Topページへ バンコマイシン耐性腸球菌感染症(VRE)
Q1:バンコマイシン耐性腸球菌はいつ頃発見されたのですか?
Q2:バンコマイシン耐性腸球菌は感染するとどうなるのですか?
Q3:バンコマイシン耐性腸球菌の検出状況はどのようになっていますか?
Q1:バンコマイシン耐性腸球菌はいつ頃発見されたのですか?
A1:バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin Resistant Enterococci, VRE)とは、バンコマイシン(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療に用いられる抗生物質)に対し、耐性を獲得した腸球菌のことです。1986年にヨーロッパで初めて発見されて以来、欧米ではVREによる院内感染が拡がりました。
VREが欧米で拡がった原因として、欧米ではバンコマイシンの使用の歴史が長く、またMRSA以外に肺炎球菌などの感染症にも、バンコマイシンが広く用いられてきたことが指摘されております。欧州ではバンコマイシンに類似したアボパルシンという抗生剤を飼料に添加した鶏やブタなどを食べた結果、それが人に広がったようです。我が国においても、1996年に初めて京都で尿路感染症の患者から検出されました。日本では1997年3月よりアボパルシンの使用が禁止されております。Q2:バンコマイシン耐性腸球菌は感染するとどうなるのですか?
A2:VREは、健康であれば発病しません。がん患者、臓器移植患者、白血球減少患者、手術後患者、高齢患者、透析患者、免疫力の低下している患者が感染すると、腹膜炎、尿路炎、心内膜炎、肺血症、髄膜炎、胆道感染症、カテーテル性敗血症などの重篤状態になり、発熱やショックなどの症状で、死亡することもあります。
VREに対しては、バンコマイシンだけではなく大多数の抗生剤が無効となるので、感染した患者さんを治すことができなくなります。日本ではアボパルシンを早めに禁止したこと、バンコマイシンの使用量が米国の約4分の1と少ないことも日本でVREの発生が少ない理由と考えられております。米国疾病対策センター(CDC)の調査では、米国の院内感染でVREが占める割合は89年の0.3%から97年の10.5%に増加したと報告しております。Q3:バンコマイシン耐性腸球菌の検出状況はどのようになっていますか?
A3:輸入鶏肉から国内患者に感染しております。汚染された食肉に触った手や台所用品から体に入り込みます。厚生労働省が、輸入鶏肉からVREの検出調査を行った結果では、1997年度に、タイ産鶏肉(14検体中3検体)およびフランス産鶏肉(6検体中3検体)から検出されております。1998度には、タイ産鶏肉(43検体中9検体)、フランス産鶏肉(4検体中2検体)、ブラジル産鶏肉(22検体中2検体)、1999年度には、タイ産鶏肉(49検体中6検体)からVREが検出されております。VREは加熱(70℃、1分)により死滅するので、鶏肉は十分に加熱調理してから食べましょう。
2002年3月〜4月に横浜と神戸の両検疫所で検査した豚肉97検体のうち1検体から、鶏肉197検体のうち3検体から高度耐性型のVREが見つかりました。日本でも2002年、北九州市内の病院で死者18人を含む35人の感染がみつかっております。