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糖尿病

  Q1: わが国には糖尿病患者はどのくらいおりますか?
  Q2: 糖尿病の原因は何ですか?
  Q3: 糖尿病は遺伝しますか?
  Q4: 糖尿病の種類にはどのようなものがありますか?
  Q5: 食後高血糖とはどのような状態をいいますか?
  Q6: 糖尿病の合併症とはどのようなものですか?
  Q7: 糖尿病の合併症を防ぐためにはどのようにすればよいですか?
  Q8: 糖尿病の症状はどのようなものですか?
  Q9: 75g経口ブドウ糖負荷試験とは何ですか?
  Q10: 糖尿病の検査による診断法を教えて下さい
  Q11: 糖尿病性昏睡にはどのようなものがありますか?
  Q12: 病院の糖尿病指導プログラムではどのようなことを教えてくれますか?
  Q13: 血糖自己測定器 (SMBG)はどのように使いますか?
  Q14: 糖尿病の治療法はどうなっていますか?
  Q15: 糖尿病に対しての運動療法の特徴と注意事項は何ですか?
  Q16: 糖尿病の死の四重奏とはなんのことですか?

Q1:わが国には糖尿病患者はどのくらいおりますか?

A1:わが国の患者数は700〜800万人と推定されております。この40年間に糖尿病患者は50倍に激増しました。

Q2:糖尿病の原因は何ですか?

A2:はっきりはわかっておりませんが、1型糖尿病ではウイルスの感染が考えられています。

Q3:糖尿病は遺伝しますか?

A3:1型糖尿病では、優性遺伝ないしは多因性遺伝、2型糖尿病では複数の遺伝子による遺伝子型式が考えられています。

Q4:糖尿病の種類にはどのようなものがありますか?

A4:糖尿病は1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)と2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)の2種類に分類されます。
 1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)は若年者や子供に多く、膵臓のβ細胞が破壊されインスリンが欠乏した場合です。この病型では体外からインスリンを投与しなければなりません。
 2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)はインスリン分泌低下とインスリン抵抗性を示す場合です。日本人の糖尿病の大部分を占める病型で、加齢、肥満、食べ過ぎ、運動不足などの生活習慣の関与が大きいタイプです。2型糖尿病では、食事療法と運動療法が治療の基本となります。1型糖尿病や2型糖尿病の他には、膵外分泌疾患、内分泌疾患、肝疾患、薬剤、感染症、妊娠などでも糖尿病になります。

Q5:食後高血糖とはどのような状態をいいますか?

A5:空腹時血糖値が110mg/dl以上の場合は食後高血糖が考えられます。このような人は、糖尿病の予備軍が多いのです。運動不足や脂肪摂取量の増加などにより食後の血糖値が基準範囲を超えて高くなります。食後高血糖が高くなる原因はインスリンの働きが低下する、インスリンの分泌が遅く少ない場合です。このような人は食後2時間尿糖値やHbA1cを調べ、前者が陽性で、後者が5.6〜6.1%未満の場合は食後高血糖が考えられます。

Q6:糖尿病の合併症とはどのようなものですか?

A6:糖尿病のコントロールが悪いと合併症をおこしやすくなります。糖尿病の三大合併症と呼ばれているものには、1)糖尿病性網膜症、2)糖尿病性腎症、3)糖尿病性神経障害があり、いずれも慢性の合併症です。急性合併症には、低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、感染症があります。糖尿病性網膜症では、網膜出血、網膜剥離、硝子体混濁などが出現するので治療が困難となり、最悪の場合は失明に至ります。糖尿病の合併症により失明する人は年間約4000人にもなります。
 糖尿病性腎症では、腎臓の糸球体が障害され進行すると尿毒症になり人工透析をが必要になります。人工透析を受けなければならない人は年間約8000人にもなります。糖尿病性神経障害では、初期は手足のしびれの症状がでてきますが、さらに病気が進むと知覚神経以外の運動神経や自律神経障害もおこります。さらに進行すると、糖尿病性壊疽になり手足が腐って四肢を切断しなければならなくなります。糖尿病によるインポテンツも神経障害が関与しています。

Q7: 糖尿病の合併症を防ぐためにはどのようにすればよいですか?

