形容詞・形容動詞を極めよう!

 形容詞の性質 

形容詞とは、その名の通り「形容」する言葉。
様子や状態を表す言葉で、基本形が口語では「い」文語では「し」で終わる。
文語での活用の種類は二つだけ。元気に口ずさんで覚えてね!
 

 

形容詞の活用

 まずは、活用表を見てみよう。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
よ し  よ  く 
か ら
 く 
か り
 し 
 き 
か る
け れ
   
か れ
下につく語  は 
 ず
な る
け り
 。  と き
べ し
ど も  !

 これが形容詞の基本、「ク活用」の活用表。
 まずはしっかりこれを頭にたたき込もう。
 「く・く・し・き・チョン・けれ〜
  から・かり・チョン・かる・チョン・かれ〜」

 と唱えていた、今春定年退職なさった
 同僚の先生の声が聞こえてくるようだ(^^;
 (「チョン」というのは、存在しないって意味ね(^^;)
 私は
「く〜・から・く〜・かり・し〜・き〜・かる・けれ・かれ〜」
 の方が、性にあっててよく使ううんだけど(^^;
 どちらにしても、活用表を丸暗記しちゃうことがまずは大切。
 ところで、形容詞には、未然形・連用形・連体形が二つずつある。
 「活用を極めよう!」で書いたように、活用形には意味がある。
 だからこそ、同じ語なのに形が変わり用途が変わるのだ。
 しかし、同じ活用形ならば、意味的には形が変わる必要はない。
 だから、この形の違いには、意味以外の理由があるのだ。
 もったいぶらずに言ってしまうと、
 上の段の赤字の
「く・く・し・き」は、
 助動詞以外(用言・助詞・名詞など)に接続する形
で、
 下の段の青字の
「から・かり・かる」(通常カリ活用と呼ばれる)は
 助動詞に接続する形
なのだ。
 (ちなみに形容詞の已然形・命令形に接続する助動詞は存在しない)
 ・・・と言うわけで、二行併せて形容詞の活用。しっかり覚えてね!

 さてさて、形容詞にはもうひとつ活用の形がある。まずは活用表チェック。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
美 し うつく し く
しから
し く
しかり
 し 
し き
しかる
しけれ
   
しかれ
下につく語  は 
 ず
な る
け り
 。  と き
べ し
ど も  !

 上の表と比べてみれば、一目瞭然。
 さっき覚えた「ク活用」に「し」がついただけだ。
 ク活用をしっかり覚えて、終止形以外の活用語尾の上に「し」をつければ、
 シク活用はできあがり。  お手軽でしょ?(^^;

 

形容詞のツボ

 ☆形容詞の活用
 口語の形容詞の活用は
 一種類だけだったが、
 文語では二種類ある。
 右で勉強した
「ク活用」と
 「シク活用」

 このネーミングは活用の種類の
 見分け方の
 ヒントにもなっている。
 動詞「なる」をつけて
 連用形を作ってみよう

 清し→清なる\語尾が
 濃し→濃
なる/ になる=
          ク活用

 美し→美しくなる\語尾がしく
 激し→激しくなる/ になる=
          シク活用

 という法則が見えてくるよ!
 おまけに、連用形は、
 口語と文語の違いが無いので、
 とても確認しやすいよ。

 ☆形容詞(ク活用)の
        語幹の用法
 (シク活用は語幹の部分に
       終止形が入る)
 1 語幹のみで→感動を表す
  あら青葉若葉の日の光
  おお山からこぞうが
  飛んできた。

 2 語幹+さorみ→名詞を作る
  さも彼岸まで
  みをおさえたチョコレート

 3 語幹+の→
       連体修飾語を作る

  おもしろの花の都やな

 4 名詞+(を)+語幹+み
    →原因・理由をあらわす

  山をみ 〜山が深いので
  瀬をみ 〜瀬が早いので

 

 形容動詞の性質 

形容動詞も、その名の通り「形容」する言葉。
様子や状態を表す言葉で、基本形が口語では「だ」文語では「なり」「たり」で終わる。
文語での活用の種類は二つだけ。こちらも元気に口ずさもう!

 
 

形容動詞活用

 まずは、活用表。

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
あはれなり あはれ な ら な り
 に 
な り な る な れ な れ
下につく語  ず け り
な る
 。 と き ど も  !

 これが、「ナリ活用」と呼ばれるひとつめの形容動詞の活用。
 基本形が
「あはれなり」と「なり」で終わるから「ナリ活用」。単純なものです。
 おまけに、「な」を取っちゃえば、ほとんどラ変と一緒。
 単純じゃないのは、連用形だけだ。
 連用形には「に」という形があるのだけど、これまた用言に抱け接続する形。
 ただ、忘れがちで、テストで書き落とす人が必ず出ます。
 現代語でも「元気
登校する」とかって時に使う形だから、
 馴染み深い形ですよ〜忘れないでね!
 一方、もう一つの「タリ活用」は、

基本形 語 幹 未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形
堂々たり だうだう た ら た り
 と 
た り た る た れ た れ
下につく語  ず け り
な る
 。 と き ど も  !

 これまた基本形が「堂々たり」と「たり」で終わるから「タリ活用」
 「た」を取ったらラ変とほとんど同じ、というのも似たようなもの。
 唯一注意すべき用言に続く連用形は、「と」であります。
 やっぱり「彼は堂々
している」のように今でも使う形です。
 この連用形にだけ注意すれば、形容動詞は楽勝だね(^-^)

 
               

 
                              

 

形容動詞のツボ

 ☆形容動詞の語形と語例
 語幹(古語辞典の見出しの形)
 □■□なり あからさま・
  あはれ・いか・つれづれ
 ■□なり おろか・確か・
  のどか・遙か・ひそか
 やかなり あざやか・
  穏やか・華やか・まめやか
 らかなり 明らか・平らか・
  珍らか・安らか・柔らか
 □■なり 苦しげ・心細げ・
  はかなげ・をかしげ
 漢 語なり 艶・奇・急・
  切・優・希有・顕証・殊勝
 漢 語たり 淡々・堂々・
  荒涼・茫然・毅然・悠然
 注:形容動詞は、古語辞典では、
 「なり」・「たり」を省略した形、
 つまり語幹で載っている。

 ☆形容動詞の見つけ方
 1 こまやかなり 2 宮なり
 3 雪になり  4 毅然たり
 5 人たり
 右の五つの選択肢のうち、
 形容動詞は1と4で、あとの三つは、
 「なり」や「たり」という同じ音を
 持っていますが、
 形容動詞ではありません。
 形容動詞は形容詞と同じく、
 ものの性質や状態を表す単語なので、
 上に副詞「いと(とても)」を
 添えることができます

 「いとこまやかなり
  (とても細やかだ)」
 「いと毅然たり(とても
   毅然としている)」
 という具合です。
 それに対して、2・3・5は、
 上に「いと(とても)」を添えると、
 変な文になってしまいます。
 2と5は、名詞についている
 (接続している)
 「なり」「たり」なので、
 「断定の助動詞」

 (2宮である、5人である)、
 3は、そのまま現代語に訳せる
 (3雪になって、)ので
 ラ行四段動詞「なる」の連用形

 いうことになります。