◎アニメ批評 CASE:ブリーチ&セイント星矢

放映開始から早1年を迎えた、火曜の夜のゴールデンタイムのアニメ・・・

知らない人のために簡単に説明しておこう

 

主人公「黒崎イチゴ」はちょっとだけ変わった男子高校生

髪の毛が生まれつきオレンジ色で幽霊が見えてしまう体質の、ちょっと口数が少ないが実は熱血馬鹿

で、ある日彼は「ホロー」という人間の魂を食う悪霊に家族ごと襲われる

そこに現れた朽木ルキアと言う、ホローを退治する事を使命とする死神に救われるが、ルキアはホローの攻撃により戦闘不能へ

そこで彼女がとった行動は、自分の死神としての能力をイチゴへ与える事で、イチゴに代わりに戦ってもらうと言うもの

こうしてちょっとだけ変わった高校生黒崎イチゴは死神代行として、次々襲い来るホロー達からご近所の方々を守るために戦うオカルト戦士へと大変身

というのが物語り初期の設定

その後、原作マンガ連載のジャンプの経営方針にのっとり、薄利多売タイマンバトルモノとして、次から次へと襲いくる死神と戦うという筋肉マン型インフレ戦闘モノに大変身

なんでも、ルキアがイチゴに死神スキルを渡したのは死神の世界「ソールソサエティ」では重罪で、その懲罰を受けるために逮捕されててあっちの世界に連れ戻されたのをイチゴが追っかけて助け出そうと、数人の仲間を集めてアッチの世界へ殴りこみ、「ソールソサエティ」の秩序を守ろうとしている警護の死神たちを次々と襲って囚人強奪牢破り犯罪者集団としてタイマンバトルを展開する、という次の敵の能力を考えるのがマンドクサそうな展開へと変わって行った・・・

その敵の中でちょっと気になる能力の死神がいた・・・

ちょっと死神の能力について触れておこう

死神は「斬魄刀」という刀で相手と斬り合う、という前時代的な戦闘方法で戦う

だがこの斬魄刀、実に凄い武器で、死神ごとにその能力が違うというアイディア出しが先々不安になる凝った趣向で、持ち主の死神が気合を入れると変形して様々な付加能力が発動するというエンチャントウエポンなのだ

で、死神にも組織があり12の部隊で構成されそれぞれに隊長と副隊長がいて、こいつらは他の死神と比べて格段に強い、と言う設定

最初の頃は格下の死神と戦っていたけど、すぐに隊長クラスと戦い出すと言う物凄いインフレぶり・・・

それぞれ趣向を凝らしたエンチャントウエポンのオンパレードで見るものを飽きさせない展開なのだが、やはりと言うべきか中には「ハァ?」なモノがあったりする・・・

で、エンチャントな能力を発動させると大体のものが元の斬魄刀よりもでっかくなって強そうになるのだが、「砕蜂」という死神の斬魄刀はなんと元の大きさよりも小さくなり、針状の刀身を中指にはめると言う実にコンパクトなものに変形した

みんなでっかくなったら面白くないからこういうのがあってもいいよね

だがしかし、その特殊能力が実に不思議だった・・・

相手の体をこの針で突くとそこにチョウチョの印が付、再び同じところを突くと相手は確実に絶命する、と言うものだった・・・

えええっ、2回突かなきゃダメなの!!

戦闘中に激しく動き回りしかもこちらを明確な殺意を持って攻撃してくる敵の、文字通り針の先ほどのピンポイントに!!

元の刀は普通の日本刀で、刀身は80cm程度だろう

方や特殊能力発動後はどう見ても15cm程度のコンパクトなものに、しかも指にはめるから実際のリーチは5cmくらい・・・

どう考えても、元の刀で普通に斬った方が確実なんですけど・・・

別に特殊能力なくても、日本刀でも相手の急所を突けば一撃で倒せますけど、何故わざわざ極端にリーチを短くして、しかも相手にも「次はここを突きますよ」とわかるような印をつけてから極端に難しいピンポイント攻撃をしなけりゃならんの?

どう考えても攻撃力が落ちてますけど・・・

この人は隊長だからピンポイント攻撃も簡単に出来る程強いので問題はない、と思うのは早計すぎる

なぜならば、ピンポイント攻撃を簡単に出来るほどの能力差があるならば、日本刀でやったって同じ事だからだ!

何故わざわざ戦い辛くするのだろうか・・・

簡単に勝ったら面白くないからハンデキャップ?

でも、実際自分よりも強いやつと戦って負けてたしなぁ・・・

それともコイツはマゾ?