A7:糖尿病の治療の基本は、食事療法、運動療法、薬物療法により血糖をコントロールすることです。食事療法としては、エネルギー量を計算し適量に減らします。バランスのよい食事を心がけ、脂質の取りすぎを防ぎましょう。運動療法としては、食後1〜2時間以内にウォーキングを週3〜5回、1回20〜30分間くらい行います。糖尿病と高血圧を合併すると、心筋梗塞や脳卒中を起こしやすくなりますので、収縮血圧を130mmHg未満、拡張期血圧を85mmHg未満になるよう治療を行います。高血圧を予防するために、食塩の摂取量を1日平均10グラム以下に保ちますが、できれば7グラム以下に抑えるようにしましょう。肥満のある人は減量し、タバコを吸う人は禁煙をします。またストレスを解消するような生活習慣を身につけましょう。

Q8:糖尿病の症状はどのようなものですか?

A8:1型糖尿病では、症状は急速にあらわれ、口渇、多尿、衰弱になり、感染、外傷、ストレスにより糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡をおこしやすいです。これに対し2型糖尿病では、症状は軽く、全く無症状の患者さんも多いのです。症状のある患者さんでは口渇、多尿、多飲、多食、全身の疲れ、肥満、体重減少などを訴えます。

Q9:75g経口ブドウ糖負荷試験とは何ですか?

A9:75gのブドウ糖液を飲む前と飲んでから30分、60分、90分、120分後に採血と採尿して、患者さんの血糖値と尿糖値を測定しそれをグラフに表し、糖尿病がどうかを判定します。

Q10:糖尿病の検査による診断法を教えて下さい

A10:日本糖尿病学会(1999年)の診断基準によると、食前血糖値が126mg/dl以上、食後血糖値が200mg/dl以上、HbA1c(ヘモグロビンA1c)が6.5%以上のいずれかの数値を示す場合は、糖尿病と診断します。通常、血糖検査の他に、HbA1cの検査を行います。HbA1cは1〜2カ月前の平均血糖値を示すもので、数カ月間にわたる糖尿病のコントロールの良否がわかります。 (糖尿病の診断基準の詳細はこちら

Q11:糖尿病性昏睡にはどのようなものがありますか?

A11:糖尿病性昏睡には高血糖をおこす、糖尿病性ケトアシドーシス性昏睡と高血糖高浸透圧性昏睡があります。この他、著しい低血糖の場合は低血糖性昏睡をおこしますが、頻度は高血糖性昏睡に比べ少ないのです。

Q12:病院の糖尿病指導プログラムではどのようなことを教えてくれますか?

A12:血糖自己測定の仕方、食事療法、インスリンの使い方、長続きする運動など大切な技術を教えます。

Q13:血糖自己測定器 (SMBG)はどのように使いますか?

A13:通常、食前と就寝時に血糖値を測ります。測定結果は毎回、記録用紙に記入し、診察時に持参して主治医にみせて下さい。

Q14:糖尿病の治療法はどうなっていますか?

A14:1型糖尿病の人は、インスリンが分泌できないため、注射によるインスリン投与が必須となります。2型糖尿病の人は食事療法と運動療法から始めます。これでコントロールできない場合には飲み薬かインスリン注射、またはその両方を使用します。飲み薬には、1)インスリンの分泌を促進するスルホニル尿素薬の第一世代であるトリブタマイド、アセトヘキサミド、第ニ世代のグリクラシド、グリペンクラミド、第三世代のグリメピド、フェニルアラニン誘導体系薬剤であるナテグリニド、2)糖の消化・吸収を遅くするα-グルコシダーゼ阻害薬のアカルボース、ボグリボース、ビグアナイト薬剤の塩酸メトホルミン、塩酸ブホルミン、3)インスリン抵抗性を改善するチアゾリジン系薬剤であるグリダゾンなどがあります。

Q15:糖尿病に対しての運動療法の特徴と注意事項は何ですか?

A15:糖尿病患者が運動すると血圧がコントロールでき、脂質の代謝が改善します。インスリン抵抗性糖尿病であっても、インスリンの働きが良くなります。運動療法はウォーキングから始めると良いでしょう。ウォーキング、ダンス、水泳、サイクリングなどの有酸素運動が適しております。運動の前後に血糖をチェックし、血糖のコントロールがうまくいっているか調べましょう。運動中は、水分を補給して脱水状態にならないようにしましょう。増殖性網膜症、血清クレアチニンが高値の腎症、自律神経障害のある場合、運動は禁止になります。

Q16:糖尿病の死の四重奏とはなんのことですか?

A16:インスリン抵抗性糖尿病に合併する内臓肥満、高インスリン血症(糖代謝障害)、高血圧、高中性脂肪血症の4つです。この状態では動脈硬化や心臓発作などの危険度が特に高いため、死の四重奏と呼ばれています。