◎アニメ批評 CASE:クレイモア

20070531
春の番組改変に伴って始まった深夜アニメに「クレイモア」と言うのがある。
この原作漫画が結構すきだったりする。
アニメの方もまあまあの出来なので今期の新作のアニメの中では出来が良い方である。
で、このタイトルの「クレイモア」なのだが、これは主人公のクレアと言う少女達の所属している組織の劇中での俗称の事である。
で、その謂れと言うのは、彼女たちが常に携帯して背負っている武器の大剣の事である。
その剣が“クレイモア”という武器だから彼女たちもそう呼ばれる、と言う設定なのではあるが、ここで非常に気になる事がある・・・

このクレイモアと言う剣なのだが、劇中では非常に大振りの剣である。
で、クレイモアと呼ばれる彼女たちは全員女性なので、どちらかと言うと体は小柄な方であり、その小柄な体躯に身の丈と同じくらいの非常に大きな剣を背負う、と言うコントラストが特徴となってアピールポイントとしているのだが・・・
この“クレイモア”と言う名の武器は実在するのだ。
私の知る限りでは2種類ある。
1つは米軍が使用している設置型の対人小型爆弾である。
これは地雷のような用途で使用する武器なのだが、地雷との差は地中に埋めずに物影などに設置する地上で爆発させるタイプの爆弾なのである。
もう一つは、爆弾の名前の元ネタになった大昔のイギリスで考案された剣の一種の名前である。
そう、クレイモアと言う名の剣は実在したのだ。
だがしかし、漫画・アニメのように巨大な剣ではないのだ。
長さは大体
90cm程度で剣身はやや細身で片手でも使える軽めの剣なのである!
判りやすく言うと、日本刀より少し小さい位の大きさの剣なのである。
これは剣の世界では、間違いなく“中くらいの部類”に入る剣の種類なのであり、間違っても大剣ではない!
したがって漫画・アニメの中に登場する剣はクレイモアではない!
もし仮に劇中の剣を分類するならば間違いなく“ロングソード”と言う種類の剣になる。
そして、特に大振りな剣の事は“グレートソード”と呼ぶ。
とは言っても、これらの分類は後から付けられた区分であり、便宜上そう呼ぶ事もあると言うもので、通常はその剣の固有名詞で呼称する。
有名な剣の種類で言うと、カタナ、レイピア、グラディウス、シミターサーベル、バスタードソード、等等・・・
クレイモアと言うのは特定の種類の剣の名称であり、人間に例えるならば「ヤマト民族」を「琉球民族」と呼んでいるようなものであり、正確な呼称ではないし、ハッキリ言うと大きな間違いである。
「同じ日本人なんだから別に良いじゃん」と思う方も居られるかもしれないが、だったら最初から「日本人」という大まかな呼称をすれば良い訳で、わざわざ限定された種類のものに対する呼称をしなければいいのである。
つまり「クレイモア」という固有名詞を使うのではなく、只単に「ソード」若しくは「グレートソード」と言えば間違いはないのである。

一般人には馴染みのない変わった名称を使いたかった、という意図で実際とは食い違った名称をつけたのは非常に良く判る。
まあ、とは言っても、漫画・アニメの世界はどっか別次元の架空世界を舞台にした御伽噺なので厳密にこの世界と同じである必要はないし、劇中ではその大剣の事を「クレイモアと呼ぶ」ときっぱり言い切っているので、そういう世界の話なんだなぁ、と思えばいい事ではある。
しかし、私のように武器について造詣の深い人間には違和感バリバリの名称であるのは間違いない。
どんなものでもそうだが、実は結構細かく分類されているがそれについて専門知識を持たない者には区別できないどころかどうでも良いので区別する気すらない、と言うことは非常に多いのである。
余談ではあるが、先に例に挙げた日本刀の中にも実は何種類かあると言うのをご存知だろうか?
所謂「日本刀」として知られている剣は、大体今から
500年くらい昔から使われ始めた比較的新しい剣でやや小ぶりであり「カタナ」と言うのが正しい。
そしてそれ以前まで使われていたカタナよりも大振りの剣は「タチ」と呼ばれる。
これは其々のその当時の戦いの様相が違い、其々の必要に応じて変化した結果そうなったのである。
太刀は、大昔、合戦にまだ武将同士の一騎打ちがあった、優雅に戦をしていた時代に使用された武器である。
一騎打ちでは馬上で戦う事があったため、馬の上から相手と切り結ぶのには剣が長くないと届かないから大剣となったのだ。
その後、戦国時代辺りまで時代が下ると、戦はより実戦的なものになり、馬上で戦うのは落馬の危険があり危ないので馬から下りて侍同士が斬り合う様になったので、より取り扱いし易く日本人の体系に合わせ合理的に人間を斬り殺せる様に発展して刀となったのである。
大きな違いとしては、まあ、大きさが違うのだが、素人でも見た目上ハッキリ判る特徴としては、携帯している時に、刃の方を上にして帯に刺しているのが刀であり、刃を下にして帯と平行になるように紐で縛って帯からぶら下げているのが太刀である。
大雑把に言うと大体こんな感じなのだが・・・
まあ、興味のない人にはどうでもいい事だけどね・・・

そうそう(孟徳)、気になったので詳しく調べてみたら、実はクレイモアには大剣もあったと言うことが判ったなりよ・・・
しかし、やはり両手持ちの剣としては小ぶりで、軽くて素早く振り回す事を主眼にしており、決して大きくて重いわけではなかったとの事・・・
そして決定的な違いが発覚してしまった・・・
鍔は刀身の方に向かって反り返っており、その先端には4つのリングをつなげたクローバーの様な飾がついているのが特徴だと言う・・・
どうやら鍔の形が重要らしいのだが・・・

まあ、当初私が考えていたものよりかなり近付いたので良しとしよう・・・
ちなみに、私の考えていたものは、サーベルに非常に近い形の片手用の剣の事で、第2次世界大戦ごろまで使われていたらしい。

ちなみにこれ
http://www.armourclass.co.uk/Data/Gfx/Big%20ClaymoreClam.jpg

で、大剣の方がこれ

http://www.armor.com/images/sword100a.jpg

更に、爆弾がこれ、
M18A1・・・
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/c1/US_M18a1_claymore_mine.jpg

・・・ここまで形が違うものを同じクレイモアって読んでいるんだから、アニメ・漫画の中の剣が全然違う形しててもまるで問題ないね・・・
もしかしたら、形なんかどうでもいいや的な呼称の仕方されているからこの名前にしたのかもね♪
おお、納得だ!