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C型肝炎

  Q1:HCVはどのようにして感染しますか?
  Q2:HCVの感染率はどのくらいですか?
  Q3:HCV感染の経過はどのようになりますか?
  Q4:C型肝炎の症状はどのようなものですか?
  Q5:C型肝炎検査が必要なのはどのような場合ですか?
  Q6:HCV感染の診断はどのように行いますか?
  Q7:HCVの遺伝子型とは何ですか?
  Q8:C型肝炎のインターフェロン治療に対する反応性はどのようになりますか?
  Q9:現在のC型肝炎の治療法はどのように進歩しておりますか?
  Q10:C型肝炎の新しい治療法はありますか?
  Q11:インターフェロンやリパビリンの副作用にはどのようなものがありますか?
  Q12:インターフェロンが効かない場合はどのような薬を使いますか?

Q1:HCVはどのようにして感染しますか?

A1:感染源はウイルスを含有する血液、ないしは血液を含有する体液です。その感染経路としては、輸血や血液製剤などの使用、汚染された注射針を使用して麻薬や覚醒剤などの薬物乱用や入れ墨、医療従事者の針刺し事故、その他、性交感染、母子間感染などがあります。

Q2:HCVの感染率はどのくらいですか?

A2:以前は輸血や血液製剤からの感染が多かったですが、HCV抗体のスクリーニングの導入によって、感染の頻度は激減し、現在輸血後肝炎はほとんどみられなくなりました。性交による感染は、感染率としてはHIVやHBVほど高くはなく、とくに夫婦間感染はきわめて少なく、せいぜい数%であるといわれています。母子間感染は、1〜10%程度と考えられています。HBVに比べてウイルス量が少ないので、血液以外の体液を介して感染することはまれであると考えられています。
 C型肝炎ウイルスのキャリア率は、欧米で0.04〜0.5%、アジア・アフリカは0.6〜3.5%、台湾0.6〜0.9%、日本(全人口)1〜1.5%、日本の献血者0.56〜0.62%、日本の妊婦0.7〜1.0%です。C型肝炎ウイルスの感染経路は母子感染が5〜10%、非加熱血液製剤52%、血液透析が2〜3%、針刺し事故は1.5%です。日本人では69万人がキャリアと考えられています。

Q3:HCV感染の経過はどのようになりますか?

A3:HCVの初感染後、C型急性肝炎として発症します。発症後、一過性感染として治癒することは少なく、約60〜80%は慢性肝炎に移行します。散発性や薬物乱用によるものよりも、輸血後のほうが慢性化率は高いとされており、HCVを含有する大量の血液が体内に入ることや複数のウイルスが入るためと考えられています。C型慢性肝炎に移行後の自然治癒率は5%未満とまれであり、肝病変はゆっくりと進行し、やがて肝硬変に至り、さらには肝細胞癌に進展します。2005年における、C型肝炎による死亡数は、男性2,350人、女性2,505人です。

Q4:C型肝炎の症状はどのようなものですか?

A4:C型肝炎の自覚症状は他の急性肝炎と同様、黄疸、食欲不振、全身倦怠感、嘔気、頭痛、発熱などがみられますが、全般的にA型、B型急性肝炎に比べて、自覚症状が軽微です。まったく自覚症状がなく、不顕性感染のまま慢性肝炎として診断されるケースも約30%程度あります。C型慢性肝炎は、自覚症状を認めないことも多く、患者の約半数は健診や人間ドック、献血時、あるいは他の病気で診察中に偶然発見され、診断されることがあります。

Q5:C型肝炎検査が必要なのはどのような場合ですか?

A5:厚生労働省は2002年から「節目健診」という、40歳から5歳刻みに、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳にC型肝炎とB型肝炎の検査を推奨しております。「節目外検診」としては、1992年以前に輸血や臓器移植手術を受けた人、フィブリノゲン製剤の投与を受けた人、非加熱血液凝固因子製剤の投与を受けた人が対象となります。

Q6:HCV感染の診断はどのように行いますか?

A6:HCV感染の有無を知るスクリーニング検査として、第二あるいは第三世代HCV抗体が用いられます。しかし、HCV抗体は感染初期には検出されず、陽転までには数週間〜数ヵ月を要してしまいます。C型急性肝炎の診断は、IgM型HBC抗体測定系が開発されていませんので、早期診断はHCV RNAを測定します。HCVキャリアでは、ほぼ全例HCV抗体が検出されます。しかし、HCV抗体が陽性であってもHCV感染状態にあるとは限りません。なぜなら、HCV感染が終始しても長期間HCV抗体が残存するからです。HCV抗体陽性例のうち、HCVキャリアと既往の感染例とを鑑別する方法としてHCV抗体量があります。高力価陽性例はキャリアの可能性が高く、低力価陽性例は既往の感染例です。しかし、HCV抗体量が中等度でどちらとも判定できない場合は、HCV RNA検査によって鑑別診断を行わなければなりません。

Q7:HCVの遺伝子型とは何ですか?

