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A型肝炎 |
Q1:A型肝炎ウイルスはどのようにして感染しますか?
A 1:A型肝炎ウイルス(HAV)は、経口感染によって伝播し、集団発生します。わが国では、A型肝炎は第二次世界大戦前後まで常在伝染病でしたが、上下水道などの衛生環境の改善や、衛生指導が十分に行われるようになって大規模な集団発生はみられなくなりました。しかし、発展途上国ではA型肝炎は、まだ常在伝染病として認識されています。また、わが国では、春先に多発する季節性があり、この時期に二枚貝(とくに生カキ)の摂食と関連していましたが、最近では感染経路不明のことも多くなりました。
Q2:A型肝炎の症状は?
A2:A型肝炎の症状は、発症初期の2〜3日続く38℃以上の発熱が最も特徴的で、その他に全身倦怠感、悪心嘔吐などの自覚症状も強く、黄疸もみられます。通常、意識障害(II度以上の肝性昏睡)、プロトロンビン時間(PT)40%以下を示す急性肝炎を劇症肝炎と呼び、救命率が低いですが、A型肝炎の劇症化の頻度はあまり高くはありません。
Q3:A型肝炎の診断は?
A3:A型肝炎の診断は、感染後血中に出現してくるHAV抗体や糞便中のHAV、あるいはHAV RNAの検出によってなされますが、通常の診断は、急性期から回復期にかけて血中に出現するIgM型HAV抗体を測定して行います。IgM型HAV抗体は、発症後1週目から出現し、3〜4週目に抗体価が最高となり、その後次第に低下し、発症3〜6ヵ月目に陰性化します。IgM型HAV抗体は、重症例ほど抗体価は高く、高値が持続します。
Q4:A型肝炎の一般検査所見は?
A4:約半数のA型肝炎患者で急性期の末梢血中に異型リンパ球の出現をみます。発症1〜2週目頃には血小板数の減少がみられます。肝機能検査では高度の血清transaminase (AST(GOT)、ALT(GPT))値の上昇、AlP、g-GTPなど胆道系酵素の軽度から中等度の上昇、およびTTT、ZTT値の上昇がみられ、とくに血清transaminase値が5,000 IUを超えるような急性ウイルス感染はA型肝炎に多いです。血中IgM値の上昇もA型肝炎に特徴的であり、急性期蛋白であるCRPも他のウイルス肝炎に比べて高値を示すことが多いです。また、腹部超音波検査では、急性期には肝腫大とともに脾腫をみる頻度が高いです。
Q5:A型肝炎の治療は?
A5:A型肝炎は自然治癒率の高い病気ですが、原則として急性期には入院して安静臥床を守らせます。肝機能の改善傾向、劇症化のないことなどを確認すれば、長期の入院の必要はありません。しかし、劇症肝炎が疑われる場合には、専門施設での全身管理を含めた集中治療が必要となります。
Q6:A型肝炎ウイルス感染の予防法は?
A6:g-グロブリン(ISG)やワクチンを用いての予防が行われています。とくにわが国で開発されたA型肝炎ワクチンは、抗体獲得率もきわめて優れています。国際化が進み、A型肝炎の高浸淫地域に渡航する機会も増え、生鮮食料品の輸入も増加している状況から、日本人が感染する可能性があるわけですから予防対策に心がけましょう。