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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

  Q1:睡眠時無呼吸症候群は何のことですか?
  Q2:睡眠時無呼吸症候群の患者さんはどのくらいいますか?
  Q3:睡眠時無呼吸症候群の症状はどのようなものですか?
  Q4:睡眠時無呼吸症候群の種類にはどのようなものがありますか?
  Q5:睡眠時無呼吸症候群の検査法による診断はどのように行いますか?
  Q6:睡眠時無呼吸症候群の治療法はどのようにしますか?
  Q7:持続陽圧呼吸療法(CPAP)の健康保険の適応基準はどのようにして決めますか?
  Q8:睡眠時無呼吸症候群を予防するための注意事項は何でしょうか?
  Q9:睡眠時無呼吸症候群による睡眠が絡んで起きた事故にはどのようなものがありますか?
 (睡眠時無呼吸症候群の診断基準はこちら

Q1:睡眠時無呼吸症候群は何のことですか?

A1:睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、毎晩大きないびきをかく人の中で、息がとまった状態が断続的にくり返される場合を言います。健康と思われる成人の中でも多数潜在しています。呼吸が10秒以上止まっている場合を無呼吸と言います。この無呼吸が一晩(7時間)に30回以上、あるいは1時間当たり5回以上ある状態を睡眠時無呼吸症候群(SAS)と言います。

Q2:睡眠時無呼吸症候群の患者さんはどのくらいいますか?

A2:日本の人口の約1〜2%睡眠時無呼吸症候群の患者さんいるといわれておりますので、日本全国では約200万人と推定されております。95〜100kgの肥満の人に多く見られます。

Q3:睡眠時無呼吸症候群の症状はどのようなものですか?

A3:もっとも多い症状はいびきです。次に多いのは昼間の眠気です。無呼吸で深い睡眠がとれないため、日中の眠気による交通事故、労働災害、仕事や学業の能率の低下などが起り、重大な社会問題を引き起す可能性があります。また酸素不足のため循環機能に負担をかけ、不整脈、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、高血圧、心不全、糖尿病といった様々な病気をおこしたり、悪化させたりします。一般の人に比べ高血圧症には3倍、急性心筋梗塞には6倍、脳梗塞には10倍なりやすいといわれています。

Q4:睡眠時無呼吸症候群の種類にはどのようなものがありますか?

A4:睡眠時無呼吸症候群に「閉塞型」と「中枢型」の2種類があります。大多数が「閉塞型」で、上気道が閉塞し、口や鼻からの呼吸が停止し、無呼吸になるタイプです。病因としては、肥満などによる扁桃肥大や舌根の沈下によって上気道の閉鎖がおこるのが無呼吸の主な原因です。いびきは、無呼吸中は起こりませんが、呼吸が再開する時に大きないびきが起こります。
「中枢型」では呼吸中枢の機能が低下するために、呼吸筋の運動が停止して無呼吸を起こす場合をいいますが頻度は少ないのです。

Q5:睡眠時無呼吸症候群の検査法による診断はどのように行いますか?

A5:睡眠時無呼吸症候群の検査法には3種類あります。
1つ目はエプワース眠気尺度を使って8項目について質問に答えることにより自己診断することができます。
 8項目についてそれぞれ  0:眠ってしまうことはない、 1:時に眠ってしまう(軽度) 、 2:しばしば眠ってしまう(中等度) 、 3:ほとんど眠ってしまう(高度)という4段階の評価です。8項目で15点以上は異常、11点以上あればやや異常ということで、睡眠時無呼吸症候群が疑われますので専門医の診断を受けましよう。8項目の内容は次のとおりです。
 1)座位で読書中、                      0, 1, 2, 3
 2)テレビを見ている時、                   0, 1, 2, 3
 3)会議、劇場などで積極的に発言などをせずに座っている時、  0, 1, 2, 3
 4)乗客として 1時間続けて車に乗っている時、         0, 1, 2, 3
 5)午後に横になることがあるとすれば、その時、        0, 1, 2, 3
 6)座位で人と話をしている時、                0, 1, 2, 3
 7)アルコールを飲まずに昼食をとった後に、静かに座っている時、0, 1, 2, 3
 8)自動車を運転中に信号などにより数分間止まった時、     0, 1, 2, 3

2つ目は自宅で携帯型睡眠ポリグラフ法(通常、病院から借用する)を用い、無呼吸、酸素濃度を自分でスクリーニングする検査です。翌日、借りた病院に持参しコンピューターで解析すると、無呼吸回数、無呼吸指数、動脈血酸素飽和度などがわかり、睡眠時無呼吸症候群であるかないかがすぐ判定できます。

3つ目は、終夜睡眠ポリグラフ法で病院に一泊入院して検査をします。重症の睡眠時無呼吸症候群あるいは酸素濃度の低下が著明な患者さんが対象になります。臨床検査技師が夜中に泊り込んで検査をします。すなわち、脳波計、眼球運動、下顎の筋電図、鼻と口の呼吸、いびき音、心電図、胸、腹の動き、体位、足の筋電図などを総合的に測定し、この結果を見て医師が診断します。この検査により、睡眠時無呼吸症候群のタイプ(閉塞型、中枢型、混合型)や重症度を判定することができます。

Q6:睡眠時無呼吸症候群の治療法はどのようにしますか?

A6:閉塞型の睡眠時無呼吸症候群患者の治療は、対症療法として、経鼻的持続陽圧呼吸療法治療器を用いて持続陽圧呼吸療法(CPAP)、またはマウスピースを使用します。CPAP療法は睡眠時にプラスチックのマスクを装着し、送風装置で、空気を送り込むことによって閉塞した上気道を広げ、いびきや無呼吸を起こらなくします。この機器を継続して使用することによって睡眠時の無呼吸をなくし、酸素不足を解消し睡眠の質を向上させることができるので、患者さんは普通の日常生活を送ることができるようになります。この他、口蓋垂(いわゆるノドチンコ)が肥大している場合には、切除すると治ります。

Q7:持続陽圧呼吸療法(CPAP)の健康保険の適応基準はどのようにして決めますか?

A7:PSG(ポリソノグラフィ)で1時間あたり無呼吸低呼吸指数が20回以上の場合と簡易型AHI で1時間あたり無呼吸低呼吸指数が40回以上の場合には、健康保険で持続陽圧呼吸療法(CPAP)を借用することができます。日中の眠気が強く日常生活に支障をきたしている場合、頻回の睡眠時無呼吸が起り、睡眠が分断化されている場合、睡眠時無呼吸が原因となって、高血圧や虚血性心疾患などを合併している場合にも適用となります。

Q8:睡眠時無呼吸症候群を予防するための注意事項は何でしょうか?

A8:肥満の人は減量します。睡眠薬や飲酒は筋肉を弛緩させるのでやめましょう。横向きになって寝ましょう。アレルギー性鼻炎や鼻ポリープ、蓄膿症などの鼻づまりをおこす病気も治療しましょう。自分が睡眠時無呼吸症候群であるかもしれないと思われた方は、呼吸器内科を受診しましょう。

Q9:睡眠時無呼吸症候群による睡眠が絡んで起きた事故にはどのようなものがありますか?

A9:SAS(睡眠時無呼吸症候群)など睡眠の問題が絡んで起きたとされる主な事故
 ・米スリーマイル島原発事故(1979年)
 ・米スペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故(1986年)
 ・ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年)
 ・アラスカ沖タンカー座礁(1989年)
 ・客船「スター・プリンセス号」座礁(1995年)※
 ・JR山陽新幹線「ひかり126号」で居眠り運転(2003年2月26日)
  ※SASが原因と明確に認定されたもの