「生物の超技術、志村史夫著のエピローグ」より抜粋要約
人類の文明史には大きな節目が少なくないが、科学史および科学技術史でいえば、十八
世紀半ばのイギリスで発生した「産業革命」は最大の節目であった。
「産業革命」の起動力となった蒸気機関の発明以来、人類は主要なエネルギーを水力
から火力、原子力へと拡げ、幾多の科学的発見、技術的革新を土台に、高度の物質・機械
文明を築きあげてきた。
その物質・機械文明を支えているのが材料の進歩である。
石器時代からの人類の歴史を振り返ってみると、節目にはいつも、新しい材料と道具の
発見発明があった。
"材料の歴史"が大きく一変したのは、十八世紀に入ってからであり、それは前記の
「産業革命」の時期と一致する。人類は石炭を発見、これを材料として、燃焼理論などの
進展とともに無数の化学製品を製造する化学工業を興した。二十世紀にはいり、石油が
これに加わって、化学工業は爆発的に発展した。
そして、二十世紀半ばには、半導体、電子材料が加わり、現在、物質・機械文明は、その
頂点に達したかに見える。
「産業革命」と「材料革命」は、人間の生活水準を劇的に向上させただけでなく、その
価値観においても、大きな変革をもたらした。
しかしながら、その変革は、必ずしも喜ぶべきことではなかった。
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