多分そうだ・・・

 

で、これと非常に似た現象を昔見たことがある・・・

それは同じジャンプで昔連載していた「セイント星矢」だ

簡単に言うと、登場するキャラクターと設定が違うだけでやってることはこの「ブリーチ」と大差ない

で、その中の「ゴールドセイント編」での事だ・・・

この物語に登場するのは、ギリシャ神話時代の神がかり的な能力を得た「セイント」と呼ばれる超人たちが、やはりそれぞれ個性的な能力でドツキ合うという単純なものだ

で、このセイントたちは星座の数だけ存在し、それぞれその星座の名を冠しその星座の形を模した「クロス」と呼ばれる鎧を纏って戦う

セイントたちには階級があり、下級セイントがブロンズセイント、中級がシルバーセイント、そしてそのセイントたちの頂点に立つ別格に強いセイントが横道12星座を冠したゴールドセイント

で、ある時、最下級セイントであるブロンズセイントの主人公星矢とその仲間達がこのゴールドセイントと戦う事となった

で、まあ星座の順番に戦っていくってモノだが、やはり個人ごとに特殊能力を持つこういう趣向を凝らしたものは、やはりネタが尽きるととんでもないものが出てきたりする・・・

それは蠍座のゴールドセイント「スコーピオン」・・・

彼の必殺技は、相手の体を自分が冠する蠍座の星の配置と同じように拳で突いていき、最後の一撃がα星のアンタレス(星の名前)でそれがちょうど心臓の位置にあり、そこを突かれた相手は絶命する、というもの・・・

この蠍座は、主に14の恒星で構成されている・・・

つまり、14回相手を殴らんと倒せん、という実にまどろっこしいもの・・・

なぜ?

やはり簡単に勝ったら面白くないからハンデキャップ?

最初にアンタレス突けよ!

しかし、流石はゴールドセイント、中には実に明快な必殺技を持っている方が居られる

それは蟹座の「キャンサー」のデスマスク・・・

名前がデスマスクという実に悪趣味なヒトだが、性格も悪趣味っぽいヒト・・・

しかし、性格が何でアレ戦いを生業としているヒトはまず強いかどうかが重要

その点この人は実に明快確実な必殺技をつかう

それは「セキシキメイカイ派」というもので、呪文を唱えると相手の魂をあの世へ送る、という実に直接的なもの

つまりは「ザキ」の呪文を唱えるのである・・・

つ、つえ〜〜! そう、これだよ、こうでなくっちゃ!

スコーピオン、キャンサーを見習え!

ちょっと変わったものでは水瓶座の「アクエリアス」

この人の特殊能力は絶対零度を作り出すという驚異的な能力!

絶対零度とは摂氏-273.15℃と言う超極低温の事で、宇宙空間においてはこれ以上の低温は存在していないと言うもの

と言うのは、物質を構成する原子は熱振動と呼ばれる現象で常に動いている

その動きが完全に停止した状態が絶対零度である

だがしかし、絶対零度は理論的なものであり、実際に熱量を持った物質は完全に熱振動を止める事は不可能とされているのである

そんな物理学の話はさておき、この絶対零度を作り出すというのはいわば不可能を可能にした奇跡であり、人間に限らず生物が絶対零度に近い温度まで冷凍されたら間違いなく絶命する

それもそうだが、そんなあり得ないほどの超超極低温なんか作られた日にゃその周辺は間違いなく氷河期となり、地球の自然環境が壊滅的に破壊され、地球の明日の天気が心配だ・・・間違いなく「デイ・アフター・トゥモロー」並みの天変地異の連続だろう・・・

 

その他にも、獅子座の「レオ」は、な、なんと“光速”で移動できるらしい!

光速とは、文字通り光の速度で約秒速30kmであり、宇宙空間ではこれ以上の速度は存在しない、と言うもの・・・

そして、物質が高速を出すと言うのは不可能とされている・・・

アインシュタインの相対性理論で行けば、物質が高速を出すと質量は無限大!

間違いなく特異点となりブラックホールが出来、何物であろうと縮退物質へと爆縮させられる・・・

こんな速度で殴られたら、例え相手が何者であろうと原形を残す事さえ困難であろう

パンチで殴ったとしても、弩級戦艦大和ですら一撃で轟沈させられる・・・

この人がその気になれば天体(地球)の形さえ変えることが出来る絶大なものだ

 

同じゴールドセイントと言うカテゴライズでどうしてこんなに能力差があるんだ?

方や、命を一瞬で消し去ったり、地球すらも破壊しかねない強大な能力の持ち主、神と呼んでも差し支えのないほどの能力者

方や14発も相手を殴って初めて相手をノックアウトさせられると言う程度のもの・・・

それと戦ったブロンズセイント達の能力は、明らかに比べるべくもない程低い・・・

一般人には及びもつかないほどの能力ではあるものの、ブロンズセイント達の能力はせいぜい「物凄いパンチ」か、手や足から「なんか痛い物」を出す程度・・・

スコーピオンはともかく、キャンサーやレオやアクエリアスなんかには絶対に勝てるはずがない

まあ、実際のところは自分で確かめてもらうとして、このときのお話は、なんか悪い人の策略でゴールドセイント達が立場上仕方なくブロンズセイント達と戦う羽目になった、というものだったから、きっと彼らはとりあえず戦うフリをしてブロンズセイント達に事態の収拾をしてもらうためにわざと負けた、と考えるのが妥当なところ・・・

セイントの世界は奥が深い・・・

 

まあ、セイント達の無茶苦茶さに比べれば、死神たちの能力差なんて微々たるもの

時代と共にネタもそれなりに考えるようになっていると言う事ですね