◎マイフェイバリット CASE:キャプテンパワー

今回はMIGのお気に入りを紹介したいと思います。

今から20年くらい昔、アメリカの子供向け特撮番組に「キャプテンパワー」という番組がありました。この番組、一見すると子供だましのちゃちな番組に見えるんですけど、物語のストーリーとか、背景にあるメッセージとかがものすごく深くてしかも重たいんです。とても子供向けとは思えないほど。

まあ、見た目は思いっきり子供だましのちゃちな映像だから、ほとんどの人がそんなことに気づきもしないでさらりと流してしまうんですけどね。だからこそ、あえてここでその素晴らしさについて語ってみたいと思います。

まず最初にハッキリ言っときますけど、この番組の大きなテーマは「人類愛」なんですね。

全てがそこに基づいて、さまざまな人間がさまざまな思いでさまざまな行動お起こす、という感じで話が展開されていきます。

そしてこの物語がすごいのは、ヒーローものなのでやはり悪の組織が人類征服を目論んで悪いことをしまくり、それにヒーローが立ち向かう勧善懲悪な話なんですけど、実は本当に悪い奴がいない、ということなんです。

簡単に話しの概要を説明すると・・・

今から何十年か未来の世界、そこは第3次世界大戦が勃発し地上は荒れ果て人類は存亡の危機に立たされていた。

そこへ2人の天才科学者が現れ、人類復興のために献身的な働きをする。

2人の科学者は大親友で、人類復興と恒久的平和の世界を作るために惜しみない努力をした。

だがしかし、2人の科学者はその方法論で大きく対立した。

人類の英知を元に自助努力によって人々を導き復興しようと考えるパワー博士。

それに真っ向から反論を唱えるドレット博士。彼は、第3次世界大戦を起こし地球を壊滅的状態に追いやった人類に、もはや主導権を握らせてはおけないと考え、絶対に間違いを犯さないコンピュータに人類を管理統制させるべきだと考えたのだ。

対立しながらも2人は、人類復興という共通の大きな目標のために精一杯の努力をした。だがある時、彼らのいた研究所で事故が起こった。それによりパワー博士は死亡し、ドレット博士は一命を取り留めたものの、体のほとんどを機械化せざるを得ずサイボーグとなった。そして、自ら作り上げたスーパーコンピュータ「バイオドレット」と一体となり、自らがバイオドレットとなった。

その結果、ドレット博士は肉体と、人としての心と、そして親友を失ったことによって、冷酷非情な人類の敵対者となった。

スーパーコンピュータ「バイオドレット」の計算では、もはや一刻の猶予もない。今行動を起こさねば人類は滅びてしまう。それを阻止するために、血も涙もない恐怖の機械軍団「ドレット軍団」を結成し、武装アンドロイドによって全人類支配のための侵略を開始した。天才科学者とスーパーコンピュータの作り出した機械軍団は強力無比で、人類は瞬く間にその力の前に屈していった。

そして、バイオドレットの野望に立ち向かう我らのヒーロー「キャプテンパワー」

彼はパワー博士の息子であり、父の遺志を受け継ぎ人類のために戦うのであった。

彼は迫り来る機械軍団の前に立ちはだかり胸に手を当て叫ぶ・・・「パワーオン」

その瞬間全身をまばゆい金色の光が包み、パワー博士の開発した究極のパワードスーツを装着し、悪の機械軍団に立ち向かう。

こうして、人類のヒーロー「キャプテンパワー」(とその仲間たち4人)と悪の機械軍団「バイオドレット」との長く激しい戦いが始まった。はたして、人類の未来やいかに!

というようなお話です。

いやー熱いね!

なんと言っても、悪の機械軍団の究極の目的が実は「人類の平和」だって言うんだからもう!

互いに目的は一緒なのに考え方の違いで対立し、血を流す戦いをしてお互いに傷つけあってるってのがまたなんとも物悲しい。

でも、ご安心を。ドレット軍団はちゃんと人をブチ殺すのでしっかり悪の軍団に見えるので、キャプテンパワーがとってもヒーローっぽく見えます。

え?、バイオドレットの目的が人類の平和なのになぜ人を殺すのかって?

そりゃあなた、最初に言ったでしょ? ドレット博士の考えは「第3次世界大戦を起こした人類に主導権は渡せない」って。要は、武力に頼る人間には容赦しないんです。つまり、ドレット軍団の邪魔をする武装して反抗する人間は容赦なくブチ殺すんです。

でも、非武装民間人は基本的に殺さず捕獲するんですよ! ここがバイオドレットのエライところ!

