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脳腫瘍

  Q1:脳腫瘍とはどのようなものですか?
  Q2:脳腫瘍の種類と頻度はどうなっていますか?
  Q3:脳腫瘍の症状はどのようなものですか?
  Q4:脳腫瘍の診断はどのようにしますか?
  Q5:脳腫瘍の治療法はどうなっていますか?
  Q6:生存率はどのくらいなのですか?

Q1:脳腫瘍とはどのようなものですか?

A1:脳腫瘍とは、脳組織の中に異常細胞が増殖する腫瘍で、良性と悪性の2種類あります。さらにその細胞の形や性質により細かく分類されています。一般に、脳組織内に発生する腫瘍は悪性のことが多いのに対し、脳組織の外側に発生する腫瘍は良性の場合が多いのです。この他、脳腫瘍全体では、悪性と良性の数はほぼ半々です。
 脳腫瘍には、脳組織自体から発生する原発性脳腫瘍と、他の臓器のがんが脳へ転移してきた転移性脳腫瘍の2種類があります。脳腫瘍と言う場合は通常、原発性脳腫瘍を意味します。良性脳腫瘍には髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫の3種類があり、ほぼ治癒します。

Q2:脳腫瘍の種類と頻度はどうなっていますか?

A2:脳腫瘍は人口10万人に対して8〜10人程度と報告されています。好発年令は各腫瘍により異なりますが全脳腫瘍平均では50歳代がピークとなっています。脳腫瘍の種類と全脳腫瘍の頻度は、報告した学者や施設により異なります。第1位は神経膠腫の34%で、第2位は髄膜種の23%、第3位は下垂体腺腫の16%、第4位は神経鞘腫の9%と続きます。頭蓋咽頭腫は4.5%、胚細胞腫は2.3%、頭蓋内原発悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍等が注目されています。また小児期の腫瘍発生頻度では、脳腫瘍は頭蓋咽頭腫、胚細胞腫、髄芽腫等が多いと言われています。原発性脳腫瘍は40〜60歳代後に多くみられます。

Q3:脳腫瘍の症状はどのようなものですか?

A3:臨床症状としては、頭痛・はき気・嘔吐が3兆候といわれています。特に朝方に発生する頭痛が日増しに増強します。この他、痙攣発作、手足の運動麻痺、知覚障害、聴力障害、視力低下、視野狭窄、記憶力や判断力の障害、ぼけ、傾眠傾向、小脳失調障害などが出現することもあります。腫瘍のできた場所により症状が異なります。

Q4:脳腫瘍の診断はどのようにしますか?

A4:症状が脳梗塞と似ているので注意が必要です。脳腫瘍の診断には、画像診断が有効でCT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴像)などの検査を受けます。さらに、造影剤を入れて脳の血管を造影することによってより詳細な情報が得られます。

Q5:脳腫瘍の治療法はどうなっていますか?

A5:脳腫瘍の治療法は手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法があります。脳外科の手術法は顕微鏡を用いたマイクロサージェリーで、微細な血管や神経を保存しながら、脳腫瘍の病変を摘出します。定位的照射(サイバーナイフ、ガンマーナイフ)により放射線を多方向から狙って照射して副作用を少なくする方法も用いられています。手術で悪性腫瘍を全て摘出するのは困難なことが多いので、抗がん剤による化学療法や放射線療法を併用します。インターフェロンを投与して免疫力を高めることもあります。
 脳腫瘍のうち脳細胞から発生し、悪性度の高い神経膠芽腫(Glioblastoma)や神経膠腫(Astrocytoma)には、ほう素中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)を行うと、正常細胞を傷つけることなく腫瘍細胞のみが選択的に死滅させることができ、予後がよいようです。日本原子力研究所と京都大学原子炉実験所の2か所で治療が行われています。

Q6:生存率はどのくらいなのですか?

A6:脳腫瘍全体の5年生存率は75%を超えるようになりました。脳腫瘍全国集計調査報告によれば良性の脳腫瘍である髄膜種では93%、下垂体腺腫は96%、神経鞘腫は97%です。一方、神経膠腫全体では38%、最も悪性度の高い神経膠芽腫は6%、その次に悪性度の高い悪性星細胞腫は23%、星細胞腫が66%程度です。転移性脳腫瘍の5年生存率は13%にすぎません。