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[5日目]

12月27日(火):アイソレーテットコルを目指す。

 朝5時30分、起床。
 フリーズドライのリゾットを食べる。

 天気はくもり。
 南側のプレジデント(The President)へ向かう計画を考えていたが、小屋から見るプレジデント方面は天気が悪い。雲が低くたれこめてきている。おそらく氷河の中に入ると視 界が得られないだろう。さてどうするか。
 プレジデント方面はあきらめて、小屋のすぐ裏手より登るマウントマッカーサー(Mt.McArthur)方面へ向かうことにした。こちらの方が、現時点 では雲底が高そうだし、たとえ氷河にまで行けなくても、その手前の樹林帯を滑ることができる。


プレジデント方面の山。プレジデントはさらに奥になる。曇天のため見えない。
(パノラマ作成ソフトで2枚の写真を合成しました。つなぎめ、わからないでしょ。)

 7時50分、小屋を出発する。雪がぱらつく。
 小屋裏手の樹林帯を登っていく。すぐに急登になってしまった。かなりの急斜面、キックターンを頻繁にくりかえしながら登っていく。樹林の密度が濃い。し かも雪に隠れた倒木があちこちにあり、実に登りにくい。
 とてもつらい登りだ。
 樹林帯の中の急斜面を登っていると、ときどき雪の斜面が、バフッ!と音をたてて数m四方で動く。かなり雪崩が起きやすい状況のようだ。
 すごく不気味だ。


スタンレーミッチェル小屋を出発


樹林帯の中のラッセル


樹林帯の急斜面をぬけたところ
(この先、デジカメの調子が悪くなり、山の中の写真が撮れませんでした。。。。m(._.)m)

 樹林帯を抜け出る。ややガスっていて視界が悪い。
 それでもどうにか、遠くにアイソレイテッドコル(峠)(Isolated col,2,515m)が見える。その左手が氷河への入り口だ。そこへ向かって登っていく。
 広いオープンな谷の中を登っていく。谷をつめたところに、アイソレイテッドコルがある。
 ときどき、近くの斜面から、ドスッ!という鈍い音が聞こえる。斜面が少々滑り落ちる音だと思われる。雪崩の前兆。

 登っていく斜度が急になりかけたところで、弱層テストを実施する。
 雪面から30cmほどが新雪層。その下がザラメ層だった。
 柱をつくって手をかけてみると、、、
 あれま! びっくり!
 片手のちょっとした力で、ザラメ層の10cmほど下、すなわち雪面から40cmほどで、スパッときれいにおちてしまった。ほとんど力をかけずに落ちる。 過去、こんなに弱い弱層に出会ったことがない。びっくりだ。。

 さらに少し登ってみるが、斜度がさらに増し、雪崩の危険性がかなり大きいと判断。これ以上登るのは危険。そこから降りることにした。

 シールを外し滑降にかかる。いまいち、いい雪質ではない。あまり楽しめないまま、樹林帯まできてしまった。
 樹林帯の滑降は楽しめるかなと思っていたが、雪が少なく、かつ倒木が多いため、こちらも困難な滑降になってしまった。倒木の上に少ない雪がかぶっている と実に滑降しにくい。

 14時すこし前、小屋に帰還した。
 おつかれさまでした。


スタンレーミッチェル小屋


小屋へ無事帰還

 さて。
 小屋には立派な薪ストーブがある。昨日は疲れ切って点火しなかったが、今日は薪ストーブを点火しよう。
 置いてあったクズ木と新聞紙をストーブに入れて点火する。ところが新聞紙が湿気ていて、すぐに消えてしまう。
 だめじゃん!
 そこで数日前のカルガリーのホテルでもらった新聞を出す。乾いた新聞はさすがによく燃える。クズ木にも燃え移る。ちいさな薪から上手に入れていく。
 もう大丈夫だ。薪ストーブ、順調に燃えていく。

 うんうん、いいね〜〜! 薪ストーブ!
 日本の東北八幡平の山小屋にあった、壊れたちっぽけな薪ストーブなんか、比じゃない。しっかりとしたガタイで、煙突もちゃんと機能している。煙突へ空気 がきれいに流れるので、空気口を調整すれば、薪がいきおいよく燃えてくれる。薪をくべる口のフタに大きなガラス窓がついていて、燃える様子がよくわかる。
 バンバン燃やそう!
 ただし、薪の量を節約するために、あまり大きな炎はあがらないように調節をしていったけど。

 ストーブに手をかざす。温かい。背中はちょっと寒い。
 パチパチと燃える音。あがる炎。ストーブいじりは、あきがこない。
 薪ストーブのある家、建てたいなぁ。。。
 
 ストーブの上に、雪を入れたズンドウを置き、水をどんどん作っていく。楽だ。

 午後5時すぎ、外はもう真っ暗だ。今日も小屋は、我々2名だけかな。
 と思っていたら、人がやってきた。男性2名、女性1名の合計3名のパーティーが入って来た。おつかれさま〜!
 3人は、アメリカ人とカナダ人とのこと。今日、下の登山口から上がって来たとのこと。我々が2日間、すっごく苦労をしてあがってきたところを、1日であ がってきてしまったようだ。我々が作ったトレースを利用できたからだろう。そして3人とも荷物は小さめ。板はクロカン。登り用にクロカンにシールを付けて いる。これらも速さの要因だろう。

 3人が夕食を作り始めた。3人の今日の夕食は、なんと、ピザだ。大きな冷凍ピザBOXを2〜3個持って来ていた。キッチンにはオーブンがある。これで焼 けばおいしいピザのできあがりだ。
 しかし、オーブンは点火できなかった。
 「冬の間は安全確保のためオーブンは使えないようにしている」
 との注意書きが。。。
 そこで、薪ストーブの上でピザを焼き始めた。上に皿をかぶせる。おいしそうなピザの香りが、部屋に漂って来た。いいな〜。

 我々は、今日もカレーを食べることにした。おいしい。

 我々は1階の部屋。彼らは屋根裏部屋だ。
 今日も疲れたなぁ。
 おやすみなさい。


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