変格活用動詞を極めよう!

 正格活用動詞の性質 

活用の種類で九種類に分けられる文語文法での動詞のうち。
ここでは、「変格活用」と呼ばれる四種類をレクチャーしよう(^^;
変格活用とは、前回の正格活用のように規則的な変化をしない活用のこと。
数が少ないのでまるまる覚えちゃおう。

 
 

ラ行変格活用

 まずは、活用表を見てみよう。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
あ り  あ  ら  り  り  る  れ  れ
下につく語  ず け り  。 と き ど も  !

 あれれ、四段活用とそっくりじゃん!と思った人も多いはず。
 だけど、よーく見てみると、大事なところが違うでしょ?
 そう肝心要の基本形、終止形が「あり」とi音にっているのだ。
 そもそも、動詞というのは「ウ段音で終わる」というのが
 ひとつの定義だったのだけど、このラ行変格活用だけは別。
 終止形が「り」で終わっていて、とても四段の仲間には入れられない。
 故に、
ラ行で活用する変わった活用という意味で
 ラ行変格活用
と言うのだ。
 変格活用というのは、正格活用のようにきちんとした決まりが無い
 活用のことを言う。
 それ故、数も少ない。覚えるが勝ち、だね(^^;
 

 

ラ行変格活用のツボ

 ラ行変格活用は、
  あり・をり・侍り・いまそかり
 の四つだけ。さっさと覚えちゃおう。
 「あり」は現代語の「ある」
 「をり」は「おる(いる}
 つまり、どちらも存在を表す動詞だ。
 「侍り」は「あり・をり」の丁寧語で
 「います」「あります」の意味。
 「いまそかり」は「あり・をり」の
 尊敬語で「いらっしゃる」と訳す。
 つまり、
ぜ〜んぶ存在を表す動詞
 たった四語、
 あり・をり・侍り・いまそかり〜
 これも呪文のように口ずさんでね!
 

 

ナ行変格活用

 まずは、活用表。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
死 ぬ  し  な  に  ぬ ぬ る ぬ れ  ね
下につく語  ず け り  。 と き ど も  !

 終止形までは四段活用みたいだけど、
 連体形・已然形は、下二段か上二段みたい、
 で、命令形はまた四段・・・・
 これじゃあ、名前が付けられない"o(>_<)o"と言うわけで、
 ナ行で活用する変わった活用としか言えず
 ナ行変格活用
と呼ばれているのが、この活用なのだ。
 

 

ナ行変格活用のツボ

 ナ変動詞はたったの二語。
 死ぬ・いぬ(去ぬ・往ぬ)だけ。
 「いぬ」には二つの漢字が
 当てられているが
 どちらもここからいなくなる、
 どこかに行ってしまう、という意味。
 「死ぬ」もこの世から居なくなる
 ということだし、
ナ変動詞は
 いなくなる動詞
だと覚えよう!
 活用表は、口で唱えて覚えてね(^-^)
 

 

カ行変格活用

 まずは、活用表。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
 来  ○  こ  き  く く る く れ こ(よ)
下につく語  ず け り  。 と き ど も  !

 もう、めちゃくちゃだ。規則性も何もない。
 これは、もちろん
カ行で活用する変わった活用としか呼べない
 カ行変格活用
だ。
 でも、現代語の「来る」とほぼ一緒なので、そんなに難しくない。
 語幹が「○」になってるのは、変化しない部分がないからだ。
 つまり、語幹と呼べるものは何もないよ〜と言う意味の「○」なのだ。
 命令形は「こ」だけのときも「こよ」の時もあるので「よ」を
 括弧書きにした。
 カ行変格活用で大切なのは、実は活用形によって読みが変わること。
 「来ず」「来て」「来。」「来よ」を、それぞれなんと読むか・・・?
 答えるためには、活用表を覚えて、活用形がわかんないとダメなんだよね(^-^;)
 

カ行変格活用のツボ

 カ行変格活用動詞は、
 「来(く)」だけ
 「出で来」とかいう
 複合動詞はあるけどね。
 現代語とほぼ一緒なので、
 そんなに苦労することはないが、
 こ・き・く・くる・くれ・こよ〜
 と、呪文のように唱えてね。
 
 

 
   ちなみに、隣の読み問題の答えは、
 「来(こ)ず」「来(き)て」
 「来(く)。」「来(こ)よ」
 いくつ読めた?
 
 

サ行変格活用

 まずは、活用表。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
 す  ○  せ  し  す す る す れ せ よ
下につく語  ず け り  。 と き ど も  !

 これも、めちゃくちゃ。やっぱり規則性がない。
 名前は、もちろん
サ行で活用する変わった活用としか呼べない
 サ行変格活用
だ。
 そしてやっぱり、現代語の「する」とほぼ一緒で、
 未然形はひとつになっててかえって易しいくらい。
 語幹もカ変と同じく、存在しないので「○」
 カ変とペアで覚えちゃったら、楽勝だね(^-^)
 

 

サ行変格活用のツボ

 サ行変格活用は「す・おはす」。
 「す」は「する」、
 「おはす」は「す」の尊敬語
 「なさる」である。
 それから「勉強す」や「死す」
 といった多数の複合語もある。
 これも、活用は唱えて覚えよう。
 

 
 総仕上げ 

動詞を極めよう!

 
  ■活用の種類が、まぎらわしい動詞              ■活用する行が、まぎらわしい動詞

  □見る:マ行上一段   見ゆ:ヤ行下二段          □射る・鋳る→ヤ行     □居る・率る→ワ行
  □聞く:カ行四段    聞こゆ:ヤ行下二段         □老ゆ・悔ゆ・報ゆ→ヤ行  □得・心得→ア行
  □死ぬ:ナ行変格    死す:サ行変格           □飢う・植う・据う→ワ行  □混ず→ザ行
  □居り:ラ行変格    居る:ワ行上一段          □出づ→ダ行
  □用ゐる:ワ行上一段  用ふ:ハ行上二段
  □来:カ行変格     来る:ラ行四段           □ア行・ワ行の四段活用はありません。
  □す:サ行変格     なす:サ行四段           □ア行上一段活用はありません。
  □飽く・借る・足る→四段(上二段ではない)         □ア行・ワ行の上二段活用はありません。
  □恨む→上二段(四段となるのは江戸時代以降)        □ザ行の上二段活用はありません。
  □旧る・恋ふ→上二段(四段と間違えやすい)
  □満つ→自動詞が四段(中世以降上二段も出てくる)
      他動詞が下二段