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肝がん

  Q1: 肝がんはどのような病気ですか?
  Q2: 統計学的に肝がんはどのような特徴をもっていますか?
  Q3: 肝がんの原因は何ですか?
  Q4: 肝がんの症状はどのようなものですか?
  Q5: 肝がんの診断はどのようにしますか?
  Q6: 肝がんの治療法にはどのような方法がありますか?
  Q7: 生体肝移植はどのくらい実施されていますか?
  Q8: 肝がんを予防するための注意事項は何でしょうか?
  Q9: 肝がんの予後(病気の見通し)はどうですか?

Q1:肝がんはどのような病気ですか?

A1:肝がん(肝臓がんとも呼ばれます)は、男女とも50歳代以降に多くみられます。肝がんは肝硬変に合併して起こることが多い疾患です。急性ウイルス性肝炎から慢性ウイルス性肝炎、肝硬変へと移行した人では肝がんの発生率が高くなります。肝がんには肝細胞がんと胆管細胞がんの2種がありますが、95%は肝細胞がんです。

Q2:統計学的に肝がんはどのような特徴をもっていますか?

A2:肝がんは日本人に多く、死亡者数は1980年が13,968人、1985年が18,972人、1990年が24,233人、1995年が31,707人、1999年が33,816人、2000年が33,981人、2002年が34,637人(男性23,815人、女性10,822人)と著増しております。肝がんは全がんの11.6%を占めております。がん死をみると、男性では肺がん、胃がんに次いで死因の第3位、女性では第4位です。今後、増加傾向が続くと思われます。

Q3:肝がんの原因は何ですか?

A3:日本人の肝がんの90%はC型肝炎ウイルス(10%はB型肝炎ウイルス)の感染によっておこります。肝炎ウイルスに感染してから慢性肝炎、肝硬変を経て20〜30年で肝がんが発生します。B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの感染は戦後の売血制度や肺結核手術時の輸血が原因とみられております。

Q4:肝がんの症状はどのようなものですか?

A4:肝がんがかなり進行した患者さんでは、全身のだるさ、右上腹部痛、右上腹部のしこり、黄疸などがみられます。

Q5:肝がんの診断はどのようにしますか?

A5:肝がんの早期発見に有効な検査は腹部超音波検査です。肝がんが疑われる場合には、超音波検査、腹部血管造影検査、CT検査(ヘリカルCT検査)、MRIなどの画像で診断することが有効です。画像だけで診断がつかなければ、肝臓の一部を採取して、病理組織検査で確定診断をつけます。血液を採取して腫瘍マーカーであるα-フェトプロテイン(AFP)、PIVKA-II、CEAなどを調べるのも有効です。「医学用語集」を参考にして下さい。

Q6:肝がんの治療法にはどのような方法がありますか?

A6:早期発見、早期治療が基本です。肝臓がんを治療する場合には、がんの大きさ、がんの数、転移の有無などを調べ、さらに患者さんの肝機能がどの程度であるかを総合的に 判断して治療を行います。一般的に肝機能が正常に近い場合は外科的療法、肝機能障害がある場合は内科的局所療法を行います。内科的局所療法には凍結療法、温熱療法、 マイクロ波凝固療法、ラジオ波凝固療法、エタノール注入療法、経肝動脈塞栓療法(肝動脈血管にゼラチンスポンジや リピオドールを詰める)、肝動脈持続的注入療法(抗がん剤を注入)などがあります(がんの治療法を参照)。日本の肝移植では、生体肝移植が実施されています。

Q7:生体肝移植はどのくらい実施されていますか?

A7:日本では1989年に始まり、現在までのところ、1,700例以上が行われております。5年生存率は約77%です。生体肝移植は保険診療で行えるようになりました。1,000〜1,500万円かかりますが、3割負担で300万〜450円でできます。生体肝移植を実施しているのは、北大、東北大、信大、東大、名大、京大、大阪大、岡山大、九大の9施設です。

Q8:肝がんを予防するための注意事項は何でしょうか?

A7:たんぱく質、ビタミン、ミネラルの含まれたバランスのよい食事をとることが重要です。適正カロリーを心がけ、肥満を防止し、適度な運動をしましょう。3度の食事を規則正しくとりましょう。加工食品やインスタント食品をなるべく避けましょう。禁酒、禁煙しましょう。

Q9:肝がんの予後(病気の見通し)はどうですか?

A8:ステージ(病期)分類による5年生存率は、I期(がんが単発で2cm以下の場合) 69%、II期(がんが2cm以上または多発性の場合) 43%、III期(がんが2cm以上または多発性で第1群以上のリンパ節に転移のある場合) 35%、IVa期(肝臓の一葉以上を占拠する多発性がん) 18%、IVb期(遠隔転移のある場合) 0%です。(肝がんの病期分類はこちら