でも画面上では、恐ろしいアンドロイド軍団が攻めてきて、自警団の人たちを次々と殺して女子供を捕虜にしてさらっていく様に見える・・・

で、その捕虜の捕獲の仕方がまた面白い。ドレット軍団には幹部というか中ボスというか、2体の高性能戦闘アンドロイドがいるんですよ。1体は飛行能力を有し機動力に長けた「ソロン」。もう1体は重武装、重装甲の「ブラスター」。

この2体のアンドロイドが組んで、空と陸からの連携攻撃をするとそれはそれはもう凄まじく、キャプテンパワー率いるパワーチームでさえも危ないって言う優れもの!

ハッキリ言ってこの2体がメチャクチャカッコいい!

で、この2体のアンドロイドだけは何故か全身銀色のフルポリゴン3DCGなんですよ。

ちなみに、ブラスターのほうはゴリラみたいな感じで、ソロンのほうはというとこれがなんと、深夜番組の「ランク王国」に出てくる「ラルフ」そっくり。もちろん、もっと等身が高くてでかくて怖そうなデザインだけど、基本的にはそっくり。

絶対まねした、ランク王国のほうがね。

で、この2体のアンドロイドは、デジタイザーという装置を持っていて、これで人間をデジタイズすると、なぜか人間が粒子状に分解されて吸収されちゃうんです。でも、それは決して殺したわけじゃなくて、なんかよくわからん方法でどっか異次元みたいなそんな感じの所に分解されて保存されてるって事みたいです。バイオドレットが地球を支配し、理想の世界を作り上げたら再び再生して、バイオドレットの管理の元平和に暮らせるようにするみたいなんですよ。

やっぱ、熱い!

ただ非常に気になるのが、ソロンもブラスターも要は中ボスキャラみたいなもんだから、雑魚アンドロイドがキャプテンパワーにやられたら現れて、キャプテンパワーと愉快な仲間たちと死闘を繰り広げるんだけど、今さっき何人もの女子供をデジタイズして吸収しているソロンをボテクリコカして、はたして中の人たちは大丈夫なんだろうかと、とても心配である・・・

 

他にもいくつかこの物語の中には面白いものがあるんです。その一つがヒロイン!

このヒロインは物語り中盤から登場するんですよ。多分、殺伐とした絵面に花が足りないことに気がついて急遽投入されたんだろうけど・・・

で、このヒロインのデザインがまたすごい。キャプテンパワーのように金色にテカテカ輝く装甲服を着るんだけど、何故か頭部がヘルメットじゃなくてサングラス・・・なぜ?

おかげで、メッチャクチャがらが悪い・・・ヒロインなのに・・・

しかも、このヒロインは異例の経緯の持ち主。

なんと、もともとこのねーちゃんは、敵であるドレット軍団の一員だったのだ!

ドレット軍団はさらってきた子供たちの一部を教育して、ドレットの理想に忠実な若者たちで結成された「ドレット親衛隊」なる組織を作っていた。来るべき日に、おろかな人類を指導するための指導者とするために今から準備をしているというわけだ。

で、ヒロインはもともとこのドレット親衛隊だったわけだ。

いきさつは忘れたけど、とにかくドレットを裏切ってパワー方に寝返ったわけだ。

 

ただ残念な事に、この番組は物語の内容があまりにも濃すぎて普通の子供には理解できず、見た目がちゃちだった事も有りあまり人気が出なかったので、早々に放送が打ち切られちゃったんだな・・・

それと、敵のアンドロイドのソロンが、日本語吹き替した時に、何故かいっつもくだらない軽口たたいているお笑い担当みたいな扱いにされてたんだな・・・

英語版のほうを見てみたときは、ものすげー渋い声でドスを利かしてしゃべっててとってもカッコよかったのに・・・日本語スタッフ、なに余計な事してんだよ・・・

軽いノリにするんならそれで良いけど、それでつまんなきゃ意味ねーよ・・・

そういうセンスのない事してっから人気が出ねーんだよ!

 

それともう一つ、この物語の大筋の話って実は「キャシャーン」とほとんど同じなんです!

多分、アメリカ人がキャシャーンをパクッたらこうなった、という話ですよ・・・