◎アニメの気になる事 CASE:甲殻機動隊

深夜アニメの甲殻機動隊のちょっと前の話で非常に気になる事を言っていた。

サイトウさんが草薙少佐との馴れ初めの話をしていたときの事だ・・・

この二人の初めての出会いは、戦場で敵同士として出会ったそうだ。

それで斉藤さんと草薙少佐がスナイピング勝負で心理戦をする、って趣旨の話だったけど、対峙したときの斉藤さんの心の声の説明に非常に気になるものがあった・・・

 

草薙少佐の武装は「スナイパーのポジションにいながら、フルセンシングのオートマチックライフルをショートバレルにして、中距離時にサブマシンガンの代用とすることを前提としている」と言っていた。

なるほど、草薙少佐の持っている銃は、レーザー測遠装置付のコンピュータ制御射撃管制システム搭載で、長距離時の射撃性能を犠牲にして近距離から中距離までをカバー出来るようにアサルトライフル仕様にカスタムした連射機能付のオートマチックスナイパーライフルと言う事か・・・

だがその後、斉藤さんはとんでもない事を言っていた・・・

草薙少佐は、斉藤さんが撃った弾を手にしたライフルで撃ち落す・・・

なんですと! 近距離で発射したライフル弾を撃ち落すだと!!

画面で見る限りでは、両者の距離は約50メートル程度。

使用弾丸によって弾速は大きく変化するが、ここは今現在で一般的なライフル弾の308NATO弾で計算してみたい。

初速は約マッハ2.550mだと発射から着弾までは約0.06秒・・・

見てからでは間に合いそうもないので、きっと構えてから発射までの間に弾道の予測をして、相手の発砲と同時に発砲するのだろう・・・

ちなみに308にはマグナム弾もあり、そっちのほうはもっと弾速が速く、更に迎撃が困難になる。もしかしたら、未来世界ではもっと高性能な弾丸が使われているかもしれないので、現用兵器で計算すると言うのはかなり良心的な配慮だ。

それにしても物凄い技術力だ・・・

まあ、草薙少佐は戦闘のスペシャリストで全身儀体の完全サイボーグ、と言う事なので出来ない事はないのだろう。

そこである事に気付いた、たったの0.06秒以内にマッハ2.5で飛翔するライフル弾同士を空中衝突させられるのならば、わざわざ相手が発砲するのを待つ必要がない!

草薙少佐は捨て身でその身をさらけ出して射撃体勢で待ち構えていたのに対し、斉藤さんは柱の影に隠れてたので、斉藤さんが草薙少佐を撃つためには柱から身を乗り出し、銃を構え、草薙少佐に狙いを定めてから発砲しなければならない。

どんなに急いでやったとしても発砲するまでは1秒程度の時間を要するだろう。

そもそも、草薙少佐は銃の照準装置と自分の脳をコードで直結していたので、銃の照準装置を直接目でのぞかなくても狙いが定められるに違いない。精密射撃をするのに銃を腰だめに構えていた事からもそれが伺える。ならば、わざわざ危険を冒してその身を敵の前にさらけ出す必要ななく、物影に隠れて銃だけを出して撃てばいいのだ。

それなのに、わざわざ敵の前に全身をさらけ出しているというのは、自分自身が囮になって敵を誘い出そうとしていると考えるのが妥当だろう。もしかしたら、より高い精度での精密射撃をするために、わざと自分の目と銃の照準装置を離して3角測量をしてより精密な射撃をしようとして腰だめに銃を構えたのかもしれないが。

もしかしたら、全身サイボーグなので、脳核さえ無事なら何とかなるし、まだ仲間が何人もいるという勝算があって無茶な行動をしたのかもしれない。

と言う事は、誘いに乗った斉藤さんの体が柱から出た瞬間に撃ってしまえばいいのだ。

もし、殺したくないので急所を外して撃ちたいのならば、斉藤さんの肩とか銃本体とかを撃てばいいのだ。なんと言っても、たったの0.06秒以内に直径7.6mm程度のマッハ2.5で飛翔する目標物を迎撃できるのなら造作もないことだ。いや、むしろ弾丸よりもはるかに巨大でほぼ静止状態の斉藤さんやその銃を狙った方が確実に目的を達成できる。

なぜにわざわざ飛翔する弾丸を撃ち落すなどと言う、常識ではまず考えられない結論を導き出したのかがわからん・・・

生き死にという非常にシビアな状況下で、効率をまるっきり無視した、非論理的、非現実的、且つ合理性の欠片もない思考をするのか?

 

しかし、斉藤さんのわけのわからん妄想は更に続いてしまった・・・

斉藤さんの妄想では「草薙少佐は中距離の射撃プログラムをインストールしていないので、今現在衛星からプログラムをインストール中に違いない、ダウンロードが終わる前なら勝機がある・・・」って、なんで中距離?

お互いの距離は目測50m程度、これは銃器の世界では間違いなく近距離と定義される距離である。

もし仮に、中距離の射撃プログラムは近距離の弾道計算も兼ねているとしても、まずはじめに草薙少佐の武装を見て「中距離の射撃を前提とした武装だ」って自分で言ってたじゃん。なのに、切り捨てたはずの長距離の射撃プログラムだけインストールしていて、中距離の射撃プログラムをインストールしていないなんてあると思うのか?

斉藤さん、頭おかしいよ・・・もしかして、戦争状態の中でびくびくしながら人殺しのことを考えていると発狂する、というサイコな話だったのかもしれないが、それに気付くのは銃器のことを詳しく知っている極一部のマニアの中の、更にほんの一部の者しかいないわけで、ほとんどの視聴者は話がおかしいどころか何を言っているのか理解さえ出来ないぞ!

 

スナイパー同士の心理戦が話の趣旨だったので、かなり無理やり理屈を捏ね回していたが・・・

ここまでアホなことを堂々と言っているのは、正直、視聴者をバカにしているとしか思えない。

難しい専門用語を並べれば、なんもしらん視聴者は簡単に騙せると思ったのだろう。

もしかしたら、アニメ製作者がろくに知識もないのにミリタリーライクを気取ってアホな脚本を書いただけかもしれない・・・そっちのほうがありそうな話だな・・・

最初からマニアなファン層が多いとわかっているアニメで、ここまでマニアをなめた話をやられると正直不愉快だ・・・