Topページへ 大腸がん
Q1: 大腸がんはどのような病気ですか?
Q2: 統計的に大腸がんはどのような特徴をもっていますか?
Q3: 大腸がんができやすい場所はどこですか?
Q4: 大腸がんの症状はどのようなものですか?
Q5: 大腸がんの診断はどのような手順で行いますか?
Q6: 大腸がんの治療はどのようにしますか?
Q7: 胃がんや大腸がんの診断や治療でなにか新しい進歩がありますか?
Q8: 大腸がんの予後(病気の見通し)はどうですか?
Q1:大腸がんはどのような病気ですか?
A1:大腸は長さ約1.8m、直径3〜5cmの管状構造で、小腸に近い部位から肛門側にかけて順番に、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸と呼びます。この部位にがんが発生した場合を大腸がんと呼びます。大腸がんには、ポリープ型からがん化する場合と粘膜から直接がんが発生してくる場合の2種類がありますが、後者はがんが粘膜から下に深く入り込み、進行が早いのでより危険ながんです。ポリープから大腸がんに移行していくものは少数派ですが、ポリープがんは内視鏡でポリープを切除することができます。
Q2:統計的に大腸がんはどのような特徴をもっていますか?
A2:1999年度の統計によると大腸がんの死亡者数は35,363人(結腸がん19,418人、直腸がん15,945人)でした。大腸がんは全がんの12.2%を占めています。大腸がんは発生する部位から、結腸がんと直腸がんに分かれますが、40歳代から発生し、50歳以降に罹患率が上昇します。この原因は食生活の欧米化によるものと考えられております。近年、大腸がんが著しく増加して今後、大腸がんは罹患率や死亡率で胃がんを追い抜くことになるでしょう。
Q3:大腸がんができやすい場所はどこですか?
A3:直腸が37.9%、S状結腸が34.3%、上行結腸が10.4%、横行結腸が7.0%、盲腸が5.9%、下行結腸が4.5%で、70%以上が直腸とS状結腸に集中しています。
Q4:大腸がんの症状はどのようなものですか?
A4:便秘と下痢、便に血液が付着、排便間隔の変化、細い便、腹部不快感、ガスによる痛み、残便感、体重減少、身体の疲れなどです。
Q5:大腸がんの診断はどのような手順で行いますか?
A5:医師は直腸を指診し、直腸にがんがあれば凹凸のある腫瘤を触知できます。触知できない結腸がんの場合は、便潜血反応を実施することにより便の中に含まれる微量な血液(100万分の1の量まで発見可能)を見つけることになります。陥凹型のがんでは便潜血反応が陰性のことが多いのでがんの発見が困難です。さらに、下部消化管造影検査(大腸レントゲン検査)や大腸内視鏡検査(大腸ファイバー)で直接、大腸の内側を見る検査を行うと正確に病変を確認できます。最終診断は切除して組織をとり病理検査によりがんかどうかを診断します。
Q6:大腸がんの治療はどのようにしますか?
A6:大腸がんの治療は一般的に、外科手術と化学療法(抗がん剤)で行います。また時に放射線療法が行われることもあります。外科手術の場合は腫瘍の切除術とリンパ節の切除を行います。がんが粘膜にとどまっている早期大腸がんの場合は内視鏡的粘膜切除術を行います。ある程度進行している場合には内視鏡を使った腹腔鏡下手術で対応できます。最近は肛門からメスを入れてがんとリンパ節を切除する局所切除術を行います。直腸の下部にがんができた場合には肛門括約筋を残す肛門括約筋温存術が実施されるようになり、人工肛門をつけなくても済む場合も多くなっております。
Q7:大腸がんの診断や治療でなにか新しい進歩がありますか?
A7:進行大腸がんの治療は、FOLFOX療法(フルオロウラシル・フォリン酸・オキサリプラチンの3剤を併用するがん化学療法)とFOLFRIR療法が主流となっている。2007年にベバシズマブ、2008年にセツキシマブが保険で使用できるようになり、大腸がんの治療は急速に進歩した。従来療法にベバシズマブ(商品名「アバスチン」)やセツキシマブを組み合わせることにより平均生存期間が3年近い生存が可能になり、2年近い延命効果が得られるようになった。ベバシズマブやセツキシマブは、分子標的薬と呼ばれ、従来のような抗がん剤のような副作用は少ないのが特徴です。レーザー光線を照射し胃や腸の細胞ががんかどうかを瞬時に判別できる新型内視鏡を、昭和大の工藤進英教授とオリンパス光学工業の研究チームが開発しました。新しい内視鏡では粘膜に傷をつけずにその場ですぐに診断がつき、早期のがんと分かれば、その場で内視鏡手術となり、診断し手術しても日帰りすることも可能となります。先端に組み込んだ特殊なレーザー顕微鏡でみると、正常な細胞は核や細胞壁が白っぽく映るのに対し、がん細胞は核が黒く映り、形も崩れているので鑑別できるとのことです。残念ながら、実用化には3年ほどかかる見通しとのことです。
Q8:大腸がんの予後(病気の見通し)はどうですか?
A8:大腸がんの分類にはDukes(デュークス)分類とステージ分類の2種類があります。いずれも、がんの大きさではなく、大腸の壁の中にがんがどの程度深く入っているか、および遠隔転移の有無によって進行度を規定します。Dukes(デュークス)分類で5年生存率をみますと、デュークス A (がんが大腸壁内にとどまるもの)では95%、デュークス B (がんが大腸壁を貫くがリンパ節転移のないもの)では80%、デュークス C (リンパ節転移のあるもの)では70%、デュークス D (腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの)では25%です。
ステージ分類による5年生存率は、0期(がんが粘膜にとどまるもの) 100%、I期(がんが大腸壁にとどまるもの) 97.1%、II期(がんが大腸壁を越えているが、隣接臓器におよんでいないもの) 95.1%、IIIa期(がんが隣接臓器に浸潤しているか、第1群のリンパ節転移のあるもの) 75.6%、IIIb期(がんが隣接臓器に浸潤しているか、第2群と第3群のリンパ節転移のあるもの) 62.1%、IV期(腹膜、肝、肺などへの遠隔転移のあるもの) 23.5%です。