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「2004年カナダロジャースパス」
[2日目]

12月26日(日):キャンモアからロジャースパスへ

 このホテルは、コンチネンタルブレックファーストが無料だ。コンチネンタルブレックファーストとは、ベーグル、マフィン、シリアル、フルーツ、コー ヒー、ジュース等、温かい食べ物のない簡易朝食を指す。
 小さめの部屋にそれらが並べられてあった。トースターもあり自分で温められる。う〜ん、すばらしい。どれもおいしそうだ。そして無料なのだ。紙皿にそれ らを自分で取る。つい多めにとってしまう。
 ベーグル、マフィン、シリアル、フルーツを食べる。おいしい。マフィンは、ちと、甘すぎるが。
 おなかいっぱい大満足だ。


コンチネンタルブレックファースト


みちおの朝食。マフィン、ベーグル、シリアル、りんご、オレンジ。


泊まったモーテル。キャンモアBest Western Hotel。
正面につけている白い車が、我々のレンタカー。



 8時すぎモーテルを出発。再び1号線を西に向かう。天気は雪。
 途中、国立公園のゲートがあった。そこで国立公園のパスを購入する。1回きりのパスと年間パス、さらにグループパスと個人パスがある。個人パス2つより グループパスの方が1ドル安い。が、島津さんが個人でまた来るかもしれないということで個人年間パスをそれぞれ購入した。
 時々、除雪車に追いつく。除雪車は、除雪してそして砂ジャリをその後にまく。なので、除雪車の後ろを走ると、小さなジャリがパチパチ飛んできて怖い。 ゆっくり追い抜いていく。
 ロッキー山脈を越えてさらに山道が続く。ここで再び時差が生じる。マイナス1時間。

 車を西に向かって順調に飛ばした。
 10時すぎ、車はゴールデンという町の20kmほど手前だ。後ろに1台の車がついていて気になっていた。峠を越えて下り坂だった。長い下りにそなえギア を1段 落とした。あれ?少し滑った? 目の前の路上にカラスが止まっていた。よけなくちゃ、とハンドルを左にちょっと切った。
 滑る!!
 テールが右にふられ、 あっという間に操舵不能になってしまった。左斜めになった状態で車はそのまま滑って行く。左側は谷底に落ちる崖だ。目の前に崖が見えた。瞬間的に頭の中 で、車が崖から落ちて転落していく状況がめぐった。
 や、や、やばい! あ”〜〜〜!!
 しかしなにもできなかった。車は、そのまま崖に向かって滑っていった。
 お、お、落ちる!!
 ガツン!となにかにぶつかった。すこし跳ね返り、すこし滑って車は停まった。。。。。。

 崖手前のコンクリート製ガードレールにぶつかったのだ。崖からの転落は免れ た。
 運転席から、ボンネットの先の方がひしゃげているのが見える。
 「やってしまった。。。」 という気持ちと、「助かった。。。」 という気持ちが交差する。対向車がなかったのが不幸中の幸いだ。いま対向車側に止まってい る。車を動かすことはできるようだ。車を右側に移動させ、道路わきに停車させた。
 はぁ。。。やってしまった。ハンドルに頭をつけて気持ちを落ち着かせようとするも、興奮状態。とりあえず、みちおも島津さんも体に異常はないようだ。
 車の左側に1台の車が停車した。先ほどからずっと後ろについてきた車だ。ウィンドウが開き、助手席の女性が声をかけてきた。
 「大丈夫ですか」
 「大丈夫です。」
 車はそのまま行ってしまった。
 あたりに静寂が訪れる。少し落ち着いたところで、車の外に出てみる。フロントバンパーがひしゃげている。エンジンにどのような影響があったのかはよくわ からない。車の下をのぞいてみる。なにか液体が垂れている。車を移動させてその液体をみてみる。オイルではないようだ。雪が融けただけだろうか?
 衝突した崖の方に行ってみる。高さ40cmほどのコンクリートのガードがあった。そこに衝突した。もしもう少し勢いがあったり、あるいは車高が高い車 だった場合には、そのコンクリートを乗り越えて、崖へ転落していただろう。まさに命拾いだ。

 とりあえず、ここから一番近い町へ向かうこととする。一番近いのは、ロジャースパスへ向かう側にあるゴールデンという町で、ここから約20kmもある。
 エンジンはとりあえず問題なく動いた。恐怖心から、すっごい緊張しながらトロトロと運転していく。ずっと凍った山道の下り坂だ。この20kmはものすご く長く感じた。
 ようやくゴールデンの町に着いた。まずはガソリンスタンドが見えたのでそこに入る。たまたまそこにたむろしていた若者2人が、壊れた車をみて近寄ってき た。
 「どうしたんだ」
 と声をかけてきた。事故ったことを説明する。若者がエンジンルームを開けた。ラジエターを支えているフレームまで折れ曲がっている が、どうやらラジエター自身は壊れていないようだ。ちょっとほっとする。

