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「2004年ニュージーランドタズマン氷河」


8月8日(日):7日目−停滞

 7時。相変わらず雪でホワイトアウトだった。
 今日の朝食は、トマトスープ、らせん状パスタ(エリーケ)、パンプキンクリームwithソーセージ。おいしい。


朝食


 航空機用無線でマウントクックエアポートを呼び出す。今日も飛行機は飛ばないそうだ。歩いて下ろう。デイビット達とともに歩いて下る準備をする。しかし 天気がどんどん悪くなるばかりだった。昼まで待ったがまったくの吹雪になってしまった。ありゃりゃん。停滞だ。
 しまい込んだシュラフや羽毛服をふたたびザックから取り出す。


完全装備のみちお


後左から、デイビッド、島津さん
前左から、トム、みちお、ボブ



ホワイトアウトのタズマンサドルハット


 小屋にはいくつかの本や雑誌が置かれていた。登山者が置いて行ったものだろう。本は英語の小説、聖書などだ。聖書は複数の宗派があった。
 雑誌はスキー雑誌、自然紹介雑誌、そしてグラビア雑誌などだ。オーストラリアのグラビア雑誌を見てみると女性のセクシーな写真が出ているのだが乳首がす べて微妙に隠されている。オーストラリアでは乳首は厳禁なんだろうか。
 中の記事はいわゆる低俗なギャグなのだが、トムやデイビッドはこれを読みながら声をあげて大笑いしていた。中には日本に関する話も描かれていた。日本人 はJAP JAP、いわゆる軽蔑用語が使われている。オーストラリア軍人がいかに日本戦闘機を墜落させたかとか、日本人に占領されていたらこんなもの食わなくちゃい けなかったんだぞと日本食の納豆やふぐなどを紹介していた。真剣な記事ではなくギャグの一環なのだが。
 雑誌にはホロスコープ(星占い)もあった。みちおの天秤座をみてみると、
「あなたはこのようなくだらない雑誌を読むことにあなたのすべての時間を使い果たすでしょう」 
 お〜〜〜!!! あたっている!! 

 予備日を使っているので用意した食料、燃料、そしてトイレットペーパーが乏しくなってきた。このまま閉じ込められ続けたらどうなるのか。食料については 過去の登山者が置いて行ったパスタやオートミールがあるので、味を我慢すればどうにかなるだろう。問題は燃料とトイレットペーパーだ。初日2日のご飯がい けなかった。この初日2日がちょっと燃料を使いすぎ。残りが少ない。で、小屋をあさってみるた。なんと入口近くに置かれてた危険物貯蔵庫の中に、過去の登 山者が置 いて行った燃料があったのだ。助かった。燃料も心配ない。
 トイレットペーパー? 雑誌がある。。。。

 夕食は、スープ、カレーおじや、そしてオイルサーディン。このオイルサーディンが実にうまかった!! カレーもうまい!



夕食


ガスの中、沈む夕日

 デイビッド達がまた無線のおねえちゃんの声まねをして楽しんでいる。天気がよくなると言っていたのに悪くなってしまった皮肉もこもっている。
 夜7時、唯一の楽しみ、無線交信の時間だ。いつものおねえちゃんの声。天気予報は明日月曜日はよくなるが風が強くなるという。明後日火曜日は悪くなって しまうという。明日降りれなかったら、さらに数日停滞してしまうことになる。

 さて。明日、天気が悪かったら下におりるか。もう時間はないので明日降りることになったら、途中の山小屋には泊まらず何10kmも歩き続けてビレッジに 行き、そして夜通し車を走らせてクライストチャーチの早朝発の飛行機にのらなくちゃいけない。飛行機は格安チケットだ。もしこの飛行機に乗れなければあと はない。自腹で数10万円の高いお金を払って帰りのチケットを購入しなければならない。さて、さて、どうすのか。デイビッド達も悩んでいる。カンカンガク ガク議論している。
 島津さんとみちおの出した結論は、天気が悪かったらあきらめよう!だった。今回、2人しかいない。3人ならともかく、悪天時に危険を侵して無理してクレ パスのある氷河を降り、かつ疲れた体で夜通し車を運転する危険をとるよりは、高いお金であとの飛行機に乗ろう。留守本部への連絡は無線のおねえちゃんにお 願いしよう。

 結論が出ると気分が楽になった。あとは天候次第だ。夜、満天の星空。これは期待ができるぞ!
 晴れますように。おやすみなさい。


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