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結 核

  Q1:結核の問題点は何ですか?
  Q2:結核菌はどのような細菌ですか?
  Q3:結核を発症する危険因子を持つ人はどのような方ですか?
  Q4:結核はどのように進行するのでしょうか?
  Q5:結核にはどのように感染しますか?
  Q6:結核にかかり易いのはどんな人ですか?
  Q7:結核にはどのような種類がありますか?
  Q8:結核の症状には、どのようなものがありますか?
  Q9:最近の結核の特徴を教えて下さい。
  Q10:結核の診断はどのように行いますか?
  Q11: BCGとは何でしょうか?
  Q12:結核菌に「耐性」を作らせないためにはどのようにしますか?
  Q13:日本で1年間に新たに結核と診断された患者及び死亡者はどれくらいの数ですか?
  Q14:結核の治療法はどうなっていますか?
  Q15:DOTSとはなんですか ?
  Q16:結核を予防するための注意事項はなんでしょうか?

Q1:結核の問題点は何ですか?

A1:全世界の総人口の約3分の一が結核に感染しております。毎年900万人が発病し、200万人が死亡しております。近年、HIV感染者の増加により合併症として結核がまん延おります。結核、エイズ、マラリアを3大感染症と呼びます。この3つの疾患で毎年500万人が死亡しております。

Q2:結核菌はどのような細菌ですか?

A2:結核菌は長さ1〜4ミクロン、幅0.3〜0.6ミクロン(1ミクロンは1000分の1ミリ)の棒状の形をした細菌です。結核菌は、酸やアルカリに対する抵抗性が強いのです。しかし、紫外線には弱いので殺菌灯が感染防止に用いられております。

Q3:結核を発症する危険因子を持つ人はどのような方ですか?

A3:結核の発症危険因子を持つ人は 1) ツベルクリン反応陰性の若年者 2) アルコール常習者 3) 癌患者や大手術を受けた患者 4) 免疫不全状態患者(エイズ、ステロイド投与、化学療法患者、糖尿病) 5) 不規則な食生活をしている人 6) 慢性呼吸器疾患患者(塵肺・肺気腫・慢性気管支炎) 7) 高齢者などです。

Q4:結核はどのように進行するのでしょうか?

A4:結核菌が人の体に進入すると、病状は比較的ゆっくりと進みますが、さらに進行すると肺に浸潤し、空洞を形成します。空洞の中で結核菌は繁殖し、咳や痰の中にまじって菌が空気中に吐き出され、他人に感染させることになります。抵抗力のない乳幼児や高齢者が多量の結核菌を吸い込むと、短期間に重症化します。

Q5:結核にはどのように感染しますか?

A5:結核の感染様式は、空気感染です。排菌患者の咳やくしゃみによる飛沫中の結核菌を吸い込むことにより感染します。ですから結核は、結核患者のそばにいる人(家族や友人)にうつりやすいのです。特に大量に排菌する患者がいる場合は、周囲の人が感染する機会が増大するので注意が必要です。

Q6:結核にかかり易いのはどんな人ですか?

A6:免疫機能の低下している若年者や高齢者では結核の発病頻度がさらに高くなります。特に中高年者では、糖尿病、エイズ患者、白血病患者、術後患者、副腎皮質ステロイド剤投与患者、抗癌剤投与患者、腎透析患者などが結核に感染しやすいといわれております。

Q7:結核にはどのような種類がありますか?

A7:肺結核が一番知られており患者数も多いのですが、肺ばかりではなく胸膜、咽頭、腸、腎臓、脊椎、骨、脳、皮膚、リンパ節などほぼ全身の臓器を冒します。背椎骨に感染する場合を脊椎カリエス、腎臓に感染した場合を腎結核と呼びます。

Q8:結核の症状には、どのようなものがありますか?

A8:結核菌に感染し発病すると、初期は風邪に似たせき、たん、微熱、寝汗、だるさなどの症状がみられます。結核の初期症状は風邪にそっくりなので見過ごしがちです。病状が進行すると血痰、さらに進行すると、喀血(血を吐くこと)します。

Q9:最近の結核の特徴を教えて下さい。

A9:最近は老人保健施設、学校、事業所、病院などでの結核の集団感染が増加しております。高齢者人口の増加と共に、結核に高齢者の占める割合が大きくなっております。大都市では、ホームレスや不法滞在者の間で結核が高率に発見されております。

Q10:結核の診断はどのように行いますか?

A10:症状や胸部X線検査で結核が疑われる場合には、喀痰検査、ツベルクリン反応、赤沈、CRPの検査を実施します。喀痰検査では2〜3回続けて結核菌の塗抹検査や培養検査を行います。培養検査では結核菌が生えるのが4〜8週間と長いのが欠点です。遺伝子診断学の進歩により、結核菌のDNA診断が可能となり迅速に(4〜5時間位)診断できます。通常、喀痰あるいは胃液等を検体として塗抹検査、培養検査をします。

Q11:BCGとは何でしょうか?

A11:BCGは弱毒性の牛型結核菌で結核の重症化を防ぐためのワクチンです。ツベルクリン反応陰性の人にBCGを接種して、局所に軽い結核反応を起こさせます。BCGを接種した人に結核菌が浸入した場合は、結核菌に対する抵抗力を発揮します。このようにBCGは肺結核、結核性髄膜炎、粟粒結核などの進展を防止する作用があります。

Q12:結核菌に「耐性」を作らせないためにはどのようにしますか?

A12:「耐性」を作らせないためには完全に治るまで抗結核薬を飲みつづけることが必要です。1) 薬をきちんと服用する(飲んだり、飲まなかったりはすると耐性菌が出現)、2) 十分強い薬を複数組み合わせて結核菌を殺菌する治療です。

Q13:日本で1年間に新たに結核と診断された患者及び死亡者はどれくらいの数ですか?

A13:2002年には、新たに結核と診断され登録された患者数は32,828人(前年比 -2,661人)で、結核の死亡数は2,316人(前年比 -175人)です。先進国の中では、まだ高い状況にあります。

Q14:結核の治療法はどうなっていますか?

A14:結核の治療は抗結核薬で行います。現在は約10種類の有効な抗結核薬があるので、3〜4種類の薬を6〜9カ月間服用することで治すことができます。しかし、途中で中止すると、多剤耐性菌がでてきますので、結核と診断されたら、最後まで薬を飲みつづけましょう。

Q15:DOTSとはなんですか?

A15:WHO(世界保健機関)で考案した方式で「薬を患者には手渡さないで、毎日外来に通ってもらい、職員の目の前でのませる」もので、これをDOTS(Directly Observed Treatment, Short course)と呼びます。途上国では結核の標準的な治療方式となっております。これが次第に普及して大きな成果をあげております。

Q16:結核を予防するための注意事項はなんでしょうか?

A16:栄養、休養、睡眠を十分とり、基礎体力を維持しましょう。検診や健康チェックにより早期発見、早期治療が必要です。年1回の職場検診などでは胸部X線写真は必ず受けましょう。風邪のような症状が長く続いた場合は、専門医を受診しましょう。