移植することも可能だが、エンジンの圧縮比が標準なら、そこまでの必要性は感じられない。むしろ、ラジエターの劣化を改善すべきだろう。
 オイル・プレッシャーは標準で充分。心配される向きには、リリーフ・バルブにアップレート部品がある。オイルポンプの容量も、余程のカムなどを使わない限りは問題ない。
 


m(^0^)m_ 1963 MGB Tourer, NavyBlue, S/No.G-HN/3-13033
[*岩ぞう*]        IWAKUNI,YAMAGUCHI <<QWR07454>>


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