 日本とちがってこちらのガソリンスタンドは単純にガソリンを売るだけ&コンビニエンスストアであり、車のエンジニアはいない。よってガソリンスタンドで 車のチェックを受けることはできないのだ。
 ガソリンスタ ンドを出て車修理工場を捜す。1軒目。中にだれもいない。今日は日曜日だ。2軒目。人がいた。事情を説明するが、日曜日ということで断られてしまう。あき らめるしかない。
 車をレストランの駐車場に入れる。あらためて車を点検する。あれ? 左ウィンカーが点かない。ヘッドランプが点かない? これでは夜間走行はできない ぞ。
 とりあえずレストランに入り昼食をとる。ふう。暖かいコーヒーを飲んでやっと落ち着く。小海老サンドイッチを食べる。
 島津さんがレンタカー会社に電話をかけてくれた。事故の状況を話す。人身事故ではなく、また他の車を巻き込んでいない事故なので、車が動くならそのまま 乗っていてかまわないとのこと。警察への連絡も不要とのこと。ウィンカーとヘッドランプの問題はあるが、このまま乗っていくことにしよう。


事故後の車。写真ではあまり被害が目立たない。
まがったバンパー等を強引にもとに戻した。


昼食。小海老サンドイッチ。


 この先に町は少ない。ここゴールデンで必要な物を買い物することにした。
 まずは登山具屋へ入る。さすが山スキーの地域、小さいお店ながら山スキー関連の道具 が充実している。スキー用ヘルメットが多数並んでいる。買おうかなぁ。。。。が、これを探しにきたのではない。ガス缶だ。飛行機でガス缶は持ち込みができ ないので現地で購入するしかないのだ。
 念のために、EPI用とキャンピングガス用の2種類のガスヘッドを持ってきた。このお店ではEPI用のガス缶が売られていた。通常サイズのガス缶はな かった。ミニサイズのガス缶を購入した。今回は非常用なのでミニサイズで問題はない。

 次に行動食を求めて食料品店へ向かう。ところが大きなスーパーマーケットはおやすみだった。あれま。となりを見るとそこは大きな衣料品点だった。そう だ! ホットタブ用の水着を買おう!
 中に入り、ホットタブ用に水着、そしてホテルでリラックスするためにスエットのズボンを購入した。
 しかたがなく行動食は、近くのセブンイレブンにて購入した。セブンイレブンといってもガソリンスタンド併設のセブンイレブンで品数は豊富ではない。でも とりあえず行動食を手に入れた。

 ゴールデンの町を出て、緊張しながらトロトロとロジャースパスを目指した。
 16時すぎ、たいぶ薄暗くなり、やっとロジャースパスに到着した。疲れた〜〜。
 予約を入れている、Best Western グレイシャーパークロッジにチェックインする。
 荷物を部屋に運び込む。スキー板は部屋には持ち込むことはできない。裏口側にスキー板置き場がある。フロントでスキー立ての鍵をもらうのだが、とりあえ ずそのまま置いておこう。
 部屋には「スキーヤーのみなさまへ」 という注意書きが置かれていた。近くにいわゆるスキー場はない。ここでは、山スキーヤーがスキーヤーであり、そし て このホテルのメイン客なのだ。

 ちょっと休んだのち、すぐに隣にあるロジャースパスセンターへ行く。センターは17時で閉まってしまう。その前に行かなくては。
 センターは観光案内所兼登山届け所兼簡易ミュージアムだ。若いルークさんが対応してくれた。登山のためのルールをいろいろ説明してくれた。とても親切 だ。
 登山届けの出し方等を説明してくれた。登山届けには、ザックの色、車のナンバー、車の駐車場所等も書く欄がある。日本に比べて、遭難発生を想定した実に 実 用的な登山届けだ。また登山届けを出せば、遭難捜索救助費用は無料だという。下山したら下山報告を必ず行なう。もし17時を過ぎてセンターが閉まっていた ら登山届けの半券を専用ポストに入れればよい。次の朝、もしその半券もないようであれば遭難捜索が開始される。
 またロジャースパスには立ち入り許可が必要なエリアがある。国道の安全のためロケット弾による人工雪崩れを発生させる地域だ。その地域に立ち入るには、 登山届けとは別に入山許可証を得る必要がある。
 センター内には、ウェザーレポート、雪崩れレポートが掲示されている。雪崩れレポートが実に詳しい。雪層が示されていて、深さごとの雪質が細かくレポー トされている。そして雪崩れの発生しやすさが予報される。毎日更新される。

 夜、ホテル内のレストランで食事をする。薄暗いレストランでちょっと高級感。テーブル数は40ほどだろうか。しかし、お客さんは5〜6組程度しかいな い。
 高さ5mほどのとても大きなクリスマスツリー が飾られてあった。
 今日はパスタのバイキングにした。
 事故を起こしたものの無事だったことにビールで乾杯。地元のビールだ。おいしい。パスタもおいしい。


パスタバイキング


 今日はもうぐったりだ。おやすみなさい。
 でも事故の興奮がまだ残っていて、なかなか寝れなかった。



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