A7:HCVは一本鎖RNAウイルスであり、複製過程での修復機構を欠いているため、遺伝子変異が高頻度にみられます。このような易変異性によってHCV遺伝子は多様化し、現在までに数多くの変異株が世界各地から分離、同定されています。これまでにわかっている範囲内でもHCVは約70種類もの遺伝子型(genotype)に分類できることが明らかにされています。そのため、HCVの遺伝子型についてさまざまな分類法があり、国際的に統一されつつあるのは、核酸配列の相同性から6つのグループ(HCV type)と、さらにそれぞれをいくつかのHCV サブタイプに細分する表記法です。世界の各地域によりその遺伝子型の頻度は異なっており、そのうちわが国では6種類(1a、1b、2a、2b、3a、3b)が存在すると考えられています。その割合は、遺伝子型の1aが1%、1bが70%を占め、2aが15%、2bが10%です。遺伝子型の3は報告はあるもののきわめてまれであり、遺伝子型の4、5、6の報告はありません。

Q8:C型肝炎のインターフェロン治療に対する反応性はどのようになりますか?

A8:慢性C型肝炎ではインターフェロン(IFN)治療の適応があると判断した場合には、血中ウイルス量とHCVの遺伝子型あるいは血清型を判定します。これによりある程度IFN治療の効果予測が可能となります。すなわちHCV RNA量が概ね100 KIU/ml以上の場合または遺伝子型が1bの場合は完全緩解率50%、1b以外では80から90%に及ぶとされています。

Q9:現在のC型肝炎の治療法はどのように進歩しておりますか?

A9:1992年にはIFN治療が開始、2001年よりIFNとリバビリン併用療法、2002年にはIFNの治療期間の撤廃、2003年にペグインターフェロン療法、2004年にペグインターフェロン+リハビリン療法が開始され、2006年にIFN-β、2008年にはIFN-αが保険適応になり急速な進歩をとげた。C型肝炎ウイルス陽性の慢性肝炎に対しては、ウイルスを排除するための根治療法としてインターフェロン(IFN)療法およびIFNと抗ウイルス薬のリバビリンを併用する強力な治療法があります。 インターフェロン(IFN)療法は、著しい進歩をとげ、週1回投与可能なペグインターフェロン(PegIFN)療法が導入されている。さらに月1回投与可能なアルブインターフェロン療法も実施されるようになりつつあります。これらのインターフェロン(IFN)療法の効果を大幅に高める抗ウイルス薬であるリバビリンを併用することにより、血中ウイルスを排除し治癒できるようになりました。  1b型の治療法として、ペグインターフェロンとリパビリンの併用6カ月療法が主流になっており、この組み合わせ療法により50%の完全緩解が得られております。  肝硬変の患者にペグインターフェロンとリパビリンを少量、長期投与し、肝癌を予防することもあります。

Q10:C型肝炎の新しい治療法はありますか?

A10:C型肝炎の新しい治療法として、ウイルス除去療法があります。 血液を静脈から対外ポンプで吸引し、特殊な濾過膜でウイルスをこし取る方法です。インターフェロン(IFN)療法は、週1回、1年間続け、最初の2週間のうちに1回2〜6時間のウイルス除去を最大5回行います。チアゾリド系化合物であるNitazoxanideを併用すると、ウイルス陰性化は30%増加する。

Q11:インターフェロンやリパビリンの副作用にはどのようなものがありますか?

A11:インターフェロンの副作用には発熱、食欲不振、倦怠感、脱毛、眼底出血、糖尿病の増悪、高血圧、心臓病の増悪、間質性肺炎、甲状腺機能異常、自己免疫性疾患の発病などがあります。またうつ状態が出現する場合があります。リパビリンの副作用としては貧血があります。その他まれに頭蓋内出血を起こすことがあります。

Q12:インターフェロンが効かない場合はどのような薬を使いますか?

A12: グリチルリチン製剤や胆汁酸製剤(ウルソデオキシコール酸)などの投与による治療および瀉血療法(血を抜き取ることで、過剰な鉄を排除すると肝機能が改善されます)なども行われています。