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プリオン病

  Q1:プリオン病とはどのような病気ですか?
  Q2:プリオン病の病原体はなんですか?
  Q3:プリオン病はどこで発生したのですか?
  Q4:プリオン病の潜伏期間はどのくらいですか?
  Q5:日本ではプリオン病はどのような状況になっておりますか?
  Q6:牛肉を食べると危険な部位はどこですか?
  Q7:輸入牛肉はどこからきているのですか?
  Q8:プリオン病の症状と診断はどうなっていますか?
  Q9:変異型プリオン病(変異ヤコブ病))患者はどのような特徴がありますか?
  Q10:プリオン病の治療法は何かありますか?

Q1:プリオン病とはどのような病気ですか?

A1:プリオン病は、ヒトの脳神経細胞が冒され、脳が隙間だらけのスポンジ状になり、進行性不眠、自律神経障害で無動無言状態となり死亡するまれな病気です。ウシでは狂牛病、BSE、ウシ伝達性海綿状脳症などと呼ばれております。もともとヒツジの伝染病でしたが、イギリスではヒツジの脳や肉骨粉をウシの飼料に使ったためウシに感染し、さらに狂牛病のウシをヒトが食べたためヒトに発病すると考えられています。すなわち、ヒツジ、ウシ、ヒトへと種の壁を超えて伝播する病気です。ウシの場合は狂牛病、ヒツジではスクレイピー、人間ではプリオン病とかクロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれております。

Q2:プリオン病の病原体はなんですか?

A2:正常型プリオンタンパク質が異常型プリオンタンパク質となり、これが病原体と考えられています。これを食べると体内、特に脳脊髄で増えて、脳や脊髄がスポンジ状になります。 この他、わが国でも脳外科の手術時に外国から輸入されたクロイツフェルト・ヤコブ病患者の硬膜を移植された患者にプリオン病が多発し(2003年で100人以上)、この場合は、感染から発病までの潜伏期間は5〜15年です。

Q3:プリオン病はどこで発生したのですか?

A3:1732年に英国でヒツジのスクレイピーの発生が報告されました。1921年には英国でクロイツフェルト・ヤコブ病が報告され、100万人に1人の割合で発生します。1981年には日本でヒツジのスクレイピーが発生しました。1986年には英国で狂牛病が発生し、1992年には狂牛病がピークとなり、牛37000頭が狂牛病になりました。感染の発生地である英国では、これまで約16万頭が感染し、英国以外でも、欧州を中心に約400万頭の感染が報告されております。1996年にはEU委員会が英国からの牛肉を輸入禁止にしました。1996年3月には、イギリス政府が、牛の病気である狂牛病が人間に感染する可能性があると発表しました。

Q4:プリオン病の潜伏期間はどのくらいですか?

A4:プリオン病の潜伏期間は通常、1年と考えられています。狂牛病の潜伏期間は2〜8年と考えられています。2003年9月に茨城県の食肉処理場で8頭目に当たる2歳以下の感染牛が発見されました。発症するのは2歳以上とされております。

Q5:日本ではプリオン病はどのような状況になっておりますか?

A5:欧州から大量の牛の肉骨粉が輸入され牛の飼料に使われていたため、「日本は感染防止体制も極めて不十分で国内牛が感染する可能性が大である」としてEUから警告されておりました。EUの警告を無視したその3か月後の2001年に日本でも狂牛病が発生し、2004年2月には、日本国内で10頭目が発生しました。厚生労働省は2004年1月に、狂牛病の発生国の牛の背骨を原材料とする医薬品の使用を禁止しました。

Q6:牛肉を食べると危険な部位はどこですか?

A6:WHOが、脳、脊髄、眼、回腸遠位部、扁桃腺、頭蓋、脊柱などを特定危険部位に指定しているので、食肉処理場では除去しております。

Q7:輸入牛肉はどこからきているのですか?

A7:アメリカからの牛肉輸入量は、全輸入量の50%を超えていましたが、2003年12月23日にアメリカのワシントンン州で狂牛病の牛1頭が発見されたため、輸入を全面停止しました。米国からの牛肉や牛肉加工品、生きた牛などが輸入停止になったため、牛丼などの食材が欠乏しております。現在、オーストラリアなどから牛肉を輸入しておりますが、絶対量は不足しております。

Q8:プリオン病の症状と診断はどうなっていますか?

A8:症状としては痴呆、ミオクローヌス、小脳失調、眼振、構音障害、下肢異常感覚、自律神経障害、睡眠障害などが見られ、発病すると2年以内に90%が死亡します。病歴や症状から診断がつきますが、最近では異常プリン蛋白を髄液中から高感度に検出することができるとの報告もされております。

Q9:変異型プリオン病(変異ヤコブ病))患者はどのような特徴がありますか?

A9:ヤコブ病の平均発症年齢は65歳と高齢であったのに対して、変異型プリオン病患者は18歳〜41歳と若いのが特徴です。また、発病してから死ぬまでの期間が従来型では平均4か月であったのに対し、変異型では1年と長いことが特徴です。
 厚生労働省は国内初の変異型プリオン病(変異ヤコブ病)が2005年2月4日、確認されたと発表しました。本邦初の患者は50代の男性で、2004年12月に死亡しました。牛のBSEが猛威を振るっていた1989年に英国に1カ月程度の渡航歴がありましたが、輸血歴はなく英国滞在時に感染した可能性が高いとみられます。変異型プリオン病(変異ヤコブ病)は、BSEに感染した牛を食べて発症します。
 2004年6月現在、変異型ヤコブ病の患者は、世界で157人報告されており、このうち英国が147人、フランスが6人、アイルランド・イタリア・米国・カナダが各1人の発症例が報告されています。フランスとイタリア人を除き、英国滞在歴があります。日本国内では、毎年100人前後の患者が出ていますが、変異型の発生報告はこれまでありませんでした。

Q10:プリオン病の治療法は何かありますか?

A10:根本的な治療法がないのが現状です。正常型プリオン蛋白が異常プリオン蛋白に変換するのを阻止する治療薬が開発されております。抗精神病薬のクロールプロマジンや抗マラリア薬であるキナクリンが治療薬として注目されております。