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前立腺肥大症

  Q1:前立腺肥大症はどのような病気ですか?
  Q2:前立腺肥大症の症状はどのようなものですか?
  Q3:前立腺肥大症は他のどのような病気と鑑別(区別)するのですか?
  Q4:前立腺肥大症の診断はどのようにしますか?
  Q5:前立腺肥大症の治療は必要ですか?
  Q6:前立腺肥大症の治療法はどのようなものがあるでしょうか?

Q1:前立腺肥大症はどのような病気ですか?

A1:前立腺は男性のみに存在し、精液をつくっている臓器です。高齢化に伴い前立腺が肥大し、50歳代の男性の約40〜50%、80歳以上の男性では80%を超える人が前立腺肥大症にかかっております。肥大した前立腺が尿道を圧迫して狭くするので、尿が出にくくなります。さらに進行すると、尿閉(尿が殆んど出なくなる状態となり、尿道にカテーテルを入れて強制排尿します。排尿に異常を感じたら、早めに泌尿器科専門医に相談しましょう。

Q2:前立腺肥大症の症状はどのようなものですか?

A2:尿の勢いがなくなる、尿が細くなる、排尿の回数が増える(頻尿)、夜中に何回もトイレに起きる(夜間頻尿)、排尿に時間がかかり尿が完全に出きらない、尿のきれが悪く残尿がある(残尿感)、おなかに力を入れないと排尿できないなどの症状がみられます。急に悪化すると尿が全くでない「急性尿閉」という緊急状態になることもあります。前立腺肥大症が悪化すると、腎臓機能障害も発生します。

Q3:前立腺肥大症は他のどのような病気と鑑別(区別)するのですか?

A3:前立腺癌でないことを確認します。50歳代以降の方は前立腺癌(癌の項目にありますので、ご覧下さい)の定期的なチェックが必要です。排尿に少しでも異常を感じたら、積極的に診察を受けることが大切です。

Q4:前立腺肥大症の診断はどのようにしますか?

A4:専門医は問診してから、直腸から指を入れて直腸壁ごしに前立腺指診を行い、大きさ・表面の固さと凹凸・形状・痛みの有無などを調べます。超音波検査では下腹部より超音波を当てて前立腺の肥大を見る方法と、直腸から超音波で、前立腺の大きさ・形・内部のようすを精密に調べる方法があります。また、超音波ガイド下経直腸前立腺生検(肛門から挿入した超音波プローブで前立腺を観察しながら6〜8ヶ所の前立腺組織を採取する)を実施して前立腺がんの有無を調べることができます。
 この他、尿道の先端から造影剤を入れて、尿道内部・膀胱の出口・前立腺の形状を調べたりします。さらに前立腺癌との鑑別のために血液中のPSA(前立腺癌では高値)という腫瘍マーカーを測定します。腎機能や尿所見に異常がないかも確認します。尿流測定(尿の勢いをみる検査)と残尿量を超音波検査で行います。

Q5:前立腺肥大症の治療は必要ですか?

A5:前立腺肥大症の初期は、治療不要です。最終段階の尿閉期になると尿意はあるのにオシッコが出ない状態になり、患者さんはパニックになります。Q6に示すような治療が必要になります。膀胱炎から腎盂炎、さらに腎不全や尿毒症になる人もいます。

Q6:前立腺肥大症の治療法はどのようなものがあるでしょうか?

A6:前立腺肥大症はあっても日常の排尿に不便を感じていなければ治療の必要はありません。治療法には薬物治療と手術があります。薬物治療としてはオキセンドロン(プロステチン)やカプロン酸ゲストノロン(デポスタット)の注射薬や酢酸クロルマジノン(プロスタール)やアリルエストレノール(パーセリン)などの内服薬を用います。
 手術には下記のような種々の方法があります。電気メスで前立腺を切除する経尿道的前立腺切除術(TURP)の他に、前立腺組織を加熱する方法としてレーザー針で前立腺組織内レーザー凝固法(ILCP)、肛門から超音波で加熱する焦点式超音波療法(HIFU)、ラジオ波針で加熱する経尿道的ニードルアブレーション法(TUNA)、経尿道的電気蒸発法(TUEVP)などがあります。
 最近のホルミウムレーザーによる治療法には、2種類あります.一つは、前立腺蒸散術(HoLAP)という方法で内視鏡を尿道から挿入し、レーザー照射で前立腺を部分的に切除します。手術時間も40〜50分で入院も3〜4日の短期間で済みます。
 もう一つは、ホルミウムレーザーによる前立腺核出術(HoLEP)という方法は、レーザーファイバーを前立腺の内部に挿入して照射し、前立腺をくり抜いて切除する方法です。手術時間は約60分ですが、数日間の入院が必要です。TURPに比べホルミウムレーザーによる治療法は、切除と止血が同時にできるので出血も少ないのが特徴です。本法は博愛会病院など一部の施設で実施されております。尿流率が5〜10ml/秒、残尿量が100ml以上の場合に手術も考慮し、尿流率が5ml/秒未満になると手術の適応となります。